• もっと見る

日本科学協会が"今"やっていること

お役立ち情報、楽しいイベントやおもしろい出来事などを紹介しています。是非、ご覧ください。


<< 2024年09月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
プロフィール

日本科学協会さんの画像
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
リンク集
https://blog.canpan.info/kagakukyokai/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kagakukyokai/index2_0.xml
先輩研究者のご紹介 城取 良樹さん [2024年08月26日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2022年度「シアノバクテリアの光合成生育に必須な新規機能未知遺伝子の機能解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京都立大学博士後期三年の城取良樹さんからのお話をお届けします。

<城取さんより>
 2022年度の研究助成をいただいておりました東京都立大学の城取良樹と申します。私はシアノバクテリアと呼ばれる光合成を行うバクテリアの研究を行っております(図1)。シアノバクテリアは酸素発生型の光合成を行い、植物が持つ葉緑体と共通祖先を持つと考えられています。シアノバクテリアの研究は光合成反応の基礎や進化を研究する上で非常に重要な意味を持っています。私はシアノバクテリアの光合成に関わる新規の機能未知遺伝子に着目し、その機能の解明を目指し研究しています。その中で、笹川科学研究助成への応募を指導教員から薦められ、採択いただきました。笹川科学研究助成は、募集要項にもあるように、自然科学分野を対象とし、他からの助成を受けづらい研究や大学院生を含む若手を対象とした助成になります。そのため、私のような基礎研究を行う大学院生でも応募可能な数少ない研究助成でした。採択された時は研究内容が評価されたことに大きな喜びを感じました。

図1.jpg
(図1)シアノバクテリアの培養の様子


 笹川科学研究助成は個人に対して助成が行われるため、指導教員などを介さず、自分自身で研究費の使い道を考える必要があり、大学院生の私にとってとても貴重な機会になりました。実際に私はいただいた研究費でタンパク質電気泳動用の泳動装置(図2)やウェスタンブロッティング用の抗体を購入しました。泳動装置はもともと所属研究室にもあったのですが泳動槽全体を冷やしながら使えるものがありませんでした。抗体も自分自身の研究を進めるために必要なものでした。一方で、泳動槽も抗体もどちらも安価ではない上、所属研究室の中で使用予定者が私しかいないという問題がありました。そんな中で笹川科学研究助成に採択され、自分自身の研究費でこれらの物品を購入することができ、研究をより進めることができました。

図2.jpg
(図2)購入した電気泳動装置を用いたタンパク質複合体の分離


 これから申請を考えている方へのメッセージと致しましては、特に大学院生の方は研究費を獲得し自分自身の裁量で研究費を使える機会は少ないと思いますので、積極的に応募することをお勧めします。また申請書を書くこと自体が自分自身の研究を見つめ直し、異分野の方に面白さを伝える練習にもなりますので、チャレンジしてみるべきだと私は思います。私のような基礎研究分野でも採択のチャンスがあり、若手や研究費の取りづらい研究にも可能性を見出すのが笹川科学研究助成の趣旨であり利点であります。是非挑戦してみてください。

<以上>


 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


※テキスト、画像等の無断転載・無断使用、複製、改変等は禁止いたします。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 11:18 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント