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先輩研究者のご紹介 雨坂 心人さん [2024年07月08日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2022年度「CSPを骨格とするオートクレーブ処理可能な抗体模倣分子の創生」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、京都府立大学 生命環境科学研究科の雨坂 心人さんからのお話をお届けします。

<雨坂さんより>
私の所属する生命構造化学研究室では、タンパク質を「知る」、「創る」、「活かす」をテーマに様々な研究を行っています。特にタンパク質を「創る」ことは、タンパク質を知るためのツールとしての利用や、創ったタンパク質を医療・産業応用することに繋がるため、研究室のコアとなっています。具体的には、ファージディスプレイ法や酵母表層ディスプレイ法を用いて、抗体や抗体ミメティックであるscFv、ナノボディ、モノボディを扱っています(図1)。

図1. 本研究室で扱う抗体や抗体ミメティック.jpeg
図1. 本研究室で扱う抗体や抗体ミメティック


私は、この抗体創出技術を活用して、今までにない有用な特徴を備えた新規抗体ミメティックの開発を行っています。その特徴が「100-120℃での加熱滅菌処理可能」という点です(PCT/JP2023/001741)。従来の抗体や抗体ミメティックは、加熱によって不可逆的に変性するため、加熱滅菌処理の導入が困難でした。そこで、高温にさらすと一時的には機能を失った変性構造になりますが、常温に戻すだけで機能を持った構造へと戻るCold Shock Protein(CSP)に着目し、CSPを骨格に新規抗体ミメティックを創出しました(図2)。この技術により、製造工程に加熱滅菌処理の導入が可能となり、高度な安全性の確保に繋がると考えています。

図2. CSPの優れたリフォールディング(構造復活)特性.jpg
図2. CSPの優れたリフォールディング(構造復活)特性


さらに、ヒトに対する免疫原性を考慮した加熱滅菌処理可能な抗体ミメティックの創出にも取り組んでいます。これにより、医療や産業の現場で安全かつ効率的に使用できる新たな抗体ミメティックの提供が期待されています。

笹川科学研究助成は、私の初めての助成でした。本助成に採択されたことは、研究を継続できる喜びを感じると共に、研究を認めてもらえたという自信にもなりました。研究費を確保する能力は、新たな研究を始めたり、研究を継続的に進めていくために必要であり、まだ研究申請を行ったことのない学生の皆様にも笹川科学研究助成にぜひ申請して経験を積んでいただきたいと思います。

私は、申請書を作成する際に先生方や先輩方に多大なるご協力いただき、そして日本科学協会の皆様にご支援いただき研究を行うことができました。皆様に深く感謝申し上げます。

<以上>


 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 10:06 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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