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先輩研究者のご紹介 大月 興春さん [2024年04月15日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2021年度「抗HIV薬の創製を目指す新規大環状ダフナン型ジテルペノイドの探索研究」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東邦大学薬学部助教の大月 興春さんからのお話をお届けします。

<大月さんより>
 ジンチョウゲはジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木で、春先にとても香りのよいピンク色の花を咲かせるのが特徴です。学名はDaphne odoraといい、属名のDaphneはギリシャ神話のダフネに由来し、odoraは「芳香がある」という意味があるそうです。また、和名「沈丁花」には香木である沈香と丁子の名前がそれぞれ含まれており、漢名の「瑞香」にも香りという字が含まれています。ジンチョウゲは名前の随所に香りを彷彿とさせる語が散りばめられていることからも、いかに香りがよい花を咲かせるということが想像できるのではないでしょうか。ジンチョウゲはとてもよい香りであることと花がとても可愛らしいことから日本のみなからず、欧米でも庭木として人気のある植物です。みなさんも春先に見かけたらぜひ香りとその可愛らしい花を楽しんでみてください。

写真ジンチョウゲ.JPG


 さて、ここまでジンチョウゲが観賞用の植物としてとても魅力的であることを伝えてきましたが、実はジンチョウゲは有毒植物としても知られています。毒と薬は紙一重とよく言いますが、ジンチョウゲは中国伝統医学において根や葉、花など様々な部位が薬用され、痛みや皮膚病の治療に用いられてきました。私はこのジンチョウゲに含まれるダフナン型ジテルペノイドという成分に関する研究を行っています。ダフナン型ジテルペノイドはジンチョウゲ科やトウダイグサ科植物に含まれる成分で、これまでに多くの化合物が単離されています。中には強い毒性を示す化合物もあれば、抗がんや抗HIV、鎮痛作用を示す化合物も発見されています。私はこの中でもダフナン型ジテルペノイドのもつ抗HIV作用に着目して、未だ根治できないHIV感染症の根治薬の創製を目指して研究を進めています。

 私はもともと創薬研究に興味があったのですが、大学3年生で卒業研究の配属研究室を選ぶ際に、植物から未だ治療薬のない病気を治す薬を見出すという研究に夢を感じて、現在所属する研究室に入ることを決意しました。卒業研究でジンチョウゲに関する研究に携わり、そのまま研究の楽しさにのめり込み大学院に進学しました。大学院在学中に笹川研究助成を受けることができ、研究を大きく推進することができました。現在は同研究室で助教として勤めており、これからは単離した化合物について化学変換反応により、より安全かつ作用が強く、薬に適した形にする研究も予定しています。また、ジンチョウゲ科植物の他にも様々な植物の研究にも携わっています。自分が植物から単離した化合物が実際に人々の病気を治す薬になるまでにはまだまだ長い道のりがありますが、夢の実現を目指してこれからも研究に没頭していきたいです。

 若手研究者、特に大学院生が単独で申請できる研究助成はとても限られていると思いますが、笹川研究助成はそんな大学院生にも大いにチャンスのある研究助成です。申請書や報告書の作成、予算の管理など助成を受けていた当時の経験は今の研究生活にもしっかりと活かされています。また、採択されたことで自分にとっては大きな自信にも繋がりました。早い段階から自分が代表者となって研究費を申請できるまたとない機会ですので、申請を迷われている大学院生の皆様は是非チャレンジしてみてください。最後になりますが、笹川科学研究助成を通じてご支援くださいました日本科学協会に深く感謝申し上げます。

<以上>


 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:41 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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