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先輩研究者のご紹介 真野 叶子さん [2024年02月19日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームです。
 本日は、2021年度「神経細胞内タンパク質恒常性を担う構成的オートファジーとミトコンドリア局在の関係の研究」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京都立大学理学研究科の真野 叶子さんからのお話をお届けします。

<真野さんより>
 授業でミトコンドリアを習ったとき、高校生だった私は今では不思議なくらい感動し研究者を目指し始めました。そこから12年経った今、大学院でミトコンドリアと病気の関係を研究しています。
 脳を構成する神経細胞は死んでしまうと補われない細胞で、神経細胞死によって発症する病気にアルツハイマー病(AD)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)などがあります。2023年にはAD治療薬の承認が大きなニュースになりましたが、神経細胞死が起こるメカニズムにはまだまだ多くの謎があります。
 ミトコンドリアは細胞の中にあり、エネルギー生産など生存に必須な機能を担っています。神経細胞は特徴的な形で、核のある細胞体から長く伸びた軸索と長さをもつ細胞です。通常、ミトコンドリアは細胞内の必要なところに必要なだけあります。しかし加齢や疾患では軸索でのミトコンドリア減少が報告されており、近年軸索での減少が神経細胞死を引き起こすことがわかってきました。しかしどのように起こすかは不明で、私はこのメカニズムを研究してきました。
 神経細胞死の原因としてもうひとつ、異常なタンパク質の蓄積が報告されています。そこで、タンパク質の蓄積に注目したところ、軸索でのミトコンドリア減少はタンパク質分解系を低下させ、異常なタンパク質の蓄積させることで神経細胞死を引き起こすことを明らかにしました(Shinno et. al., 2024)。

写真1.jpg
(写真1:研究の概要)

 2021年度に笹川科学研究助成に採択していただきました。その時、研究は壁に直面しており「私は研究に向いているのか?」と私自身も混沌としていました。しかし、研究費のおかげで自分のやりたい実験をすることができ、壁の突破口を見つけられました。研究に対しても少し自信がつき、来年度からは博士研究員としてミトコンドリアの研究を続けることにしました。またその後海外発表促進助成にも採択していただき、アメリカのワシントンD.C.で開催されたNeuroscience 2023に参加しました。参加人数も多くお祭りムードの中で海外の研究者と議論し、多種多様な研究を聞くことができ、とても刺激的な時間を過ごすことができました。笹川科学研究助成のおかげでできた経験が多く、その経験は今後の糧になると思います。高校生の時の私が、今の私を見たらきっと喜ぶだろうなと思う研究生活を送ることができ、とても嬉しいです。

写真2.jpg
(写真2:ワシントンモニュメントと夕焼けがとてもきれいで思い出に残っています)

<以上>

 日本科学協会では過去助成者の皆様より、研究成果や近況についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 12:44 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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