先輩研究者のご紹介(中山 絵美子さん)
[2022年08月01日(Mon)]
こんにちは。科学振興チームの豊田です。
本日は、2020年度に「超音波画像装置を用いた寝たきり高齢者の尿路感染症の早期発見方法の開発」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京大学大学院医学系研究科所属の、中山 絵美子さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。
<中山さんより>
東京大学大学院医学系研究科老年看護学分野の中山です。大学院では、年を取るのも悪くないと思える社会を目指し、高齢者のための新しいケアの確立に取り組んでいました。
高齢者が抱える身体的問題は非常に多くありますが、本研究ではQOL低下に直接影響を及ぼす下部尿路症状、そしてそれらの症状に対する排尿ケアに着目しました。臨床での排尿ケアでは非侵襲的なエコーを用いた膀胱内尿量計測が推奨されており、通常患者が仰臥位の状態で実施されます。本研究では、座位と立位におけるエコーを用いた膀胱内尿量推定式の検討を行いました。
20-70歳代の健常者65名に対して、座位と立位で膀胱エコー観察を実施し、仰臥位時と同様の膀胱内尿量推定式を用いて算出した推定尿量値と真値の関係をみることで、推定式の精度を検討し、座位と立位ともに仰臥位同様の膀胱内尿量推定式を適用できることを明らかにしました。
私は現在病院で看護師として勤務しており、臨床現場における尿路感染症の有病率の高さ、そして重症化を予防することの重要性を、身をもって実感しています。また、実際に臨床でもエコーを使用して膀胱内尿量を計測する場面は多くあり、自身の研究の意義を改めて感じることができました。
笹川科学研究助成は、大学院生でも応募可能な研究助成です。新型コロナウイルスの流行に伴い、研究テーマの変更を余儀なくされた際も、研究計画の修正に迅速に対応していただき、安心して研究に専念することができました。
改めまして、このような研究の機会をくださいました日本科学協会の皆様、並びに研究協力者の皆様に深く感謝申し上げます。
今後は、本研究の成果を論文や学会発表などで発信していくとともに、本研究から得た知見を臨床現場でも役立てていきたいと思います。
高齢化社会となった日本では、非常に重要な研究だと思います。このような基礎研究の積み重ねが、臨床現場でも役立つ知識となるのだと思います。良い研究成果が出るよう、陰ながら応援させていただきます。
日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日は、2020年度に「超音波画像装置を用いた寝たきり高齢者の尿路感染症の早期発見方法の開発」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京大学大学院医学系研究科所属の、中山 絵美子さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。
<中山さんより>
東京大学大学院医学系研究科老年看護学分野の中山です。大学院では、年を取るのも悪くないと思える社会を目指し、高齢者のための新しいケアの確立に取り組んでいました。
高齢者が抱える身体的問題は非常に多くありますが、本研究ではQOL低下に直接影響を及ぼす下部尿路症状、そしてそれらの症状に対する排尿ケアに着目しました。臨床での排尿ケアでは非侵襲的なエコーを用いた膀胱内尿量計測が推奨されており、通常患者が仰臥位の状態で実施されます。本研究では、座位と立位におけるエコーを用いた膀胱内尿量推定式の検討を行いました。
20-70歳代の健常者65名に対して、座位と立位で膀胱エコー観察を実施し、仰臥位時と同様の膀胱内尿量推定式を用いて算出した推定尿量値と真値の関係をみることで、推定式の精度を検討し、座位と立位ともに仰臥位同様の膀胱内尿量推定式を適用できることを明らかにしました。
私は現在病院で看護師として勤務しており、臨床現場における尿路感染症の有病率の高さ、そして重症化を予防することの重要性を、身をもって実感しています。また、実際に臨床でもエコーを使用して膀胱内尿量を計測する場面は多くあり、自身の研究の意義を改めて感じることができました。
笹川科学研究助成は、大学院生でも応募可能な研究助成です。新型コロナウイルスの流行に伴い、研究テーマの変更を余儀なくされた際も、研究計画の修正に迅速に対応していただき、安心して研究に専念することができました。
改めまして、このような研究の機会をくださいました日本科学協会の皆様、並びに研究協力者の皆様に深く感謝申し上げます。
今後は、本研究の成果を論文や学会発表などで発信していくとともに、本研究から得た知見を臨床現場でも役立てていきたいと思います。
<以上>
高齢化社会となった日本では、非常に重要な研究だと思います。このような基礎研究の積み重ねが、臨床現場でも役立つ知識となるのだと思います。良い研究成果が出るよう、陰ながら応援させていただきます。
日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。