先輩研究者のご紹介(吉冨 容さん)
[2022年07月25日(Mon)]
こんにちは。科学振興チームの豊田です。
本日は、2020年度に「人間とロボットが協力して『海ごみ清掃作業』を行い『きれいな海を守る』活動地域づくりを行う。」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会所属の、吉冨 容さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。
<吉冨さんより>
私達は「ロボットと協働する海岸清掃は多世代オープン・イノベーション」を目標にして取り組んでいます。
福岡県宗像市の世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産および緩衝地帯においては地域全体の保全環境を守っていく必要が有ります。
この大島沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内海岸漂着ゴミの状況把握、持続可能な回収処理に係る新たな方策の検討、ロボットやドローンを中心に、海岸で清掃活動に働く機械の技術を体験する。ボランティアから参加する多世代の人たちが、海の技術に関心を持つことにより、オープン・イノベーションに取り組む活動をしています。
最新の技術利用を利用した協働海岸清掃作業を短期間で具体化し、清掃のみならず、人材育成の実をあげ、継続的な活動を行います。
筑前大島の沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内における海ゴミ(漂着ゴミ)の状況把握、持続可能な回収、処理に係る新たな方策、特に構成資産「宗像大社沖津宮遙拝所」近くの海岸沿いにおいては、大量の漂着ゴミの散乱が大きな課題であるとともに、収集したゴミの処理方法に苦心しています。
そこで、玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究しています。
・クローラー型自走運搬機(キャタピラ)改造で海岸岩場凹凸対応出来るか
・ゴロタ石の海岸岩場での自動運搬機足回り稼働実験研究する。
これまでコロナ感染拡大の影響、緊急事態宣言で殆ど研究活動進んでいません。いままで玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究して来ています。道半ばですが今までまとめた項目成果です。
1)ロボットを活用した海岸清掃の成果
ビーチクリーンロボットを活用した海岸清掃の成果は以下の通りである。GPSによる位置測位試験を行ったのち、ロボットを自動走行させた。礫浜は足場も悪く作業が辛い現場である。2日間遙拝所海岸でロボットが6往復してゴミ袋16個、ロープ、大綱、冷蔵庫扉などを運搬できた。島の住民にも、労力削減の希望が見えたと喜んでいただけた。
2)海岸清掃ロボットの活用、処理施設の整備と海洋工学の人材育成
回収した漂着ごみの運搬を代替するロボットの活用により、ゴミ運搬の自動化と省力化を実現できる。運用時には、専門的な知識が必要となることから、人員配置等の検討が必要である。
大島に脱炭素化可搬型高温焼却炉を整備し、島内の砂浜や磯の海岸で回収した漂着ごみの焼却を可能とする。運用時には環境管理の専門的性の高い人員を配置する必要がある
昨年10月国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のSDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム((シナリオ創出フェーズ)採択されて現在九州工業大学と九州大学の共同研究、宗像玄界灘沿岸で『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』研究に取り組み「地域コーディネーター」担当をやっています。
https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario21_hayashipj.html
まだまだ課題は多くありますが、『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』を実現できるように、さらに研究を進めていきたいと思います。
私は申請時、福岡県世界遺産室から推薦してもらい採択していただき、本当に良かったと思います。良いチャンスなのでこれからも研究費申請の経験が浅い若手技術者の方も、積極的にチャレンジするといいと思います。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった日本科学協会の皆様に心よりお礼申し上げます。
日本は海に囲まれた国であり、海岸に流れ着くゴミの回収については大きな問題となっています。岩場でのごみ拾いは凹凸があり歩きづらく転倒する危険性もあり、非常に大変だと思います。ゴミ拾いをする方の安全のためにも、ロボットによるサポートができるよう、今後も研究を続けていただきたいと思います。
日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
本日は、2020年度に「人間とロボットが協力して『海ごみ清掃作業』を行い『きれいな海を守る』活動地域づくりを行う。」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、一般社団法人BC-ROBOP海岸工学会所属の、吉冨 容さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。
<吉冨さんより>
私達は「ロボットと協働する海岸清掃は多世代オープン・イノベーション」を目標にして取り組んでいます。
福岡県宗像市の世界遺産「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の構成資産および緩衝地帯においては地域全体の保全環境を守っていく必要が有ります。
この大島沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内海岸漂着ゴミの状況把握、持続可能な回収処理に係る新たな方策の検討、ロボットやドローンを中心に、海岸で清掃活動に働く機械の技術を体験する。ボランティアから参加する多世代の人たちが、海の技術に関心を持つことにより、オープン・イノベーションに取り組む活動をしています。
最新の技術利用を利用した協働海岸清掃作業を短期間で具体化し、清掃のみならず、人材育成の実をあげ、継続的な活動を行います。
筑前大島の沖津宮遙拝所下及び世界遺産の緩衝地帯内における海ゴミ(漂着ゴミ)の状況把握、持続可能な回収、処理に係る新たな方策、特に構成資産「宗像大社沖津宮遙拝所」近くの海岸沿いにおいては、大量の漂着ゴミの散乱が大きな課題であるとともに、収集したゴミの処理方法に苦心しています。
そこで、玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究しています。
・クローラー型自走運搬機(キャタピラ)改造で海岸岩場凹凸対応出来るか
・ゴロタ石の海岸岩場での自動運搬機足回り稼働実験研究する。
これまでコロナ感染拡大の影響、緊急事態宣言で殆ど研究活動進んでいません。いままで玄界灘の離島海岸清掃作業の中で最も厳しい3K作業であるゴミの海岸線に沿っての運搬をロボットに任せ、ボランティアの重労働を軽減しようと方法を研究して来ています。道半ばですが今までまとめた項目成果です。
1)ロボットを活用した海岸清掃の成果
ビーチクリーンロボットを活用した海岸清掃の成果は以下の通りである。GPSによる位置測位試験を行ったのち、ロボットを自動走行させた。礫浜は足場も悪く作業が辛い現場である。2日間遙拝所海岸でロボットが6往復してゴミ袋16個、ロープ、大綱、冷蔵庫扉などを運搬できた。島の住民にも、労力削減の希望が見えたと喜んでいただけた。
2)海岸清掃ロボットの活用、処理施設の整備と海洋工学の人材育成
回収した漂着ごみの運搬を代替するロボットの活用により、ゴミ運搬の自動化と省力化を実現できる。運用時には、専門的な知識が必要となることから、人員配置等の検討が必要である。
大島に脱炭素化可搬型高温焼却炉を整備し、島内の砂浜や磯の海岸で回収した漂着ごみの焼却を可能とする。運用時には環境管理の専門的性の高い人員を配置する必要がある
昨年10月国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)のSDGsの達成に向けた共創的研究開発プログラム((シナリオ創出フェーズ)採択されて現在九州工業大学と九州大学の共同研究、宗像玄界灘沿岸で『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』研究に取り組み「地域コーディネーター」担当をやっています。
https://www.jst.go.jp/ristex/solve/project/scenario/scenario21_hayashipj.html
まだまだ課題は多くありますが、『人とシステムの協働による海岸清掃共創シナリオの構築』を実現できるように、さらに研究を進めていきたいと思います。
私は申請時、福岡県世界遺産室から推薦してもらい採択していただき、本当に良かったと思います。良いチャンスなのでこれからも研究費申請の経験が浅い若手技術者の方も、積極的にチャレンジするといいと思います。
最後に、このような貴重な機会を与えてくださった日本科学協会の皆様に心よりお礼申し上げます。
<以上>
日本は海に囲まれた国であり、海岸に流れ着くゴミの回収については大きな問題となっています。岩場でのごみ拾いは凹凸があり歩きづらく転倒する危険性もあり、非常に大変だと思います。ゴミ拾いをする方の安全のためにも、ロボットによるサポートができるよう、今後も研究を続けていただきたいと思います。
日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。