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先輩研究者のご紹介(楊 露さん) [2021年11月22日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2020年度に「広域アジア地域における大気中微小粒子状物質の組成特徴及び健康リスク評価に関する研究」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、金沢大学大学院医薬保健学総合研究科創薬科学専攻所属の、楊 露さんから助成時から最近の研究について、コメントを頂きました。

<楊さんより>
 呼吸器や循環器などの疾患の環境要因として、大気汚染物質、特に微小粒子状物質(PM2.5)が挙げられます。PM2.5は混合物でありますが、特にベンゾ[a]ピレンに代表される多環芳香族炭化水素(PAHs)とそれらのニトロ誘導体であるNPAHsはPM2.5の発がん本体として高い注目を集められています。東アジア地域においては、多くの人口を擁し、人為活動に伴った環境汚染が深刻化しています。また、東アジア地域は世界的に有名なモンスーン地域であり、冬季にシベリア高気圧、夏季に太平洋高気圧の支配により、この地域に位置する日中韓露蒙の各国で発生した大気汚染物質が互いに影響しうることが知られています(図1)。

図1.jpg
図1

 本助成では、上述5ヶ国の11都市で季節別にPM2.5を捕集し、PM2.5に含まれるPAHsとNPAHsの分析とデータ解析を行いました。その結果、大気中PAHsとNPAHs濃度は中国の都市で最も高く、日本の都市で最も低いことが分かりました。またこれまでの調査結果と比較したところ、中国上海の大気中PAHsとNPAHs濃度の経年変動(図2)を例として示したように、近年、各国政府の厳しい環境規制により、殆どの都市においては大気汚染物質の濃度が年々低減傾向にあることを明らかにしました。

図2.jpg
図2

 一方、地球温暖化が進んでいるため、炭素中立性の観点から積極的に推進されているバイオマス燃料の使用や、シベリアなどで起きる森林火災にもPAHsとNPAHsを発生しますが、今後、バイオマス燃焼による東アジア地域の大気環境への負荷は、バイオマーカーであるレボグルコサンなどを分析することにより解明しようと計画しております。
 笹川科学研究助成は大学院生でも応募できる数少ない研究助成であります。特に外国人留学生や女性研究者が行う研究を優先的に採択しています。しかも、若手研究者の独自の発案を後押しするために、研究の進歩状況に応じて研究計画の変更も可能であるメリットがあります。末筆ながら、この場を借りして研究の機会をくださった日本科学協会の皆様に深くご礼申し上げます。
<以上>

 地球規模での環境問題は「国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)」が開催されるなど非常に注目されており、喫緊に解決する必要のある問題となっております。研究を進め、環境問題が改善できるよう、今後も頑張っていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 17:38 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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