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先輩研究者のご紹介(森 遥さん) [2021年10月11日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2020年度に「新しい幾何学を用いた初期宇宙のミクロな時空構造の解明」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、北里大学大学院理学研究科分子科学専攻量子物理学研究室属の、森 遥さんからご専門の研究について、コメントを頂きました。

<森さんより>
 私たちの暮らしている宇宙は、おおよそ137億年前、非常に高温な火の玉として生まれたと考えられています。私の研究では、こうした初期宇宙に現れるような、超高温かつミクロな世界の構造を、重力に注目して理論的な側面から調べています。

 皆さんは「一般相対性理論」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?この理論は、我々が現在暮らしている宇宙空間のような、低温な世界での重力のふるまいを記述する理論で、20世紀初頭にアインシュタインによって提唱されました。この理論の特徴は、重力を空間の歪みとして捉える点にあり、リーマン幾何学と呼ばれる曲がった空間を扱う数学を通して記述されます。このように、理論物理と数学は切っても切れない関係にあります。

 私が注目しているのは、一般相対性理論を超高温な世界へ適用できるよう拡張した理論です。拡張した理論では、物質は小さなひも(弦)によって構成されると考えます。弦の本質的な特徴は、長さを持つことにあります。私は、一般相対性理論がリーマン幾何学と結びついたのと同じように、拡張した理論を記述するツールとして、弦の特徴を内包した数学の枠組みを整備しようとしています。その上で、拡張した理論を用いて初期宇宙の様子を知りたい、というのが最終目標です。

写真1.JPG
写真1 研究環境をお見せしようかと思ったのですが、よくあるPCデスクになってしまったのでやめました……。研究室付近は自然が多く、計算が詰まった時など、気分転換に時々散歩をします。この写真は散歩中の一枚です。

 ここまでの内容からお察しの通り、私のやっている研究はいわゆる基礎研究に分類されるもので、今すぐ人の役に立つものではありません。一方で、企業が企画したものをはじめとする、多くの研究助成制度において重視されるのは応用研究です。私のように、専門分野が理論物理や数学だと、そもそも応募資格が得られないことが多いと感じます。特に、学生の身分では「応募する」というスタートラインにすら立てないことがほとんどです。その点、笹川研究助成では研究分野に関わらず、学生であっても応募資格を得ることができます。申請書類を作成するにあたって、色々な方からアドバイスをいただきながら、改めて研究内容について整理したり、文章の書き方や構成について学ぶことができたりしました。笹川研究助成に申請したこと自体が、自分にとって非常によい経験になったと思います。

 また、笹川研究助成は旅費としての利用を制限しない点や、用途変更に柔軟に対応していただける点も素晴らしいと思います。助成期間中は新型コロナウイルスの影響で一切出張できず、旅費として計上していた予算の用途変更をせざるを得なかったのですが、迅速に対応してくださり非常に助かりました。

写真2.jpg
写真2 助成期間前ですが、申請内容と関連する内容で、2019年7月にチェコで開催された研究会で発表したときの写真です。出張できた日々が懐かしいです。

 今年度の募集中かと思いますが、学生の皆さんにも是非挑戦してみてほしいです。

 最後に、研究助成を通して貴重な機会をくださった日本科学協会の関係者の皆様に、改めて感謝申し上げます。
<以上>

 どんな研究テーマも,実施してみなければどのような結果となるかは分かりません。疑問に思うことが非常に重要であると思います。2022年度の笹川科学研究助成の募集中ですので、是非、皆様にも挑戦していただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 15:25 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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