CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

日本科学協会が"今"やっていること

お役立ち情報、楽しいイベントやおもしろい出来事などを紹介しています。是非、ご覧ください。


<< 2021年04月 >>
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
プロフィール

日本科学協会さんの画像
カテゴリアーカイブ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
talking to (04/17)
shapex2.net (04/15)
KetoGenic BHB (04/15)
リンク集
https://blog.canpan.info/kagakukyokai/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/kagakukyokai/index2_0.xml
先輩研究者のご紹介(松尾 洋孝さん) [2021年04月19日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2019年度に「硫黄選択的酸化反応および質量分析計を用いた微生物由来新規含硫黄物質の探索」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、北里大学北里生命科学研究所所属(助成当時)の、松尾 洋孝さんから最近の研究について、コメントを頂きました。

<松尾さんより>
 2019年度笹川科学研究助成に採択していただき、非常に充実した研究生活を送ることができました。助成当時、私は2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞されました大村智博士の統括するグループにて微生物の作り出す化合物に関する研究をしておりましたが、現在は国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所の薬用植物資源研究センターに所属を変え、植物に関する研究を行っております。学生時代より変わらず、いわゆる「ものとり」(植物や微生物などの天然資源から化合物を得ること)をメインに研究してきました。現在は未利用植物や薬用植物(生薬等)の利活用を目指し、その有用性探索などをメインに研究しています。
 生薬とは、動植物の一部あるいは全てを乾燥などの工程を経て調製されたものの総称です。漢方と言えば聞き覚えのある方は多いかと思いますが、漢方はいくつかの生薬を組み合わせて作られた処方全般のことを言います。葛根湯などは非常に有名なため、ご存知の方も多いかもしれません。大多数の方は、漢方は中国の医学(薬)だと思っているかもしれませんが、中国ではそれを中医学と言い、確かにルーツは中医学なのですが、実は漢方は日本独自の発展を遂げた医学なのです。しかしながら、漢方に使われている生薬のほとんどは中国からの輸入に頼っています。昨今、中国では自国での生薬使用量の増加等により、徐々に輸出量が減少しています。そのため、当センターでは生薬の原料となる植物の国内栽培化を目指し、日々研究をしています。また、薬用植物スクリーニングプロジェクト(https://www.nibiohn.go.jp/cddr/research/project04.html)として、全国の野生植物や、業界団体ご協力のもと、生薬の市販品などを収集し、それらを抽出してエキスライブラリを構築しています。現在、14,000点以上のエキスを保有しており、国内最大の薬用植物エキスライブラリとなっております (図1)。本ライブラリは、共同研究により様々な大学や企業に活用していただき、成果も着々と出ています。私自身も、新しい活性評価系を立ち上げ、エキスライブラリを活用して新規医薬品のシード探索を行っています。

図1.jpeg
図1 薬用植物抽出エキスライブラリ

 笹川科学研究助成は、何に役立つかわからないが、とにかく自分の考案した研究をやってみたい!と言うような気持ちを全面的にバックアップしていただける助成だと思います。特に、大学院生でも申請できるため、研究室の方針に囚われない自由な発想を生かすチャンスかと思います。そのような熱意を持って申請書を作成すると、審査員の方々に伝わるのではないかと思います。これから申請を考えている人達の中にも、新型コロナウイルスの影響でなかなか思うように研究ができない人もいるかと思いますが、ぜひ若手の研究を積極的にご支援なさっている笹川科学研究助成に応募してみてください。最後になりましたが、本助成に関わりました審査員の方々、関係者各位の皆様に深く感謝申し上げます。
<以上>

 漢方というと、中国で発展したものかと思いましたが、日本で独自の進化を遂げているということを初めて知り驚きました。天然の動植物には、人間に役に立つ成分を含むものが、まだまだあるかと思いますので、様々な効能のあるエキスを見つけられるよう、頑張っていただきたいと思います。
 また笹川科学研究助成では、研究への熱意や気持ちを大事に支援させていただきたいと考えております。実績や成果の少ない若手研究者であっても、是非とも挑戦していただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 15:52 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント