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先輩研究者のご紹介(西尾 天志さん) [2021年01月05日(Tue)]
 あけましておめでとうございます。科学振興チームの豊田です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。
 本日は、2019年度に「ゲノムサイズDNAの折りたたみ構造の多様性と遺伝子活性:超好熱菌研究から遺伝子機能制御の本質に迫る」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、同志社大学大学院生命医科学研究科所属の、西尾 天志さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<西尾さんより>
 DNAや遺伝子という言葉を聞いて、真っ先にイメージするのは「A」「T」「G」「C」で構成される「塩基配列」だという方が多いのではないかと思います。実際、DNAの塩基配列は生命の設計図と呼ばれ、その配列から種々のタンパク質を合成することができます。一方で、近年話題のiPS細胞やES細胞でも見られるように、同一塩基配列のDNAを有する細胞でも、環境や履歴に応じて全く異なる機能や形態を示すことから、DNAの遺伝子機能を制御する要因は塩基配列だけでは無いことは明らかです。私は、生体内に存在するゲノムDNAが長さ数十μmから数cmに及ぶ巨大分子であり、細胞周期などに応じてその構造を著しく変化させることに着目し、長鎖DNAの高次構造変化と遺伝子機能調節の関係について研究を進めてきています。

ブログ_Fig.jpg
図 1 DNA高次構造と遺伝子発現活性の密接な関係.
(左)無細胞系におけるポリアミン濃度依存的な遺伝子発現活性.
(右)ポリアミンが導くDNA高次構造の変化.原子間力顕微鏡(AFM)による観察.

 私は今回の笹川科学研究助成の支援の下、ポリアミンとよばれる生体分子が引き起こすDNAの高次構造転移(図1)が、遺伝子発現活性に大きく影響することを発見しました。[T. Nishio, et al., Sci. Rep, 9, 14971(2019).] ポリアミンは地球上のほぼ全ての生物が有するとされる生体分子であり、その生物学的働きは多岐にわたります。特定のDNA塩基配列に依存することなく、ポリアミンが導くDNAの高次構造転移が、遺伝子発現活性を顕著に変化させるという本成果は、生体内におけるDNAの遺伝子機能制御の本質に迫る重要な成果であると確信しております。日々の研究と研究成果の積み重ねが、生命現象の本質を解き明かす礎となることを信じて、今後も研究に励みたいと思っております。
 笹川科学研究助成は、博士号を有する研究者から学部学生まで幅広い人々が応募できる研究助成です。既存の価値観に囚われず、研究の独創性や新規性を重視した評価を行って頂ける制度ですので、チャレンジしたい研究がある方は是非応募することをお勧めします。
 最後になりますが、貴重な機会を与えて下さった日本科学協会関係者の皆様、ならびに同志社大学生命物理科学研究室の皆様に改めて感謝申し上げます。
<以上>

 DNAは人間の設計図と聞いたことがありますが、外的な要因等により、異なった細胞が作り出されるとは知りませんでした。このような遺伝子機能制御の基礎的な研究を行うことで、少しずつ生命現象の本質に迫り、ゆくゆくは現在問題となっているコロナウイルス感染症の収束に役立ったりするのではないかと思いました。今後も、頑張っていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 13:50 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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