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先輩研究者のご紹介(金崎 由布子さん) [2020年08月31日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2019年度に「アンデス文明形成期後期から末期の地域動態:ペルーワヌコ盆地ビチャイコト遺跡の考古学調査を中心として」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京大学人文社会系研究科考古学専門分野所属の、金崎 由布子さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<金崎さんより>
 私はアンデスの考古学を専門に研究をしています。私の調査地は、南米ペルー・アンデス山脈の東側、ワヌコ盆地という場所にあります。笹川科学研究助成を受け、2019年の8月から11月にかけて現地で発掘調査を行ってきました。

 ワヌコ盆地では、文明形成期とよばれる紀元前の時代の神殿遺跡が多く見つかっています。私たちが今回発掘したビチャイコト遺跡もそのような時代の遺跡の一つです。ワヌコ盆地は標高2000mほどの山間盆地ですが、アマゾン低地や、標高4000mを超える高原地帯と距離が近く、文化の要衝地であったと言われています。私は、このような特殊な環境の中で、神殿を中心とした生活がどのように営まれたのかを知るために、これまで調査が行われていなかった、ビチャイコト遺跡の発掘調査をすることにしました。

図1.jpg
図1 朝6時のビチャイコト遺跡

 発掘調査では、予想を上回る色々な成果が得られました。形成期には、熱帯地域と関係の深い土器を伴う神殿が見つかりました。また、これまで地域で発見されていなかった新たな時代の文化も見つかりました。この時代は、形成期よりもう少し新しい時代のもので、地元の土器とともに、珍しい遺物が出土しました。何百キロも離れたペルー北部の山地とよく似た土器や、さらに遠いエクアドルの海でしかとれないウミギクガイが、この場所まで運ばれてきていたのです。

図2.jpg
図2 出土したウミギクガイ

 この調査の成果は、地元の人たちにもとても喜ばれました。遺跡のある丘のふもとの村では、学校の先生が子供たちをつれて見学に訪れ、調査後におこなった現地説明会では村中の人たちが話を聞きにきてくれました。地元の新聞やラジオでも、調査の様子が報道され、私たちも参加した地区の会議では、地域をあげて遺跡を保存・活用していくことが決まりました。

 考古学は、文字のない時代・地域の過去の姿を知ることができる唯一の研究分野です。とてもやりがいのある研究分野ですが、フィールドワークを中心としているため、現地調査の費用の捻出は、いつも頭が痛い問題です。今回、笹川科学研究助成を受けて、とても貴重な機会を得ることができました。これから助成の応募を考えている方には、ぜひチャレンジしてみて欲しいと思います。

図3.jpg
図3 発掘チーム

<以上>

 考古学では、文字の無い時代にまで戻り、地域の過去の姿を知り、どのように人々が生活を行っていたか、ということまでも調べられるということに驚きました。また調査の成果が、地元の人たちにもとても喜ばれたことは、過去から現在まで、その地域の歴史が繋がっていくからではないかと思いました。新型コロナウイルスの影響等により、フィールドワークを行うことが難しい状況となっておりますが、今後も良い成果がでますよう、陰ながら応援させていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 13:04 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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