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先輩研究者のご紹介(戸矢 樹さん) [2020年08月17日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2019年度に「魚類の学習と記憶に及ぼす反復訓練、睡眠およびストレスの影響」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、京都大学大学院農学部応用生物科学専攻所属の、戸矢 樹さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<戸矢さんより>
 みなさんは試験勉強の時には一夜漬けで乗り切る派でしょうか?それともコツコツと積み上げる派でしょうか?一般的に徹夜や短期学習は記憶に残りにくいと言われていますが、この考えを支持する結果が魚類を使った実験で得られたので紹介します。

 私の研究では、ヒトにおいて記憶定着効果があるとされている反復学習(復習)と睡眠が魚類においても同様に有効であるのかを、マダイ稚魚を用いて調べました。記憶の定着度合いを調べる方法として、図1のようなY字型の迷路を用いた学習訓練を施しました。訓練では、スタートエリアから魚を網で追い、左右のどちらか一方の道を選択させる試行を繰り返します。その際、右の道を選択した場合のみ先で閉じ込める罰を与えることで、左の道を選択するように訓練しました。
 1つ目の実験として、上記の訓練を1セットのみ行う場合(復習なし)と翌日にもう1セット行う場合 (復習あり) で、学習訓練記憶の保持期間に差が出るのかを調べました。
また2つ目の実験として、上記の訓練をした日の夜間に通常の睡眠をさせた場合と、夜間にライトを常時点灯し徹夜させる場合とで、訓練の記憶定着具合に差が出るのかを調べました。

図1.JPG
図1 学習訓練に使用したY字型の迷路

図2.jpg
図2 今回の実験対象魚のマダイ

 実験の結果、マダイにおいても復習をさせることで記憶の保持期間を長期化させられることが明らかとなりました。また、徹夜により記憶の定着が阻害されることもわかりました。これらのことは、ヒトと類似した記憶定着機構を魚類が持っている可能性を示唆します。

 「魚の記憶能力を調べる」という風変わりな研究テーマでしたが、独創性・萌芽性を重視して助成をしていただける笹川科学研究助成は、非常に素晴らしい制度だと思います。また、申請書の作成は自分の研究計画の意義や面白さをどう伝えるかという訓練になり、その後の人生にも役立つことですので、とりあえずでも申請してみることをお勧めします。
 現在は、水族館に勤務しつつ、上記の研究成果について英語論文としてとりまとめており、間も無く英文校閲に出した後、国際学術雑誌に投稿予定です。
<以上>

 魚も人間と同様に学習し、記憶できるということに驚きました。私は、試験前ギリギリになってから夜遅くまで勉強する一夜漬けタイプでしたが、効率を上げるためにも計画をもって早めに勉強するよう、反省したいと思います。今後も水族館で、魚について様々な発見ができるよう、陰ながら応援させていただきます。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 14:34 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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