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先輩研究者のご紹介(遠藤 彬則さん) [2020年02月10日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。本日は、2018年度に「乳腺に特異的に発現するNrkが乳がんを抑制する分子機構の解明〜画期的乳がん治療法を目指した基盤研究〜」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京都医学総合研究所所属の遠藤 彬則さんから助成を受けた研究の進展についてコメントを頂きました。

<遠藤さんより>
 日本では、女性の生涯乳がん発症率は7%(14人に1人)におよび、残念ながら患者さんの20%以上は死亡してしまいます(2015年、国立がん研究センター がん対策情報センター調べ)。世界でも似たような統計結果が報告されていて、根本的な治療法の開発が望まれています。一般的な乳がん診断では、どのようなタイプの乳がんなのかをまず分類します(例えばトリプルネガティブ型など)。タイプにより、がん発症の原因や影響が異なり、再発率、転移率、そして死亡率にも違いが出ます。すべてのタイプの乳がんに効果的な治療法は、まだ実用化されていません。

 私の所属する研究室(当時)では、X染色体(男性は一つ、女性は二つ持っています)にコードされたユニークな遺伝子Nrkの働きを研究していました。Nrk遺伝子を持たないメスのマウスでは、「乳がんの発症」「胎盤の肥大化」「分娩異常」など女性機能に異常が見られます。乳がんの発症率は、90%という非常に高い頻度でした。

 今回の研究助成では、Nrkが乳がん発症を抑える働きについて重点的に解析を行い、Nrkが細胞の増殖を抑える普遍的なメカニズムを明らかにすることができました(図1)。さらに、Nrkが壊れやすく、不安定である可能性を示すことができました。つまり、乳がんを抑えるNrkを安定化し、助ける方法が見つかれば、「副作用が少なく、すべての乳がんに有効な画期的な治療法もしくは予防法」へとつながっていくのではないかと考えられます。今回の研究成果を生かし、さらに研究を発展させ、社会福祉に貢献していきたいと思います。

図1.JPG
図1

 日本科学協会 笹川科学研究助成は、学生さんを含めて様々なバックグラウンドの研究者による独創性・萌芽性をもつ研究を支える素晴らしいものだと思います。そのご支援を頂き、重要な研究成果を得ることができました。これらの成果は学会にて発表し、論文も投稿中です。御礼申し上げます。
 また、本研究は大学院生の内藤聡美さん(図2、米国細胞生物学会で発展研究を発表する内藤さん、2019年12月@ワシントン)をはじめ、福嶋俊明先生、駒田雅之先生のサポートにより予想を大きく上回り進展しました。そして、今回の研究助成での成果をもとにした発展を期待しています。この場を借りて感謝申し上げます。

図2.jpg
図2
<以上>

 がんは日本人の死因の第一位となっており、早急に対策をする必要があると思います。悪い細胞を除去するだけでなく、遺伝子レベルから研究されているとのことでした。根本的な解決策が見つかるよう、頑張っていただきたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:52 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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