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先輩研究者のご紹介(佐藤 繭子さん) [2019年11月11日(Mon)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。
 本日は、2018年度に「スマートコミュニティ全体最適化による低炭素化,エネルギー消費やエネルギーピーク時負荷削減の実現」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、明治大学大学院先端数理科学研究科所属の、佐藤 繭子さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<佐藤さんより>
 私は「スマートコミュニティの全体最適化」の研究を行って参りました。皆さんもご存じの通り,現在,地球温暖化が進んでおり,その対策としては,エネルギー利用の高効率化などが挙げられます。COP21では各国がCO2排出量削減の目標を再設定したことにより,世界中でより低炭素な社会を目指そうという動きがあります。そこで,最新の情報通信技術を用いつつ,再生可能エネルギーや蓄電技術を活用し,エネルギーをより効率的に利用しようという「スマートコミュニティ」の導入が世界各国で行われています。

 私たちが住む街にある,工場や大型のビルなどでは,電力や熱などのエネルギーを使用しますが,ガスタービンなどといったエネルギーを生成する設備が設置されています。これらのエネルギーを生成する設備を,より「最適に」使用するためにはどのような設備の運転をしたら良いのかという問題を,「最適化」という方法でシミュレーションを行い,求めるという研究を行ってまいりました。この「最適化」技術を用いて,「スマートコミュニティ」に存在する,工場やビルなどのエネルギーを生成する設備の運転の方法を「最適化」する研究を行いました。この最適化の技術は,様々な方法があり,この方法を,スマートコミュニティの問題に合った方法に改良していくことによって,更にコストが減る,CO2排出量が減る,設備の運転の方法を求めることができます。

 研究結果は,国内外の学会や論文で発表を行いました。国内だけでなく,国際学会での発表や論文誌の執筆を行うことによって,最先端の研究者たちから意見をいただき,更に新たな研究へと繋がりました。また,技術的なことだけでなく,他国の文化について学んだり,日本の文化について改めて考えさせられること,学ぶこともありました。大変勉強になり,貴重な時間を過ごすことができました。

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 現在は大学院を卒業し,電機メーカーで研究開発を行っております。地球環境をより良くするために,今後も研究活動を行ってまいります。
<以上>

 環境問題は、個人の問題というよりも地球規模の問題であり、異文化についても理解することで多くの人から解決への協力が得られるようになるのではないかと思いました。また、環境問題を解決するためには、科学の力が重要であり、多くの人に興味を持っていただくためにも、科学についての面白さを本ブログで発信できればと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 10:45 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0)
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