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先輩研究者のご紹介(西野 晃太さん) [2019年08月13日(Tue)]
 こんにちは。科学振興チームの豊田です。暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
 本日は、2018年度に「持続可能な社会の実現を指向した単体硫黄の高度利用を可能とする有機化学反応の開発」という研究課題で笹川科学研究助成を受けられた、東京理科大学大学院理工学部先端化学科所属の、西野 晃太さんから助成時の研究について、コメントを頂きました。

<西野さんより>
 私は硫黄化合物の新規合成法の開発研究を行っていました。
硫黄化合物といえば、一般的には温泉で匂う「硫化水素(H2S)」がよく知られていると思います。あとは、ガス漏れした時にする匂い。あれはガス自体の匂いではなくガスに添加されている硫黄化合物である「ターシャリーブタンチオール」などの匂いです。ここまでの説明だと硫黄化合物は「くさい」という認識を持ってしまいそうですが、その一方で硫黄化合物は身近にある医薬品や電子部品にも使われており、間違いなく私たちの生活を支えています。
 私は硫黄化合物を簡単に作る合成法の開発に挑戦しようと思い、笹川科学研究助成に提案し採択していただきました。
 その結果、見つけた現象の一部を新しい合成法として学術論文や学会で発表することができました。この反応ではジスルフィドという化合物に少量の塩化パラジウムとDMSOという溶媒に入れて熱をかけるだけで、簡単にジベンゾチオフェンという化合物を作ることができます。

笹川blog画像.jpg


 この反応が実際に使われて、すごい医薬品や電化製品を作れるかといえば、、、ちょっと厳しいでしょう。がしかし、それでもこの現象がいつかどこかで誰かの目に留まり、さらにすごい現象や反応の発見に貢献できることを祈っております(今でも自分自身でアイディアをたまに妄想しています)。

 笹川科学研究助成は一学生が自分の研究費を獲得できるチャンスです。申請書作成にはとても多くの時間を要しましたし、なかなか良い文章が書けなくて「アァー」っと悩んでいたのを今でも鮮明に覚えています。ですが、自分のやりたい研究を見直す良い機会になりましたし、獲得した研究費を使って、試薬を自由に買って実験したり、出たい学会に自由に出たりと、充実した研究生活を送ることができました。今では「あのとき苦労して申請書書いて本当に良かったな。」と思っています。
<以上>

 助成制度を利用し、新しい合成法を見つけることが出来たとのこと、非常にうれしく思います。若手研究者の方たちの第一歩となるような助成ができるよう、私たちも頑張りたいと思います。

 日本科学協会では過去助成者の方より、近況や研究成果についてのご報告をお待ちしております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。
Posted by 公益財団法人 日本科学協会 at 09:47 | 笹川科学研究助成 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)
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