中国の大学図書館館長等の日本招聘(その1)〜日中フォーラム、図書館見学〜
[2015年07月10日(Fri)]
日本科学協会は、6月28日〜7月5日、中国の寄贈先大学の図書館長等を対象に招聘プログラムを実施しました。
今回来日した35名の訪日団は、寄贈図書の受入れ窓口として日本文化伝播のキーパーソンとなる方々ですが、こうした方々に等身大の“日本”を知ってもらい、その“日本”を中国の人々に伝えてもらうことが、この招聘の主な目的です。
8日間の日程で、東京、宮城、北海道の各地域を巡り、日中フォーラムの開催、図書館見学、関係者や被災地の訪問など様々なプログラムを実施し、多角的な日本理解を図りました。
招聘報告の第一弾として、今回は、「日中大学図書館フォーラム」と図書館見学を紹介します。
★「日中大学図書館フォーラム2015」
6月30日、日中の大学図書館関係者の情報交換の場として、「日中大学図書館フォーラム2015」を東京工業大学附属図書館と共催しました。
オープンな形で開催されたフォーラムには、一般参加者を含め約80名の図書館関係者が参加しました。
日中の大学図書館を代表する各3名の講師が、それぞれ「大学図書館の変遷と発展」をテーマに、大学図書館の現状・今後の課題・展望、ラーニング・コモンズへの取組みなどを発表しました。続く質疑応答でも活発な情報交換が行われ、相手国の図書館事情に対する認識が深まったとの声が聞かれました。
* 基調講演
・千葉大学附属図書館 館長 竹内 比呂也「これからの大学図書館」
・上海交通大学図書館 館長 陳 進
「未来に向けた思考、革新による展開」※「講演原稿」ダウンロード
*講演
・筑波大学図書館情報メディア系 准教授 呑海 沙織
「ラーニング・コモンズと学生アシスタント」
・北京大学図書館副館長 別立謙
「北京大学図書館 世界一流に向けての行動計画2014〜2018概要」
・東京工業大学附属図書館館長 高橋栄一
「研究大学における電子ジャーナル」
・大連理工大学図書館館長 楊海天
「日本科学協会の大連地区の大学への寄贈図書の現状及び提案」

約80名が詰めかけたフォーラム会場

訪日団長・上海交通大学図書館館長 陳進 氏

北京大学図書館副館長 別立謙氏

大連理工大学図書館館長 楊海天氏

★図書館見学
日本の大学図書館等を多角的に理解してもらうため、特徴ある4つの大学(明治大学、東京工業大学、公立はこだて未来大学、北海道大学)の各大学図書館と東洋学研究の専門図書館である東洋文庫を訪問しました。
図書館の施設・設備、蔵書・貴重書籍等の見学、また各図書館関係者との情報交換を通じて、訪日団は、大学教育における図書館の位置づけ、図書館コンセプト、利用者サービス、図書管理システムなどついて理解を深めました。
レファレンスサービスに関する説明を聞く訪日団(明治大学)
本の森の中で心落ち着くモリソン書庫(東洋文庫)
「オープンスペース、オープンマインド」がモットー(公立はこだて未来大学)
自動化書庫などについて質疑応答(北海道大学)
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