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中国の若者が綴る“感知日本 ”―「中国語の作文コンクール」第6回入賞作品他―@ [2009年12月09日(Wed)]
中国の若者が綴る“感知日本 ”

―「中国語の作文コンクール」第6回入賞作品他―


 今回は、「笹川杯作文コンクール2009」(中国語版)優秀賞紹介の最終回です。
11月分の3点と追加選定された1点をまとめて紹介します。ここに掲載の4点を含めた合計18点の優秀作品については、さらに最終審査を行い、一等賞6点を決定します。また、一等賞受賞者については、来年1月下旬、副賞として日本に招聘します。

 中国語の原文は、それぞれ11月8日(「日本的基礎教育譲我感到震撼」)、15日(「遅到的感謝」)、22日(「我的空手道社団 我的大学時代」)、29日(「我参加了日本的小発明比賽」)の「中国青年報」紙とwebサイトでご覧いただけます。



(「中国青年報」紙 2009年11月8日、15日、22日)




日本の基礎教育に震撼


北京市 劉玲

 私が日本の基礎教育に初めて触れたのは、有名な絵本作家である佐々木洋子の作品だった。
 2007年の暮れ、息子が一歳半だった時、友人の薦めで佐々木洋子の叢書一式を手当たり次第買い与えた。本は全7冊のセットで、それぞれの本には赤ちゃんの身近な出来事ばかりが書かれていた。『うんちがしたいの』など、子供に便のしかたを教えるものもあり、『歯磨きするの』など、良い生活習慣を教えるものもあった。
 面白いのは、この本が説教めいたところはなく、ふとっちょのカバ、ちっちゃなネズミ、ちっちゃなブタの3匹の仲間がとる行動を通して、子供に何をすべきか何をすべきでないのかを教えていることだ。息子はこのセットをことのほか気に入り、いつも読み聞かせをせがんできた。

 この本を見て呼び起された子供の頃の記憶もある。小さい頃に見た『鉄腕アトム』、『一休さん』、『花の子ルンルン』などいずれも“日本製”の作品が思い出され、ネットからこれらの主題歌をダウンロードして息子に聞かせた。不思議なことに息子はすぐ覚えてしまい、時には口ずさむようにもなった。歌を聴く時には「ママ、この歌って中国語なの?日本語なの?」と尋ねるほどのお気に入りようであった。
 私は、ネットワークセキュリティ・エンジニアである。帰宅すれば子守りが仕事となっており、数々の国際問題にも特に関心はない。しかし、子供と一緒に日本の絵本や歌に触れるようになってから、こうした“製品”たちを生み出した国には、間違いなく子供の教育にも独自の優れた点があると感じていた。それから、意識的に日本の基礎教育に目を向けるようになったのである。

 専門が数学だったため、習慣的にデータから手をつけてみた。見なければ分からなかったこと、見ただけで飛び上がるほど驚いたこと。日本の基礎教育に関するデータを集めると、私は深く震撼した。私は馮昭奎と林昶の共著の『中日関係問題報告』から、日本の基礎教育水準についておおよその理解を得ることができた。
 日本は1868年の明治維新の時に国民全員の義務教育を実行したが、義務教育の責務を完遂できなかったために割腹自殺する地方の官僚も出た。1911年には早くも6年間の義務教育の入学率が98%に達している。1947年、日本は義務教育を9年に延長した。
 日本の初等教育の入学率は100%である。この水準に達している国としては、他に韓国、スウェーデン、イギリス、フランス、カナダ、アルゼンチン、イタリアなどがある。日本の中等教育の入学率は99.5%で、世界でも第1位である。基礎教育の堅固な発展が、平均的に教養のある日本国民を育て、日本の経済と社会の発展の最も貴重な資源になっている。

 日本の教育投資はずっと高い水準を保っている。1990年代以降、教育経費にはGDPの5%前後が投じられ、国の文教予算は国家予算の7.5%〜7.9%を占めており、国及び地方自治体の教育投資はその総支出の16%〜17%を占めている。地方自治体による教育への投資もかなり大きい。例えば、和歌山市の2002年における教育経費は1294億円にものぼり、当年の財政支出の23.5%に相当する。ここから、日本人がどれほど教育を重視しているのかが窺える。
 1947年、日本は『児童福祉法』を発布した。孤児であれば国籍を問わず、全て政府が引き取って育て、高校教育を終えるまで保証するというものである。敬服に値するのは、その頃は第二次大戦終結からわずか2年で、日本は極度の貧困にあったこということである。多くの家庭は生計の維持すら困難であり、多くの子供が裸足で通学するほかなかった。日本人は、最も苦難に満ちた時期にしっかりと緒を締めて教育を行ったのである。その戦略眼と遠大な見識には確かに敬服させられる。

 政府が重視するのは“ハード”への投資だが、教育の内容は“ソフト”に属するものである。私は息子が幼稚園にあがる前に『三字教』を暗唱させ、日本人の友人から大いに賞賛された。彼によると、道徳や礼儀の教育は日本の小中学校の重点科目なのだそうだ。
 日本では、小学校一年生から“道徳”が必修で、教え方には二種類あるのだとその友人は教えてくれた。1つは、教師が道徳、礼儀、処世について語り、道徳が人格形成にどれほど重要かという意識を学生に注ぎ込むというものである。教科書の素材はほとんどすべて諸子百家の思想で、孔子、孟子、老子、韓非子、そして忠、孝、仁、礼がいずれもある。一時間目の授業にはよく「己の欲せざるところ人に施すなかれ」が使われる。教師が「もし、お友達にカバンを盗まれたら、みんなにいじめられたら、うれしいかな?」と問いかけると、児童が一斉に「いやです!」と叫ぶ。教諭が「じゃあ、お友達にもそうしちゃいけませんよ。分かりましたか?」と続け、児童は「はい!」と答える。

 もう1つは、実践である。学校側が子供達を老人ホーム、障害者の入所先などへ連れて行って弱者の世話を経験させ、できるだけ交流させて付き合い方を学ばせるというものである。老人ホームと幼稚園を同一箇所に設立するという現象さえあるのだ。
 こうした話を聞いて、内心ではとても複雑なものを感じた。仁、義、礼、智、信は全て中国の古い文化の精華であり、高齢者を大事にして敬うというのも中国に伝わる美徳である。こうしたものが異国で花開き実を結ぶのは喜ばしいことである。惜しむらくは、中国の伝統文化がむしろ本土ではしっかりと伝えられていないことである。中国の子供が学ぶ重点はアルファベット、ピアノ、数学であって、こうした古典文化ではないのだ。

 基礎教育は個人の成長にとって重要な段階であり、全ての子供が公平な教育機会を得られるべきであると思う。この段階では、古典の漢詩を暗唱することも、何種類もの外国語をマスターすることも重要ではない。最も重要なのは、基本的な礼儀や規範を守り、文化・教養を身につけ、身の処し方を知ることであるべきである。こうした面において、中国が日本から学ぶべきところは多い。
 私は教育に従事している者ではないが、母親たる者、誰でも自分の子供が公平で清潔な環境で健やかに育って欲しいと願うものである。日本の基礎教育についてさらに理解を深める機会が得られることを心から望んでいる。基礎教育の分野で中国と日本がもっと交流を持つこと、互いに長所を取り入れ短所を補い、自らの教育を立派に成し遂げられるようになることを願ってやまない。
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