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条例制定までの道すじ [2010年08月03日(Tue)]
条例制定までの道すじ


条例の会代表 杉山裕信

1.条例づくりの取り組み−地方から国へ


(1)なぜ、条例が必要なのか?
○まちづくり条例から必要なのか?
 条例とは、自治体のつくる法律です。すでに、いくつかの自治体で障がい者の権利条約がつくられました。条例は法律の下位に位置しますので、法律ができれば、条例なんかつくらなくてもいいんじゃないかと思えますよね。では、なぜ条例が必要なのでしょうか?
 1992年の大阪と兵庫で日本で最初の福祉のまちづくり条例がつくられました。努力義務ではありましたが、公共交通機関や建築物にバリアフリー化を求める一定の基準を設けたのは、日本の法律・条例の中では初めてのことでした。この条例は他府県にも大きな影響を与え、わずか数年の間に全国の自治体がこぞって福祉のまちづくり条例を制定してゆきました。そこからバリアフリーという視点が社会に広まり、国を動かすことになります。1994年のハートビル法、2000年のバリアフリー法制定へと大きく動いていきます。地方の取り組みが大きなうねりとなり、国を動かしたのです。
 権利法も同じように、地方での取り組みが広がれば、やがて国を動かす力となり、差別禁止法の制定につながります。だからこそ、地域での差別禁止条例づくりは大切な取り組みなのです。

○地域社会は地域住民が創る
 地域社会はそこに住む人たちがつくるものです。たとえば、介助制度が整っている市は、その市に住む障がい当事者が運動をした成果です。施設や親元から飛び出して自立生活を実践し、行政と介助制度交渉を積み重ね、公共交通機関とバリアフリー化の交渉を繰り返し、住みやすい地域社会をつくってきたのです。
 差別は地域との関わり合いの中にあります。その地域をどうするか、どういう社会をつくっていくかは、そこに住む住民が決めるのです。条例づくりの運動は、まさに地域住民が地域社会をつくる実践なのです。

○障がい者の団結は未来を切り開く鍵
 どんな障がいであれ、差別問題は日本の社会に存在します。差別は障がいの種別を超えた共通の課題です。共通の課題であれば、一緒に運動出来ます。これまでは自分たちの団体を中心に活動してきたところも、障がい種別を超えた他団体との関係づくり、その上での大きな枠での運動の展開が必ず必要となります。条例づくりの運動は、他団体との大きなネットワークづくりが必要不可欠です。
 障がい者が団結すること、それはこれからの時代を切り開く大きな鍵です。条例づくりは、条例をつくるだけではなく、私たちが団結するチャンスなのです。不安も多く、地道な取り組みになりますが、新しい関係、地域づくりに取り組んでみてください。

(2)条例は法律をこえられないのか?

 条例は自治体の法律なので、国レベルで策定している法律の方が上位にきます。憲法→法律→条例という順番です。では、差別禁止の法律がなければ、条例で書けることは限定されるのでしょうか?たとえば、差別禁止法がない現状では、条例で差別の禁止といったことを書くことは出来ないでしょうか?
 そうではないのです。憲法があるから大丈夫なのです。憲法14条は差別の禁止で、明確に障がい者という文言は入っていませんが、障がい者も含まれると解釈できます。だからこそ、国連障がい者の権利条約を日本が批准することができるのです。もし、憲法第14条に障がい者は含めれないとしたら、憲法を改正しない限り権利条約を批准することはできません。それはあり得ませんから、障がい者も含まれると解釈できます。差別禁止の法律がなくても、憲法14条がありますから、条例で差別の禁止を書くことはできます。やる気さえあれば、条例で踏み込んだことを書くことはできます。行政は、「差別禁止の法律がないから、条例では書けない」というかもしれませんが、そんなことはないのです。ようは、やる気があるかどうかという問題です。

(3)地域での条例づくりの取り組み

 2006年に千葉県で、国内最初の障がい者の権利を守る条例ができました。差別事例の募集から地域での丁寧な集会を重ねて、議会の多数が反対する中、障がい者団体が力を合わせてロビー活動を展開し、成立にこぎつけました。
 2009年3月には北海道で国内2番目の条例が出来ました。こちらは、地元団体の働きかけがきっかけとなり、与野党が協力し成立しました。
 その他の地域でも、障がい者団体が条例づくりの運動を展開しています。

(4)当事者運動で条例をつくり、活用する
○当事者運動で条例をつくる
 良いものをつくろうとしたら、当事者の声を聞くことが不可欠です。権利条約は非常に良い内容になりましたが、これは世界中の当事者が積極的に働きかけた成果です。策定過程に当事者が参画し、当事者の声を尊重してつくるというのは、良い制度作りに不可欠な要素です。
 日本では、当事者が参画して制度を作るということをこれまでほとんどやってきませんでした。問題だらけの制度・政策が多いのは、当事者の声を聞かずにつくったことが大きな要因です。条例づくりは、ぜひとも障がい当事者が中心になって運動を展開し、作成の段階から当事者が参画し、係わっていくことが求められます。

○当事者が条例を活用する
 差別禁止条例や差別禁止法ができたら、それですんなりと地域社会が良くなるわけではありません。地域で条例を活用した人権活動が必要です。条例や法律は闘うための武器です。条例を使って人権活動をしなければ、差別はなくなりません。条例づくりの運動の中で広範な協力関係をつくり、条例を活用して人権活動をすることが、差別をなくし地域を変えていくのです。

(5)運動のポイント

 どうやったら自分の住む自治体に条例をつくることが出来るのでしょうか。これは、ほとんどの人がやったことがないことなので、想像しにくいです。これまでに、千葉県、北海道で実際に条例がつくられましたので、それをもとに考えてみましょう。


@核となる当事者団体
 まずは、条例づくり運動の核となる団体(グループ)が必要です。同じ考えを持ち、一緒に運動していく仲間です。学習会や会議などを繰り返し、方向性を共有し、内部を固めていくことが大切です。

A広いネットワークづくり
 核となる団体が出来たら、次はより広いネットワークづくりです。他の障がい者団体、JDFの地域組織などに呼びかけ、一緒に取り組む団体や組織を増やします。より多くの当事者団体と連携をとることが、行政や議員への働きかけの力となります。シンポジウムや講演会などを行い、条例をつくりたいという人を集め、組織していきます。

B地域での丁寧な掘り起こし
 千葉県では、県内各地で大小さまざまなタウンミーティング(集会)を開いたそうです。主催は地元団体。そこから多くの人が集まり、ネットワークができ、条例づくりの運動が活発化していきました。差別をテーマとしたワークショップ、学習会などを各地で開催し、丁寧に運動を続けていけば、より多くの協力者が集まってくれます。

C議員への働きかけ
 広いネットワークが出来れば、いよいよ議員への働きかけです。北海道は地元団体が各党に働きかけ、シンポジウムを開催したことが条例づくりのきっかけとなりました。議員の中に理解者を見つける、超党派で議員に働きかけます。

D行政内部の理解者
 行政内部にも協力者が必要です。これまで条例をつくった自治体では、差別禁止条例に積極的に関心を持つ職員がいたそうです。自分の住む自治体にも関心を持つ職員がいないか、積極的に働きかけてみましょう。
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