『椿三十郎』 観てきました。
[2007年12月11日(Tue)]
1962年1月に公開された黒澤明監督と三船敏郎コンビの名作『椿三十郎』のリメイク作品である。
9月に公開された『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』の原案の原案は黒澤作品『用心棒』であるし、
9月にはテレビ朝日系列で『生きる』と『天国と地獄』がリメイクされ、放映されている。
さらに、
1958年作品『隠し砦の三悪人』も、
『ローレライ』『日本沈没』の樋口真嗣監督により現在製作中で、来年5月に公開予定である。
森田芳光監督は『椿三十郎』をリメイクするにあたり、
黒澤明作品の脚本(菊島隆三、小国英雄、黒澤明)をそのまま使用している。
設定を変えたりしない。
これは、大胆な実験作でもある。
同じシナリオでも演出によって、変わってくるのである。
そのことを熟知した上での森田芳光監督の挑戦である。
オリジナルは、モノクロ・シネマスコープ、上映時間1時間38分。
2007年版は、カラー・シネマスコープ、ドルビーデジタル、上映時間1時間59分。
上映時間は、今回のカラー作品の方が約20分長い。
ある藩で、九人の若侍は、上級役人の汚職・不正を暴くために立ち上がる。
しかし、逆に悪人の手によって、絶体絶命の危機にさらされてしまう。
その時、一人の浪人が現れ九人を救った。
浪人の名は椿三十郎……。
織田裕二40歳。
三船敏郎は42歳の時に『椿三十郎』を撮っている。
松山ケンイチが演じた若侍のリーダー井坂伊織役は、黒澤明オリジナルでは、加山雄三が扮していた。
豪快で荒削りな三船三十郎が、若侍たちの父親的存在であるのに対して、
織田三十郎は、若者たちの兄貴のような存在に見えてくる。
のらりくらりとしたところは、現代のモラトリアム中年のようでもある。
【(カテゴリなし)の最新記事】