• もっと見る

こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


検索
検索語句
<< 2023年05月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
カテゴリアーカイブ
プロフィール

こどもと本ジョイントネット21・山口さんの画像
月別アーカイブ
最新コメント
タグクラウド
日別アーカイブ
https://blog.canpan.info/jointnet21/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/jointnet21/index2_0.xml
「電気」とSDGsの深い関係 〜わたしにもできるSDGs〜 @ 中国電力 × 小郡みんな食堂 [2023年05月11日(Thu)]
5月28日(日)、山口市小郡地域交流センターで、「「電気」とSDGsの深い関係 〜わたしにもできるSDGs〜」 が開催され、ワークショップ、サルベージ・ランチ、おはなし会が実施されますぴかぴか(新しい)

おはなし会は、周南市の山口子どもの文化研究会さんが、SDGsをテーマに自作の紙芝居の実演や絵本の読み聞かせをしますぴかぴか(新しい)
かわいいこどもと本ジョイントネット21・山口の「おはなしの出前」です。

345840575_757757992560919_4823975262441004317_n.jpg

「SDGs」って何でしょう?
これって「2030年を目指して、世界中のみんなで達成する目標」のことなんです。
でも「電気とSDGsって関係あるの?」って思いますよね?
実は深〜いつながりあるんです。
持続可能な社会の実現には、電気がどこからやってくるのか、電気をどのように使うかといった知識と、行動が必要になります。
ワークショップでは、クイズや実験を通して、「電気とSDGsの世界」をのぞいて、楽しく小学生が自分でできることを考えます。
また、フードロス削減を目指したサルベージ・ランチの提供や、ランチの後には、SDGsをテーマにしたおはなし会で、紙芝居の実演や絵本の読み聞かせをします。


るんるん日時るんるん 2023年5月28日(日)
  @午前の部 11:00〜(受付開始 10:50)
    ※ワークショップ 11:00〜12:00
    ※ワークショップ + ランチ + おはなし会 の順で実施します
  A午後の部 12:00〜14:30(受付開始 11:50)
    ※ワークショップ 13:30〜14:30
    ※ランチ + おはなし会 + ワークショップ の順で実施します
るんるん場所るんるん 山口市小郡地域交流センター 1F 第一講義室
    山口市小郡下郷609-1

るんるんプログラムるんるん
  午前の部ワークショップ 11:00〜12:00
  サルベージ・ランチ 12:00〜
  おはなし会
  午後の部ワークショップ 13:30〜14:30

るんるん対象るんるん 小学生4〜6年生
    保護者も参加可
るんるん定員るんるん 各回15名程度(申込多数の場合は抽選)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん申込締切るんるん 2023年5月27日(土)
るんるん申込先るんるん 
  https://forms.gle/uHBn9ApMwh4c8SSg6
  phone to 090-2827-9619(小郡みんな食堂実行委員会 日・水 9:00〜18:00)
るんるんその他るんるん
  ワークショップは、午前の部・午後の部とも同じ内容です
   どちらかをお選びください
  サルベージ・ランチは、午前の部・午後の部の参加者全員で食べます
  おはなし会は、ランチの後、午前の部・午後の部の参加者全員で参加します
  一緒に参加された保護者の方にも、サルベージランチはご準備しますが、会場の関係でおはなし会に参加できないことをご了承ください
  当日は報道機関(テレビ・新聞)から取材を受ける可能性があるほか、当日の様子を撮影した写真(顔写真を含む)を中国電力のパンフレット、Facebook等で紹介することがありますので、あらかじめご了承ください
るんるん問合るんるん phone to 090-2827-9619(小郡みんな食堂実行委員会 日・水 9:00〜18:00)
るんるん共催るんるん 中国電力(株)山口支社、小郡みんな食堂実行委員会
るんるん協力るんるん こども明日花プロジェクト、山口子ども文化研究会



『100さいの森』
(松岡達英/作 講談社 2020.11)
IMG_E8423.JPG



かわいいおはなしの出前
こどもと本ジョイントネット21・山口の活動の一つに「おはなしの出前」があります。
「おはなしの出前」は、「絵本や物語の楽しさを届けに、どこへでも出かける」活動で、おはなし会など開催希望のところへジョイネットの所属団体や応援団の方を派遣しています。
昨年度は、「おはなしの出前」で、下関市のあかね会さんを山口県立豊浦総合支援学校へ派遣しました。

2023応援団募集チラシ.PNG
岩瀬成子さん × いとうみくさん スペシャルトークイベント @ 理論社創立75周年記念イベント [2023年05月10日(Wed)]
5月12日(金)、理論社創立75周年記念イベント 岩瀬成子さん × いとうみくさん スペシャルトークイベントがハイブリッド開催されますぴかぴか(新しい)

F2EC5806-7D3E-432B-B9B1-C2D32009F62F.jpeg

理論社創立75周年を記念し、今を生きるこどもたちに向けて作品を生み出して続けている、岩瀬成子さんといとうみくさんをお迎えし、スペシャルトークイベントを開催いたします。
『朝はだんだん見えてくる』(日本児童文学者協会新人賞)で理論社にてデビューして以来、昨年45周年を迎えた岩瀬成子さん、昨年デビュー10周年を迎え、『あしたの幸福』(河合隼雄物語賞)など理論社でも著作のあるいとうみくさん 、お互いの作品をリスペクトし合う、お二人が考える児童文学の魅力や創作の裏側に迫ります。また理論社75周年を記念し、理論社作品のなかからお気に入りやその魅力などもお聞きしたいと思います。お二人の魅力、児童文学の奥深さを感じに是非ご参加ください。
トークイベント終了後、店舗でご参加され、当店にて岩瀬成子さん・いとうみくさんの著書をお買い上げのお客様に限り、サイン会を行います。


るんるん日時るんるん 2023年5月12日(金)19:00〜20:30
るんるん会場るんるん ジュンク堂書店池袋本店4Fカフェ(※30分前開場)
     〒171-0022 東京都豊島区南池袋2丁目15-5

るんるん会場イベントるんるん
 るんるん会場定員 15名

るんるんオンラインイベントるんるん
 るんるんアーカイブ視聴期間 配信終了から3日間 5月15日 23:59まで

るんるんチケットるんるん
 るんるん会場参加チケット 2,000円(税込) Sold Out
 るんるんオンライン視聴チケット  1,100円(税込)
 るんるん書籍付チケット 
  『くもり ときどき 晴レル』+オンライン視聴チケット 2,310円(税込)
  『あしたの幸福』+オンライン視聴チケット 2,310円(税込)

るんるんチケット申込るんるん 丸善ジュンク堂書店オンラインイベント
   https://online.maruzenjunkudo.co.jp/products/j70019-230512?variant=42366238195898
るんるんチケット販売期間るんるん 2023年4月13日(木)12:00〜5月12日(金)18:30


かわいい岩瀬 成子(いわせ・じょうこ)かわいい
山口県生まれ。
作家・今江祥智氏に師事し、1977年『朝はだんだん見えてくる』(理論社)でデビューし、第11回日本児童文学者協会新人賞受賞を受賞。その後『「うそじゃないよ」と谷川くんはいった』(PHP研究所)で第41回小学館文学賞、第39回産経児童出版文化賞受賞、『ステゴザウルス』(マガジンハウス)『迷い鳥とぶ』(理論社)の2作により第17回路傍の石文学賞受賞、『そのぬくもりはきえない』(偕成社)で第48回日本児童文学者協会賞、『あたらしい子がきて』(岩崎書店)で第52回野間児童文芸賞、第5回JBBY賞、IBBYオナーリスト賞、『きみは知らないほうがいい』(文研出版)で第62回産経児童出版文化賞大賞、『もうひとつの曲がり角』(講談社)で第36回坪田譲治文学賞を受賞。
その他の作品に、『二十歳だった頃』(晶文社)『小さな小さな海』『まつりちゃん』(理論社)『ピース・ヴィレッジ』(偕成社)『くもりときどき晴レル』『ぼくが弟にしたこと』(理論社)『地図を広げて』(偕成社)『おとうさんのかお』(佼正出版)『ネムノキをきらないで』(文研出版)『わたしのあのこ あのこのわたし』(PHP研究所)などがある。


かわいいいとうみくかわいい
神奈川県生まれ。
『糸子の体重計』(童心社)で第46回日本児童文学者協会新人賞、『空へ』(小峰書店)で第39回日本児童文芸家協会賞、『朔と新』(講談社)で第58回野間児童文芸賞、『きみひろくん』(くもん出版)で第31回ひろすけ童話賞、『つくしちゃんとおねえちゃん』(福音館書店)で第69回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、『あしたの幸福』(理論社)で第10回河合隼雄物語賞、『ぼくんちのねこのはなし』(くもん出版)で第38回坪田譲治文学賞を受賞。
『二日月』(そうえん社)が第62回、『チキン!』(文研出版)が第63回、『天使のにもつ』(童心社)が第66回、『つくしちゃんとおねえちゃん』(福音館書店)が第68回と、それぞれ青少年読書感想文全国コンクールの課題図書に選ばれた。
他の著書に、『かあちゃん取扱説明書』(童心社)、『まいごのしにがみ』(理論社)「車夫」シリーズ(小峰書店)などがある。
全国児童文学同人誌連絡会「季節風」同人。


『くもり ときどき 晴レル』
(岩瀬成子/作 理論社 2014.2.1)
446769C6-EDED-4D4E-BF00-67AC17DD5DB5.jpeg


『あしたの幸福』
(いとうみく/文 松倉香子/絵 理論社 2021.2.19)
D6D40ECD-A22B-4F98-A4F1-8582BA714DE1.jpeg
古地図を片手に街を歩こう ―肥中街道・山口編― @ 国際博物館の日記念事業 山口県立山口博物館 歴史探訪 [2023年05月09日(Tue)]
5月20日(土)、山口県立山口博物館 歴史探訪「古地図を片手に街を歩こう ―肥中街道・山口編―」が開催されますぴかぴか(新しい)

IMG_E4552.JPG IMG_E4554.JPG

県立山口博物館では、江戸時代の絵図を片手に歴史の道や史跡を探訪する講座を開催します。歴史の道を歩きながら、楽しく歴史を学んでみましょう!

るんるん日 時るんるん 2023年5月20日(土)10:00〜12:00 
  ※雨天中止
  ※雨天中止の場合は、当日朝、メールもしくは電話で参加者に連絡
るんるん場 所るんるん 山口市吉敷地区
るんるん集 合るんるん 山口市吉敷地域交流センター駐車場

るんるん内 容るんるん 
 肥中街道は、山口市道場門前と下関市豊北町肥中を結ぶ、全長約67キロメートルの街道です。中世、大内氏が海外貿易に使用したことで知られています。主要街道の山陽道・萩往還などに対して、規模は小さいものでしたが、赤間関街道と交差し、長門国を横断する街道として江戸時代も重要な役目を果たしました。
 今回は、肥中街道の面影を伝える山口市吉敷地区の旧道を江戸時代の村絵図をもとに探訪します。


るんるん講 師るんるん 山田 稔(みのる) (山口県立山口博物館 学芸課 主任)
るんるん対 象るんるん 一般(小学生は保護者同伴) 
るんるん定 員るんるん 20名 
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん服 装るんるん 歩きやすい服装
るんるん申込期限るんるん 5月10日(水)
るんるん申込方法るんるん 「メールフォーム」、「メール」、「往復はがき」
  1メールフォーム 
  https://www.yamahaku.pref.yamaguchi.lg.jp/form.html
  山口県山口博物館HP トップページ → イベント情報 → 講座専用メールフォーム
  2メール 
  mail to yamahakukouzaXpref.yamaguchi.lg.jp(Xを@に変換)
  「歴史探訪」、参加者全員氏名、年齢、郵便番号、住所、電話番号、メールアドレスを明記
  3往復ハガキ(5月10日必着)
  《宛先》〒753-0073 山口市春日町8-2 山口県立山口博物館「歴史探訪」係
  参加者全員の住所、氏名、年齢、電話番号を明記
るんるん抽選についてるんるん 希望者多数の場合は、抽選
  結果は5月12日(金)までに通知
  ※郵便の申込場合は5月15日(月)までに通知

るんるん問合先るんるん 山口県立山口博物館「歴史探訪」係(担当:山田)
  電話 083-922-0294
るんるん主 催るんるん 山口県立山口博物館

9111EDD9-1AD8-4180-9780-150EDB263018.jpeg
▲2019年5月11日 歴史探訪「古地図を片手に街を歩こう ―肥中街道・山口編―」
歌って、踊って、語って! 第3回 図書館でオープンマイク!  参加者募集中! [2023年05月08日(Mon)]
5月21日(日)、山陽小野田市立中央図書館で、第3回「図書館でオープンマイク」が開催され、その参加者を募集していますぴかぴか(新しい)

FEBFE336-0922-422E-A4DD-87E5F370D38A.png

るんるん日時るんるん 2023年5月21日(日)13:30~16:00
るんるん会場るんるん 山陽小野田市立中央図書館 2F 視聴覚ホール
るんるん講師・司会るんるん 桑原滝弥、Kenta(雑草人)
るんるんスケジュールるんるん

第1部 表現を身近に感じるワークショップ
今回は、舞台歴30年以上のキャリアの桑原滝弥(詩人) とKenta(雑草人)が誰もが自由に体験できる演劇エチュード(即興劇)を展開します。
是非とも体験してみて下さい。


第2部 誰でも参加発表できる『オープンマイク』
オープンマイクとは、誰でも飛び入りで参加可能な欧米などでポピュラーな表現形式のこと。        
詩、歌、ダンス、演劇、お笑い、ラップ、 朗読、絵、書や写真の発表、マジック、各種楽器演奏、 パフォーミングアートなど表現のジャンルは問いません。
「最近こんなことを始めましたor始めたい」
「こんなことを感じています」などのプレゼンやPR
他にもスピーチ、告白、祈りなどなんどもありです。
人前での表現をされる方なら、どなたでも参加できます。
※特定の宗教及び政治団体の勧誘、また誰かを誹謗中傷するような表現をお断りします。


 るんるん制限時間1人(組)5分間
 るんるん自作他作不問

るんるん参加資格るんるん どのなたでもOK!
るんるん観覧のみの参加も大歓迎!
   歴史が生まれる瞬間の目撃者にぜひなってください!
るんるん参加費るんるん 無料(投げ銭方式)
るんるん参加申込締切るんるん 5月17日(水)
るんるん申込方法るんるん カウンター・電話・FAX ・ E-mail
るんるん問合・申込るんるん 山陽小野田市立中央図書館
   電話 0836-83-2870
   fax to 0836-83-3564
   mail to cyuo-library●city.sanyo-onoda.lg.jp
   (●は@に置き換えてください)
るんるん主催るんるん 図書館創発会議(山陽小野田市立中央図書館内)


かわいい桑原滝弥さんプロフィールかわいい
演劇・音楽・パフォーマンス活動を経て、1994年、詩作を開始。以降、「あらゆる時空を"詩"つづける」をモットーに、紙誌、舞台、映像等、様々な媒体で作品を発表。詩人・谷川俊太郎との競演企画『俊読』(全国開催)や、『tamatigi』『蓬莱座オープンマイク』といったライヴイベントをプロデュース。自伝詩集『詩人失格』(私誌東京)など。詩芸企画『詩人類』代表。
秋吉台の自然をたずねて [2023年05月07日(Sun)]
6月4日(日)、初夏の秋吉台で動植物を観察する「秋吉台の自然をたずねて」が開催されますぴかぴか(新しい)

EE5B6A4A-266B-4C4A-8B64-72A004511EDC.jpeg

秋吉台カルスト展望台の周辺を散策し
カッコウをはじめ、初夏の草原で動植物を観察しましょう。


るんるん日時るんるん 2023年6月4日(日)8:00〜12:00
  ※雨天時 小雨決行(荒天中止)
るんるん集合場所るんるん 秋吉台カルスト展望台駐車場
  〒754-0511 美祢市秋芳町秋吉台山
  ※現地集合・現地解散
るんるん定員るんるん 30名(先着順)
るんるん参加費(保険料)るんるん 高校生以上 300円、小中学生 100円、未就学児無料
るんるん受付期間るんるん 2023年5月4日〜6月1日(木)
  ※定員になり次第締切
るんるん申込方法るんるん メールで申込(電話、FAX、窓口での申込も可)
  参加者の氏名、年齢、お住まいの市町村、 電話番号(代表者)を伝える
るんるん問合・主催るんるん 新光産業きらら浜自然観察公園 担当:繁里(しげり)
  〒754-1277 山口市阿知須 10509-53
  mail to kirara-m@gaea.ocn.ne.jp
  電話 0836-66-2030
  ホームページ https://kirara-h.com/
「朗読会」&「ミニライブ GOMESS」 @ 中原中也生誕祭2023 「空の下の朗読会」 [2023年05月06日(Sat)]
4月29日(土・祝)は、中原中也の116回目の生誕日ぴかぴか(新しい)

中原中也生誕を祝って、「中原中也生誕祭「空の下の朗読会」」が、ホテルニュータナカ 2F 平安の間で開催されましたぴかぴか(新しい)

453088EF-282A-4140-876D-0A0000439EBF.jpeg

あいにくの雨雨 それもどしゃぶりで、昨年に続き、中原中也記念館前庭で開催されず、「屋根の下の朗読会」となりました。
この数年「空の下の朗読会」は雨が続いている気がしますもうやだ〜(悲しい顔)

IMG_E8392.JPG

第一部「朗読会」では、詩の朗読を好んだ中也にならい、 応募された皆さんが3分間の制限時間のなかで愛読の本や詩を朗読されました。
福島からも来山されて朗読してくださいました。

中原中也賞を受賞された青柳菜摘さんは、「蝉」(中原中也)

蝉が鳴いてゐる、蝉が鳴いてゐる
蝉が鳴いてゐるほかになんにもない!
うつらうつらと僕はする
……風もある……
松林を透いて空が見える
うつらうつらと僕はする。

『いいや、さうぢやない、さうぢやない!』と彼が云ふ
『ちがつてゐるよ』と僕がいふ
『いいや、いいや!』と彼が云ふ
『ちがつてゐるよ』と僕が云ふ
と、目が覚める、と、彼はとつくに死んだ奴(やつ)なんだ
それから彼の永眠してゐる、墓場のことなぞ目に浮ぶ……

それは中国のとある田舎の、水無河原(みづなしがはら)といふ
雨の日のほか水のない
伝説付の川のほとり、
藪蔭の砂土[しゃど・さど]帯の小さな墓場、
――そこにも蝉は鳴いてゐるだろ
チラチラ夕陽も射してゐるだろ……

蝉が鳴いてゐる、蝉が鳴いてゐる
蝉が鳴いてゐるほかなんにもない!
僕の怠惰? 僕は『怠惰』か?
僕は僕を何とも思はぬ!
蝉が鳴いてゐる、蝉が鳴いてゐる
蝉が鳴いてゐるほかなんにもない!

(一九三三・八・一四)



と第28回中原中也賞受賞詩集『そだつのをやめる』から「セミ」を朗読されました。

AC0AD5D8-9D47-4A51-BFF0-F5A4019CC76D.jpeg
▲『そだつのをやめる』(thoasa 2022)

https://youtu.be/YsTtak8CmGY


『キーウの月』

IMG_8273 (2).JPG IMG_8274 (2).JPG 
0BEE8BE0-84F3-4B05-8BE9-CA5BE57C4FFE.jpeg 
▲『キーウの月』
(ジャンニ・ロダーリ/作 ベアトリーチェ・アレマーニャ/絵 内田洋子/訳 講談社 2022.8)



「鯨法会」(金子みすゞ)

IMG_8275 (2).JPG 
空のかあさま.jpg
▲『金子みすゞ 空のかあさま』 (石井昭/影絵 テレビ山口/編 新日本教育図書 1997.2.1)

鯨法会は春のくれ、
海に飛魚採れるころ。

浜のお寺で鳴る鐘が、
ゆれて水面をわたるとき、

村の漁師が羽織着て、
浜のお寺へいそぐとき、

沖で鯨の子がひとり、
その鳴る鐘をききながら、

死んだ父さま、母さまを、
こいし、こいしと泣いてます。

海のおもてを、鐘の音は、
海のどこまで、ひびくやら。



併せて「サンデー山口」No38「中原中也 詩の栞」(2022.5.21)に掲載の
「また来ん春……」

また来ん春と人は云ふ
しかし私は辛いのだ
春が来たつて何になろ
あの子が返つて来るぢやない

おもへば今年の五月には
おまへを抱いて動物園
象を見せても猫(にやあ)といひ
鳥を見せても猫(にやあ)だつた

最後に見せた鹿だけは
角によつぽど惹かれてか
何とも云はず 眺めてた

ほんにおまへもあの時は
此の世の光のたゞ中に
立つて眺めてゐたつけが……



と中原中也記念館の中原豊館長による解説を朗読されました。

https://nordot.app/900230042827456512


「春宵感懐」 (中原中也)

IMG_8279 (2).JPG 
BA69119A-48FE-450E-AA65-4C369F132E89.jpeg 
▲『出会い? 発見?! 感動!! 中也読本』(中原中也記念館/編 中原中也記念館 2015.10)

雨が、あがつて、風が吹く。
 雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
 なまあつたかい、風が吹く。


なんだか、深い、溜息が、
 なんだかはるかな、幻想が、
湧くけど、それは、掴めない。
 誰にも、それは、語れない。


誰にも、それは、語れない
 ことだけれども、それこそが、
いのちだらうぢやないですか、
 けれども、それは、示(あ)かせない……


かくて、人間、ひとりびとり、
 こころで感じて、顔見合せれば
につこり笑ふといふほどの
 ことして、一生、過ぎるんですねえ


雨が、あがつて、風が吹く。
 雲が、流れる、月かくす。
みなさん、今夜は、春の宵。
 なまあつたかい、風が吹く。



と『中也読本』の解説も読まれました。
すぐ後に同じ「春宵感懐」を他の方も朗読され、読み手による違いが堪能できました。


「頑是ない歌」(中原中也)

IMG_8276 (2).JPG 汚れちまった悲しみに.jpg
▲『中原中也 汚れっちまった悲しみに……』
(中原中也/詩 石井昭/影絵 福田百合子/監修 新日本教育図書 1998.8)


思へば遠く来たもんだ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気(ゆげ)は今いづこ

雲の間に月はゐて
それな汽笛を耳にすると
竦然(しようぜん)として身をすくめ
月はその時空にゐた

それから何年経つたことか
汽笛の湯気を茫然と
眼で追ひかなしくなつてゐた
あの頃の俺はいまいづこ

今では女房子供持ち
思へば遠く来たもんだ
此の先まだまだ何時までか
生きてゆくのであらうけど

生きてゆくのであらうけど
遠く経て来た日や夜(よる)の
あんまりこんなにこひしゆては
なんだか自信が持てないよ

さりとて生きてゆく限り
結局我(が)ン張る僕の性質(さが)
と思へばなんだか我ながら
いたはしいよなものですよ

考へてみればそれはまあ
結局我ン張るのだとして
昔恋しい時もあり そして
どうにかやつてはゆくのでせう

考へてみれば簡単だ
畢竟(ひつきやう)意志の問題だ
なんとかやるより仕方もない
やりさへすればよいのだと

思ふけれどもそれもそれ
十二の冬のあの夕べ
港の空に鳴り響いた
汽笛の湯気や今いづこ



その他にも、山口を第二の故郷だと言われる東聡海さんや英訳詩も一緒に詠まれた藤山照夫さんなど、懐かしい方々の朗読を聴くことができました。

山口の朗読屋さんの皆さんをカメラ

IMG_8286 (2).JPG




第二部 「ミニライブ GOMESS」

ラッパーのGOMESSさんは、青柳菜摘さんによる「蝉」「セミ」の朗読に触発されて、急遽セットリストを変更して、自作の「蝉」という同じタイトルの詩を、楽曲なし声だけで朗読されました。

https://youtu.be/Z8yzRoofVjQ


また、もちろん中也の「盲目の秋」を原作にしたGOMESSさんのオリジナル曲「盲目の秋」を披露してくださいました。

 I
風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限の前に腕を振る。

その間(かん)、小さな紅(くれなゐ)の花が見えはするが、
  それもやがては潰れてしまふ。

風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限のまへに腕を振る。

もう永遠に帰らないことを思つて
  酷白(こくはく)な嘆息するのも幾たびであらう……

私の青春はもはや堅い血管となり、
  その中を曼珠沙華(ひがんばな)と夕陽とがゆきすぎる。

それはしづかで、きらびやかで、なみなみと湛(たた)へ、
  去りゆく女が最後にくれる笑(ゑま)ひのやうに、

  
厳(おごそ)かで、ゆたかで、それでゐて佗(わび)しく
  異様で、温かで、きらめいて胸に残る……

      あゝ、胸に残る……

風が立ち、浪が騒ぎ、
  無限のまへに腕を振る。

 II
これがどうならうと、あれがどうならうと、
そんなことはどうでもいいのだ。

これがどういふことであらうと、それがどういふことであらうと、
そんなことはなほさらどうだつていいのだ。

人には自恃(じじ)があればよい!
その余はすべてなるまゝだ……

自恃だ、自恃だ、自恃だ、自恃だ、
ただそれだけが人の行ひを罪としない。

平気で、陽気で、藁束(わらたば)のやうにしむみりと、
朝霧を煮釜に填(つ)めて、跳起きられればよい!

   
 III
私の聖母(サンタ・マリヤ)!
  とにかく私は血を吐いた! ……
おまへが情けをうけてくれないので、
  とにかく私はまゐつてしまつた……

それといふのも私が素直でなかつたからでもあるが、
  それといふのも私に意気地がなかつたからでもあるが、
私がおまへを愛することがごく自然だつたので、
  おまへもわたしを愛してゐたのだが……

おゝ! 私の聖母(サンタ・マリヤ)!
  いまさらどうしやうもないことではあるが、
せめてこれだけ知るがいい――

ごく自然に、だが自然に愛せるといふことは、
  そんなにたびたびあることでなく、
そしてこのことを知ることが、さう誰にでも許されてはゐないのだ。

 IIII
せめて死の時には、
あの女が私の上に胸を披(ひら)いてくれるでせうか。
  その時は白粧(おしろい)をつけてゐてはいや、
  その時は白粧をつけてゐてはいや。

ただ静かにその胸を披いて、
私の眼に輻射してゐて下さい。
  何にも考へてくれてはいや、
  たとへ私のために考へてくれるのでもいや。

ただはららかにはららかに涙を含み、
あたたかく息づいてゐて下さい。
――もしも涙がながれてきたら、

いきなり私の上にうつ俯して、
それで私を殺してしまつてもいい。
すれば私は心地よく、うねうねの暝土(よみぢ)の径を昇りゆく。


https://youtu.be/Gmvs2mxs4mU


言葉のシャワーをたっぷり浴びた2時間でした。

どしゃぶりの雨雨の中、お茶の誘惑を振り切って、中原中也賞贈呈式の会場へ急ぎます。
岡本よしろう @ 山口ムサビ展2023 [2023年05月05日(Fri)]
5月7日(日)まで、クリエイティブ・スペース赤れんがで、武蔵野美術大学校友会山口支部主催の「山口ムサビ展2023」が開催されていますぴかぴか(新しい)

A2912389-5B61-441D-8346-CCE8F7738C1B.jpeg IMG_E8342(3).JPG

るんるん期間るんるん 2023年5月3日(水)〜7日(日)
るんるん時間るんるん 10:00〜17:00(初日は12:00より、最終日16:00まで)
るんるん場所るんるん クリエイティブ・スペース赤れんが
るんるん出展者るんるん 石丸真弓(周南市)、岡本よしろう(山口市)、岸田源太郎(防府市)、定金正嗣(東京都)、重田園子(埼玉県)、柴崎正比古(宇部市・故人)、種田和宏(山陽小野田市)、西岡康雄(光市)、古橋文香(津和野町)、藤本恭子(山口市)、前田和也(山口市) ※50音順(敬称略)
るんるん主催るんるん 武蔵野美術大学校友会山口支部


岡本よしろうさんの作品に会いに、今年もでかけました揺れるハート

岡本よしろうさんの作品は、今年は、絵本『パンダのパンやさん』(金の星社 2019.12)の展示でした。

5C5DBDB0-AC98-4870-8488-78E16E319B16.jpeg IMG_E8335.JPG IMG_E8334.JPG

原画4点が展示してありました。

IMG_8374 (2).JPG

「メイキング」「ラフと製作過程」のファイル。

IMG_E8339.JPG

IMG_8341.JPG

地図「パンダのパンやさん 下町グルメマップ」。

IMG_E8336.JPG

こぱんだ布人形。

IMG_E8337.JPG

パンダ親子が乗っているバイクの模型。

IMG_E8340.JPG IMG_E8340(2).JPG 


昨年から今年の初めに出版された本 4冊も展示されていました。

IMG_8338 (2).JPG


『あつめる!はこぶ!せいそうしゃ』
(のりもののひみつ)
(片平直樹/文 岡本よしろう/絵 福音館書店 2022.6.30)
61A06267-7B9C-4486-966D-C7BF7EB02E51.jpeg


『うちのこまるをしりませんか?』
(「こどものとも」2022年9月号)
(おのりえん/文 岡本よしろう/絵 福音館書店 2022.9.1)
6E692D03-B5D4-426B-9545-63316FFB85C7.jpeg


『荒大名の茶の湯』
(講談えほん)
(神田伯山/監修 石崎洋司/文 岡本よしろう/絵 講談社 2022.10.13)
EC35AD80-7E93-43E6-BFB4-87F21DF9881A.jpeg


『おにのしょうがっこう』 
(山田マチ/作 岡本よしろう/絵 あかね書房 2023.1)
6276017D-3FA6-49C5-B862-336FEC0E80FC.jpeg
紙のひみつ @ 山陽小野田市立中央図書館「ちっちゃなかがくのおはなし会」 [2023年05月04日(Thu)]
5月20日(土)、山陽小野田市立中央図書館で、「ちっちゃなかがくのおはなし会」が開催されますぴかぴか(新しい)
27日(土)に変更されましたぴかぴか(新しい)

17DE3CB7-BAC9-4EF4-A0E7-443C174B2F80.jpeg 86A9C3FF-2011-4DB4-9365-BF7ACC837DED.jpeg

図書館でいっしょに身近なふしぎをみつけよう!
5月のテーマは「紙のひみつ」です。


るんるん日 時るんるん 2023年5月20日(土)10:00〜 ⇨ 27日(土)10:00〜
るんるん会 場るんるん 山陽小野田市立中央図書館 2階 視聴覚ホール
るんるん内 容るんるん 
  やさしい かがく えほん の よみきかせ
  紙のひみつ
るんるん対 象るんるん 3歳〜小学校低学年の子どもとその保護者
るんるん定 員るんるん 30名程度(保護者を含む)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん主催・問合・申込るんるん 山陽小野田市立中央図書館
  電話 0836-83-2870
  fax to 0836-83-3564
  mail to cyuo-library●city.sanyo-onoda.lg.jp
   (●は@に置き換えてください)
しあわせな読みあい @ 山陽小野田市立中央図書館 児童文学作家 村中李衣さんによる「児童文学わいわい講座」 [2023年05月03日(Wed)]
5月20日(土)、山陽小野田市立中央図書館で、児童文学作家 村中李衣さんによる「児童文学わいわい講座」が開催されますぴかぴか(新しい)

08B4C79E-1EC9-4AD4-8875-13359392461C.jpeg

児童文学作家 村中李衣先生と絵本や児童文学について楽しくわいわい語りましょう!

るんるん日 時るんるん 2023年5月20日(土)13:00〜
るんるん会 場るんるん 山陽小野田市立中央図書館 2F 視聴覚ホール
るんるん講 師るんるん 村中李衣 (児童文学作家)
るんるんテーマるんるん しあわせな読みあい
るんるん定 員るんるん 30名(要申込)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん主催・問合・申込るんるん 山陽小野田市立中央図書館
   電話 0836-83-2870
   fax to 0836-83-3564
   mail to cyuo-library●city.sanyo-onoda.lg.jp
   (●は@に置き換えてください)


かわいい村中李衣さんプロフィールかわいい
1958年山陽小野田市出身。ノートルダム清心女子大学教授。 0歳から100歳までのあらゆる人とあらゆる場所で、絵本の読みあいを続けている。 1984年 『かむさはむにだ』(高田三郎/絵 偕成社 1983)で第17回日本児童文学者協会新人賞、 1985年 『小さいベッド』(かみやしん/絵 偕成社 1984.7)で第32回サンケイ児童出版文化賞、 1990年 『おねいちゃん』(中村悦子/絵 理論社 1989)で第28回野間児童文芸賞、 2013年 『チャーシューの月』(佐藤真紀子/絵 小峰書店 2012.12)で第53回日本児童文学者協会賞、 2017年 「長期入院児のための絵本の読みあい」で第1回日本絵本研究賞、 2020年 『あららのはたけ』(石川えりこ/絵 偕成社 2019)で第35回坪田譲治文学賞、2022年『こくん』(石川えりこ/絵 童心社 2019)で第7回JBBY賞・バリアフリー図書部門受賞。 『かあさんのしっぽっぽ』(藤原ヒロコ/絵 BL出版 2014.3)、 山陽小野田市立中央図書館で行われている「ぬいぐるみの図書館おとまり会」にヒントを得た物語『よるのとしょかん だいぼうけん』(北村裕花/絵 BL出版 2015.12)、『マネキンさんがきた』 (武田美穂/絵 BL出版 2018.4) 、『はじめよう! ブックコミュニケーション』(村中李衣・伊木洋/著 金子書房 2019.11)、『女性受刑者とわが子をつなぐ絵本の読みあい』 (村中李衣/編著 中島学/著 かもがわ出版 2021.6)、『体育がある』 (長野ヒデ子/絵 文研出版 2021.9)、『「こどもの本」の創作講座 ―おはなしの家を建てよう』(石川えりこ/絵 金子書房 2022.1)など著作多数。
図書館新発見! 活用講座 @ 山陽小野田市立中央図書館 [2023年05月02日(Tue)]
5月14日(日)、山陽小野田市立中央図書館で、「図書館新発見! 活用講座」が開催されますぴかぴか(新しい)

ECAFD86E-50E8-49B5-ABDF-9188E6291BEC.jpeg

目からウロコexclamation&question 知らないと損?exclamation

るんるん日時るんるん 2023年5月14日(日)10:00〜12:00
るんるん会場るんるん 山陽小野田市立中央図書館 2F 第一会議室

るんるん講座内容るんるん
1知ってビックリ!図書館の「今」
2かしこい図書館の使い方
3紙の本 VS 電子の本
4いざ、書庫へ

るんるん定員るんるん 20名程度(要申込・先着順)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん主催・申込・問合るんるん 山陽小野田市立中央図書館
   電話 0836-83-2870
   fax to 0836-83-3564
   mail to cyuo-library●city.sanyo-onoda.lg.jp
   (●は@に置き換えてください)
第7回小郡むかし歩き 鉄道編C [2023年05月01日(Mon)]
前回の続き

11旧桂ヶ谷貯水池堰堤

IMG_8147 (2).JPG

旧桂ヶ谷貯水池堰堤には、過去に「上水道施設巡り&ミニ講演会」(2021年11月6日(土))(山口市小郡文化資料館 企画展「小郡鉄道維新 −水を制して 機関庫をつかみ取れ−」関連イベント)、「森の中のお城?旧桂ヶ谷貯水池堰堤見学モニターツアー」(2022年5月1日(日))、「第11回おごおり俳句&ウォーキング 〜国登録有形文化財 旧桂ヶ谷貯水池堰堤を歩く」(2022年5月28日(土))で3度訪れています。
今回訪れると、新しくリーフレットが置いてありました。

桂ヶ谷.PNG 桂ヶ谷 裏.PNG

 四十八瀬川支流の桂ヶ谷川に築かれた、堤長約23.6m、堤高約13.4m、堤幅約3m、粗石コンクリート工法で施工された県内最古の重力式コンクリート造堰堤です。水圧をダムの重さで支える構造です。
 1923(大正12)年3月に完成し、1955(昭和30)年頃まで稼働していました。
 現在は、安全面への配慮から水が抜かれています。

IMG_8153 (2).JPG

 山口市小郡地域(旧小郡町)での近代的上水道は、下関市に次いで県下2番目に整備されました。小郡地域の市街地では飲用に適した水を得難く、不良な水に起因する伝染病の流行が懸念されていました。
 桂ヶ谷貯水池堰堤の工事は、上水道敷設の認可を得た後の1922(大正11)年4月に開始され、翌年4月には給水が始まっています。
 大正末期から昭和初期には、鉄道交通の発達とともに水の需要が急上昇し、上水道の拡張工事が行われました。
 このような充実した上水道の獲得により、鉄道の重要拠点となる機関庫が旧小郡駅に移され、町は飛躍的な発展を遂げていくのです。桂ヶ谷貯水池堰堤の上水道システムが稼働し始めた頃、1923(大正12)年4月1日山口線が島根県益田まで全線開通しました。

 ※1928年(昭和3)年4月1日に、 三田尻機関庫が小郡駅(現・新山口駅)に移転し小郡機関庫と改称されました。

IMG_8154 (2).JPG

 1928(昭和3)年4月に機関庫で使用された列車の給水は、1カ月で903万4000㎘でした。これは、1日あたり約32万3000㎘になります(25mプール約800杯の水量)。
 その他、車両の洗車や、従業員の官舎・浴場で使用する水も含めると鉄道運用には大量の水が必要だったことが分かります。

(設置リーフレットより抜粋)

IMG_8157 (2).JPG

2016(平成28)年に国の登録有形文化財となりました。

IMG_8171 (2).JPG

堰体は緩やかなアーチを描いています。

IMG_8155 (2).JPG

堰堤頂部の高欄は煉瓦を市松状に組んだ透かし積みです。

IMG_8156 (2).JPG

取水塔は煉瓦が施され、煉瓦を徐々にせり出させた蛇腹で装飾されています。

IMG_8158 (3).JPG 
IMG_4330 (2).JPG 
IMG_4331 (2).JPG

長手積みなど、いろいろな積み方がされています。

IMG_E8169 (2).JPG

取水塔の下には取水口が見えます。

IMG_4350 (2).JPG IMG_4317 (2).JPG

今回は下流側には行っていませんが、以前行った時の写真を載せておきます。

IMG_1981 (2).JPG 

余水路があり、

IMG_4337 (2).JPG

余水口からは水が出ていました。

IMG_1983 (2).JPG


堰堤と並行して浄水場(緩速度濾過地3、配水池2)、排水管が整備され、合わせて運用されました。


粗石コンクリート工法・・・コンクリートを薄く(15cm位)敷いた上に粗石(φ35cm位の大きな石)を10cm位の隙間を空けて並べて、コンクリートで隙間を充填しして建造する工法
 当時は高価だったセメントを使うコンクリートの節約が目的



12旧桂ケ谷接合井建屋

IMG_8174 (2).JPG

堰堤に溜めた水を隣にあった濾過池で浄化し上水にし、下流に送り出していました。
上水道関連の施設であることを示す「水」の文字をデザインしたロゴが建屋正面にあります。
この建屋は1928(昭和2)年に新たに設置されました。

IMG_8175 (2).JPG

分かりにくいので、以前撮影した写真を載せておきます。

IMG_2018 (2).JPG IMG_2016 (2).JPG IMG_2022 (2).JPG IMG_2021 (2).JPG



鉄道構造物ではないので今回は訪れていませんが、旧小郡町には「東津地区共同水道栓」という「放任専用」の共同栓が1か所残っています。
住民に水を供給するために共同利用の給水栓があちこちの街角に設置されました。「放任」とはタダということで、無料で共用で使えるようになっていました。

IMG_E1964.JPG IMG_E1965.JPG