ヤブミョウガ
[2021年08月31日(Tue)]
もう2年前のことですが、2019年7月7日に柳井市のしらかべ学遊館を訪れたとき、壺庭に咲いていた白い花がとても綺麗で、なんて名前だろう、とずっと気になっていました。
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今日、偶然、山陽小野田市立図書館ホームページの「嶋田紀和さんの「竜王山・はなだより」」を見ていて「ヤブミョウガ」だということが分かりました
「ヤブの名前を冠していますが、林のふちなどで咲きます。
葉姿がミョウガに似ているのでヤブミョウガ(藪茗荷)と名付けられました。(略)高さは1m前後で半日蔭の中で白い花がひときわ目立ちます。」(2018年8月)
ヤブミョウガ(薮茗荷、学名 Pollia japonica)は、ツユクサ科に分類される多年生草本植物だそうです。
ミョウガ(茗荷)はショウガ科ですが、『本草図譜』巻之十六 湿草類四(岩崎常正(潅園)/著)では、「蘘荷 めうが」の項に「一種 やぶめうが」とあり、ミョウガの一種としていました。
▼『本草図譜』 巻之十六 湿草類四「蘘荷 めうが 一種 やぶめうが」(国立国会図書館蔵)

巻之十六 湿草類四
蘘荷 めうが 一種 やぶめうが
山中陰地に宿根より生ず一莖に葉周りつき房をなして小白花を開き秋實を結ぶ熟して碧色麦門冬の実ににたり味淡く香なし先輩これを杜若に充るハ非なり是は修治に雷斅(カウ)の云処の革牛草なり
『梅園草木花譜』秋之部巻一(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)には「杜若」のところに詳しい説明つきでありました。
▼『梅園草木花譜』秋之部巻一「杜若」(国立国会図書館蔵)

大和本草ノ曰 杜若(トジャク)ノ花 ヤブ蘘荷(メウガ)ト云
国俗アヤマリテ杜若ヲカキツバタトヨム、カキツバタハ燕子花ナルヘシ杜若ニハアラズ又別ニヤフメイガ
又山ミヨウカ共云草アリ與レ此不同云シ同書ノ条別ニ載ヤフ蘘荷花白ク實黒クシテ圓トハ能ク此ニ合ヘリサレトモ生花千筋ノ麓ノ圖本ニ此圖ヲ載セテ杜若ト記セリ圖画コレト合ヘリ然レハ當草ヲ杜若ニ可レ充歟
茶席挿花集出 革牛草(ヤブメウガ)
増補多識編芳草類二載テ曰
杜若(トジャク) 和名 按ルニ 古久礼(コクレ) 異名 杜衡(トコウ) 本徑 杜蓮 別録増補異名 若芝(ジャクシ) 別録 楚(ソ)衡 廣雅 ■(犭+巢)(ソウ)子薑
■(扌+巢)ハ音爪藥性論 山薑 白蓮(レン) 白芩(ゴン)
本草原始云
杜若 又土細辛 雷公云凡使勿用鴨喋草根真ニ似タリ
予曰
群書曰是ヲ福洲高良薑ト云植木屋ニハ縮砂トス
此者良薑・縮砂ノ類ニ非ス高良(クマタケ)薑(ラン)ノ一類ナリ
高良(クマタケ)薑(ラン)ハ其葉冬ヲ凌テ凋ズ
別ニ高良薑(コウリヤウキヤウ)アリ今此ヲ只高良(リヤウ)薑(キヤウ)ト云
参考文献:
※『本草図譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
『本草図譜』は、岩崎灌園(1786〜1842)が各地を踏査して写生した2,000種もの植物図に解説を添えた書で、わが国で最初の本格的な植物図鑑と言われています。1828(文政11)年に全96巻(92冊)が完成し、このうち5巻から10巻までの6冊が、1830(文政)13年に出版(江戸の須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛)されました。しかし出版されたのはこの6冊だけで、他の巻は原本を筆彩模写したものを予約制で希望者に三十数部配本し、1844(弘化元)年に配本が完了しました。
※『梅園草木花譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
『梅園草木花譜』は、毛利梅園(1798(寛政10)〜1851(嘉永4))が制作した写生図譜「梅園画譜」シリーズの中の草木の写生をまとめたものです。

今日、偶然、山陽小野田市立図書館ホームページの「嶋田紀和さんの「竜王山・はなだより」」を見ていて「ヤブミョウガ」だということが分かりました

「ヤブの名前を冠していますが、林のふちなどで咲きます。
葉姿がミョウガに似ているのでヤブミョウガ(藪茗荷)と名付けられました。(略)高さは1m前後で半日蔭の中で白い花がひときわ目立ちます。」(2018年8月)
ヤブミョウガ(薮茗荷、学名 Pollia japonica)は、ツユクサ科に分類される多年生草本植物だそうです。
ミョウガ(茗荷)はショウガ科ですが、『本草図譜』巻之十六 湿草類四(岩崎常正(潅園)/著)では、「蘘荷 めうが」の項に「一種 やぶめうが」とあり、ミョウガの一種としていました。
▼『本草図譜』 巻之十六 湿草類四「蘘荷 めうが 一種 やぶめうが」(国立国会図書館蔵)
巻之十六 湿草類四
蘘荷 めうが 一種 やぶめうが
山中陰地に宿根より生ず一莖に葉周りつき房をなして小白花を開き秋實を結ぶ熟して碧色麦門冬の実ににたり味淡く香なし先輩これを杜若に充るハ非なり是は修治に雷斅(カウ)の云処の革牛草なり
『梅園草木花譜』秋之部巻一(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)には「杜若」のところに詳しい説明つきでありました。
▼『梅園草木花譜』秋之部巻一「杜若」(国立国会図書館蔵)
大和本草ノ曰 杜若(トジャク)ノ花 ヤブ蘘荷(メウガ)ト云
国俗アヤマリテ杜若ヲカキツバタトヨム、カキツバタハ燕子花ナルヘシ杜若ニハアラズ又別ニヤフメイガ
又山ミヨウカ共云草アリ與レ此不同云シ同書ノ条別ニ載ヤフ蘘荷花白ク實黒クシテ圓トハ能ク此ニ合ヘリサレトモ生花千筋ノ麓ノ圖本ニ此圖ヲ載セテ杜若ト記セリ圖画コレト合ヘリ然レハ當草ヲ杜若ニ可レ充歟
茶席挿花集出 革牛草(ヤブメウガ)
増補多識編芳草類二載テ曰
杜若(トジャク) 和名 按ルニ 古久礼(コクレ) 異名 杜衡(トコウ) 本徑 杜蓮 別録増補異名 若芝(ジャクシ) 別録 楚(ソ)衡 廣雅 ■(犭+巢)(ソウ)子薑
■(扌+巢)ハ音爪藥性論 山薑 白蓮(レン) 白芩(ゴン)
本草原始云
杜若 又土細辛 雷公云凡使勿用鴨喋草根真ニ似タリ
予曰
群書曰是ヲ福洲高良薑ト云植木屋ニハ縮砂トス
此者良薑・縮砂ノ類ニ非ス高良(クマタケ)薑(ラン)ノ一類ナリ
高良(クマタケ)薑(ラン)ハ其葉冬ヲ凌テ凋ズ
別ニ高良薑(コウリヤウキヤウ)アリ今此ヲ只高良(リヤウ)薑(キヤウ)ト云
参考文献:
※『本草図譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
『本草図譜』は、岩崎灌園(1786〜1842)が各地を踏査して写生した2,000種もの植物図に解説を添えた書で、わが国で最初の本格的な植物図鑑と言われています。1828(文政11)年に全96巻(92冊)が完成し、このうち5巻から10巻までの6冊が、1830(文政)13年に出版(江戸の須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛)されました。しかし出版されたのはこの6冊だけで、他の巻は原本を筆彩模写したものを予約制で希望者に三十数部配本し、1844(弘化元)年に配本が完了しました。
※『梅園草木花譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
『梅園草木花譜』は、毛利梅園(1798(寛政10)〜1851(嘉永4))が制作した写生図譜「梅園画譜」シリーズの中の草木の写生をまとめたものです。