「第24回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 」に参加しました
[2021年02月28日(Sun)]
2月25日(木)、ジャズ スポット ポルシェで開催された「第24回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 」に参加しました

【第一部 蓄音器ジャズ】
今日は、日本ビクターから発売された3枚組6曲のアルバム「Satchmo at Town Hall」から4曲です。
アルバムの名からわかるようにライブ盤です。

サッチモ(Satchmo)はルイ・アームストロング(Louis Armstrong 1901〜1971)の愛称で、アメリカのジャズトランペット奏者、歌手、作曲家です。
詳しい解説書が付いています。

1948年2月20日の録音です。
演奏は、Louis Armstrong and His All Starsです。
全てサッチモのヴォーカルです。

SP盤ですが、今までの10インチ盤と違って、一回り大きい12インチ盤です。

12インチ盤は、ゼンマイが途中で切れたらどうしよう、とハンドルを回すのも緊張するそうです。

@「Save It, Pretty Mama」(セーブ・イット・プリティ・ママ」
A「Pennis from Heaven」(黄金の雨)
1936年公開のビング・クロスビーが主演する映画「黄金の雨」の主題歌で、ルイ・アームストロングも出演しています。
B「Back O'Town Blues」(バック・オタウン・ブルース)
作曲もルイ・アームストロングです。
C「Rockin' Chair」(ロッキンチェア)
ルイ・アームストロングとトロンボーン奏者のジャック・ティーガーデンとのかけあいが面白い曲だそうですが、今日は調子が悪く、上手く再生できませんでした。

【第二部 自由朗読】
@Y
立原道造「浅き春に寄せて」
(『立原道造詩集』より)
『立原道造詩集』(世界の詩42)(小山正孝/編 彌生書房 1967)

浅き春に寄せて
今は 二月 たつたそれだけ
あたりには もう春がきこえてゐる
だけれども たつたそれだけ
昔むかしの 約束はもうのこらない
今は 二月 たつた一度だけ
夢のなかに ささやいて ひとはゐない
だけれども たつた一度だけ
その人は 私のために ほほゑんだ
さう! 花は またひらくであらう
さうして鳥は かはらずに啼いて
人びとは春のなかに笑みかはすであらう
今は 二月 雪の面(おも)につづいた
私の みだれた足跡……それだけ
たつたそれだけ――私には……
ASRさん
中原中也「ひからびた心」「帰郷」
ひからびた心
ひからびたおれの心は
そこに小鳥がきて啼き
其処[そこ]に小鳥が巣を作り
卵を生むに適してゐた
ひからびたおれの心は
小さなものの心の動きと
握ればつぶれてしまひさうなものの動きを
掌(てのひら)に感じてゐる必要があつた
ひからびたおれの心は
贅沢[ぜいたく]にもそのやうなものを要求し
贅沢にもそのやうなものを所持したために
小さきものにはまことすまないと思ふのであつた
ひからびたおれの心は
それゆゑに何はさて謙譲[けんじょう]であり
小さきものをいとほしみいとほしみ
むしろその暴戻[ぼうれい]を快いこととするのであつた
そして私はえたいの知れない悲しみの日を味つたのだが
小さきものはやがて大きくなり
自分の幼時を忘れてしまひ
大きなものは次第に老いて
やがて死にゆくものであるから
季節は移りかはりゆくから
ひからびたおれの心は
ひからびた上にもひからびていつて
ひからびてひからびてひからびてひからびて
――いつそ干割(ひわ)れてしまへたら
無の中へ飛び行つて
そこで案外安楽に暮せらるのかも知れぬと思つた
BKKさん
中原中也「無題」
CNMさん
「ユルリ島ソネット‐1」
(根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会 ユルリ島のポスターより)

ユルリ島ポスターは3種類あり、それぞれ島の情景や歴史背景、島への思いが綴られた「ソネット」が添えられています。
(ソネットとは14行の定型詩です。)
ユルリ島は、北海道本島の東端、根室市の昆布盛という集落のすぐ先に浮かぶ島です。
昆布の干場であったこの島にはかつて十軒近くもの番屋が建ち、馬を放牧していました。
島民は対岸の集落へ去り、馬たちだけが残されました。
貴重な野草の群落と野鳥の営巣を守るため立ち入りは制限されています。
DMTさん
谷川俊太郎「できたら」
(『そんなとき隣に詩がいます ~鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩~』より)

『そんなとき隣に詩がいます ~鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩~』(大和書房 2018)

EFRさん
いとうせいこう「こころ」
FZMさん
北大路公子「涙を流した夜」
GKYさん
佐々木政夫「さくらの花の咲くころ」
(福島ポエム空の会 詩集『青い空』第7集より)
HTHさん
夏目漱石『硝子戸の中』より

『硝子戸の中』(新潮文庫) (新潮社 1952)
-thumbnail2.jpg)
IFKさん
追分富子「春のいそぎ」
(福島ポエム空の会 詩集『青い空』第7集より)
JIKさん
オリジナル訳/カーペンターズ「トップ・オブ・ザ・ワールド」
オリジナル訳/クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
KHMさん
自作ショートストーリー「はぐらかす手段」
L中原豊さん
佐々木幹郎「急停車するまで」
(詩集『鏡の上を走りながら』より)

『鏡の上を走りながら』(佐々木幹郎/詩 思潮社 2019)

参加人数 13名、スタッフ2名でした。


【第一部 蓄音器ジャズ】
今日は、日本ビクターから発売された3枚組6曲のアルバム「Satchmo at Town Hall」から4曲です。
アルバムの名からわかるようにライブ盤です。

サッチモ(Satchmo)はルイ・アームストロング(Louis Armstrong 1901〜1971)の愛称で、アメリカのジャズトランペット奏者、歌手、作曲家です。

詳しい解説書が付いています。

1948年2月20日の録音です。
演奏は、Louis Armstrong and His All Starsです。
全てサッチモのヴォーカルです。

SP盤ですが、今までの10インチ盤と違って、一回り大きい12インチ盤です。

12インチ盤は、ゼンマイが途中で切れたらどうしよう、とハンドルを回すのも緊張するそうです。

@「Save It, Pretty Mama」(セーブ・イット・プリティ・ママ」
A「Pennis from Heaven」(黄金の雨)
1936年公開のビング・クロスビーが主演する映画「黄金の雨」の主題歌で、ルイ・アームストロングも出演しています。
B「Back O'Town Blues」(バック・オタウン・ブルース)
作曲もルイ・アームストロングです。
C「Rockin' Chair」(ロッキンチェア)
ルイ・アームストロングとトロンボーン奏者のジャック・ティーガーデンとのかけあいが面白い曲だそうですが、今日は調子が悪く、上手く再生できませんでした。


【第二部 自由朗読】
@Y
立原道造「浅き春に寄せて」
(『立原道造詩集』より)
『立原道造詩集』(世界の詩42)(小山正孝/編 彌生書房 1967)

浅き春に寄せて
今は 二月 たつたそれだけ
あたりには もう春がきこえてゐる
だけれども たつたそれだけ
昔むかしの 約束はもうのこらない
今は 二月 たつた一度だけ
夢のなかに ささやいて ひとはゐない
だけれども たつた一度だけ
その人は 私のために ほほゑんだ
さう! 花は またひらくであらう
さうして鳥は かはらずに啼いて
人びとは春のなかに笑みかはすであらう
今は 二月 雪の面(おも)につづいた
私の みだれた足跡……それだけ
たつたそれだけ――私には……
ASRさん
中原中也「ひからびた心」「帰郷」
ひからびた心
ひからびたおれの心は
そこに小鳥がきて啼き
其処[そこ]に小鳥が巣を作り
卵を生むに適してゐた
ひからびたおれの心は
小さなものの心の動きと
握ればつぶれてしまひさうなものの動きを
掌(てのひら)に感じてゐる必要があつた
ひからびたおれの心は
贅沢[ぜいたく]にもそのやうなものを要求し
贅沢にもそのやうなものを所持したために
小さきものにはまことすまないと思ふのであつた
ひからびたおれの心は
それゆゑに何はさて謙譲[けんじょう]であり
小さきものをいとほしみいとほしみ
むしろその暴戻[ぼうれい]を快いこととするのであつた
そして私はえたいの知れない悲しみの日を味つたのだが
小さきものはやがて大きくなり
自分の幼時を忘れてしまひ
大きなものは次第に老いて
やがて死にゆくものであるから
季節は移りかはりゆくから
ひからびたおれの心は
ひからびた上にもひからびていつて
ひからびてひからびてひからびてひからびて
――いつそ干割(ひわ)れてしまへたら
無の中へ飛び行つて
そこで案外安楽に暮せらるのかも知れぬと思つた
BKKさん
中原中也「無題」
CNMさん
「ユルリ島ソネット‐1」
(根室・落石地区と幻の島ユルリを考える会 ユルリ島のポスターより)

ユルリ島ポスターは3種類あり、それぞれ島の情景や歴史背景、島への思いが綴られた「ソネット」が添えられています。
(ソネットとは14行の定型詩です。)
ユルリ島は、北海道本島の東端、根室市の昆布盛という集落のすぐ先に浮かぶ島です。
昆布の干場であったこの島にはかつて十軒近くもの番屋が建ち、馬を放牧していました。
島民は対岸の集落へ去り、馬たちだけが残されました。
貴重な野草の群落と野鳥の営巣を守るため立ち入りは制限されています。
DMTさん
谷川俊太郎「できたら」
(『そんなとき隣に詩がいます ~鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩~』より)

『そんなとき隣に詩がいます ~鴻上尚史が選ぶ谷川俊太郎の詩~』(大和書房 2018)

EFRさん
いとうせいこう「こころ」
FZMさん
北大路公子「涙を流した夜」
GKYさん
佐々木政夫「さくらの花の咲くころ」
(福島ポエム空の会 詩集『青い空』第7集より)
HTHさん
夏目漱石『硝子戸の中』より

『硝子戸の中』(新潮文庫) (新潮社 1952)
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IFKさん
追分富子「春のいそぎ」
(福島ポエム空の会 詩集『青い空』第7集より)
JIKさん
オリジナル訳/カーペンターズ「トップ・オブ・ザ・ワールド」
オリジナル訳/クリストファー・クロス「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」
KHMさん
自作ショートストーリー「はぐらかす手段」
L中原豊さん
佐々木幹郎「急停車するまで」
(詩集『鏡の上を走りながら』より)

『鏡の上を走りながら』(佐々木幹郎/詩 思潮社 2019)

参加人数 13名、スタッフ2名でした。