2月5日(水)、今冬一番の寒さの中、「
第16回やまぐち朗読Cafe」に参加しました
山口市の老舗ジャズ喫茶 ポルシェで偶数月に行われる
詩などの朗読と、
蓄音器から流れるSPレコードのジャズを楽しむイベントです
私は早目に行って、始まる前にドン・チャイナ(中華丼)を食べました
中原館長は、蓄音機の調子が悪いとのことで、悪戦苦闘されていましたが、無事、直ったようです。
今夜は寒いから少なそうですね、と話していたら、開始時間の8時になると今日も満席になりました
28人の参加だそうです。
いつものように中原館長の挨拶から始まりました。
第1部 オープニング朗読 Mさんの玖村久美子句集『微笑んで今 第二集』の朗読。
中原館長によると、この会での俳句の朗読は初めてだそうです。
第2部 蓄音器ジャズレーベル特集で、今日はMGMレコードの特集です。
「トムとジェリー」で有名な映画会社メトロ・ゴールドウィン・メイヤー (MGM)が、1946年に創始したレコード会社です。当初はミュージカル映画のサウンドトラック・アルバムのリリースが目的だったそうです。
ライオンがトレードマーク。
@George Shearing 「Summertime」
A「I Let a Song Go Out of My Heart」
BC「How High the Moon」を二つの演奏で(BDizzy Gillespie)
第3部 自由参加の朗読@Fさん「岩手旅行のあとに」(自作エッセイ)
「せせらぎ」に投稿されたものです。
AMさん「月夜」(自作詩)
中原中也をオマージュした作品でした。
B Y『せんそうしない』(谷川俊太郎/詩 江頭路子/絵 講談社)
朗読なので表紙の紹介にとどめておきましたが、この絵本の絵を担当した江頭路子さんのワークショップが2月23日にあります。
CAさん「ララバイSinger」(中島みゆき/詞)
D原明子さん「甃[いし]のうへ」(三好達治/詩)(詩集『測量船』より)
甃のうへ
あはれ花びらながれ
をみなごに花びらながれ
をみなごしめやかに語らひあゆみ
うららかの跫音[あしおと]空にながれ
をりふしに瞳をあげて
翳[かげ]りなきみ寺の春をすぎゆくなり
み寺の甍[いらか]みどりにうるほひ
廂[ひさし]々に
風鐸[ふうたく]のすがたしづかなれば
ひとりなる
わが身の影をあゆまする甃のうへEOさん「福島が消えた」(佐々木正夫/詩)(詩集『蒼い空』第5集(ポエム「福島 空の会」)より)
3月11日、佐々木正夫さんが福島から来られて山口県旧県会議事堂で朗読されるそうです。
FNさん「曠原淑女[こうげんしゅくじょ]」(宮沢賢治/詩)
曠原淑女
日ざしがほのかに降ってくれば
またうらぶれの風も吹く
にわとこやぶのうしろから
二人のおんながのぼって来る
けらを着 粗い縄をまとい
萱草の花のようにわらいながら
ゆっくりふたりがすすんでくる
その蓋のついた小さな手桶は
今日ははたけへのみ水を入れて来たのだ
今日ではない日は青いつるつるの蓴菜を入れ
欠けた朱塗の椀をうかべて
朝の爽やかなうちに町へ売りにも来たりする
鍬を二梃ただしくけらにしばりつけているので
曠原の淑女よ
あなたがたはウクライナの
舞手のようにみえる
・・・・風よたのしいおまえのことばを
もっとはっきり
この人たちにきこえるように云ってくれ・・・・(『朗読の時間 宮澤賢治』東京書籍 2011.7)GSさん「あなたに届けば」(『あなたに届けば』(フジ子・ヘミング/著 オークラ出版 2005.12)より)
フジ子・ヘミングの演奏会でGETされたそうです。
HHさん「わたしを束ねないで」(『わたしを束ねないで』(新川和江/詩 童話屋 1997.9)より)
ISさん「オーディオのたのしみ」(菅野沖彦/文)
ポルシェにあるオーディオ誌から読まれました。
チョイスがすごいです。
JKさん「2月4日 冬萌」(『美人の日本語』(山下景子/作 幻冬舎 2005.3)より)
美しい日本語を日めくりカレンダーのように一日一語紹介する山下景子さんの『美人の日本語』から、2月5日の言葉ではなく、2月4日の言葉をKさん自身が撮影された冬芽の写真を紹介されて朗読されました。
KHさん「わかくさいろの カエルの なやみ」「マイカーにのったカエル」「よる わかる?」(『カエルもヒキガエルもうたえる』(アーノルド・ローベル/作 エイドリアン・ローベル/彩色 アーサー・ビナード/訳 長崎出版 2010.8)より)
LKさん『父さんが かえる 日まで』(モーリス・センダック/作 アーサー・ビナード/訳 偕成社 2019.11)
MSさん「みんな天に向かって」「つる」(詩集『二度とない人生だから』(坂本真民/詩 サンマーク出版 1999.5)より)
NAさん「冷たい夜」「坊や」(中原中也/詩)(サンデー山口掲載「詩の栞」の中原館長のコラムとともに)
Aさんといえば「詩の栞」と、定番になりました。
中原館長は採点されているようで、緊張されるとか……。
冷たい夜
冬の夜に
私の心が悲しんでゐる
悲しんでゐる、わけもなく……
心は錆びて、紫色をしてゐる。
丈夫な扉の向ふに、
古い日は放心してゐる。
丘の上では
棉[わた]の実が罅裂(はじ)ける。
此処(ここ)では薪が燻(くすぶ)つてゐる、
その煙は、自分自らを
知つてでもゐるやうにのぼる。
誘はれるでもなく
覓(もと)めるでもなく、
私の心が燻る…… 坊や
山に清水が流れるやうに
その陽の照つた山の上の
硬い粘土の小さな溝を
山に清水が流れるやうに
何も解せぬ僕の赤子(ぼーや)は
今夜もこんなに寒い真夜中
硬い粘土の小さな溝を
流れる清水のやうに泣く
母親とては眠いので
目が覚めたとて構ひはせぬ
赤子(ぼーや)は硬い粘土の溝を
流れる清水のやうに泣く
その陽の照つた山の上の
硬い粘土の小さな溝を
さらさらさらと流れるやうに清水のやうに
寒い真夜中赤子(ぼーや)は泣くよOHさん「生?死?」(自作詩)
PKさん「鏡のハイエナ」(自作詞)
初参加
ミュージシャンだそうで、自分の楽曲の歌詞の朗読です。
QTさん「福島の存在」(斉藤陸郎/詩)・「土」(尾形賢司/詩)(詩集『蒼い空』(ポエム「福島 空の会」)より)
陸郎くんは中学生で賢司さんはそのおじいさんだそうです。詩作という共通の趣味があるなんて、ステキですね。
R中原豊さん「ピアニストに御用心!」(山下洋輔エッセイ集『ピアニストに御用心!』より)
山下洋輔さんのエッセイに出てくる
小山彰太さんが2月11日にポルシェのこのドラムで演奏されるそうです
お聞き逃しなく
次回17回は、
2020年4月22日(水)19:30〜です。
いつも終わりが10時を過ぎるので、次回から開始時間が30分早くなります。お間違えのないように。
→ 新型コロナウィルス感染拡大防止のため、中止となりました。今日も10時半を過ぎていました。
楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいます