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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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ゆきてかへらぬ @ YCAMシネマ 中原中也記念館連携上映 [2025年04月17日(Thu)]
4月19日(土)〜5月6日(火)、山口情報芸術センターで、 「ゆきてかへらぬ」が中原中也記念館連携上映されますぴかぴか(新しい)

4月19日(土)、「根岸吉太郎+中原豊トークイベント」が開催されますぴかぴか(新しい)

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▲『市報やまぐち』No.455 2025(令和7)年4月15日号

るんるん日時るんるん
 2025年年4月19日(土)10:30〜12:38
  4月20日(日)10:30〜12:38
  4月23日(水)10:30〜12:38
  4月25日(金)10:30〜12:38
  4月26日(土)16:40〜18:48
  4月27日(日)16:40〜18:48
  4月28日(月)10:30〜12:38
  4月29日(火)10:30〜12:38
  5月1日(木)10:30〜12:38
  5月2日(金)10:30〜12:38
  5月3日(土)12:35〜14:43
  5月4日(日)12:35〜14:43
  5月5日(月)12:35〜14:43
  5月6日(火)12:35〜14:43
るんるん場所るんるん 山口情報芸術センター 2階 スタジオC
  〒753-0075 山口市中園町7-7
  電話 083-901-2222

るんるん作品るんるん
 2025年/日本/128分/配給:キノフィルムズ
 監督 根岸吉太郎
 脚本 田中陽造
 音楽 岩代太郎
 主題歌 キタニタツヤ「ユーモア」
 出演 
  広瀬すず:長谷川泰子
  木戸大聖:中原中也
  岡田将生:小林秀雄
  田中俊介:富永太郎
  トータス松本:鷹野叔(モデルは永井叔(よし))
  瀧内公美:長谷川イシ(泰子の母)
  草刈民代:スター女優
  カトウシンスケ:辰野教授(辰野隆(ゆたか)東京大学フランス文学主任教授。小林秀雄の恩師)
  藤間爽子:中原孝子
  柄本佑:勤め人

るんるんチケットるんるん 当日券のみ。館内2階・スタジオC受付にて購入
 一般1,400円 25歳以下1,200円 65歳以上1,200円 障がい者(介助者1名)1,000円


かわいい根岸吉太郎+中原豊トークイベント
 るんるん日時 4月19日(土)12:45〜13:25
 るんるん場所 2階 スタジオC
 るんるん登壇者 根岸吉太郎(監督)、中原豊(中原中也記念館館長)


かわいいアフターアワーカフェ
 るんるん日時 4月19日(土)13:25〜14:25
 るんるん場所 2階 ギャラリー
 るんるん対象作品 「ゆきてかへらぬ」
 るんるん参加費 無料




かわいい根岸吉太郎(ねぎし・きちたろう)かわいい
監督。
1950年生まれ、東京都出身。早稲田大学第一文学部演劇学科修了後、日活に入社。1978年『オリオンの殺意より、情事の方程式』で初監督を務める。81年『遠雷』でブルーリボン賞監督賞、芸術祭選奨新人賞を受賞する。2009年の映画『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は、モントリオール世界映画祭最優秀監督賞に輝くなど、国内外で高い評価を得た。ほか主な監督作品に『狂った果実』『探偵物語』『ひとひらの雪』『ウホッホ探検隊』『永遠の1/2』『絆−きずな−』『透光の樹』『雪に願うこと』『サイドカーに犬』など。最新映画は新進女優と詩人・中原中也、文芸評論家の小林秀雄、実在の男女3人の関係を軸に描いた『ゆきてかへらぬ』。

かわいい中原豊(なかはら・ゆたか)かわいい
1958年、下関市生まれ。山口大学文理学部(現人文学部)卒業後、九州大学大学院修士課程修了。長崎大学教育学部助教授などを経て2003年4月から記念館副館長、2009年4月より現職。共著書に『中原中也を読む』(笠間書院)など。



ゆきてかへらぬ  −−京都−−  
   中原中也

 僕は此の世の果てにゐた。陽は温暖に降り洒〔そそ〕ぎ、風は花々揺つてゐた。

 木橋の、埃〔ほこ〕りは終日、沈黙し、ポストは終日赫々〔あかあか〕と、風車を付けた乳母車、いつも街上に停つてゐた。

 棲〔す〕む人達は子供等は、街上に見えず、僕に一人の縁者〔みより〕なく、風信機〔かざみ〕の上の空の色、時々見るのが仕事であつた。

 さりとて退屈してもゐず、空気の中には蜜があり、物体ではないその蜜は、常住食すに適してゐた。

 煙草くらゐは喫つてもみたが、それとて匂ひを好んだばかり。おまけに僕としたことが、戸外でしか吹かさなかつた。

 さてわが親しき所有品〔もちもの〕は、タオル一本。枕は持つてゐたとはいへ、布団ときたらば影だになく、歯刷子〔はぶらし〕くらゐは持つてもゐたが、たつた一冊ある本は、中に何にも書いてはなく、時々手にとりその目方、たのしむだけのものだつた。

 女たちは、げに慕はしいのではあつたが、一度とて、会ひに行かうと思はなかつた。夢みるだけで沢山だつた。

 名状しがたい何物かゞ、たえず僕をば促進し、目的もない僕ながら、希望は胸に高鳴つてゐた。

   *    *    *

 林の中には、世にも不思議な公園があつて、無気味な程にもにこやかな、女や子供、男達散歩してゐて、僕に分らぬ言語を話し、僕に分らぬ感情を、表情してゐた。
 さてその空には銀色に、蜘蛛〔くも〕の巣が光り輝いてゐた。



『ゆきてかへらぬ 田中陽造自選シナリオ集』
(田中陽造/著 国書刊行会 2025.2)
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『ゆきてかへらぬ 中原中也との愛』
(長谷川泰子/述 村上護/編 講談社 1974)
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『中原中也との愛 ゆきてかへらぬ』
(角川ソフィア文庫)
(長谷川泰子/述 村上護/編 KADOKAWA 2006.3)
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『中原中也全詩集』
(角川ソフィア文庫)
(KADOKAWA 2007.10)
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