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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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原田和明のオートマタと中原中也 @ 中原中也記念館 2024年度企画展U(後期) [2025年01月01日(Wed)]
1月29日(水)〜4月13日(日)、中原中也記念館で、2024年度企画展U(後期)「原田和明のオートマタと中原中也」が開催されますぴかぴか(新しい)

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 山口市在住のオートマタ(自動機械)作家・原田和明。原田はこれまでも、酒瓶を持った中也がコミカルな動きを見せる「或る中也」や、中也の詩情を月まで届けるゲーム「ゆあーん ゆよーん 月旅行」など、中也の人物像や詩から発想した作品を制作してきました。

 本展では、中也をモチーフとした新作を始め、多様な原田の作品を展示し、観る人を楽しませる独創的な作品世界を紹介します。


るんるん日時るんるん 2025年1月29日(水)〜4月13日(日)9:00〜17:00(入館は16:30まで)
  休館日:月曜日(祝祭日の場合は翌日)、毎月最終火曜日
るんるん場所るんるん 中原中也記念館 2F
るんるん入館料るんるん ※2月18日は開館記念日で無料 
 一般330円(275円) 大学生・高等専門学校の学生220円(165円)
  ※( )は20名以上の団体(要事前申込)
 18歳以下、高等学校・中等教育学校・特別支援学校に在学する生徒 無料
 70歳以上 全額減免(無料) ※年齢のわかる身分証明書等を提示
 障害者手帳等(身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳・戦傷病者手帳)の交付者、及びその介添人1名 全額減免(無料) ※手帳を提示
 生活保護受給者証の交付者 全額減免(無料) ※証書を提示
 「狐の足あと」足湯利者者 100円割引 ※足湯利用のレシートの提示


原田さんのインスタグラム(https://www.instagram.com/kazu_automata/)には、中原中也詩集『山羊の歌』「六月の雨」「幻影」「生い立ちの歌」をモチーフにした新作品について投稿がされています揺れるハート

今まで原田さんが発表された中原中也に関係する作品からピックアップしてみました。
以下の作品が展示されるかは分かりません。

『或る中也 | Drunken Poet』
山口市湯田出身の中原中也をモチーフにした作品で、酒瓶を振り回しながら、何やら訳の分からないことを言っているところです。
瓶のラベルには「山羊の酒」とあり、中也の第一詩集『山羊の歌』を彷彿とさせます。

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(2021年8月 山口市菜香亭にて)


『ゆあーん ゆよーん月旅行』
中原中也の詩情を月まで届けるゲームです。

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(2021年8月 C・S赤れんがにて)


『大内人形ラブラブアタック』
「雪舟」「中也」「サビエル」ではなく山口の伝統工芸品の「大内人形」のところをに玉を入れるコリントゲームです。

C5A93729-BBEC-4282-A5E0-09304646E9CD.jpeg 大内人形ラブラブアタックA 原田和明.PNG 大内人形ラブラブアタック 原田和明.PNG
(2021年8月 C・S赤れんがにて撮影)





 六月の雨

またひとしきり 午前の雨が
菖蒲(しやうぶ)のいろの みどりいろ
眼(まなこ)うるめる 面長き女(ひと)
たちあらはれて 消えてゆく

たちあらはれて 消えゆけば
うれひに沈み しとしとと
畠(はたけ)の上に 落ちてゐる
はてしもしれず 落ちてゐる

  お太鼓(たいこ)叩いて 笛吹いて
  あどけない子が 日曜日
  畳の上で 遊びます

  お太鼓叩いて 笛吹いて
  遊んでゐれば 雨が降る
  櫺子(れんじ)の外に 雨が降る




 幻影

私の頭の中には、いつの頃からか、
薄命さうなピエロがひとり棲んでゐて、
それは、紗(しや)の服かなんかを着込んで、
そして、月光を浴びてゐるのでした。

ともすると、弱々しげな手付けをして、
しきりと 手真似をするのでしたが、
その意味が、つひぞ通じたためしはなく、
あはれげな 思ひをさせるばつかりでした。

手真似につれては、唇(くち)も動かしてゐるのでしたが、
古い影絵でも見てゐるやう ―
音はちつともしないのですし、
何を云つてるのかは、分りませんでした。

しろじろと身に月光を浴び、
あやしくもあかるい霧の中で、
かすかな姿態をゆるやかに動かしながら、
眼付ばかりはどこまでも、やさしさうなのでした。




 生ひ立ちの歌

  

   幼年時
私の上に降る雪は
真綿のやうでありました

   少年時
私の上に降る雪は
霙のやうでありました

   十七〜十九
私の上に降る雪は
霰のやうに散りました

   二十〜二十二
私の上に降る雪は
雹であるかと思われた

   二十三
私の上に降る雪は
ひどい吹雪と見えました

   二十四
私の上に降る雪は
いとしめやかになりました……


   II

私の上に降る雪は
花びらのやうに降つてきます
薪の燃える音もして
凍るみ空の黝む頃

私の上に降る雪は
いとなびよかになつかしく
手を差し伸べて降りました

私の上に降る雪は
暑い額に落ちくもる
涙のやうでありました

私の上に降る雪に
いとねんごろに感謝して 神様に
長生きしたいと祈りました

私の上に降る雪は
いと貞節でありました
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