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こどもと本ジョイントネット21・山口


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『翻訳できない世界のことば』 @ 山口の朗読屋さんによる「ブックトーク + 朗読会(本を語り、自分を語る)」(2) [2024年06月21日(Fri)]
前回の続き

『翻訳できない世界のことば』
(エラ・フランシス・サンダース/著・イラスト 前田まゆみ/訳・描き文字 創元社 2016.4)

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原書のタイトルは『Lost in Translation: An Illustrated Compendium of Untranslatable Words from Around the World』。
他の言語に翻訳するときに一言では言い表せないようなその言語固有のユニークな単語を世界中から集めた単語集で、34言語の52語が収録されています。

ひとつの言葉について見開き2ページで紹介され、右ページに単語の「英字表記」「語義」「それを表すイラスト」、脚注部分に「原語表記」「カタカナ表記」、左ページに「解説」「何語であるか(英語と日本語で)」「品詞」で構成されています。

34の言語の中には、トゥル語、イディッシュ語、ズールー語、ヤガン語、ワギマン語、ウルドゥー語、ゲール語などという、私にとってはあまり馴染みのない言語もあります。
ということもあって、かえって、言葉の根ざす地域、風土、歴史、文化、習慣、価値観の多様性に引き込まれてしまいました!

最初に取り上げられているのは、ノルウェー語の「pålegg(ポーレッグ)」。パンの上にのせて食べるもの全般を指し、チーズ、肉、ピーナッツ・バター、なんでも、påleggです。

一本のバナナを食べるのにかかる時間がマレー語で「pisano zapra(ピサンザプラ)」、トナカイが休まないで走ることのできる距離がフィンランド語で「poronkusema(ポロンクセマ)」。

日本語では、「木漏れ日」「ボケっと」「侘び寂び」「積ん読」が取り上げられています。

「ボケっと」は、「何もしないで、ぼんやりしているさま」という意味のはず。本著にある「(略)遠くを見ているときの気持ち」という語義紹介に、「必ずしも遠くを見ているわけではないのでは⁈」と違和感を抱いたのは私だけでしょうか? 
それに、「名詞」とありましたが、副詞です。

なので、他の言葉も、nativeの方には違和感のある言葉もあるのかもしれません。
あくまでも言語の専門書ではなく、作者のエラ・フランシス・サンダースさんが出会って感銘を受けた言葉がランダムに並べられた、作者による感性豊かなみずみずしい解説とお洒落なイラストを味わう本なのです。
また、日本語部分の描き文字は、翻訳をされた絵本作家の前田まゆみさんが担当されたそうで、元々そこにあったかのように違和感なく作品に溶け込んでいます。
日本語版の表紙も原書とはまるで違っていて、より手に取ってみたいものになっています。

発表された三坂圭子さんは、作者のエラ・フランシス・サンダースがこの本を出版することになった経緯なども丁寧に話されました。

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次回に続く
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