其中庵さくらツアーDオゴオリザクラ @ 山口市小郡文化資料館 企画展「山頭火と小郡農学校」
[2022年04月11日(Mon)]
【前回の続き】
其中庵は、4月のこの時期、オゴオリザクラを楽しむことができます

オゴオリザクラは、花が八重咲きで花弁は15枚前後、雄蕊は50本前後です。
八重咲きのサクラは雌蘂が不完全で結実しないものが多いのですが、オゴオリザクラの雌蘂は健全で少ないながら結実するのが特徴です。

植物分類学的には、種はヤマザクラ、品種はヤエノヤマザクラに分類されますが、栽培品種には、花弁の数や雄蕊の数など、今日まで記載されている品種に該当するものがなく、山口市小郡以外にはない桜です。

このオゴオリザクラは小郡下郷柳井田の泉福寺墓地の敷地内にある原木から取り木されたものです。

現地案内板「オゴオリザクラ」(其中庵)。

オゴオリザクラは八重咲きで、花弁は一五枚前後、おしべは五十本前後である。八重咲きのものには、めしべが不完全で結実しないものが多いが、このサクラのめしべは健全で少ないながら結実する。
栽培品名としては未記載で珍しく、昭和五十七年三月二〇日に小郡町(現 山口市)の天然記念物に指定された。その後、台風などの被害により樹勢が衰退し枯死したため、平成三〇年十一月十二日に天然記念物の指定が解除された。令和三年二月十二日には、葉や花などの形態的特製からヤマザクラに属する品種と推定され、類似品種である佐野桜とは、がく筒やがく片および苞の形がことなることから新しい園芸品種として認定された。
この木は天然記念物として指定されたいた原木から取木によって、苗を育てたものである。

原木となる泉福寺のオゴオリザクラは、小郡以外にはない木でありヤマザクラとしては県下有数の巨木であることから、1982(昭和57)年3月20日、山口市(当時は小郡町)指定天然記念物となりました。
樹齢は100年以上で幹が折れるなどの老朽化が進んでいましたが、2015(平成27)年の台風で完全に倒れてしまいました。
その後、原木からひこばえで育った樹高4mの木で2017(平成29)年に開花しましたが、6月に有毒なキノコ菌の影響で枯死が確認されました。
2018(平成30)年夏までは、山口市指定天然記念物として、山口市文化財保護課が管理していましたが、ついに、朽ち果ててしまいました。
現在は天然記念物の指定を解除されています。
というお話を小郡文化資料館の方にお伺いしました。
国道9号を車で走っていて、柳井田で「オゴオリザクラ」の標識を見かける度、訪ねてみたい、とずっと願っていたのですが、原木の咲くところは見られなかったことはととも残念ですが、地域の住民の方々のご努力で、原木の遺伝子を受け継ぐ「オゴオリザクラ」の満開の姿にこうして会うことができ、とっても感激です。
こちらは、以前の案内板。
「オゴオリザクラ」。
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指定年月日 昭和五十七年三月二十日
オゴオリザクラは、花は八重咲きで花弁は十五枚前後、おしべは約五十本である。普通は八重咲きのものには、めしべが不完全で結実しないものが多いが、このサクラのめしべは健全で少ないながら結実する。
植物分類学上では種の段階ではヤマザクラ、栽培品種の段階ではヤエノヤマザクラに分類されるが、栽培品名では今日まで記載されたものには該当するものがなく、未記載の品種として貴重である。
ヤマザクラとしては県下有数の巨木であったが、平成二十七年の台風により倒木し、現在の姿となっている。
平成二十八年一月
山口市教育委員会
オゴオリザクラは、現在は、接ぎ木や芽接ぎなどで、80本近くあるそうです
山口市小郡総合支所前のオゴオリザクラもとてもステキ
小郡のシンボルツリーですね

オゴオリザクラは、ヤマザクラ系なので、開花とともに赤味を帯びた若葉を開くのが特徴です。

折しも、4月2日(土)は、「第18回オゴオリザクラまつり」が、山口市小郡地域交流センター前などで行われていました。
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「其中庵さくらツアー」開始前にスタンプラリラリーを済ませてきたという豪傑も1名いましたが、私達ツアー参加者はそれどころではありませんでした。
『其中日記』にこんな句がありました。
春風の吹くまま咲いて散つて行く(旅出)
(『其中日記』(十二)[昭和十二年]三月四日)
わざとかういふ月並一句を作つてこゝに録して置く。
と続いていますけどね。
【次回に続く】
其中庵は、4月のこの時期、オゴオリザクラを楽しむことができます

オゴオリザクラは、花が八重咲きで花弁は15枚前後、雄蕊は50本前後です。
八重咲きのサクラは雌蘂が不完全で結実しないものが多いのですが、オゴオリザクラの雌蘂は健全で少ないながら結実するのが特徴です。
植物分類学的には、種はヤマザクラ、品種はヤエノヤマザクラに分類されますが、栽培品種には、花弁の数や雄蕊の数など、今日まで記載されている品種に該当するものがなく、山口市小郡以外にはない桜です。
このオゴオリザクラは小郡下郷柳井田の泉福寺墓地の敷地内にある原木から取り木されたものです。
現地案内板「オゴオリザクラ」(其中庵)。
オゴオリザクラは八重咲きで、花弁は一五枚前後、おしべは五十本前後である。八重咲きのものには、めしべが不完全で結実しないものが多いが、このサクラのめしべは健全で少ないながら結実する。
栽培品名としては未記載で珍しく、昭和五十七年三月二〇日に小郡町(現 山口市)の天然記念物に指定された。その後、台風などの被害により樹勢が衰退し枯死したため、平成三〇年十一月十二日に天然記念物の指定が解除された。令和三年二月十二日には、葉や花などの形態的特製からヤマザクラに属する品種と推定され、類似品種である佐野桜とは、がく筒やがく片および苞の形がことなることから新しい園芸品種として認定された。
この木は天然記念物として指定されたいた原木から取木によって、苗を育てたものである。
原木となる泉福寺のオゴオリザクラは、小郡以外にはない木でありヤマザクラとしては県下有数の巨木であることから、1982(昭和57)年3月20日、山口市(当時は小郡町)指定天然記念物となりました。
樹齢は100年以上で幹が折れるなどの老朽化が進んでいましたが、2015(平成27)年の台風で完全に倒れてしまいました。
その後、原木からひこばえで育った樹高4mの木で2017(平成29)年に開花しましたが、6月に有毒なキノコ菌の影響で枯死が確認されました。
2018(平成30)年夏までは、山口市指定天然記念物として、山口市文化財保護課が管理していましたが、ついに、朽ち果ててしまいました。
現在は天然記念物の指定を解除されています。
というお話を小郡文化資料館の方にお伺いしました。
国道9号を車で走っていて、柳井田で「オゴオリザクラ」の標識を見かける度、訪ねてみたい、とずっと願っていたのですが、原木の咲くところは見られなかったことはととも残念ですが、地域の住民の方々のご努力で、原木の遺伝子を受け継ぐ「オゴオリザクラ」の満開の姿にこうして会うことができ、とっても感激です。
こちらは、以前の案内板。
「オゴオリザクラ」。
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指定年月日 昭和五十七年三月二十日
オゴオリザクラは、花は八重咲きで花弁は十五枚前後、おしべは約五十本である。普通は八重咲きのものには、めしべが不完全で結実しないものが多いが、このサクラのめしべは健全で少ないながら結実する。
植物分類学上では種の段階ではヤマザクラ、栽培品種の段階ではヤエノヤマザクラに分類されるが、栽培品名では今日まで記載されたものには該当するものがなく、未記載の品種として貴重である。
ヤマザクラとしては県下有数の巨木であったが、平成二十七年の台風により倒木し、現在の姿となっている。
平成二十八年一月
山口市教育委員会
オゴオリザクラは、現在は、接ぎ木や芽接ぎなどで、80本近くあるそうです

山口市小郡総合支所前のオゴオリザクラもとてもステキ

小郡のシンボルツリーですね

オゴオリザクラは、ヤマザクラ系なので、開花とともに赤味を帯びた若葉を開くのが特徴です。
折しも、4月2日(土)は、「第18回オゴオリザクラまつり」が、山口市小郡地域交流センター前などで行われていました。
-thumbnail2.jpg)
「其中庵さくらツアー」開始前にスタンプラリラリーを済ませてきたという豪傑も1名いましたが、私達ツアー参加者はそれどころではありませんでした。
『其中日記』にこんな句がありました。
春風の吹くまま咲いて散つて行く(旅出)
(『其中日記』(十二)[昭和十二年]三月四日)
わざとかういふ月並一句を作つてこゝに録して置く。
と続いていますけどね。
【次回に続く】