あららのはたけ @ 村中李衣 × 石川えりこ
[2020年12月10日(Thu)]
『あららのはたけ』(村中李衣/作 石川えりこ/絵 偕成社 2019)は、山口に引っ越した小学4年生のえりと横浜に住む親友のエミとの手紙のやりとりを通して、自然のふしぎと、子どもたちの心の動きを繊細に描いた作品です

偕成社のウェブマガジンKaisei webで2017年7月〜2018年6月まで連載されたものを加筆・修正し単行本化した作品で、第35回坪田譲治文学賞を受賞しました。

(▲下関市のこどもの広場にて撮影2020.1.25)
えりのじいちゃんの言葉もいいです。
「雑草はふまれるとな、いっぺんは起きあがるけど、しばらくじいっと様子見をして、ここはどうもだめじゃと思うたら、それからじわあっと、根をのばして、別の場所に生えかわるんじゃ」(P16)
危機をくぐりぬけると、植物はその種の中でもっとも生命力の強い性質に戻る「先祖返り」をすることがある(P51)
ところどころ挟まれたクイズも面白い。
「あ、ケムシに顔をやられたかな」って思ったときに、いちばん最初にやることはなんでしょう。
@・・・水で顔を洗う。
A・・・薬を顔にぬりこむ。
B・・・ガムテープを顔にはる。(P26)
イジメが原因で引きこもりになっている幼馴染みのけんちゃんと自分たちなりに向き合っていこうとする姿にも共感できます。
坪田譲治文学賞は、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」を対象とするそうですが、まさに、おとなもこどもも楽しめる本です。
村中李衣さんと石川えり子さんがタッグを組んだ作品は、他に、
『こくん』(童心社 2019.6)があります。


偕成社のウェブマガジンKaisei webで2017年7月〜2018年6月まで連載されたものを加筆・修正し単行本化した作品で、第35回坪田譲治文学賞を受賞しました。

(▲下関市のこどもの広場にて撮影2020.1.25)
えりのじいちゃんの言葉もいいです。
「雑草はふまれるとな、いっぺんは起きあがるけど、しばらくじいっと様子見をして、ここはどうもだめじゃと思うたら、それからじわあっと、根をのばして、別の場所に生えかわるんじゃ」(P16)
危機をくぐりぬけると、植物はその種の中でもっとも生命力の強い性質に戻る「先祖返り」をすることがある(P51)
ところどころ挟まれたクイズも面白い。
「あ、ケムシに顔をやられたかな」って思ったときに、いちばん最初にやることはなんでしょう。
@・・・水で顔を洗う。
A・・・薬を顔にぬりこむ。
B・・・ガムテープを顔にはる。(P26)
イジメが原因で引きこもりになっている幼馴染みのけんちゃんと自分たちなりに向き合っていこうとする姿にも共感できます。
坪田譲治文学賞は、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」を対象とするそうですが、まさに、おとなもこどもも楽しめる本です。
村中李衣さんと石川えり子さんがタッグを組んだ作品は、他に、
『こくん』(童心社 2019.6)があります。
