和合亮一さんの詩の創作ワークショップ「中也の言葉、わたしの言葉」に参加しましたC言葉のかたまりを作ってみましょう!
[2020年03月10日(Tue)]
【前回の続き】
「よく校歌の作詞を依頼されます。
共感が得られ歌い継がれる詞を作るため、学校や町に、足を運んでみます。行ったからこそわかることがあります。
まず、足を運ぶ前に、言葉のスケッチをします。
横浜の高校の校歌の作詞を依頼されたことがあります。「港」「カモメ」など、思い浮かんだことを書き留めました。しかし、訪ねてみると、富士山が見えました。子ども達は3年間富士山とともに学んでいたのです。
足を運び、土地の風土に触れながら、浮かんだ言葉を詩にします。」
「言葉と言葉の間の架橋をします。
中也さんの詩 言葉で今日は詩を作りました。
中也さんの言葉に橋を架けました。
自分の言葉にすれば自分の作品ができます。
自分自身に橋を架けましょう。」
「詩を作る時間は、自分が選んだ自分の時間です。
自分の時間を作り出すことが必要です。」
「自分自身と向き合う時間を大事にしてください。
そこから生まれた自分だけの言葉が、自分を導いてくれる言葉になります。」
「何故詩人は詩を書くのでしょうか。
詩は今を生きている自分が生む言葉です。
詩は詩人の特権ではありません。」
「新川和江さんが教えてくださった言葉ですが、詩を書くということは自分の足下の水を掘ることだと。
足下に本当に表現したいことが眠っているのだから、常にそこにある水を掘るという気持ちで書いてきました。」
『木にたずねよ』(明石書店 2015.4)のP198〜199にある「情熱の木」を朗読してくださいました。
16:41
情熱の木
心のなかで 火が燃えている
誰か話していると
いつも熱い思いがこみあげてくる
これが情熱なのだということに気づく
胸のなかで 火が燃えている
何が正しいのか 間違っているのか
それが分かってくるといい
正しさは煙をあげないと見えないものだから
言葉のなかで 火が燃えている
傷をつけてはいけない人に
出来るだけ やさしく話しかけたい
話したいことをあぶりなおしている
手のなかで 火が燃えている
別れ際に あなたと手を握ると
あなたも同じくらいの力で返してくれる
ああ これが 私たちの生きている力だ 火だ
警官になった教え子が震災で亡くなられたことも話されました。
彼は 私の自慢の生徒だった 幼い頃から 剣道をやっていた 警察官になりたいと言って 熱心に勉強をして 剣道の稽古に 明け暮れていた そして とてもひょうきんな 生徒 だった
2013年2月16日22:44:03
かって 私の父も警察官だった 福島県警だった (略) 「小学校 中学校は 先生の後輩だ 県警は 先生の お父さんの後輩だ」 私も警察官になれと言われていたんだよ
2013年2月16日22:47:40
福島県警は 5人の警察官が波に巻き込まれてしまった そのうちの 4人のご遺体は 発見された 最後の1人 彼は まだ 発見されないのだ 「もう 帰ったきていいんだよ」 富岡町の漁港前 彼の乗っていた パトカーが 発見された ままだ
2013年2月16日22:49:38
(『詩の礫 起承転結』(徳間書店 2013.3)P.240〜241)より)
「ワークシート★1〜★5をながめながら、言葉のかたまりを作ってみましょう。」
夜更けの雨は
ひからびた心に
銀の液で すぢを引いた
聞こえぬ悲鳴が
真っ闇 闇の闇の空を つんざいて
地球は 二つに割れた
冬の明け方に
目覚めてみた夢は
浪ばかり
最後に和合さんが選ばれた各列の代表(そんな感じでした。)が自作詩を朗読しました。
私たちの列のFさんの詩を紹介します。
他の二人の方とは少し違って、Fさんの詩はオリジナリティあふれるものでした。
3分30秒で バスに乗って
部屋についた
中也がいた 吉敷川のほとりにあった
部屋は新しく 窓からの光も 明る過ぎるくらいだった
教壇に詩人がいて
壁の時計を見つめて
「今から詩をつくります」と言った
中也が歩いた 川の流れ、匂い、音
それらはずっと そのままに違いない
自分と巡り会えるよ
自分を作れるよ と
詩人はたくさんの言葉の宝石が
あたかも目の前にあるかのように
うながした
中也が歩いた吉敷川はすぐ近くにある
中也がそこでよんだ詩が 流れる川の中に
見つけられるかもしれない
匂いをかぎに 音をききに 行ってみたくなった
「詩を作ることは今生きていることを確かめることでもあります。
言葉を分かち合っていきましょう。」
「よく校歌の作詞を依頼されます。
共感が得られ歌い継がれる詞を作るため、学校や町に、足を運んでみます。行ったからこそわかることがあります。
まず、足を運ぶ前に、言葉のスケッチをします。
横浜の高校の校歌の作詞を依頼されたことがあります。「港」「カモメ」など、思い浮かんだことを書き留めました。しかし、訪ねてみると、富士山が見えました。子ども達は3年間富士山とともに学んでいたのです。
足を運び、土地の風土に触れながら、浮かんだ言葉を詩にします。」
「言葉と言葉の間の架橋をします。
中也さんの詩 言葉で今日は詩を作りました。
中也さんの言葉に橋を架けました。
自分の言葉にすれば自分の作品ができます。
自分自身に橋を架けましょう。」
「詩を作る時間は、自分が選んだ自分の時間です。
自分の時間を作り出すことが必要です。」
「自分自身と向き合う時間を大事にしてください。
そこから生まれた自分だけの言葉が、自分を導いてくれる言葉になります。」
「何故詩人は詩を書くのでしょうか。
詩は今を生きている自分が生む言葉です。
詩は詩人の特権ではありません。」
「新川和江さんが教えてくださった言葉ですが、詩を書くということは自分の足下の水を掘ることだと。
足下に本当に表現したいことが眠っているのだから、常にそこにある水を掘るという気持ちで書いてきました。」
『木にたずねよ』(明石書店 2015.4)のP198〜199にある「情熱の木」を朗読してくださいました。
16:41
情熱の木
心のなかで 火が燃えている
誰か話していると
いつも熱い思いがこみあげてくる
これが情熱なのだということに気づく
胸のなかで 火が燃えている
何が正しいのか 間違っているのか
それが分かってくるといい
正しさは煙をあげないと見えないものだから
言葉のなかで 火が燃えている
傷をつけてはいけない人に
出来るだけ やさしく話しかけたい
話したいことをあぶりなおしている
手のなかで 火が燃えている
別れ際に あなたと手を握ると
あなたも同じくらいの力で返してくれる
ああ これが 私たちの生きている力だ 火だ
警官になった教え子が震災で亡くなられたことも話されました。
彼は 私の自慢の生徒だった 幼い頃から 剣道をやっていた 警察官になりたいと言って 熱心に勉強をして 剣道の稽古に 明け暮れていた そして とてもひょうきんな 生徒 だった
2013年2月16日22:44:03
かって 私の父も警察官だった 福島県警だった (略) 「小学校 中学校は 先生の後輩だ 県警は 先生の お父さんの後輩だ」 私も警察官になれと言われていたんだよ
2013年2月16日22:47:40
福島県警は 5人の警察官が波に巻き込まれてしまった そのうちの 4人のご遺体は 発見された 最後の1人 彼は まだ 発見されないのだ 「もう 帰ったきていいんだよ」 富岡町の漁港前 彼の乗っていた パトカーが 発見された ままだ
2013年2月16日22:49:38
(『詩の礫 起承転結』(徳間書店 2013.3)P.240〜241)より)
「ワークシート★1〜★5をながめながら、言葉のかたまりを作ってみましょう。」
夜更けの雨は
ひからびた心に
銀の液で すぢを引いた
聞こえぬ悲鳴が
真っ闇 闇の闇の空を つんざいて
地球は 二つに割れた
冬の明け方に
目覚めてみた夢は
浪ばかり
最後に和合さんが選ばれた各列の代表(そんな感じでした。)が自作詩を朗読しました。
私たちの列のFさんの詩を紹介します。
他の二人の方とは少し違って、Fさんの詩はオリジナリティあふれるものでした。
3分30秒で バスに乗って
部屋についた
中也がいた 吉敷川のほとりにあった
部屋は新しく 窓からの光も 明る過ぎるくらいだった
教壇に詩人がいて
壁の時計を見つめて
「今から詩をつくります」と言った
中也が歩いた 川の流れ、匂い、音
それらはずっと そのままに違いない
自分と巡り会えるよ
自分を作れるよ と
詩人はたくさんの言葉の宝石が
あたかも目の前にあるかのように
うながした
中也が歩いた吉敷川はすぐ近くにある
中也がそこでよんだ詩が 流れる川の中に
見つけられるかもしれない
匂いをかぎに 音をききに 行ってみたくなった
「詩を作ることは今生きていることを確かめることでもあります。
言葉を分かち合っていきましょう。」