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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


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和合亮一さんの詩の創作ワークショップ「中也の言葉、わたしの言葉」に参加しましたC言葉のかたまりを作ってみましょう! [2020年03月10日(Tue)]
【前回の続き】

「よく校歌の作詞を依頼されます。
 共感が得られ歌い継がれる詞を作るため、学校や町に、足を運んでみます。行ったからこそわかることがあります。
 まず、足を運ぶ前に、言葉のスケッチをします。
 横浜の高校の校歌の作詞を依頼されたことがあります。「港」「カモメ」など、思い浮かんだことを書き留めました。しかし、訪ねてみると、富士山が見えました。子ども達は3年間富士山とともに学んでいたのです。
 足を運び、土地の風土に触れながら、浮かんだ言葉を詩にします。」

「言葉と言葉の間の架橋をします。 
 中也さんの詩 言葉で今日は詩を作りました。
 中也さんの言葉に橋を架けました。
 自分の言葉にすれば自分の作品ができます。
 自分自身に橋を架けましょう。」

「詩を作る時間は、自分が選んだ自分の時間です。
 自分の時間を作り出すことが必要です。」

「自分自身と向き合う時間を大事にしてください。
 そこから生まれた自分だけの言葉が、自分を導いてくれる言葉になります。」

「何故詩人は詩を書くのでしょうか。
 詩は今を生きている自分が生む言葉です。
 詩は詩人の特権ではありません。」


新川和江さんが教えてくださった言葉ですが、詩を書くということは自分の足下の水を掘ることだと。
 足下に本当に表現したいことが眠っているのだから、常にそこにある水を掘るという気持ちで書いてきました。」


『木にたずねよ』(明石書店 2015.4)のP198〜199にある「情熱の木」を朗読してくださいました。
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 情熱の木

心のなかで 火が燃えている
誰か話していると
いつも熱い思いがこみあげてくる
これが情熱なのだということに気づく

胸のなかで 火が燃えている
何が正しいのか 間違っているのか
それが分かってくるといい
正しさは煙をあげないと見えないものだから

言葉のなかで 火が燃えている
傷をつけてはいけない人に
出来るだけ やさしく話しかけたい
話したいことをあぶりなおしている

手のなかで 火が燃えている
別れ際に あなたと手を握ると
あなたも同じくらいの力で返してくれる
ああ これが 私たちの生きている力だ 火だ


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警官になった教え子が震災で亡くなられたことも話されました。

彼は 私の自慢の生徒だった 幼い頃から 剣道をやっていた 警察官になりたいと言って 熱心に勉強をして 剣道の稽古に 明け暮れていた そして とてもひょうきんな 生徒 だった
 2013年2月16日22:44:03


かって 私の父も警察官だった 福島県警だった (略) 「小学校 中学校は 先生の後輩だ 県警は 先生の お父さんの後輩だ」 私も警察官になれと言われていたんだよ
 2013年2月16日22:47:40


福島県警は 5人の警察官が波に巻き込まれてしまった そのうちの 4人のご遺体は 発見された 最後の1人 彼は まだ 発見されないのだ 「もう 帰ったきていいんだよ」 富岡町の漁港前 彼の乗っていた パトカーが 発見された ままだ
 2013年2月16日22:49:38

(『詩の礫 起承転結』(徳間書店 2013.3)P.240〜241)より)

詩の礫 起承転結.jpg


「ワークシート★1〜★5をながめながら、言葉のかたまりを作ってみましょう。」

夜更けの雨は
ひからびた心に
銀の液で すぢを引いた

聞こえぬ悲鳴が
真っ闇 闇の闇の空を つんざいて
地球は 二つに割れた

冬の明け方に
目覚めてみた夢は
浪ばかり


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最後に和合さんが選ばれた各列の代表(そんな感じでした。)が自作詩を朗読しました。
私たちの列のFさんの詩を紹介します。
他の二人の方とは少し違って、Fさんの詩はオリジナリティあふれるものでした。


3分30秒で バスに乗って
部屋についた
中也がいた 吉敷川のほとりにあった
部屋は新しく 窓からの光も 明る過ぎるくらいだった

教壇に詩人がいて
壁の時計を見つめて
「今から詩をつくります」と言った

中也が歩いた 川の流れ、匂い、音
それらはずっと そのままに違いない

自分と巡り会えるよ
自分を作れるよ と
詩人はたくさんの言葉の宝石が
あたかも目の前にあるかのように
うながした

中也が歩いた吉敷川はすぐ近くにある
中也がそこでよんだ詩が 流れる川の中に
見つけられるかもしれない
匂いをかぎに 音をききに 行ってみたくなった



「詩を作ることは今生きていることを確かめることでもあります。
 言葉を分かち合っていきましょう。」
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