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こどもと本ジョイントネット21・山口


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宇野千代とやまぐち @ ふるさと山口文学ギャラリー企画展 [2021年03月22日(Mon)]
4月29日(木)まで、山口県立山口図書館 2階 ふるさと山口文学ギャラリーで、ふるさと山口文学ギャラリー企画展「宇野千代とやまぐち」が開催されていますぴかぴか(新しい)

宇野千代の作品のうち『おはん』(中央公論社 1957(昭和32).6)、『水西書院の娘』(中央公論社 1977(昭和52).3)などの県内ゆかりの作品を、山口県立山口図書館及び山口県立大学郷土文学資料センターの所蔵資料とパネルにより、展示・紹介します。
また、あわせて、ほかの宇野千代の作品や資料についても展示・紹介します。


るんるん期間るんるん 2021年1月12日(火)〜4月29日(木)
るんるん場所るんるん 山口県立山口図書館 2階 ふるさと山口文学ギャラリー
      山口市後河原150-1
      電話 083-924-2111
るんるん主催るんるん 山口県立山口図書館、山口県立大学郷土文学資料センター
るんるん共催るんるん やまぐち文学回廊構想推進協議会、山口県立大学国際文化学部文化創造学科


ガラスケースの中には、

ハガキ「楢崎勤宛」(昭和十年四月六日付)

ハガキ「木内高音宛」(年不詳七月二十二日付)

ハガキ「木内高音宛」(昭和十年四月二十三日付)

原稿『水西書院の娘』

原稿『汽車・大雨』

など、宇野千代の葉書や直筆原稿が展示されています揺れるハート
宇野千代の文字は、丁寧な丸みを帯びた可愛らしい楷書体です。


展示してあった作品は、展示順に次の通りです。
ケース@
『わたしの青春物語』(酣燈社 1947)
『私のお化粧人生史』(中央公論社 1955)
『私の文学的回想記』(中央公論社 1972)
『おはん』(中央公論社 1957)
『おはん』(中央公論社 1958)
『風の音』(中央公論社 1969)
『風の音』(青娥書房 1973) 
『水西書院の娘』(中央公論社 1977)

ケースA
『脂粉の顔』(改造社 1923)
『幸福』(金星堂 1924)
『罌粟はなぜ紅い』(中央公論社 1930)
『色ざんげ』(中央公論社 1935)
『罌粟はなぜ紅い』(有光社 1937)
『恋愛読本』(中央公論社 1937)
『恋の手紙』(中央公論社 1939)
『恋愛特急』(興亞書房 1939)
『妻の手紙』(甲鳥書林 1942)
『人形師天狗屋久吉』(文軆社 1943)
『日露の戦聞書』(文體社 1943)
『大人の繪本』(白泉社 1931)


貸出できるコーナーには『人形師天狗屋久吉』(文軆社 1943(昭和18).2)があったので借りましたわーい(嬉しい顔)
装幀は、青山二郎。美しいです。
題字は、題簽に書かれ、表紙に貼られていいます。
中は和紙で、袋状になっていますひらめき
ガサガサ手触りなど、本当に味わい深いです。
ただ、ガラスケースの中に展示してあったのは、四ツ目綴じでしたが、こちらは和装本ではありませんでした。
本の内容も面白いexclamation×2

宇野千代はある人形を見て感銘を覚え、その作り手の天狗屋久吉に会いに、阿波の徳島を訪れます。その時はかなり老齢に達していた天狗屋久吉にインタビューをし、それを身の上話のような形で物語化したのがこの作品です。

 はじめて天狗屋のお爺さんに会ったとき 田舎にこんな人がゐるのかと びっくりした。
しかしそれは私の間違ひであった。田舎でも また山の中の一軒家でも、また人のゐる街の中でも ほんたうに仕事をしてゐる人といふのは このお爺さんのやうな人である。
仕事をしてゐる人は その仕事によってほんたうのことを知り、ほんたうのことを考える。

「私が拵えたものであるから、いつでもそれ以上のものが出来ると考えている。」

「死んでしまえば、そこでその人の芸はお仕舞いである。」


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青山二郎(1901〜1979)が装幀した宇野千代の著作は、『人形師天狗屋久吉』(文軆社 1943)この他、『色ざんげ』(中央公論社 1935(昭10))『ママの話』(中央公論社 1976)『残ってゐる話』(集英社 1980)『或る日記』(集英社 1978)『わたしの青春物語』(酣燈社 1947(昭和22))『或るとき突然』(中央公論社 1981)『水西書院の娘』(中央公論社 1977)『往復書簡』(中里恒子/共著 文藝春秋 1976)などがあるそうです。
ここには、『わたしの青春物語』(酣燈社 1947)『水西書院の娘』(中央公論社 1977)『色ざんげ』(中央公論社 1935)が展示してあるので、そこも注目です。

『大人の繪本』(白泉社 1931)は、宇野千代と同棲していた、東郷青児の画で、一部分がパネルで紹介してありましたが、ぜひ、実際に手にとってみたいです。


かわいい宇野千代かわいい
1897(明治30)年から1996(平成8)年まで、明治・大正・昭和・平成と四代を生きた、山口県岩国市(旧玖珂郡横山村)出身の女性作家。故郷岩国を出奔したのち『脂粉の顔』(改造社 1923(大正12).6)で文壇に登場し、尾崎士郎や東郷青児との交流を経て、昭和戦前期には代表作『色ざんげ』(中央公論社 1935(昭和10).4)を、そしてまた昭和戦後期には、『生きていく私』(毎日新聞社 1983(昭和58))がベストセラーとなり、多くの読者に愛された。
香月泰男 × 福田百合子 @ 『心のふるさと散歩』 [2021年02月15日(Mon)]
福田百合子先生(中原中也記念館名誉館長)が1969(昭和44)年に初出版された『心のふるさと散歩』
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なんと、香月泰男(1911〜1974)画伯が装丁や題字、挿絵を手掛けていますぴかぴか(新しい)
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画伯はシベリア抑留から生還しました。
一方、福田外郎を継いでいた長兄の秀太郎さんがシベリアで亡くなり、そのことで家業は廃業に追い込まれます。その不条理に対する怒りの矛先をどこに向けたらよいのかわからず、画伯とは距離をおきたい、と思われていたそうですが、画伯が亡くなるまで交流は続きます。
出版を知った画伯の方から、挿絵ひとつないのではさびしい、とこうして、絵を描いてくださったそうです。

1月30日(土)の「福田百合子が香月泰男を語る 『シベリアの豆の木』朗読会+お話会」(主催:アーサー・ビナード研究会)でそのお話をされ、
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2月13日(土)の「福田百合子が大内文化を語る ― 朗読と学びの集い ―」(主催:山口の朗読屋さん)で、原画を披露してくださいました。
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表紙。
コラージュです。
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指示。
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挿絵。
銅版画です。
鉛筆で右側にタイトルが入っています。
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「天道虫」
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「貝」
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「椿」
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「蜻蛉」
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「雲」
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「栗」
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「雪」
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出版社は初版の白藤書店から赤間関書房に変わりました。
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「文芸山口双書」のVOL.2にもこの表紙デザインを出版社が使用しようとしたことから、画伯は怒って原画を引上げたそうです。
福田先生のために作った絵だったから・・・。
「白藤書店さんに悪かった」と先生は言われていましたが、先生と画伯の交流の一端が垣間見られるエピソードです。

2月13日(土)の福田先生の菜の花色のジャケットは、2月12日司馬遼太郎「菜の花忌」に合わせたもの。
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1月30日(土)の装いは、「白いセーター」はシベリアの雪、「黒いカーディガン」は黒が基調のシベリアシリーズ、「赤いブローチ」は香月泰男の絵に出てくる太陽をイメージしてコーディネートされています。
ところで、この絵は「青の太陽」という香月泰男先生のリトグラフで、購入時、車が買えるぐらいだったとか。画伯からの葉書と一緒に参加者の方が持参されました。
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いつもお洒落で華やかな福田百合子先生ですかわいい

それを彩るスタッフの福田百合子一座朗読組系美女軍団の皆さま。
いつも楽しい会の運営ありがとうございます。
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wakayama読書部 ♯11 [2021年01月10日(Sun)]
1月28日(水)、山陽小野田市のコミュニティカフェ&リカーショップ wakayamaで、食事をした後にゆっくり好きな「本」の話をする会「wakayama読書部 ♯11」が開催されますぴかぴか(新しい)

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好評の読書部 記念すべき第11夜でございます。
そして、今年最初の読書部でございます。
本の好きな方に集まって頂き、食事をした後に、ゆっくり自分の好きな「本」の話をする会です。
コーディネーターは、読書の合間にタロット占いをしている真島アキ氏。
大好きな本をどうしても誰かに伝えたい!
人が面白いっていう本を知りたい、読んでみたい!
そんな方に、月末の夜にひっそりと集まって頂きます。

新作・旧作に限らず、読んだ本限定で、自分の好きな本をお持ち下さい。
2冊以上何冊でもOKです。
ジャンルは問いませんが、マンガは対象外です。

前半軽く食事をして頂き、後半はしっかり本の話をするというスタイルです。
開催時間は約2時間。

食事の都合上前日までの予約となります。


るんるん日時るんるん 2021年1月28日(水)
      食事 19:00  スタート 19:30
るんるん場所るんるん コミュニティカフェ&リカーショップ wakayama
      山陽小野田市港町8-3
       最寄り駅 JR小野田線 小野田港駅(小野田港駅から388m)
       駐車場あり
るんるん代金るんるん 1,500円(食事付)
るんるん出演るんるん 真島アキ(コーディネーター)
るんるん予約方法るんるん 電話 0836-83-6761【月〜金 10:00〜19:00 受付】 または、
      ホームページ(http://www.cafewkym.com/) 予約専用フォームから
るんるん持参する本るんるん 読んだことのある本・お薦め本を2冊以上

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あららのはたけ @ 村中李衣 × 石川えりこ [2020年12月10日(Thu)]
『あららのはたけ』(村中李衣/作 石川えりこ/絵 偕成社 2019)は、山口に引っ越した小学4年生のえりと横浜に住む親友のエミとの手紙のやりとりを通して、自然のふしぎと、子どもたちの心の動きを繊細に描いた作品ですぴかぴか(新しい)

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偕成社のウェブマガジンKaisei webで2017年7月〜2018年6月まで連載されたものを加筆・修正し単行本化した作品で、第35回坪田譲治文学賞を受賞しました。

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(▲下関市のこどもの広場にて撮影2020.1.25)


えりのじいちゃんの言葉もいいです。

「雑草はふまれるとな、いっぺんは起きあがるけど、しばらくじいっと様子見をして、ここはどうもだめじゃと思うたら、それからじわあっと、根をのばして、別の場所に生えかわるんじゃ」(P16)

危機をくぐりぬけると、植物はその種の中でもっとも生命力の強い性質に戻る「先祖返り」をすることがある(P51)


ところどころ挟まれたクイズも面白い。

「あ、ケムシに顔をやられたかな」って思ったときに、いちばん最初にやることはなんでしょう。
@・・・水で顔を洗う。
A・・・薬を顔にぬりこむ。
B・・・ガムテープを顔にはる。
(P26)


イジメが原因で引きこもりになっている幼馴染みのけんちゃんと自分たちなりに向き合っていこうとする姿にも共感できます。


坪田譲治文学賞は、「大人も子どもも共有できる世界を描いたすぐれた作品」を対象とするそうですが、まさに、おとなもこどもも楽しめる本です。


村中李衣さんと石川えり子さんがタッグを組んだ作品は、他に、
『こくん』(童心社 2019.6)があります。
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ホオノキの花 × 西の魔女が死んだ @ ホオノキB [2020年05月27日(Wed)]
【前回の続き】

ホオノキの花は一斉には咲かず、開花日がバラバラになるように咲くので、花が変化していく様子が観察できます。
写真のように一つの枝に、これから咲く蕾、開きかけの蕾、開いたばかりの花、雄蕊が落ちた花、咲き終わって花被片の散ったものが混在しています。
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その花は陽の光を浴びて開きます。少し古くなると開いたままですが、陽がかげると閉じ、陽が射して明るくなるとまた開くのです。

ホオノキの花は時期によって性転換します。
開花1日目は雌性期(しせいき)(雌蕊が開き、雄蕊は閉じている)、いったん花を閉じて2日目は雄性期(ゆうせいき)(雄蕊が開き、雌蕊は閉じている)です。
これを「雌性先熟」といいます。
同花受粉を防ぐためです。

朴の木が咲くと匂いでわかります

ホオノキの花は、蜜を出さないで香りで虫を誘う虫媒花です。
マルハナバチ、ハナアブ類、ハナムグリなどの甲虫類が花粉を食べる虫が訪れます。


撮った写真を見てみましょう。
中央にある赤い雌蕊の柱頭部をそり返らせ、花粉を受け取れる状態になっています。雄蕊は閉じています。【雌性期】
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上部の雌蕊の柱頭は閉じた状態となり、下部の雄蕊の葯が裂開して花粉を出します。【雄性期】
花糸は赤色、葯は黄白色です。
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雄蕊の一部は花披片上に落ちています。
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さらに雄蕊が落ちています。
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花被片は褐色になり、閉じた雌蕊の柱頭は緑色になっています。
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雄蕊は落ち、花被片も落ちかけています。
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こちらは、花被片は落ち、雄蕊が少し残っています。
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雄蕊も花被片もすっかり落ちています。
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受粉できたのか雌しべだった子房が膨らんでいます。
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「それから、沢の向こうに、大きな白い花をいっぱいつけた木があったよ」
「ああ、それは朴の木です。その花は陽の光を浴びて開きます。少し古くなると開いたままですが、陽がかげると閉じ、陽が射して明るくなるとまた開くのです。朴の木が咲くと匂いでわかります」
「何か、甘ずっぱい匂いがしていた」
「そうでしょう。何だかふらふら誘われていきそうですね。」

(愛蔵版『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』(新潮社 2017.4)P152より引用)

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森の中で、この花に出会ったら、甲虫でなくともふらふら誘われていきそうな高い香りの花です。
何ともいえない甘い爽やかな香りに包み込まれて、とても元気をもらいました揺れるハート

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『西の魔女が死んだ』は、学校生活に悩む人、社会に疲れた人に特にお勧めです。
ホオノキの花 × 西の魔女が死んだ [2020年05月25日(Mon)]
5月はホオノキの花が見ごろ
5月に開花の見頃を迎えるのはホオノキ、白い大輪の花は夏の季語でもある。


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▲『サンデー山口』第7232号(2020.5.16)

という記事を地域情報誌『サンデー山口』に見つけ、山口県林業技術部山口県林業センター(山口市宮野上1768-1)に行ってみましたぴかぴか(新しい)

ホオノキの花には、梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』を読んだ時からずっと会ってみたいと思っていました。
主人公まいが、「空中に咲く蓮の花」と呼んでいた花ですかわいい

『西の魔女が死んだ』については、「銀龍草(ギンリョウソウ) × 西の魔女が死んだ」で既にアップしました。
本書の初版の楡出版(1994.4)の表紙はホオノキの花のイラストが使われています。その後、小学館(1996.3)、新潮文庫(2001.8)、 新潮社(愛蔵版『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』 2017.4)から3冊出ましたが、初版とは装幀が変わってしまい、ちょっと残念ですふらふら
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▲『西の魔女が死んだ』(梨木香歩/作 楡出版 1994.4)

さて、お目当てのホオノキは、樹木見本園ではなく、奥の駐車場のところに生えていました揺れるハート
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車から降りると、「何かとても甘やかな匂い」に包み込まれました。
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高い大きな樹木に「白い大きな花」が咲いているので、これがホオノキだとすぐ分かりました。
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でも、他の花木のように一斉に鮮やかに咲き誇るのではなく、こちらにぽつん、あちらにぽつんという咲き方です。
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幾つも幾つもまるでぼんぼりを灯すようにしてつけている」と表現されています。
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泰山木を一回り大きくした」ような大きな花です。
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萼と花弁は未分化だそうです。そんな萼と花弁をまとめて花被片いいます。
全体が花弁に見えますが、外側の3枚はなんとなく萼に見えないことはありません。
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空中に咲く蓮の花」とは言い得て妙ですひらめき
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蕾も、けっこう、ハスの花に似ている気がします。
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雄蕊も花被片もすっかり落ちた花がありました。
もしかしたら、まいにはこれが雪洞の蝋燭に見えたのかもしれません。
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 ここはいつか来たことがあるような気がする、とまいはぼんやり思った。
 ふと、急に空が明るくなって陽が微かに射し込んだ。同時に何かとても甘やかな匂いがして、まいはその方角に瞳を凝らした。
 沢の向こう側の山の斜面に、二、三十センチはありそうな白い大きな花を、幾つも幾つもまるでぼんぼりを灯すようにしてつけているのが目に入った。花は泰山木を一回り大きくしたようでもあり、蓮の花のようでもあった。
 そうだ、あれは空中に咲く蓮の花だ。おばあちゃんは、蓮の花は空中には咲かないと言っていたけど、霧の中で夢のように咲いている。まいはすっかり魅了されて動けなかった。ああ、おばあちゃんの言うとおり、人間に魂があるのなら、その魂だけになってあの花の廻りをふわふわと飛遊していられたらどんなに素敵だろう。

(愛蔵版『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』(新潮社 2017.4)P140より引用)


【次回に続く】
マムシグサ × 『草木図説』&『本草図譜』 [2020年05月16日(Sat)]
ウラシマソウと同じテンナンショウの仲間のマムシグサにも会いましたぴかぴか(新しい)
もう、花は終わって実がなっていました。
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今は緑色ですが、これが秋(?)になると真っ赤になります。
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マムシグサ系は分類が混乱していることもあり、素人目には判別がつきにくく同定が難しいです。


『草木図説』という飯沼慾斎による江戸時代の植物図鑑があります。リンネの分類による24綱目に分けて、草類1250種、木類600種の植物学的に正確な解説と写生図から成ります。草部20巻、木部10巻。草部は1852(嘉永5)年頃成稿、56(安政3)年から62(文久2)年にかけて出版されました。

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▲『草木図説前編 草部』巻19(国立国会図書館蔵)

「マムシグサ」が載っています。別名が「ヘビノ大八」「斑杖」となっています。

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▲『草木図説前編 草部』巻19(国立国会図書館蔵)

草天南星と同く一茎に大葉あって花茎出す。其小葉の形亦天南星と同じけれ。只に邊縁に細居(鋸)歯あって彼の平等なると不同。又茎の斑色紫褐を交え。尤蛇斑に似たるを此種の殊標(しゅひょう)とす。亦雌雄草を異にし蕋状等(天)南星と全く同じ。此種は葉形花色に種々あり。又葉形一般なる種に苞色に青と帯暗紫とあり。又葉心に白斑あって苞暗紫なるあり。又苞の尖のみ暗紫にして茎の斑尤著明なるあり。又葉狭長にして光沢つよく中心に一白道あって苞色暗紫なるあり。(略)

と変異が多いことが書かれています。


「日本で最初の植物図鑑」ともいわれている『本草図譜(ほんぞうずふ)』という全96巻からなる植物図鑑があります。「本草」は漢方で薬用とされる植物等のこと。本草学者であった岩崎灌園(いわさきかんえん)が各地を踏査して写生した2,000種もの彩色した植物図で、余白に解説を添えた書で、『本草綱目』の分類に従って排列しています。1828(文政11)年に全96巻(92冊)が完成し、予約配布方式で1830(天保元)年に配布を開始、最初の4冊は木版本、残り88冊は手書きで作成して、灌園没後の1844(弘化元)年に配布を終えました。

『本草図譜』第3冊 巻22毒草類2には「マムシグサ」「ヘビノダイハチ」は別々に紹介されています。
本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 倍率25% (2).png 本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 倍率25% (3).png
▲『本草図譜』第3冊 巻22毒草類2(国立国会図書館蔵)

まむしさう 漢名 蛇頭草
本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 マムシグサ (2).png 本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 マムシグサ (3).png 本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 マムシグサ (4).png
▲『本草図譜』第3冊 巻22毒草類2(国立国会図書館蔵)

へびのだいはち
本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 ヘビノダイハチ (2).png 本草図鑑 第3冊巻22 毒草類2 ヘビノダイハチ (3).png
▲『本草図譜』第3冊 巻22毒草類2(国立国会図書館蔵)


いずれの本も、絵がとってもよくて、眺めているだけで楽しいです。


参考文献:
『草木図説前編 草部』(飯沼慾斎[他]/著 出雲寺文治郎[ほか12名]/出版 1856(安政3))(国立国会図書館蔵)
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)(国立国会図書館蔵)
  ※いずれも国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
  ※『本草図譜』巻1〜4は、国立国会図書館デジタルコレクションでは抜けていますが、国立公文書館デジタルアーカイブで閲覧できます。
ウラシマソウ × 恩地孝四郎『博物志』 [2020年05月15日(Fri)]
林の中を歩いていたら、ウラシマソウに出合いましたぴかぴか(新しい)

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恩地孝四郎『博物志』(玄光社 1942)(国立国会図書館蔵)P22〜23に「ウラシマソウ」について書いています。
恩地孝四郎は、装丁家としても版画家としても大好きですわーい(嬉しい顔)
この『博物志』は自身が自分の古風なカメラで動植物を接写し、それに詩的エッセイを添えた随筆・写真集です。

同じ雑草組のY君が、どうも僕の趣味は陰性だというふ。変わった形の花などはとかく陰地に多いので、自然僕の場合はそうなるらしいのだが、僕の雑草採集を積極的にしたのは、このウラシマソウが口あけなのだから、それも致し方ない。(略)なかでもこのウラシマソウが一番怪奇である。花弁のように位してゐる苞は、どぎつい紫紺で、花柱の先端は延びて長い糸となって、ゆらゆらと垂れている。釣糸を垂れているようなので、かくは浦島と、童話人物の名をもらってゐるが、仮に童話的だとしても、ドイツあたりのゑごい童話味だ。日本の明るさや淡白さではない。陰の濃い湿地の森のなかなどに、ずらりとこの花が生えて並んでゐると、一寸うす気味悪い。妖気が漂ってゐる。しかし、僕はこの花はきらひではない。妖気もわるくはないが、その強い色や大まかな形がいい。一茎一花、明晰でいい。菊なんかのようにくしやくしやしてなくていい。(略)

博物志 ウラシマソウ 恩地孝四郎 (3).png『博物志』(国立国会図書館蔵)より

『博物志』のP13には、「ウラシマソウ」の写真がもう一つあります。
博物志 ウラシマソウ芽 恩地孝四郎 (2).png『博物志』(国立国会図書館蔵)より

芽といふもの、即ちその草一生の縮壓されたその予告的な姿を包蔵している様態、それが一本の形で収められてゐる点で甚だ典型的である。一旦被苞が割れた時には、既に葉も花もさりつと畳まれた姿を見せる。何か動物の軀体でもみるようだ。芽出しには先細りの水々しい棒。まつすぐにつつたつて来る。その狭い包のなかに誠に規帳面に、よく折り畳まれて収まつてゐる。仲間の天南星科の草草、テンナンショウ、マムシグサ、ムサシアブミなどみな同様であるが、浦島草は花の先が長い糸を成してゐるだけに一層趣きが深い。うまい具合にその長い糸が美しい曲線で畳まれてゐる。
冬の湿つた土は黒い。そこからしらじらと生まれ出て来るこの芽にはいつもはつとする。


こちらは昨年撮ったマムシグサの写真です。
きれいに折り畳まれた芽が開いていく様子はとても面白いです。
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『博物志』は昭和17年というまさに戦時下に発行されています。

心の文化を伴わない文明は不具であり、不健全でありやがては病弊を以つて倒れるべき運命にある。


参考文献:
『博物志』(恩地孝四郎/作 玄光社 1942)
  ※国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
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『防長風土注進案』 @ きらり山口ひとものがたりセミナー「『防長風土注進案』から読み解く「江戸時代の人々の暮らし」」 [2019年12月04日(Wed)]
『防長風土注進案(ぼうちょうふうどちゅうしんあん)とは
1841(天保12)年、萩藩は領内各村に対し雛形を示して村の明細書の提出を求めました。それらを明治になって近藤清石(こんどうきよし)が再編纂して完成させた地誌が「防長風土注進案」であり、幕末期における萩藩領内の概要を把握する上で不可欠な資料です。


2020年1月19日(日)、2月16日(日)、3月15日(日)に、山口県セミナーパークで、きらり山口ひとものがたりセミナー(全3回)「『防長風土注進案』から読み解く「江戸時代の人々の暮らし」」が開催されますぴかぴか(新しい)

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るんるん時間るんるん 10:30〜12:00(開場10:00 各回共通)
るんるん場所るんるん 山口県セミナーパーク 研修室103
るんるん講師るんるん 山口県文書館 副館長 金谷匡人さん

るんるん内容るんるん

第1回 「時の流れと区切り」
るんるん日時 2019年1月19日(日)10:30〜12:00
人々は、「時」にさまざまな「折目」をつけながら暮らしています。一年でいえば「お正月」とか「お盆」、人々の一生でいえば「誕生日」や「還暦」、また最近の大きな時間の区切りとしては、令和への「改元」などです。人々は、それらの「時の区切り」に、どのような思いを込め、どのように過ごしたのでしょう。
江戸時代の人々の「時」の過ごし方に焦点を当てて、読み解きます。


第2回 「一年の暮らし(1)」 
るんるん日時 2019年2月16日(日)10:30〜12:00
そもそも、「一年」は、いつから始まるの? なぜ「立春」がお正月ではないの?
「一月(正月)」は、その一年の豊かさや健康、順調な社会生活や職業などへの祈りと期待が凝縮された、とても大切な月でした。ですから、一月に行われるさまざまな行事は、それらを形にしたものがほとんどです。
国民みんなが一斉に歳を取り、新年を迎えた旧暦での「お正月」に焦点を当てて、読み解きます。


第3回 「一年の暮らし(2)」
るんるん日時 2019年3月15日(日)10:30〜12:00
年間の伝統的な行事には、日付けが大切なものと、季節感が大切なものがあり、旧暦から新暦への切り替えで混乱しました。たとえば今の「お盆」は、旧暦でも新暦でもなく、「新暦の月遅れ」で季節感を調整しておこなわれています。行事もまた時代とともに変化し、幾重にも重なり、また忘れ去られていきつつあるのです。
2月から年末まで、季節の移り変わりや農作業などを考え合わせながら、諸行事の原風景を、読み解きます。


るんるん定員るんるん 90名
  ※原則として3回受講可能な人
  ※定員を超えた場合は抽選
  ※概ね2週間前に入場整理券を郵送
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん申込方法るんるん 次のいずれかの方法(※電話・FAXでの申込は不可)
  ●「ホームページ」での申込方法 
   ひとづくり財団ホームページ http://www.hito21.jp/ の申込フォームへ
  ● 「携帯サイト」での申込方法
   チラシの2次元コードを読み取り、申込フォームへ
  ● 「郵便はがき」での申込方法
   @講座名「中原中也の新しい展開」
   A参加希望人数(2名まで)
   B氏名(ふりがな)※2名の場合は代表者
   C郵便番号
   D住所
   E電話番号を明記の上、以下の宛先に
   【宛先】〒754-0893 山口市秋穂二島1062
     山口県ひとづくり財団 県民学習部 生涯学習推進センター
るんるん申込締切るんるん 12月24日(金) ※葉書は必着
るんるん問合先るんるん 公益財団法人山口県ひとづくり財団 県民学習部 生涯学習推進センター
   電話083-987-1710 fax to083-987-1760
るんるん主催るんるん 公益財団法人 山口県人づくり財団
泉鏡花『外科室』 @ 「フランス音楽と朗読ライブ」 [2019年06月08日(Sat)]
6月2日(日)、山陽小野田市港町のコミュニティカフェ&リカーショップ wakayamaで行われた「フランス音楽と朗読ライブ」に行きましたぴかぴか(新しい)

自宅を14:00過ぎに出発し、湯田温泉駅から15:02発の新山口行き列車に乗りました。
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新山口で乗り換えた下関行き列車を小野田駅で降り、初めての小野田線です。
一両編成ですが、高校生くらいの人たちが結構乗っていて、賑やかな車内。
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これが小野田港駅。
予想と違って、ちょっとさびしい感じ(すみません)の駅でした。
帰り列車に乗り遅れたら、大変なことになりそうです。
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開場までの時間調整のため須恵健康公園へ。
たくさんの人が集っていて、市民の憩いの場という感じでした。

「白い花」日田敦子
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「不抜」大井秀規
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コミュニティカフェ&リカーショップ wakayamaが開店しましたひらめき
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お店の名物はカレーとのことで、私は焼カレーを注文しました。
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1部は、上野美科さんのヴァイオリンと久保千尋さんのピアノで、フランス音楽の小品の演奏です。

サン=サーンスの「死の舞踏」で始まりました。
フランスの詩人アンリ・カザリスの詩に霊感を得て作られた曲で、カザリスの詩を松原さんが朗読されました。

次にサティ。
「右や左に見えるもの〜眼鏡なしで」
  第1曲 『偽善的なコラール』
  第2曲 『暗中模索のフーガ』
  第3曲 『筋肉質なファンタジー』
「ジュトゥヴ」(ピアノソロ)

ドビュッシー
「ゴリウォークのケークウォーク」
「美しい夕暮れ」
「月の光」

15分間の休憩の後、
2部の音楽物語《外科室》。
泉鏡花の原作です。

時は明治。高峰医師によって、貴船伯爵夫人の手術が行われようとしていた。しかし、伯爵夫人は麻酔を受付けようとしない。麻酔をかぐと、心に秘めた秘密をうわごとでいってしまう、そのことを恐れているのだという。夫人が隠し通そうとする秘密とは何か。(Wikipediaより引用)

朗読ライブでは、文語体が原文の格調はそのままに口語体に変えてありました。

フランク「ヴァイオリン・ソナタ」
サティ「グノシエンヌ第1番」(ピアノソロ)
J.S.バッハ「ゴールドベルク変奏曲より アリア」
J.S.バッハ「ヴァイオリン・ソナタ第4番より 第1楽章」
エルガー「朝の歌」
ヘンデル「私を泣かせてください」

が効果的に朗読の合間に演奏され、音楽と朗読が一体となって一つの物語「外科室」を紡いでいました揺れるハート


さすがにコンサート中は、写真を撮るのをはばかれたのですが、2枚だけ撮影させていただきました。
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 実は好奇心の故に、然れども予は予が画師(えし)たるを利器として、兎も角も口実を設けつつ、予と兄弟もただならざる医学士高峰を強(し)いて、某(それ)の日東京府下の一(ある)病院に於て、渠(かれ)が刀(とう)を下すべき、貴船伯爵夫人の手術をば予をして見せしむることを余儀なくしたり。
(略)
「そんなに強いるなら仕方がない。私はね、心に一つ秘密がある。痲酔剤(ねむりぐすり)は譫言(うわごと)を謂(い)うと申すから、それがこわくってなりません。どうぞもう、眠らずにお療治ができないようなら、もうもう快(なお)らんでもいい、よして下さい。」
(略)
「刀を取る先生は、高峰様だろうね!」
(略)
 謂う時疾(はや)く其(その)手はすでに病者の胸を掻(かき)開けたり。夫人は両手を肩に組みて身動きだもせず。
 恁(かか)りし時医学士は、誓ふがごとく、深重厳粛なる音調もて、
「夫人、責任を負つて手術します。」
 時に高峰の風采は一種神聖にして犯すべからざる異様のものにてありしなり。
「何(ど)うぞ。」と一言答(いら)へたる、夫人が蒼白なる両の頬に刷(は)けるが如き紅を潮しつ。ぢつと高峰を見詰めたるまま、胸に臨める鋭刀(ナイフ)にも眼(まなこ)を塞さがむとはなさざりき。(略)
「あ。」と深刻なる声を絞りて、二十日以来寝返りさへも得せずと聞きたる、夫人は俄然器械の如く、その半身を跳(はね)起きつつ、刀取れる高峰が右手(めて)の腕(かいな)に両手を確(しか)と取縋(とりすが)りぬ。
「痛みますか。」
「否(いいえ)、貴下(あなた)だから、貴下だから。」
 恁(かく)言懸けて伯爵夫人は、がつくりと仰向きつつ、凄冷(せいれい)極まりなき最後の眼に、国手(こくしゅ)をぢつと瞻(みまも)りて、
「でも、貴下は、貴下は、私を知りますまい!」
 謂う時晩(おそ)し、高峰が手にせる刀(メス)に片手を添へて、乳(ち)の下深く掻切(かきき)りぬ。医学士は真蒼(まつさお)になりて戦(おのの)きつつ、
「忘れません。」
 其(その)声、其呼吸(いき)、其姿、其声、其呼吸、其姿。伯爵夫人は嬉しげに、いとあどけなき微笑(えみ)を含みて高峰の手より手をはなし、ばつたり、枕に伏すとぞ見えし、脣(くちびる)の色変わりたり。
 其(その)時の二人が状(さま)、恰(あたか)も二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、全く人なきが如くなりし。

 数うれば、はや九年前なり。高峰が其頃はまだ医科大学に学生なりし砌(みぎり)なりき。一日(あるひ)予は渠とともに、小石川なる植物園に散策しつ。
(略)
中なる三人の婦人等(おんなたち)は、一様に深張(ふかばり)の涼傘(ひがさ)を指翳(さしかざ)して、裾捌(すそさばき)の音最(いと)冴(さや)かに、するすると練来(ねりきた)れる、ト行違(ゆきちが)ひざま高峰は、思わず後を見返りたり。
「見たか。」
 高峰は頷(うなず)きぬ。「むむ。」
 恁(かく)て丘に上りて躑躅を見たり。躑躅は美なりしなり。されど唯赤かりしのみ。
(略)
「高峰、ちつと歩かうか。」(略)高峰はさも感じたる面色(おももち)にて、
「ああ、真の美の人を動かすことあの通りさ、君はお手のものだ、勉強し給へ。」
 予は画師たるが故に動かされぬ。行くこと数百歩、彼の樟(くす)の大樹の鬱蓊(うつおう)たる木(こ)の下蔭(したかげ)の、稍(やや)薄暗きあたりを行く藤色の衣(きぬ)の端を遠くよりちらとぞ見たる。
(略)
其後九年を経て病院の彼のことありしまで、高峰は彼の婦人のことにつきて、予にすら一言をも語らざりしかど、年齢に於ても、地位に於ても、高峰は室あらざるべからざる身なるにも関らず、家を納むる夫人なく、然も渠は学生たりし時代より品行一層謹厳にてありしなり。予は多くを謂わざるべし。
 青山の墓地と、谷中の墓地と所こそは変りたれ、同一(おなじ)日に前後して相逝(ゆ)けり。
 語を寄す、天下の宗教家、渠ら二人は罪悪ありて、天に行くことを得ざるべきか。

 【初出:明治28年6月『文芸倶楽部 第六編』】

文語体ですが、短編で、内容が凝縮されていて、読みやすいと思いますので、ぜひ読んでみて下さい。
といいつつ、ついついかなりの分量を引用してしまいました。

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銀龍草(ギンリョウソウ) × 西の魔女が死んだ [2019年05月14日(Tue)]
ウラシマソウを探しての山歩の途中、ギンリョウソウを見つけましたぴかぴか(新しい)
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葉が鱗状に変化した鱗片葉(りんぺんよう)に包まれている茎の先に、首をもたげたように下向きに咲く花の姿を銀色の竜に見立てて付けられました。
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すご〜いわーい(嬉しい顔) と喜んでいたら、少し離れたところに群生していました揺れるハート
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別名ユウレイタケといいます。
薄暗い林の中に、細く白く咲く姿が、幽霊のようにほのかに浮かび上がって見えることからこの名が付きました。
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ガラス細工のような繊細な美しさで、透き通っていることから水晶蘭という美しい別名もあります。
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葉緑素を持たない腐生植物(腐葉土の上に生えて、その養分を分解する菌と共生して成長する植物)です。
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ギンリョウソウというと梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』(楡出版 1994.4)(小学館 1996.3)(新潮文庫 2001.8)(愛蔵版『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』 新潮社 2017.4)を思い出します。
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 穴の脇は更に深い洞のようになっていて、その一面に美しい銀色の花が咲いていたのだ。暗い林の奥の、そのまた暗い、ほとんど陽も届かないはずの場所に。その植物は二十センチくらいの、葉を持たない銀白色の鱗をつけた茎の先に、やはり銀細工のような小さな蘭に似た花をつけていた。それが何十本となく、まるで茸かつくしのように地面から生えているのを見るのは不思議な光景だった。
 まいはそこでしばらく我を忘れていたが、やがてかさこそと木々の合間を縫って雨の落ちる音を聞き、立ち上がった。膝が痛かった。その不思議な美しい花を一本採り、穴から出た。

(略)
「わたし、見たことのない花、見つけた。新種かもしれない」
(略)
「これは銀龍草です。(略)
(略)銀龍草は一輪差しに生けられて、おじいちゃんの写真の前に飾ってあった。(略)
「これはおじいちゃんの大好きな花でした。
おじいちゃんはこの花を鉱物の花と呼んでいました。(略)

(略)
 (略)雨がたっぷり降って、地が水を吸い込むとき、毎年甦るのです。この花は太陽は必要でないのです」
(略)
 まいは銀龍草を見つめた。――鉱物の精。光の届かない地の世界の美。(略)


「これを、飾ってあげてくれんか」
 銀龍草だった。
 まいは思わず、あっと声を上げた。そして、両手で受け取った。

(略)
 まいの手の中にあったのはあの銀龍草だった、銀細工のような不思議な花。二年ぶりで見るその花は、こんなときでさえ、まいの目をくぎづけにする。
 まいはおばあちゃんがしていたように一輪差しに銀龍草を生け、おじいちゃんの写真の前に飾った。

(以上、『西の魔女が死んだ』より銀龍草の部分を一部抜粋)



中学に進んでまもなく、どうしても学校へ足が向かなくなった少女まいは、季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、西の魔女のもとで過した。西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、まいは魔女の手ほどきを受けるのだが、魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。喜びも希望も、もちろん幸せも……。新潮社HPより)


愛蔵版『西の魔女が死んだ 梨木香歩作品集』には、まいの祖母のモノローグ「かまどに小枝を」という書下ろしが添えられています。

 虹の根元の一つは、ギンリョウソウのよく生えるところから出ているようだった。
 あの子の心の、奥深く窪んだところに、硬質な何かがひっそりと息づいている。それは、清らかでうつくしい。あの子の祖父も持っていたものだ。何者にも属さない、孤高のもので、同時に、ギンリョウソウのように、生きている存在の、あらゆるものを腐食させ、溶かし込む大地から析出されてくるものだ。生き難さのしるしのような何か。どうかそれが潰れてしまいませんように。行く先々で、小さな奇跡が虹のように起きて、あの子の道を開いてくれますように。



かわいい梨木香歩(ナシキ・カホ)かわいい
1959(昭和34)年生れ。小説に『西の魔女が死んだ』『丹生都比売(におつひめ)』『エンジェル エンジェル エンジェル』『裏庭』『からくりからくさ』『りかさん』『家守綺譚』『村田エフェンディ滞土録』『沼地のある森を抜けて』『ピスタチオ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』『雪と珊瑚と』『冬虫夏草』『海うそ』『岸辺のヤービ』など、またエッセイに『春になったら莓を摘みに』『ぐるりのこと』『渡りの足跡』『不思議な羅針盤』『エストニア紀行』『鳥と雲と薬草袋』などがある。

【2019年4月23日撮影】
13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊― A [2019年01月18日(Fri)]
1月16日のブログの続き】

『13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊―』(金原瑞人、ひこ・田中/監修 西村書店 2018.4)

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カバーに

アート/ナンセンス/私は私/恋愛と友情/家族/生と死/平和と戦争/歴史/自然/物語―全10ジャンル
書評家、作家、翻訳家、書店員。編集者……さまざま形で絵本に携わる14人が独自にセレクト
名作・ロングセラーから2017年刊行のものまで、10代の心に響く絵本を幅広く紹介!

とあります。

松田素子さんは
こころの根っこをのばしてね。根っこは外からみえないけど。

広松由希子さんは
読むたびに新しい発見がある一生ものの絵本と出会えますように。

と、執筆者プロフィールで語っていらっしゃいます。

広松由希子さんが紹介されている絵本こちらの5冊かわいい

『アイタイ』(長谷川集平/作 解放出版社 2014.3.14)
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『ジェーンとキツネとわたし』(イザベル・アルスノー/絵 ファニー・ブリット/文 河野万里子/訳 西村書店 2015.6)
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『マールとおばあちゃん』(ティヌ・モルティール/作 カーティエ・ヴェルメール/絵 江國香織/訳 ブロンズ新社 2013.4)
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『うまれてきた子ども』(佐野洋子/作 ポプラ社 1991.1)
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『希望の牧場』森絵都/作 吉田尚令/絵 岩崎書店 2014.9)
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その広松由希子さんの講演会「日本の絵本100年 これまでとこれから」を開催します。
どうぞご参加ください。
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日 時 2019年2月17日(日)13:30〜15:00
場 所 山口市秋穂地域交流センター 大会議室
資料費 500円 
申込先 こどもと本ジョイントネット21・山口 
     秋穂ベースキャンプ(090-8712-3641原田)
     山口ベースキャンプ(090-3636-2617山口)
     yamaf123@c-able.ne.jp ※必ず返信します。
13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊― [2019年01月16日(Wed)]
絵本のなかには、10代だからこそ胸に響いたり、
深く味わえる作品が数多く存在している。
小説ではなく、絵本だからこそ可能な表現もある。

しかし、文字が少なく、絵が大きく扱われているためか、
「絵本は小さな子ども専用のもの」と思われがちだ。
そこで、もっと10代の若者が自分にふさわしい絵本に出会えるように、
書評家、作家、翻訳家、書店員、研究者、編集者など、絵本のプロである14人が、
おすすめのYA絵本を厳選し、その魅力を縦横無尽に紹介する。

書店員や司書が、選書や売り場・コーナー作りにも活用できる、
という新たな読書の扉をひらくガイドブック。

西村書店HPより)

アート/ナンセンス/私は私/恋愛と友情/家族/生と死/平和と戦争/歴史/自然/物語―全10ジャンル、
名作・ロングセラーから2017年刊行のものまで、
書評家、作家、翻訳家、書店員など本のプロ14人が厳選し、
10代の若者にこそ読んでほしい、新しい読書のトビラを開くブックガイド
『13歳からの絵本ガイド ―YAのための100冊―』
が昨年の4月に西村書店より発刊されましたぴかぴか(新しい)
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監修は、金原瑞人さん(法政大学教授・翻訳家)と、ひこ・田中さん(児童文学作家・評論家)。


こどもと本ジョイントネット21・山口では、執筆者の14人の中の広松由希子さん(絵本評論家・作家)と松田素子さん(編集者・作家)に、今回、講演をお願していまするんるん


松田素子さんが本著の中で紹介されている本はこちらかわいい

『カボチャありがとう』(木葉井悦子/作 架空社 1994.8)
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『だくちる だくちる』(ワレンチン・ベレストフ/原案 阪田寛夫/文 長新太/絵 福音館書店 1993.11)
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『とべバッタ』(田島征三/作 偕成社 1988.7)
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『ちいさなちいさな ―めにみえないびせいぶつのせかい』(ニコラ・デイビス/文 エミリー・サットン/絵 越智典子/訳 出川洋介/監修 ゴブリン書房 2014.8)
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『きょうはそらにまるいつき』(荒井良二/作 偕成社 2016.9)
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松田さんは1月27日に行われる講演会「絵本が育てる心の根っこ 〜絵本誕生の現場から〜」でこの5冊についてお話されるかも…揺れるハート
ぜひご参加ください。
松田素子カレッジ2018カラー版.png

日 時 2019年1月27日(日)13:30〜15:30
場 所 山口県立山口図書館 2F 第1研修室
資料費 500円
申込先 090-3636-2617(山口)、090-2008-9467(山本)、yamaf123@c-able.ne.jp (山口)
対談集 絵本のこと話そうか [2019年01月13日(Sun)]
28年経った昨年、改題し復刊した『対談集 絵本のこと話そうか』(アノニマ・スタジオ 2018.8)のことは、11月6日のブログでご紹介しましたぴかぴか(新しい)
 
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編者の松田素子さんが「復刊によせて」(P467〜468)で復刊の思いを語っていらっしゃいます。

 (略)当時、私がその創刊から編集に関わっていた雑誌「月刊MOE」の編集長を務めることになったとき、「〈ものを創る〉ということについて、あらためて、様々な方たちの話をちゃんとお聞きしておきたい」と思い、リレー対談という形式で始めた連載を書籍化したものです。

 雑誌連載時のタイトルは「絵本のこと話そうか」でしたが、もちろんのことながら、絵本に限ることなく、「ものを創る」ことすべてにわたる話題が語られました。
 ― いえ、それは、「創ること」にとどまらなかったと言った方がいいかと思います。ありとあらゆるものに通じ、時代も越えて流れる地下水があるとすれば、そんな深いところ、こんこんと湧きあがってくるような、朽ちることのない話に満ちていました。


 (略)ここで語られている数々の言葉は、個人的にも、その後ずっといまに至るまで、私自身の羅針盤であり続けました。
 もっと正確に言えば、言葉そのものというよりも、言葉の根っこを支えている「こころざし」と言うべきもの ― それは「祈りのようなもの」であり「願いのようなもの」が、私に、「見失ってはいけないものとはなんなのか」を語り続け、チカラを与え続けてはてくれたのかもしれません


 時代は変わり、子どもを取りまく状況も一致しています。
(略)
 だからこそこの本は、「いま」という時代の地図を、むしろ容赦なく照らし出すだろうことを……。
 そして、向かうべき道を探し、その道を自ら作りたいと願う者にとっての「羅針盤」として、新たな力をもつに違いないことを……。
 それは、あのとき、私自身が求めたように、他ならぬたったいま、そんなゆるぎのない「ほんとうの羅針盤」を探している次世代たちが、確かに存在していることを知っているからです。


(略)
 この本がこれから、どんなひとにとって、どんな羅針盤となり、灯台となり、チラカとなるのか……。
 手にしてくださった一人一人の未来に、その答えがあるのだろうと思います。




その松田素子さんの講演会「絵本が育てる心の根っこ 〜絵本誕生の現場から〜」を開きます。
ぜひご参加ください。
松田素子カレッジ2018カラー版.png

日 時 2019年1月27日(日)13:30〜15:30
場 所 山口県立山口図書館 2F 第1研修室
資料費 500円
申込先 090-3636-2617(山口)、090-2008-9467(山本)、yamaf123@c-able.ne.jp (山口)

対談集 絵本のこと話そうか [2018年11月06日(Tue)]
今年の8月、28年前の対談『素直にわがまま』(偕成社 1990)が、今の時代を生きる人たちの羅針盤として手渡すべく『対談集 絵本のこと話そうか』(松田素子/編 アノニマ・スタジオ 2018.8)と改題して復刊されましたぴかぴか(新しい)

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長 新太、五味太郎、林 明子、糸井重里、高橋源一郎、谷川俊太郎、山田 馨、司 修、岸田今日子、スズキコージ、小沢 正、佐野洋子、沢野ひとし、田中和雄、江國香織、高橋章子、吉本ばなな、黒井 健の18人の表現者が登場する対談集です。
絵本作家・小説家・詩人・編集者などによるリレー対談によって、「絵本」を軸にした、作り手たちの「こころざし」や「根っこ」が示されています。

「絵本」とは、作家がどのように世界を見ているかそのものです。(略)現在も活躍される18人の方々の、28年の時を経てもゆらぐことのない信念と言葉の数々。絵本とは、読者とは、ものづくりとは、仕事とは、芸術とは、人生とは。対談を通して、絵本や本を越えたヒントがもらえる、人生の羅針盤となる一冊です。
アノニマ・スタジオHPより)

編集されたのは、山口県周南市 (元 新南陽市)出身の編集者 松田素子さんです。

松田さんは「はじめに」(P3)で

この本は、絵本の紹介や評論の本ではありません。けれど、ひとつひとつの対談を重ね合わせたとき、そこから、ひとつの絵本の地図〞が、そして、創るということとはどういうことなのかがあぶりだされ、確かに見えてくるような気がするのです。

リレー対談というスタイルで、さまざまなジャンルの方にバトンが渡っていきました。話題もいろいろです。

対談が行われた期間は1987年から1990年。それらをまとめたものが書籍『素直にわがまま』(偕成社)として、1990年に刊行されました。

そして長い時を経て、復刊されることになったのが本書です。

時を経ても変わらないものが、ここにあります。それは創り手たちの「こころざし」であり、目に見えないところで、探り、考え、深々と伸ばされていった「根っこ」のようなものなのかもしれません。

と書かれています。

この復刊に込めた松田さんの思いは、本のあとがき「復刊によせて」に書れています。

(略)この本がこれから、どんな人にとって、どんな羅針盤となり、灯台となり、チカラとなるのか…。
手にとってくださった一人ひとりの未来に、その答えがあるのだろうと思います。

(P468)


とても熱くて深い本です。
ぜひ、あなたも、手にとってみてください揺れるハート
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