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こどもと本ジョイントネット21・山口


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山口市で可燃ごみ指定収集袋へバイオマスプラスチックが導入されました [2021年09月10日(Fri)]
8月25日の山口市長の定例記者会見で、「可燃ごみ指定収集袋へバイオマスプラスチック導入をする」と発表されましたぴかぴか(新しい)

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山口市可燃ごみ指定収集袋へのバイオマスプラスチック導入について

本市では、令和元年5月に国におきまして策定されました「プラスチック資源循環戦略」の重点戦略に、可燃ごみ指定収集袋へのバイオマスプラスチックの使用が掲げられましたことから、本年度の「山口市一般廃棄物処理実施計画」に、石油由来のプラスチック資源の使用抑制や温室効果ガス排出量を削減する施策を新たに盛り込んでいるところでございます。そして、この度、本市可燃ごみ指定収集袋の原料に、植物由来の廃糖蜜を10%配合したバイオマスプラスチックを導入いたしまして、9月から順次切り替えることといたしましたので、ご報告いたします。

この取り組みによりまして、焼却時に地球温暖化の原因となります二酸化炭素の排出を、今年度製造分で換算しますと約45トン削減することができますことから、地球温暖化対策に貢献するものと考えております。

新しい可燃ごみ指定収集袋は、市内約290店舗の市指定収集袋取扱店の在庫がなくなり次第店頭に並ぶ予定でございます。なお、バイオマスプラスチックの導入による販売価格の変更はございません。また、従前の可燃ごみ指定収集袋も引き続きご使用いただけますので、ご安心いただきたいと思います。

本市では、この可燃ごみ指定収集袋へのバイオマスプラスチックの導入をはじめ、「みんなでつくる循環型のまち山口」の具現化を目指しまして、ごみの排出量の抑制や分別・リサイクルの推進、環境負荷に配慮したごみの適正処理の推進などに取り組んで参りたいと考えております。


※「プラスチック資源循環戦略
 第四次循環型社会形成推進基本計画を踏まえ、資源・廃棄物制約、海洋プラスチックごみ問題、地球温暖化、アジア各国による廃棄物の輸入規制等の幅広い課題に対応するため、3R+Renewable(再生可能資源への代替)を基本原則としたプラスチックの資源循環を総合的に推進するための戦略。令和元年5月31日策定。
その「重点戦略」の「(1)プラスチック資源循環 B再生材・バイオプラスチックの利用促進」に「可燃ごみ用指定収集袋などの燃やさざるを得ないプラスチックについては、原則としてバイオマスプラスチックが使用されるよう、取組を進めます。」とあります。



これまでポリエチレン100%だった原料に、サトウキビ由来の廃糖蜜を10%配合するとのことですひらめき
山口県内では長門市に続いて2番目わーい(嬉しい顔)
新しい指定袋には、バイオマス素材が10%配合されていることを示すバイオマスマークが印字されています。

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バイオマスマーク
生物由来の資源(バイオマス)を利活用し、品質及び関連法規、基準、規格等に合致している環境商品に付与できるマークです。
環境効果の可視化して、バイオマス度の下限値を10%とし、認定製品に含まれるバイオマス割合(乾燥重量比)を表示しています。


バイオマスマーク.PNG


バイオプラスチックについては、まだまだ課題がありますが、まずは、山口市民としては喜ばしいことだと思います。


最近読んだ「プラスチック問題」の絵本を2冊ご紹介します。

『プラスチック・プラネット:今、プラスチックが地球をおおっている : 明日からプラスチックゴミをなくそう』
(ジョージア・アムソン=ブラッドショー/著 大山 泉/訳 評論社 2019)

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イギリスの本なので、日本の実情と合っていない点もあったりしますが、全体的にはとても参考になりました。
P34〜35「バイオプラスチックとは?」は、見開きで「バイオプラスチック」について分かりやすく書いてあります️。


『プラスチックモンスターをやっつけよう! きみが地球のためにできること』
(高田秀重/監修 クリハラタカシ/絵 クレヨンハウス編集部/編 クレヨンハウス 2020)

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プラスチックの「削減」を目指すべきだという高田秀重さんの理念、汚染の実態を伝える衝撃的な写真、クリハラタカシさんのユーモラスな絵、とても分かりやすく、子どももおとなも行動を起こす一助となるお薦めの絵本です。
P68〜71「新しいプラスチックを発明したら?」にもバイオプラスチックについて書いてあります。
ヤブミョウガ [2021年08月31日(Tue)]
もう2年前のことですが、2019年7月7日に柳井市のしらかべ学遊館を訪れたとき、壺庭に咲いていた白い花がとても綺麗で、なんて名前だろう、とずっと気になっていました。

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今日、偶然、山陽小野田市立図書館ホームページの嶋田紀和さんの「竜王山・はなだより」を見ていて「ヤブミョウガ」だということが分かりました揺れるハート

ヤブの名前を冠していますが、林のふちなどで咲きます。
葉姿がミョウガに似ているのでヤブミョウガ(藪茗荷)と名付けられました。
(略)高さは1m前後で半日蔭の中で白い花がひときわ目立ちます。」(2018年8月

ヤブミョウガ(薮茗荷、学名 Pollia japonica)は、ツユクサ科に分類される多年生草本植物だそうです。

ミョウガ(茗荷)はショウガ科ですが、『本草図譜』巻之十六 湿草類四(岩崎常正(潅園)/著)では、「蘘荷 めうが」の項に「一種 やぶめうが」とあり、ミョウガの一種としていました。

『本草図譜』 巻之十六 湿草類四「蘘荷 めうが 一種 やぶめうが」(国立国会図書館蔵)
本草図譜 第2冊 巻16湿草類4 やぶめうが.PNG


巻之十六 湿草類四 
蘘荷 めうが 一種 やぶめうが
山中陰地に宿根より生ず一莖に葉周りつき房をなして小白花を開き秋實を結ぶ熟して碧色麦門冬の実ににたり味淡く香なし先輩これを杜若に充るハ非なり是は修治に雷斅(カウ)の云処の革牛草なり



『梅園草木花譜』秋之部巻一(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)には「杜若」のところに詳しい説明つきでありました。

『梅園草木花譜』秋之部巻一「杜若」(国立国会図書館蔵)
梅園草木花譜秋之部 ヤブミョウガ.PNG

大和本草ノ曰 杜若(トジャク)ノ花 ヤブ蘘荷(メウガ)ト云
国俗アヤマリテ杜若ヲカキツバタトヨム、カキツバタハ燕子花ナルヘシ杜若ニハアラズ又別ニヤフメイガ
又山ミヨウカ共云草アリ與レ此不同云シ同書ノ条別ニ載ヤフ蘘荷花白ク實黒クシテ圓トハ能ク此ニ合ヘリサレトモ生花千筋ノ麓ノ圖本ニ此圖ヲ載セテ杜若ト記セリ圖画コレト合ヘリ然レハ當草ヲ杜若ニ可レ充歟

茶席挿花集出 革牛草(ヤブメウガ)

増補多識編芳草類二載テ曰
杜若(トジャク) 和名 按ルニ 古久礼(コクレ) 異名 杜衡(トコウ) 本徑 杜蓮 別録増補異名 若芝(ジャクシ) 別録 楚(ソ)衡 廣雅 ■(犭+巢)(ソウ)子薑 
■(扌+巢)ハ音爪藥性論 山薑 白蓮(レン) 白芩(ゴン)

本草原始云
杜若 又土細辛 雷公云凡使勿用鴨喋草根真ニ似タリ

予曰
群書曰是ヲ福洲高良薑ト云植木屋ニハ縮砂トス
此者良薑・縮砂ノ類ニ非ス高良(クマタケ)薑(ラン)ノ一類ナリ
高良(クマタケ)薑(ラン)ハ其葉冬ヲ凌テ凋ズ
別ニ高良薑(コウリヤウキヤウ)アリ今此ヲ只高良(リヤウ)薑(キヤウ)ト云



参考文献:
※『本草図譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
 『本草図譜』は、岩崎灌園(1786〜1842)が各地を踏査して写生した2,000種もの植物図に解説を添えた書で、わが国で最初の本格的な植物図鑑と言われています。1828(文政11)年に全96巻(92冊)が完成し、このうち5巻から10巻までの6冊が、1830(文政)13年に出版(江戸の須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛)されました。しかし出版されたのはこの6冊だけで、他の巻は原本を筆彩模写したものを予約制で希望者に三十数部配本し、1844(弘化元)年に配本が完了しました。

※『梅園草木花譜』は、国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開(保護期間満了)されています。
 『梅園草木花譜』は、毛利梅園(1798(寛政10)〜1851(嘉永4))が制作した写生図譜「梅園画譜」シリーズの中の草木の写生をまとめたものです。
 
那須正幹さんが亡くなられました [2021年07月24日(Sat)]
7月22日(水)、児童文学作家の那須正幹さんが亡くなられましたぴかぴか(新しい)

7月16日、防府市の自宅で倒れ、病院に救急搬送されましたが肺気腫のため、逝去されました。
10日前の12日、知人が電話した時は話も弾みお元気だったという話だそうですから本当に急逝です。

この5月に友人の絵画展で、偶然、那須さんの奥様とお会いして、立ち話ですが、いろいろお話しました。なので、驚きでいっぱいです。訃報もその友人が知らせてくれました。

俵山温泉で行われた山口県文庫連絡会主催「夏休みさよならまつり」でのこと、幼稚園新聞の取材でお宅にお伺いしてお話をお伺いしたこと(ちょうど、「ズッコケ三人組」シリーズの作画を担当された前川かずおさんが亡くなったばかりだったのでその話題が出たことを覚えています)、防府図書館で8月6日に開催された那須さんの講演会で被爆体験をお聞きしたこと、西村繁男さんとの講演会で『ぼくらの地図旅行』(福音館書店 1989.1)や『絵で読む広島の原爆』(福音館書店 1995.3)の製作秘話をお聞きしたこと、「ズッコケ三人組」シリーズの発行の折々に(1000万部突破など)にみんなで集まりお祝いしたこと、カラオケではいつも軍歌を歌われていたこと……ユーモアを交えながら広島なまりで語られる那須さんの声と優しい笑顔とともに、次々と思い出されます。

ご冥福をお祈りします。


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▲那須正幹さん(2017年8月19日 山口県こども文庫連絡会主催「いま!この本がおもしろいぞ」 山口県立山口図書館)

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▲『それいけズッコケ三人組』(前川かずお/絵 1978.2)

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▲『ぼくらの地図旅行』(西村繁男/絵 福音館書店 1989.1)

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▲『絵で読む広島の原爆』(西村繁男/絵 福音館書店 1995.3)

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▲読売新聞2021年7月23日号山口版

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▲読売新聞2021年7月23日号西部版
アーサー・ビナードさんが出演したラジオ番組「文化放送・戦後75年スペシャル『封印された真実〜軍属ラジオ』」が、第58回(2020年度)「ギャラクシー賞」ラジオ部門大賞を受賞 [2021年06月07日(Mon)]
アーサー・ビナードさんが出演されたラジオ番組「文化放送・戦後75年スペシャル『封印された真実〜軍属ラジオ』」が、第58回(2020年度)「ギャラクシー賞」ラジオ部門大賞を受賞しましたぴかぴか(新しい)

受賞理由は「丁寧な調査と貴重な資料や音源の発掘により、説得力ある問題提起」。

戦時下、川口市にある文化放送の送信所はプロパガンダ放送や妨害電波の放送を担う隠蔽放送局でした。ラジオ放送が兵器と化し、戦争に加担した事実、綿密な取材で、封印された真実を解き明かした傑作です。」と称賛されました。

ギャラクシー賞は、NPO法人放送批評懇談会が日本の放送文化の質的な向上を願い、優秀番組・個人・団体を顕彰するために、1963年に創設されました。
審査は放送批評懇談会会員から選ばれた選奨事業委員会が担当し、放送批評懇談会の会員が一貫して審査にあたり、賞の独立性を維持し続けているそうです。

昨年8月15日の終戦記念日に放送された番組です。

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6月2日に贈賞式が行われ、アーサー・ビナードさんも登壇されました。
その模様は、「第58回ギャラクシー賞贈賞式」としてYueTubeで配信されています。
https://www.youtube.com/watch?v=i_aILdTaRtU
(アーサー・ビナードさんの登場は、58:16〜1:06:49あたりです。)

ラジオがメディアとして本来の使命と逆の役割を担ってしまった負の事実と向き合い、「電波は姿なき武器、メディアは武器にもなり得る」と語られていました。

アーサー・ビナードさんは、広島市で生活しながら被爆者を取材し、みずから制作した詩や絵本、紙芝居など文学作品、また、メディアへの出演を通して、核兵器廃絶や世界恒久平和について訴え続けています。


かわいいベン・シャーンが描いた第五福竜丸の約50枚の絵から構成し、第五福竜丸の24人目の乗組員になったつもりで作った
『ここが家だ ベン・シャーンの第五福竜丸』
(ベン・シャーン/絵 アーサー・ビナード/構成・文 集英社 2006.9)
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かわいい広島で原爆に遭ったモノたちが語る写真絵本
『さがしています』
(アーサー・ビナード/作 岡倉禎志/写真 童心社 2012.7)(表紙写真:「鍵束」寄贈者・中村明夫 広島平和記念資料館所蔵)
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かわいい主人公の広島の原爆ドームが語り、調査や被爆者への取材などに2年を費やした
『ドームがたり』
(アーサー・ビナード/作 スズキコージ/画 玉川大学出版部 2017.3)
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かわいい「文化放送・戦後70周年特別企画「アーサー・ビナード『探しています』」」で取材した戦争体験者のうち23人の証言を採録した
『知らなかった、ぼくらの戦争』
(アーサー・ビナード/編著 小学館 2017.3)
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かわいい丸木俊さんと丸木位里さんが描いた大連作「原爆の図」から絵を選んで、切り取り、再構成し、出版までに7年かかった紙芝居
『ちっちゃい こえ』
(アーサー・ビナード/脚本 丸木俊・丸木位里/絵 「原爆の図」より 童心社 2019.5)
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アーサー・ビナードさん、「ギャラクシー賞」の受賞、おめでとうございます揺れるハート



山口市にはアーサー・ビナード研究会があり、毎月1回例会が開催されていますひらめき
なお、今日6月7日(月)の第14回アーサー・ビナード研究会「アーサー・ビナードの翻訳絵本『ありえない!』(エリック・カール/作)」は、会場がギャラリーカフェ「つるかめ」(山口市後河原219-1)に変更されていますので、ご注意ください。

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るんるん日 時るんるん 2021年6月7日(月)14:00〜16:00
るんるん場 所るんるん ギャラリーカフェ「つるかめ」(山口市後河原219-1)
るんるん定 員るんるん 15名
るんるん対 象るんるん 中学生以上
るんるん参加費るんるん 500円
るんるん主 催るんるん アーサー・ビナード研究会(代表 金崎清子)
るんるん問合先るんるん 山口の朗読屋さん(代表 林伸一)        
       携帯電話 090-6415-8203
       fax to 083-920-3459
       mail to hayashix@yamaguchi-u.ac.jp




アーサー・ビナードさんの写真は、2020年アーサー・ビナード研究会主催「アーサー・ビナードが下竪小路にやってくる!」にて、ビナードさん及び主催者の許可を得て撮影しました。ブログ掲載の許諾も得ています。
ヒメヒオウギ(姫檜扇) @ My Garden [2021年05月29日(Sat)]
庭に咲いている6弁の可憐な花かわいい こぼれ種で生えたと思われます。
前からなんて名前だろうと思っていたのですが、偶然、山野草のサイトでヒメヒオウギという名前だと知りましたぴかぴか(新しい)

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ヒオウギを小型にしたような愛らしい花なので、ヒメヒオウギ。「姫檜扇」と書きます。

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ヒオウギは、剣状の葉を平安時代の貴族たちに使われていた「檜扇」のように広げることから名付けられました。

IMG_7596 (2).JPG2018.7.24 山口祇園祭で撮影

ヒメヒオウギも小さな扇のように葉を広げています。
ただ、あまりに小さいので、雑草と間違えて夫が抜いてしまうこともしばしばです。

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ご近所の道端にも生えています揺れるハート

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名前にヒオウギと付いていますが、ヒオウギはアヤメ科アヤメ属で、ヒメヒオウギはアヤメ科フリージア属ということです。
また、ヒオウギは日本原産の植物ですが、ヒメヒオウギは帰化植物です。南アフリカ原産で日本へは大正期に入り、観賞用に栽培されてきました。こぼれ種で増えるくらい繫殖力が強いので、日本各地(暖地)で自生するようになっていったとされています。
シランが花盛りです [2020年05月29日(Fri)]
シランはランの中ではとてもポピュラーで、鮮やかな赤紫色で春を彩る花の一つですが、我が家にはありませんでした。
そのシランを4本いただき、枯れてはいけない、と別々の場所に2本ずつ植え、その一つに今年やっと花がつきましたぴかぴか(新しい)
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維新記念公園(5月1日)に行ってみると、あちこちで咲き誇っていました。
維新記念公園はシランの名所ですわーい(嬉しい顔)
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花が紫色の蘭ということから紫蘭(シラン)という名前がついたようです。
別名は、ベニラン(紅蘭)、シュラン(朱蘭)、シケイ(紫宦jといいます。
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国立東京国立博物館が所蔵する重要文化財に紙本墨画「蘭專ッ芳図」というのがあります。
南北朝時代に、建仁寺や南禅寺の住持をつとめた名僧 玉畹梵芳(ぎょくえんぼんぽう)(1348〜1424)が描いたものです。
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▲「蘭專ッ芳図」(玉畹梵芳/筆)(国立東京国立博物館蔵)


「蘭專ッ芳」は、蘭と宸ェともによい香りを発するので、優れた人徳のたとえに用いられることに由来します。
この宸ェ、シランのことです。

日本最古の漢詩集『懐風藻』(751(天平勝宝3))の「暮春於弟園池置酒」(従三位兵部卿兼左右京大夫藤原朝臣万里〈藤原麻呂〉)に

絃歌迭奏、蘭專ッ欣
絃歌迭奏し、蘭專ッじく欣ぶ

とあります。
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▲「藤原朝臣麻呂」(『前賢故実 巻第2』(菊池容斎 (武保)/著 雲水無尽庵 明1)(国立国会図書館蔵)


万葉集には「(けい)」という名で登場しますかわいい
ただ、歌の中には読み込まれていませんが、
巻17ー3967,3968の題詞にあります。
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『[曼朱院本]萬葉集』巻17-3967,3968(京都大学附属図書館蔵)

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『万葉集』巻17-3967,3968(清水浜臣 国立国会図書館蔵)

忽辱芳音翰苑凌雲 兼垂倭詩詞林舒錦 以吟以詠能蠲戀緒春可樂 暮春風景最可怜 紅桃灼々戯蝶廻花儛 翠柳依々嬌鴬隠葉歌 可樂哉 淡交促席得意忘言 樂矣美矣 幽襟足賞哉豈慮乎隔藂琴趨ウ用 空過令節物色軽人乎 所怨有此不能黙已 俗語云以藤續錦 聊擬談咲耳


『畫本野山草』(橘保国/作)には「紫宦@しらん シケイ」という名前で載っています。
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『畫本野山草』巻1「紫宦v(国立国会図書館蔵)

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『畫本野山草』巻1「志らん」(国立国会図書館蔵)

塊茎を漢方で白及(びゃっきゅう)といい止血薬にします。


維新記念公園のシランは5月27日現在は殆ど刈り取られていていました。葉もとてもいいのに残念ですもうやだ〜(悲しい顔)



参考文献:
「蘭專ッ芳図」(玉畹梵芳/筆)
  ※東京国立博物館「研究情報アーカイブズ」でインターネット公開されています。
『[曼朱院本]萬葉集』
  ※京都大学貴重資料デジタルアーカイブでインターネット公開されています。
『前賢故実』(菊池容斎 (武保)/著 雲水無尽庵 明1)
『万葉集』(清水浜臣)
『畫本野山草』
  ※以上3点は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
続きを読む...
ホオノキA [2020年05月26日(Tue)]
前回の続き

『西の魔女が死んだ』から少し離れます。

ホオノキは、山口県内の山地にも自生するモクレン科モクレン属の落葉高木です。
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木材は狂いが少なく、細工物やまな板などに利用されるそうです。
昔はマッチの軸木、下駄の歯(朴歯下駄)、鉛筆材、木版材(浮世絵の下絵に用いられました)、日本刀の鞘はホオノキを加工して作られていました。
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葉は20cmから40cmと大きいです。
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枝先に集まって付くので、輪生(1か所から3つ以上、輪のように葉が出ること)のように見えます。
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こういうのを偽輪生というのだそうです。
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よく見ると、ちょっとだけ葉っぱの出る所がずれています。
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互生です。
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葉の裏側は白い粉を吹いたような白っぽい色です。
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ホオノキの大きな葉は「朴葉(ほおば)」とも呼ばれ、食べ物を盛るための器として利用され、包んだりするのに使われてきました。
福井で「朴葉飯」、高山で「朴葉味噌」「朴葉焼き」を食べたことがあります。

ホオノキの別名ホオガシワのカシワは、古来、食物を盛るのに用いる葉の総称です。

万葉集には「保寶葉」「保寶我之婆」「保寶我之波」(ほほがしは)として登場します。

万葉集巻19-4204、4205に「見攀折保寶葉歌二首」(攀(よ)ぢ折(を)れたる保寶葉を見る歌二首)です。
4204番は「講師僧恵行」(講師(国分寺の僧)である僧恵行)、4205番は「守大伴宿祢家持」(越中国守である大伴家持)の歌です。
万葉集 巻19-4205 [20]-41-36 (3).png 万葉集 巻19-4204 [20]-83-35 (3).png
『万葉集』巻19-4204〜5(清水浜臣)(国立国会図書館蔵)

吾勢故我 捧而持流 保寶我之婆 安多可毛似加 青盖
わがせこが ささげてもてる ほほがしは あたかもにるか あをききぬがさ
我が背子が 捧げて持てる ほほがしは あたかも似るか 青き盖
あなた様が高く差し上げて持っている(さしかざしている)ホオガシワはあたかも貴人にかざす青い蓋(きぬがさ)に似てますね。

「捧(ささ)ぐ」は「両手で高く差し上げる」こと。
「蓋(きぬがさ)」は「絹で張った長い柄の傘」で、貴人が外出の際、従者が背後からさしかざしました。
補注によると、蓋は、三位以上の者が用いることになっており、一位の者は「深緑色」であったとあります。
家持が青々としたホオノキの葉を持っている様子を、一位の人の「蓋」のようだと、僧恵行は讃えています。

皇神祖之 遠御代三世波 射布折 酒飲等伊布曽 此保寶我之波
すめろきの とほみよみよは いしきをり きのみきといふぞ このほほがしは
皇神祖の 遠御代御代は い重き折り 酒飲みきといふぞ このほほがしは
皇祖の遠い昔から代々、葉を折り重ねて酒を飲んだということですよ、このホオガシワは。

「皇神祖(すめろき)」は「皇祖以来の歴代諸天皇」を指します。他に「天皇」「皇祖神」「皇祖」等とも表記されます。
「いしく」の「い」は接頭辞です。
「しき」は動詞「し(頻)く」で「くりかえし」「たびたび」の意で使われており、「いしきおり」で「くりかえし折る」の意です。
また、動詞「敷(し)く」で「(食物を盛るために、木の葉を)平らに広げる」の意で使われ、「いしきおり」で「平らに広げて折る」とも考えられます。
家持は、僧恵行の詩に対して、ホオノキの葉で酒を飲んだ昔を述べて葉を讃えました。


ホオノキの幹や枝の皮は、漢方の生薬として使われ、「厚朴(こうぼく)」と呼ばれています。
『本草図譜』巻82 喬木類1には「厚朴」として載っています。
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『本草図譜』巻82 喬木類1「厚朴」

いわゆるホオノキです。日本産のものは「和厚朴」と呼ばれています。
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『本草図譜』巻82 喬木類1「厚朴 一種」

そして、中国産の厚朴である「ほゝのき 唐厚朴」も載っています。
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▲『本草図譜』巻82 喬木類1「ほうのき 唐厚朴」



参考文献:
『万葉集』(清水浜臣)
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)
  ※以上は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。


【次回に続く】
シャクヤク × 和菓子 [2020年05月24日(Sun)]
シャクヤクの一重咲きで、雄蕊が大きく発達して盛り上がったを花を「金蕊咲き」と呼ぶそうです。
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その雄蕊を見ていると、上生菓子を想い起しますぴかぴか(新しい)
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イメージでいうと、上生菓子のきんとん(金団)です。
餡・求肥などの芯に、練切り餡のそぼろをきせた生菓子です。
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国立国会図書館の「あれもこれも和菓子」というサイトで、『御蒸菓子図』という江戸時代、菓子屋から出された和菓子のカタログを見つけました。
その中から、シャクヤクの蕊に似た御菓子を自分なりにセレクトしてみました。(達筆過ぎて読めないところもありますもうやだ〜(悲しい顔)

金飩は「きんとん」のことです。
御蒸菓子図2 53-4  (2).png黄金飩

毛毬栗とは「いがぐり」のこと、毛毬餅はイガグリをイメージしたのでしょうか。
御蒸菓子図2 53-10 (2).png毛毬餅

御蒸菓子図2 53-17 (2).png□春 
御蒸菓子図2 53-20 (2).png八重正□ 
御蒸菓子図2 53-29 (2).png□錦 
御蒸菓子図2 53-30 (2).png初紅葉 
御蒸菓子図2 53-36 (2).png千代□ 
御蒸菓子図2 53-37 (2).png□千代
▲『御蒸菓子図』(国立国会図書館蔵)

『船橋菓子の雛形』には、「黄巾頓」と他のお菓子との三種盛の見本がありました。
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▲『船橋菓子の雛形』(国立国会図書館蔵)

その他『御蒸菓子図』(虎屋伊織)(東京国立博物館蔵)や『御蒸菓子絵形』(東京都立中央図書館特別文庫室蔵)などのいろいろな菓子見本帳を眺めていると楽しくなります。

シャクヤクの花弁を飴細工で作って、蕊は鶏卵素麺で作ったらどうかなどと、妄想しています。

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(2020年5月22日撮影)



参考文献:
『御蒸菓子図』
『船橋菓子の雛形』
  ※国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
『御蒸菓子図』(虎屋伊織)
  ※国立公文書館デジタルアーカイブでインターネット公開されています。
テイカカズラが咲いていますB [2020年05月22日(Fri)]
【前回の続き】

もちろん自生しているものばかりでなく園芸種も豊富です。
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(2018年5月22日撮影) 
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ハツユキカズラ
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何カズラかな?我が家のです。何年も刈り込んだこともないのに花も実もなりません。
今、新芽がきれいです。
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維新百年記念公園にある陸上競技場には、テイカカズラの仲間スタージャスミンの生垣が造られていまするんるん
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(2018年6月1日撮影)


万葉の時代は、テイカカズラは
都多(ツタ)・綱・津田(ツタ)・角(ツノ)・
石綱(いはつな)(イワツナ)・石綱(いはつた)(イワツタ)・石葛(いはつな)(イワツナ)
などと呼ばれていました。

『万葉集』巻6-1046に石綱を詠った歌があります。
平城京から恭仁京(くにのみやこ)に遷都した後、奈良の都が荒廃していくのを悲しんで詠んだ歌、三首のうちの一首です。

万葉集巻6ー1046(近衛文庫 京都大学附属図書館蔵)
万葉集 巻6-1046 近衛文庫 892-265 (2).jpg

[曼朱院本]萬葉集 巻6-1046(京都大学附属図書館蔵)
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『万葉集』巻6-1044〜6(清水浜臣)(国立国会図書館蔵)
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傷惜寧楽京荒墟作歌三首
作者不審
ならのみやこのこうきょをいたみおしみてつくれるうたさんしゅ 

『万葉集』巻6-1046(清水浜臣)(国立国会図書館蔵)
万葉集巻6 1046 [7]-99-49 (2).png

石綱乃 又變若反 青丹吉 奈良乃都乎 又将見鴨
いわつなの またをちかえり あおによし ならのみやこを またもみむかも
石綱の また変若かえり 青丹よし 奈良の都を またも見むかも
イワツナのようにまた若返って、奈良の都が栄えるのをまた見ることができるでしょうか。

 「石綱の」  「をちかへる」に懸かる枕詞 
 「青丹よし」 「なら」に懸かる枕詞
 「変若」   をち→復ち。もとにかえること。

ここで思い出すのが、「藤波の花は盛りになりにけり @ フジ@」で紹介した太宰府に赴任中の大伴旅人の歌(巻3-331)です。

吾盛 復将變八方 殆 寧樂京乎 不見歟将成
わがさかり またをちめやも ほとほとに ならのみやこを みずかなりなむ
我が盛り また変若めやも ほとほとに 寧楽の京を 見ずかなりなむ
わが権勢を誇っていた頃にまた復帰できるだろうか。いやいや、このまま奈良の都を見ずじまいになりそうだ。


巻2-135に「角」、巻3-282に「角」、巻3-423「葛」、巻9-1804に「都多」、巻13-3291に「津田」、巻13-3324・3325に「角」、巻17-3991に「都多」、巻19-4220に「都多」などと出てきます。



参考文献:
『万葉集』(近衛文庫)
『[曼朱院本]萬葉集』
  ※以上2冊は京都大学貴重資料デジタルアーカイブでインターネット公開されています。
『万葉集』(清水浜臣)
  ※国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
テイカカズラが咲いていますA [2020年05月21日(Thu)]
【前回の続き】

テイカカズラは、日本自生種だけあって、本当にあちこちに自生していますぴかぴか(新しい)

禅昌寺 参道(山口市小鯖)
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(2018年5月27日撮影)


禅昌寺 賽の河原(山口市小鯖)
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(2018年6月3日撮影)


玉祖神社 本殿裏の杜(防府市大崎)
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(2018年6月3日撮影)


鴻ノ峰(山口市)
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(2018年6月13日撮影)


馬庭(山口市朝田)
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(2018年6月23日撮影)


玉祖神社に種田山頭火の句碑がありました。
テイカカズラのことを詠った句ではありませんが、まして、テイカカズラは草本類ではありませんが、高木に立ち上っている様子がなんだか相応しい気がして・・・・・・。

雑草礼賛  
生えよ 伸びよ 咲いてゆたかな 風のすずしく 
山頭火



【次回に続く】
テイカカズラが咲いています@ [2020年05月20日(Wed)]
5月19日、ご近所のテイカカズラがきれいに咲いていますぴかぴか(新しい)
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人知れず樹木に咲く花に興味を持ってから、上を見て歩くことが多くなりました。
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そんな樹木にまつわりついて咲いているのがテイカカズラ。
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付着根を出して周りの木や石垣などによじ登ります。
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キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木です。
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基部は筒状で、先端は5裂して広がり、全体としてプロペラ状になった直径2〜3cmの小花を多数付けます。
咲き始めは真っ白ですが、やがて淡い黄色に変化し、ジャスミンに似た芳香があります。
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一番最初に意識して見たのが、萩城下町です。
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(2018年5月23日撮影)

武家屋敷の築地塀とあまりにマッチしていたので、帰って調べてみると、
「テイカカズラ」だということが分かりました。
「テイカ」とは、あの、藤原定家exclamation×2

式子内親王(1149(久安5)〜1201(建仁元))を愛した藤原定家(1162(応保2)〜1241(仁治2))が、死後も彼女を忘れられず、ついに葛に生まれ変わって彼女の墓に絡みついたという伝説に由来します。
この伝説を脚色したものが金春禅竹(1405(応永12)〜1471(文明3)以前)の謡曲『定家』です。

式子内親王は、藤原定家の父である藤原俊成に師事していたことや、定家の日記『明月記』にはしばしば式子内親王に関する記事が登場することから、そのような伝承が生まれたのでしょう。

藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだとされる『小倉百人一首』には、二人の歌があります。
小倉百人一首 菱川師宣 画 式子内親王 倍率50% (2).png 小倉百人一首 菱川師宣画 藤原定家 56-52 (2).png
『小倉百人一首』「式子内親王」「権中納言定家」(菱川師宣/画 本問屋 1680(延宝8))(国立国会図書館蔵)

89番歌  式子内親王
玉の緒よ たえなば絶えね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする
 たまのをよ たえなばたえね ながらへば
 しのぶることの よはりもぞする


97番歌  権中納言定家
来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
 こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに
 やくやもしほの みもこがれつつ



『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(寺島良安尚順/編 江戸時代)には、「「黄門定家卿の古墳の石に生ず」ことから「定家葛」の名前が付いた」と記されています。
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▲『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(国立国会図書館蔵)

絡石 ていかかつら
 石鮫 懸石 耐冬 雲花 雲丹 雲英 石皿 雲珠 石龍藤


椄絡石 和名豆太 俗云定家葛 相伝 黄門定家郷之古墳之 葉似薮柑ヤブコウジ 而無刻歯 無花実又蔓白汁

椄絡石。和名豆太。俗に定家葛と云ふ。黄門定家卿(藤原定家のこと)の古墳の石に生ず、因って之を名づくと相伝ふ。葉は藪柑子の葉に似て而も刻歯無く、花実無し。又蔓白汁も無し。


『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7には、「絡石 テイカカズラ」が、近縁種「チリメンカズラ」(縮緬葛)、「セキダカズラ」(雪駄葛)、「ハツユキカズラ」(初雪葛)、「ツルクチナシ、チョウジカズラ」等とともに紹介されています。

絡石らくせき
いはつな 万葉集、ていかかつら、さいのつの 尾州

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▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7「絡石」(国立国会図書館蔵)

山中に自生せり。細茎さいけい蔦生まんせい木石もくせきを絡まとい四時凋しぼまず。葉は胡頽子こたいし(ぐみ)に似て対生す。茎は白汁しるあり。夏月なつに花あり。五弁白色香あり。後細長さいちょうの角つのを結ぶ。長さ六七寸。(略)

一種 ちりめんかつら
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▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

葉絡石より小さくして皺あり、花実共に同じ  

一種 せきたかつら
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▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

山中の木石に貼す。形状絡石に似て小なり。夏月は緑色。冬月に至れば紅紫色(略)石皿なり。

一種 はつゆきかつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石一種 19-12 初雪葛 倍率50% (2).png 
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

葉はていかかつらにより濶ひろく水蝋樹いぼたに似て深緑色。嫩葉(若い葉のこと)白色なるをはつゆきかづらと云。花は前條と同じ。実は一蔕てい両角下垂す。長さ一尺計ばかり。

一種 つるくちなし 丁子かつら
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▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

藤蔓とうまん絡石の如し。葉は山梔子くちなしに似て小く花も亦山梔子にて小なり。白色黄心実亦細長の角あり。

一種 はうらいかつら
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▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)



参考文献:
『小倉百人一首』(菱川師宣/画 本問屋 1680(延宝8))
『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(寺島良安尚順/編 江戸時代)
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)
  ※以上は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。



【次回に続く】
シャクヤクが咲きました [2020年05月19日(Tue)]
今年も我が家のシャクヤクが咲きましたぴかぴか(新しい)
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2020年5月1日に維新百年記念公園で撮影したものです。
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シベリア、中国、モンゴルの原産で、日本には古く中国から渡来しました。室町時代には大内氏館に植えられていました。(「大内氏館(12)ソテツとシャクヤク」参照)


小野小町の「百夜通い(ももよがよい)」伝説の一つに、小町を慕う深草少将に、毎晩芍薬を一株ずつ通い路に植えて百株になったら契りを交わす、と約束するものがあります。

『三十六歌仙像』「小野小町」(京都大学附属図書館蔵)
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『前賢故実』巻第4「小野小町」(国立国会図書館蔵)
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いろいろなバージョンのお話があるようですが、シャクヤクは、歌人としても絶世の美女としても知られる小野小町に相応しい気がします。


『畫本野山草』2巻「芍薬」(橘保國/畫圖 芸艸堂)(国立国会図書館蔵)
江戸時代の「絵本」は、画業志望者用の絵手本でした。この『畫本野山草』もその一つで、大坂の絵師橘保国(号、後素軒)(1715〜92)の描いた草木画集です。
図の脇に「花朱 生エンシ クマ」などと絵具の使用法があるものもありますが、「芍薬」のページには指示がありません。
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『本草図譜』第1冊 巻9芳草類上之上「芍薬」(国立国会図書館蔵)
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『梅園草木花譜夏之部』巻1「芍薬」(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)(国立国会図書館蔵)
「花譜」とは、花を、四季の順や分類などに従って記録した図譜です。
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唐代に牡丹が愛好されるようになると「木芍薬」と言われていた牡丹は「花王」になり、芍薬は「花相」となり、草本なので「草牡丹」とも呼ばれました。

『梅園草木花譜春之部』巻3「草芍薬」(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)(国立国会図書館蔵)
「草芍薬」は「ヤマシャクヤク」のことです。
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『あづまにしきゑ』「楳嶺花鳥画譜 芍薬・鸛」(楳嶺/作 明治16)(国立国会図書館蔵)
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『三十六花撰』「東京百花園芍薬」(喜斎立祥/作)(国立国会図書館蔵)
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『芍薬花譜』(賀集久太郎/編 朝陽園 明31.9)(国立国会図書館蔵)
本当は彩色の花譜で、すごく素敵な本なのですが、カラーではないのが残念です。
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参考文献:
『三十六歌仙像』
 ※京都大学貴重資料デジタルアーカイブ でインターネット公開されています。
『前賢故実』(菊池容斎 (武保)/著 雲水無尽庵 1868(明治1) )
『畫本野山草』(橘保國/畫圖 芸艸堂)
『梅園草木花譜夏之部』『梅園草木花譜春之部』(毛氏江元寿梅園直脚(毛利梅園)/書画并撰著)
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)
『あづまにしきゑ』
『三十六花撰』
『芍薬花譜』(賀集久太郎/編 朝陽園 明31.9)
 ※以上は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
シュロの花が咲きました [2020年05月18日(Mon)]
5月1日、ご近所でシュロの花が咲いていましたぴかぴか(新しい)
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ヤシ目ヤシ科シュロ属で、普通は雌雄異株・雌雄異花です。
大型の苞から花序が出ています。
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今年の花序の下には、枯れた昨年の花序が見えます。
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上の写真の木はトウジュロ、下の写真の木は、ワジュロといわれるものだと思われます。
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常緑高木で、高さ6メートルにも達します。
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日本ほか中国からミャンマーまで分布しています。
温暖な九州地方の原産とされており、早くから観賞用に栽培されていたようです。


清少納言『枕草子』37(40)段「花の木ならぬは」

姿なけれど、すろの木、唐めきて、わるき(わろ)家の物とは見えず。

趣のあるようすはないけれど、シュロの木は唐風で、下賤の家のものとは見えない。

 すがた【姿】外見。外形。かっこう。趣のあるようす。
 わる・い【悪い】(品質や程度などが)劣っている。上等でない。いやしい。
 わろ・し【悪し】(品質や程度などが)劣っている。上等でない。いやしい。貧しい。
  ※前田家本枕草子木は「唐めきて、―・き家のものとは見えず」
 から−め・く【唐めく】中国風に見える。


家紋に「棕櫚紋」というのがあります。
幹の頂上に、長い柄を持つ固い葉が数本つきますが、この葉が一見熊手のようで形が面白いので、紋章化されたと思われます。
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その起源は明らかではありませんが、室町時代には既に家紋になっていたようです。
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『本草図譜』第11冊 巻85喬木類4「椶櫚」があります。
本草図譜 第11冊 巻85喬木類4 椶櫚 (2).png 本草図譜 第11冊 巻85喬木類4 シュロ (2).png 本草図譜 第11冊 巻85喬木類4 木の形、トウシュロ 倍率50% (3).png
▲『本草図譜』第11冊 巻85喬木類4(国立国会図書館蔵)

樹直聳(ちょくしょう)(真っ直ぐに聳(そび)える)して枝なく梢に月々に新葉を生し四時(しじ)(しぼ)まず。一葉の形手を開くが如し。夏の初梢の葉の間に房を生ず。外皮ありて形蜀忝(黍)(モロコシ)の実の如く長ざれり。外皮落て顕る形魚子(なのこ)(魚の腹子)の如し。初黄色、花開く時は淡黄色となる。花弁苞微にして見易からず。後実を結ぶ形いんげんまめに似て短し。熟されば黒褐色となる。(略) 

「とうしゅろ」
本草図譜 第11冊 巻85喬木類4 木の形、トウシュロ 倍率50% (2).png 本草図譜 第11冊 巻85喬木類4 トウシュロ (2).png
▲『本草図譜』第11冊 巻85喬木類4(国立国会図書館蔵)

木の形しゅろと同じく葉も形同じといえども短く厚く硬くして年を重といえども下垂せずして直立す。花、実も前條と同じ。外皮の毛をとり用いるを此亦前に同じ

トウジュロは、葉が垂れ下がらない、と書いてあります。


「棕櫚の花」は夏の季語です。

梢より放つ後光やしゆろの花 蕪村 「新花摘」

異人住む赤い煉瓦や棕櫚の花  夏目漱石 明治二十九年
敷石や一丁つゞく棕櫚の花  夏目漱石  明治二十八年
世はいづれ棕櫚の花さへ穂に出でつ  夏目漱石 明治三十年
ぬきんでゝ雑木の中や棕櫚の花  夏目漱石 明治三十六年

吾も亦愛す吾廬や棕櫚の花  政岡子規
村落に洋館ありて棕櫚の花  政岡子規
棕櫚の花梯子とゞかぬ高さかな  政岡子規
棕櫚の花闇の夜頃を匂ひけり  政岡子規
棕櫚の花闇の空より匂ひけり  政岡子規


枝がなく、まっすぐに伸びた幹は俗に「シュロの毛」と呼ばれる古い皮で覆われています。
シュロ皮の繊維は縄、敷物、ホウキ、タワシなどになります。


5月17日に見に行くとずいぶん様子が変わっていました。
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秋には小さな実がいっぱい実るそうです。
実は生薬になるとのことです。



参考文献:
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)(国立国会図書館蔵)
  ※いずれも国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。
  ※『本草図譜』巻1〜4は、国立国会図書館デジタルコレクションでは抜けていますが、国立公文書館デジタルアーカイブで閲覧できます。
瓶にさす 藤の花ぶさみじかければ 畳の上にとどかざりけり @ フジC [2020年05月08日(Fri)]
【前回の続き】

正岡子規(1867(慶応3)〜1902(明治35))の『墨汁一滴』にフジを描いた句があります。
子規は死を迎えるまでの約7年間 脊椎カリエスを患っていました。
『墨汁一滴』は新聞「日本」に、1901(明治34)年1月16日〜7月2日に掲載された晩年の随筆です。

子規居士自画肖像(正岡子規/画 国立国会図書館蔵)
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夕餉したため了りて仰向に寝ながら左の方を見れば机の上に藤を活けたるいとよく水をあげて花は今を盛りの有様なり。艶(えん)にもうつくしきかなとひとりごちつつそぞろに物語の昔などしぬばるるにつけてあやしくも歌心なん催されける。この道には日頃うとくなりまさりたればおぼつかなくも筆を取りて

(かめ)にさす藤の花ぶさみじかければたゝみの上にとゞかざりけり
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瓶にさす藤の花ぶさ一ふさはかさねし書(ふみ)の上に垂れたり
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藤なみの花をし見れば奈良のみかど京のみかどの昔こひしも
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藤なみの花をし見れば紫の絵の具取り出(い)で写さんと思ふ
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藤なみの花の紫絵にかゝばこき紫にかくべかりけり
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瓶にさす藤の花ぶさ花垂(た)れて病の牀(とこ)に春暮れんとす
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去年こぞの春亀戸に藤を見しことを今藤を見て思ひいでつも
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くれなゐの牡丹(ぼたん)の花にさきだちて藤の紫咲きいでにけり
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この藤は早く咲きたり亀井戸(かめいど)の藤咲かまくは十日まり後
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八入折(やしおおり)の酒にひたせばしをれたる藤なみの花よみがへり咲く
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おだやかならぬふしもありがちながら病のひまの筆のすさみは日頃稀(まれ)なる心やりなりけり。をかしき春の一夜や。
      (四月二十八日)



その他にも、子規はたくさんのフジの句を詠んでいますが、その中からいくつか。

松の木に藤さがる画や百人首  『寒山落木』

藤の花長うして雨ふらんとす  『子規全集』

念仏に季はなけれども藤の花



写真は維新100年記念公園の藤棚ですかわいい
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ここのフジはノダフジだそうです。
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フジには、つるが右巻き(上から見て時計回り)と左巻きの二種類があり、右巻きのフジは「フジ」または「ノダフジ」、左巻きの藤の標準和名は「ヤマフジ」または「ノフジ」といいます。
月に遠くおぼゆる藤の色香哉 @ フジB [2020年05月07日(Thu)]
【前回の続き】

藤棚が作られるようになったのは江戸時代元禄期からですぴかぴか(新しい)

国立国会図書館「錦絵でたのしむ江戸の名所」からフジの花を描いた錦絵をピックアップしましょう。

江戸時代 フジといえば、亀戸天神のようです。

「東都名所合 亀井戸」(豊国 佐野喜 1854(安政1) 国立国会図書館蔵)
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「亀戸藤の景」(香蝶楼豊国,一陽斎豊国 古賀屋勝五郎 豊国国芳東錦絵 国立国会図書館蔵)
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「東都名所亀井戸池中藤花之盛」(広重 藤彦 国立国会図書館蔵)
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「名所江戸百景 亀戸天神境内」(広重 魚栄 安政3 名所江戸百景 国立国会図書館蔵)
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「江戸名所 亀井戸天神ふし」(広重 泉市 東都名所 国立国会図書館蔵)
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「江戸名勝図会 亀井戸天神」(広重 江戸名勝図会 国立国会図書館蔵)
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「東都三十六景 亀戸天満宮」(広重 相ト 国立国会図書館蔵)
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亀戸天神の藤棚です。ただし11月初めに撮った写真なので、花が咲いていませんもうやだ〜(悲しい顔) 
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藤を詠んだ句を適当に挙げてみました。

草臥て(くたびれて)宿かる比(ころ)や藤の花  松尾芭蕉『笈の小文』

水影やむささびわたる藤の棚  其角『皮籠摺』

蓑虫のさがりはじめつ藤の花  去来『北の山』

月に遠くおぼゆる藤の色香哉  与謝蕪村「連句会草稿」

山もとに米踏む音や藤の花 与謝蕪村

藤の花雲の梯(かけはし)かかるなり  与謝蕪村『落日庵句集』

行く春の後ろを見せる藤の花  小林一茶

藤棚の隅から見ゆるお江戸かな  小林一茶


【次回に続く】
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