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こどもと本ジョイントネット21・山口


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中原中也の詩を方言にして読む @ 中原中也記念館【オンライン開催】 [2020年12月28日(Mon)]
1月23日(土)、「中原中也の詩を方言にして読む」オンライン開催されますぴかぴか(新しい)

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zoomでのオンライン開催!
中原中也の詩「帰郷」「詩人は辛い」を、あなたの話せる方言で翻訳してみませんか?
当日は翻訳した詩を朗読しあい、言葉の持つ響きの面白さを楽しみながら中也の作品を読み深めます。


るんるん日 時るんるん 2021年1月23日(土)13:00〜14:30
るんるん会 場るんるん zoom を利用 オンライン開催

るんるん内 容るんるん
 1.受付後、翻訳する中也の詩のテキストを2作品、メールにてお送りします。
 2.あなたの話せる方言で翻訳し、1月18日(月)までに返信してください。
 3.zoomのログインアドレスを前日までにお知らせします。
  (当日は記録用に録画しますが、一般公開はしません)
 4.当日、当館の職員を交えて翻訳作品を読み合い、
   中也のもとの作品と比較しながら、中也の詩を読み深めます。

るんるん参加条件るんるん 
 @zoomを使ってのオンライン参加が可能な方
 A中原中也の詩を日本語の方言で翻訳し、当日朗読することができる方
   ※zoom1画面で家族での参加も可能。

るんるん定 員るんるん 6名(先着順)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん申込方法るんるん 中原中也記念館HPの予約フォーム
るんるん主 催るんるん 中原中也記念館 https://chuyakan.jp/



  帰郷

柱も庭も乾いてゐる
今日は好い天気だ
    縁の下では蜘蛛の巣が
    心細さうに揺れてゐる

山では枯木も息を吐く
あゝ今日は好い天気だ
    路傍(ばた)の草影が
    あどけない愁みをする

これが私の故里(ふるさと)だ
さやかに風も吹いてゐる
    心置なく泣かれよと
    年増婦(としま)の低い声もする

あゝ おまへはなにをして来たのだと……
吹き来る風が私に云ふ




  詩人は辛い

私はもう歌なぞ歌はない
誰が歌なぞ歌ふものか

みんな歌なぞ聴いてはゐない
聴いてるやうなふりだけはする

みんなたゞ冷たい心を持つてゐて
歌なぞどうだつてかまはないのだ

それなのに聴いてるやうなふりはする
そして盛んに拍手を送る

拍手を送るからもう一つ歌はうとすると
もう沢山といつた顔

私はもう歌なぞ歌はない
こんな御都合な世の中に歌なぞ歌はない

        (一九三五・九・一九)
福田百合子名誉館長と中也の詩「無題」(『山羊の歌』より)を読む @ 中原中也記念館 中原中也を読む会 [2020年12月24日(Thu)]
12月25日(金)、中原中也記念館で、中原中也を読む会「福田百合子名誉館長と中也の詩「無題」(『山羊の歌』より)を読む」が開催されますぴかぴか(新しい)

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▲福田百合子名誉館長(2019年2月24日(日)、「福田百合子が中原中也を語る」にて)

るんるん日 時るんるん 2020年12月25日(金)13:30〜15:00
るんるん場 所るんるん 中原中也記念館
       山口市湯田温泉1-11-21
るんるん講 師るんるん 福田百合子(中原中也記念館名誉館長)
るんるん定 員るんるん 5名(要予約・先着順)
るんるん参加費るんるん 無料
るんるん申込法るんるん 電話、FAX、ホームページのフォーム等で申込
るんるん申込先るんるん 中原中也記念館
       電話 083-932-6430
       fax to 083-932-6431
       http://www.chuyakan.jp/




  無題

 T

こひ人よ、おまへがやさしくしてくれるのに、
私は強情だ。ゆうべもおまへと別れてのち、
酒をのみ、弱い人に毒づいた。今朝
目が覚めて、おまへのやさしさを思ひ出しながら
私は私のけがらはしさを歎いてゐる。そして
正体もなく、今茲(ここ)に告白をする、恥もなく、
品位もなく、かといつて正直さもなく
私は私の幻想に駆られて、狂ひ廻る。
人の気持ちをみようとするやうなことはつひになく、
こひ人よ、おまへがやさしくしてくれるのに
私は頑(かたく)なで、子供のやうに我儘(わがまま)だつた!
目が覚めて、宿酔(ふつかよひ)の厭(いと)ふべき頭の中で、
戸の外の、寒い朝らしい気配を感じながら
私はおまへのやさしさを思ひ、また毒づいた人を思ひ出す。
そしてもう、私はなんのことだか分らなく悲しく、
今朝はもはや私がくだらない奴だと、自(みづか)ら信ずる!

 U

彼女の心は真つ直い!
彼女は荒々しく育ち、
たよりもなく、心を汲んでも
もらへない、乱雑な中に
生きてきたが、彼女の心は
私のより真つ直いそしてぐらつかない。

彼女は美しい。わいだめもない世の渦の中に
彼女は賢くつつましく生きてゐる。
あまりにわいだめもない世の渦のために、
折に心が弱り、弱々しく躁(さわ)ぎはするが、
而(しか)もなほ、最後の品位をなくしはしない
彼女は美しい、そして賢い!

甞(かつ)て彼女の魂が、どんなにやさしい心をもとめてゐたかは!
しかしいまではもう諦めてしまつてさへゐる。
我利々々で、幼稚な、獣(けもの)や子供にしか、
彼女は出遇(であ)はなかつた。おまけに彼女はそれと識(し)らずに、
唯、人といふ人が、みんなやくざなんだと思つてゐる。
そして少しはいぢけてゐる。彼女は可哀想だ!

 V

かくは悲しく生きん世に、なが心
かたくなにしてあらしめな。
われはわが、したしさにはあらんとねがへば
なが心、かたくなにしてあらしめな。

かたくなにしてあるときは、心に眼(まなこ)
魂に、言葉のはたらきあとを絶つ
なごやかにしてあらんとき、人みなは生(あ)れしながらの
うまし夢、またそがことわり分ち得ん。

おのが心も魂も、忘れはて棄て去りて
悪酔の、狂ひ心地に美を索(もと)む
わが世のさまのかなしさや、

おのが心におのがじし湧きくるおもひもたずして、
人に勝(まさ)らん心のみいそがはしき
熱を病む風景ばかりかなしきはなし。

 IIII

私はおまへのことを思つてゐるよ。
いとほしい、なごやかに澄んだ気持の中に、
昼も夜も浸つてゐるよ、
まるで自分を罪人ででもあるやうに感じて。

私はおまへを愛してゐるよ、精一杯だよ。
いろんなことが考へられもするが、考へられても
それはどうにもならないことだしするから、
私は身を棄ててお前に尽さうと思ふよ。

またさうすることのほかには、私にはもはや
希望も目的も見出せないのだから
さうすることは、私に幸福なんだ。

幸福なんだ、世の煩(わづら)ひのすべてを忘れて、
いかなることとも知らないで、私は
おまへに尽せるんだから幸福だ!

 X 幸福

幸福は厩(うまや)の中にゐる
藁(わら)の上に。
幸福は
和める心には一挙にして分る。

  頑(かた)くなの心は、不幸でいらいらして、
  せめてめまぐるしいものや
  数々のものに心を紛らす。
  そして益々(ますます)不幸だ。

幸福は、休んでゐる
そして明らかになすべきことを
少しづつ持ち、
幸福は、理解に富んでゐる。

  頑なの心は、理解に欠けて、
  なすべきをしらず、ただ利に走り、
  意気銷沈して、怒りやすく、
  人に嫌はれて、自らも悲しい。

されば人よ、つねにまづ従はんとせよ。
従ひて、迎へられんとには非ず、
従ふことのみ学びとなるべく、学びて
汝が品格を高め、そが働きの裕(ゆた)かとならんため!
山羊の日 @ 中原中也記念館 [2020年12月12日(Sat)]
12月10日は山羊の日ですぴかぴか(新しい)

中原中也の第一詩集『山羊の歌』は1934(昭和9)年12月10日、東京の文圃堂書店から刊行されました。
そこで、中原中也記念館では、12月10日を「山羊の日」と名付け、毎年お祝いのイベントを行っています。


🐐特別展示 中原中也直筆原稿「春の日の夕暮」
  2020年12月1日(火)〜13日(日)

詩集『山羊の歌』冒頭に収められた詩「春の日の夕暮」の原稿が展示されています。
タイトルは「春の夕暮」となっていますが、詩集収録時に「春の日の夕暮」へ改題されました。
「春の日の夕暮」の初稿は、1924(大正13)年、詩の創作ノート「ノート1924」に書かれました。
この原稿は1932(昭和7)年、中也が『山羊の歌』の印刷用原稿を準備する際、清書前の下書きとして制作したものであるとみられ、未発表小説「青年青木三造」が書かれた原稿用紙の裏に記されています。
1972(昭和47)年の中也の生家の火災に遭い、中也の弟 思郎さんが火の中から持ち出しましたが、一部が焼け焦げるなど損傷してしまいました。2004(平成16)年に遺族から寄贈を受け、2017(平成29)年に資料修復家 秦博志さんの修復により展示が可能な状態によみがえりました。
なんと今回が修復後の初展示だそうです揺れるハート


 春の日の夕暮

トタンがセンベイ食べて
春の日の夕暮は穏かです
アンダースローされた灰が蒼ざめて
春の日の夕暮は静かです

吁(ああ)! 案山子(かかし)はないか――あるまい
馬嘶(いなな)くか――嘶きもしまい
ただただ月の光のヌメランとするまゝに
従順なのは 春の日の夕暮か

ポトホトと野の中に伽藍(がらん)は紅く
荷馬車の車輪 油を失ひ
私が歴史的現在に物を云へば
嘲る嘲る 空と山とが

瓦が一枚 はぐれました
これから春の日の夕暮は
無言ながら 前進します
自(みづか)らの 静脈管の中へです



🐐来館者プレゼント
  2020年12月12日(土)〜13日(日)

『山羊の歌』のまめほん  各日先着10名様exclamation
「山羊をつれた中也くん」ポストカード  来館者全員exclamation×2

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かわいいクリスマス市の間、中原中也記念館も灯りで彩られています。

クリスマス中原中也記念館 カイヅカイブキ イルミネーション
  2020年12月1日(火)〜2021年1月6日(水)日没〜22:00

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クリスマス中原中也記念館 Xmas キャンドルナイト
  2020年12月12日(土)17:00〜22:00
     ※19日、24日にはプチキャンドルナイト

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記念講演会「中也と鉄道」 @ 「第25回中原中也賞贈呈式・記念講演」に行きましたA [2020年11月26日(Thu)]
前回の続き

記念講演まで時間があったので、詩人のカニエ・ナハさんとお話しする機会を得ましたわーい(嬉しい顔)
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カニエさんが持つ本『美しいからだよ』に注目exclamation×2
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付箋がすごいです。
NHKドラマ『朗読屋』でもカニエさんの持つ中也の本にびっしり付箋が付けられていて、読み込んでいらっしゃるな、と感動したのを思い出しました。
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いよいよ記念講演
原武史さん(放送大学教授)による「中也と鉄道」
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阿部六郎宛書簡 昭和12(1937)年7月7日付

(略)もうくにを出てから十五年ですからね。ほとほと肉感に乏しい関東の空の下にはくたびれました。それに去年子供に死なれてからといふものは、もうどんな詩情も湧きません。瀬戸内海の空の下にでもゐたならば、また息を吹返すかも知れないと思ひます。(略)なんだか線路の上の家にはもうゐられないのではないかと思ふ。(略)


(自筆住所録)

終列車ニテ旅順ニユク。


安原喜弘宛書簡 昭和12(1937)年9月2日付

京王電車の沿線、終点に近いあたりにゆかうかとも一時思ひましたが、やつぱり引上げることにしました。帰つてもまあ、あんまりいいこともないのですが、ほんのつまらぬ道の曲り角にも、少年時代がこびりついてゐますし、まあ、なんとなく粘着力は感じられます。(略)


「散歩生活」

 私一人の住居のある、西荻窪に来てみると、まるで店灯がトラホームのやうに見える。水菓子屋が鼻風邪でも引いたやうに見える。入口の暗いカフヱーの、中から唄が聞こえてゐる。それからもう直ぐ畑道だ、蛙が鳴いてゐる。ゴーツと鳴つて、電車がトラホームのやうに走つてゆく。月は高く、やつぱり流れてゐる。(略)


など、中也が書いたものに関連して、詳細に当時の鉄道事情を話してくださいました。
これから、中也を読むとき、より内容を深く理解することができそうです。
また、ご自身の寝台特急での思い出話はとても興味深かったです。
第25回中原中也賞贈呈式 @ 「第25回中原中也賞贈呈式・記念講演」に行きました@ [2020年11月12日(Thu)]
11月7日(土)、湯田温泉ユウベルホテル松政 芙蓉の間で開催された「第25回中原中也賞贈呈式・記念講演」に参加しましたぴかぴか(新しい)

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毎年舞台のレイアウトを楽しみにしているのですが、今年はこんな感じです。
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毎年一般席は、来賓の方の後ろの席なのですが、今年は、ソーシャルディスタンスを保つため、なんと最後列3列しか設営されていなくて、舞台からとても遠く感じました。
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そして、結構来賓席は空席が目立ちました。
市のHPには「来場者多数の場合は、3階長州の間において、モニター視聴をご案内する場合がありますので、ご了承願います。」となっており、もし、会場に入れずに、モニター視聴された方がいらっしゃったとしたら、変な話ですふらふら


そうこうしているうちに、贈呈式が始まりました。

選考委員紹介。
左から佐々木幹郎さん(詩人)、荒川洋治さん(現代詩作家)、井坂洋子さん(詩人)、蜂飼耳(詩人)。
高橋源一郎(作家)は欠席です。
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選考委員長の佐々木幹郎さんの選評
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「水沢なおさんの『美しいからだよ』が持つ未完成性と、作者が未来をつつこうとしているその可能性に賭けることにしました。」と言われ、そのみずみずしい詩集を読むと、「自分が10代後半から20代前半に戻ったような気がします。」と話されていました。

美しいからだよ.jpg『美しいからだよ』(思潮社 2019.12)


山口市長より大和保男さん作の陶板の贈呈。
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正賞として、中也と親交のあった彫刻家高田博厚(1900〜1987)制作「中原中也ブロンズ像」の贈呈。
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高田は1929(昭和4)年に中也と出会い、渡仏するまでの2年余りの親交の中で、雑誌「生活者」に紹介した他、中也の塑像を製作しました。
当時の作品は失われましたが、帰国後の1958(昭和33)年に改めて製作し、それが中原中也記念館の2階に展示されています。 
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副賞の100万円の贈呈。
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中也の親族より花束贈呈
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受賞者 水沢なおさん挨拶
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「高校生の頃、国語の授業が楽しみでした。国語教師のことを好んでいました。先生は、「世の中で一番美しいのは詩です」と言われました。」
「わたしは美しいものが好きです。詩のことを美しいと思います。」
というお話などされました。

これからの活躍が楽しみな新人です。


次回に続く
「空の下の朗読会」に行きました [2020年11月10日(Tue)]
11月7日(土)、中原中也記念館 前庭で開催された「空の下の朗読会」に参加しましたぴかぴか(新しい)

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毎年、4月29日の中原中也の誕生日に中原中也生誕祭「空の下の朗読会」として行われていましたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために中原中也生誕祭は中止され、11月7日に延期された中原中也賞贈呈式に合わせて開催されました。

受付で、名前と連絡先を書き、検温して、手を消毒したら、こんな可愛い中也シールをもらいましたひらめき
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あいにく、降ったりやんだりの雨模様でした雨
昨年の4月29日の「空の下の朗読会」もやはり雨で、会場を湯田温泉ユウベルホテル松政に移して開催されましたが、今年は、小雨だからでしょうか、中原中也記念館 前庭で決行されましたあせあせ(飛び散る汗)

第一部 自由参加の朗読かわいい
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第二部 おおたか静流ライブかわいい
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ヴァイオリンの向島ゆり子さんと息もぴったりです。
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高田博厚制作の中也のブロンズ像が見ています。
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おおたかさんの澄んだのびやかな歌声はきっと中也にも届いているのでは・・・。
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中也の詩「六月の雨」におおたかさんが曲をつけられたのを歌ってくださいました。
季節は違うけど、とっても、今日の雨に合っていてすてきでした霧
       

またひとしきり 午前の雨が
菖蒲のいろの みどりいろ
眼(まなこ)うるめる 面長き女(ひと)
たちあらはれて 消えてゆく

たちあらはれて 消えゆけば
うれひに沈み しとしとと
畠の上に 落ちてゐる
はてしもしれず 落ちてゐる

      お太鼓叩いて 笛吹いて
      あどけない子が 日曜日
      畳の上で 遊びます

      お太鼓叩いて 笛吹いて
      遊んでゐれば 雨が降る
      櫺子(れんじ)の外に 雨が降る


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第25回中原中也賞贈呈式・記念講演 [2020年10月19日(Mon)]
11月7日(土)、第25回中原中也賞贈呈式・記念講演が開催されますぴかぴか(新しい)

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るんるん日 時るんるん 2020年11月7日(土)15:30〜17:50  (15:00 開場)
るんるん場 所るんるん 湯田温泉ユウベルホテル松政 2階(芙蓉の間)
るんるん入場料るんるん 無料 

かわいい贈呈式かわいい
 るんるん時間るんるん 15:30〜16:10
 るんるん受賞者るんるん 水沢なお
 るんるん受賞詩集るんるん 『美しいからだよ』(思潮社 2019.12)
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かわいい記念講演かわいい
 るんるん時間るんるん 16:50〜17:50
 るんるん演題るんるん 「中也と鉄道」
 るんるん講師るんるん 原武史(放送大学教授)


るんるん問 合るんるん 山口市交流創造部文化交流課 TEL 083-934-2717
るんるん主 催るんるん 山口市
るんるん後 援るんるん (株)青土社、(公財)角川文化振興財団




【中原中也記念館・関連展示】
かわいい第25回中原中也賞特別展示かわいい 
 るんるん期間るんるん 2020年10月28日(水)〜11月23日(月)
 るんるん場所るんるん 中原中也記念館 中也記念室
 るんるん内容るんるん 第25回中原中也賞受賞詩集 水沢なお「美しいからだよ」


かわいい企画展I「〈汽車が速いのはよろしい〉― 中也の詩と乗り物」かわいい
 るんるん期間るんるん 2020年5月19日(火)〜11月15日(日)
 るんるん時間るんるん 9:00〜17:00(入館は16:30まで)
 るんるん入館料るんるん 一般330円、学生220円、18歳以下70歳以上無料

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空の下の朗読会 × #中也web朗読会2020 @ 中原中也記念館 [2020年10月17日(Sat)]
11月7日(土)、中原中也記念館 前庭で、詩の朗読を好んだ中也にならい、「空の下の朗読会」が開催されますぴかぴか(新しい)

毎年、4月29日の中原中也の誕生日に中原中也生誕祭「空の下の朗読会」として行われていましたが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために中止され、11月7日の中原中也賞贈呈式に合わせて開催されます。

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1907年山口市湯田温泉に生まれ、30年短い生涯を詩にささげた中原中也。
中也が生まれた場所で、詩の朗読を好んだ中也にならい、一般の方々に自作や愛読の詩を朗読していただきます。
あわせて、ゲストによるミニライブもお楽しみください。


るんるん日 時るんるん 2020年11月7日(土)12:30〜14:30  
るんるん場 所るんるん 中原中也記念館 前庭
       山口市湯田温泉1-11-21
       雨天の場合はユウベルホテル松政(人数上限有)
るんるん参加費るんるん 無料 


かわいい第1部かわいい 自由参加の朗読 
 るんるん時間るんるん 12:30〜13:30
 るんるん内容るんるん 詩の朗読を好んだ中也にならい、一般の方々が自作や愛読の詩を朗読。
 るんるん朗読希望者るんるん 
       12:00〜 会場で受付
       先着15組
       1組(3人まで)3分以内


かわいい第2部かわいい おおたか静流ライブ
 るんるん時間るんるん 13:40〜14:30
 るんるん出演者るんるん おおたか静流(シンガー&ボイスアーティスト)
        向島ゆり子(ヴァイオリン奏者)


るんるん問合先るんるん 中原中也記念館
        電話 083-932-6430  fax to 083-932-6431
        HP:https://www.chuyakan.jp/   
るんるん主 催るんるん (公財)山口市文化振興財団



かわいい同時開催かわいい
今年は、記念館前庭で開催する「空の下の朗読会」と同時にweb上の朗読会「#中也web朗読会2020」も開催されますぴかぴか(新しい)

twitter企画です。
るんるん日 時るんるん 11月7日(土)9:00~17:00
るんるん参加方法るんるん
  中原中也もしくは自作の詩の朗読を動画に撮って、twitterへ投稿。
  ハッシュタグ「#中也web朗読会2020」をつけてツイート。
  朗読する詩の著作権を守り、公序良俗に反する映像を用いないことに注意。
  (詳細は、中原中也記念館のHP(https://www.chuyakan.jp/)をご覧ください。)
没後83年 中也忌 @ 中原中也記念館 [2020年10月14日(Wed)]
1937年10月22日、30歳で夭折した中也は、現在、山口市吉敷の経塚墓地で静かに眠っていますぴかぴか(新しい)

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中原中也記念館では、中也の命日である10月22日を「中也忌」とし、例年、様々な関連イベントが開催されていました。

今年は、中也の命日の墓前祭は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため開催が中止され、経塚墓地にあるお墓には中原中也記念館の職員の方がお参りされます。
789C99F2-FF36-463D-A41A-468CA947FEBB.jpeg2019「没後82年中也忌墓前祭」 
9C609C58-DABE-4A85-9324-8389021813EC.jpeg2018「没後81年中也忌墓前祭」 

その他、「中也に捧げる夕べ」などのイベントは開催されませんが、
BC1F6643-04F9-4FE9-B7DC-38680ECFA340.jpeg2018「中也に捧げる夕べ」

下記イベントが開催されます。
中也に思いをはせながら、文学にひたる秋のひとときを過ごしてみませんか揺れるハート


かわいい10月22日(木)中也命日
中原中也記念館入館料無料exclamation×2
※混雑時、入館制限あり
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企画展I「〈汽車が速いのはよろしい〉― 中也の詩と乗り物」
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第17回テーマ展示「教科書で読んだ中也の詩 ― 思い出の一篇」
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かわいい10月17日(土)〜25日(日)
特別展示 中原中也原稿「野卑時代」

中原中也の命日にちなみ、中也の直筆原稿「野卑時代」を期間限定で特別に展示されます。
「野卑時代」は、未発表作品で昭和9年11月29日、中也が27歳のときに制作されました。
なお、この詩は、大林宣彦監督の遺作となった「海辺の映画館―キネマの玉手箱」の中で、映画のテーマにかかわる重要な詩として登場するそうです。


野卑時代

星は綺麗と、誰でも云ふが、
それは大概、ウソでせう
星を見る時、人はガツカリ
自分の卑少を、思ひ出すのだ

星を見る時、愉快な人は
今時減多に、ゐるものでなく
星を見る時、愉快な人は
今時、孤独であるかもしれぬ

それよ、混迷、卑怯に野卑に
人々多忙のせゐにてあれば
文明開化と人云ふけれど
野蛮開発と僕は呼びます

勿論、これも一つの過程
何が出てくるかはしれないが
星を見る時、しかめつらして
僕も此の頃、生きてるのです

    (一九三四・一一・二九)



かわいい10月1日(木)〜21日(水)
中原中也へのメッセージ募集
5A0010B5-57B2-4312-8EE3-8E214C6F6A63.jpeg2019「中原中也へのメッセージ」

21日まで「中原中也へのメッセージ」を募集しています。
集まったメッセージは、2020年10月22日(木)、中也の命日に中也のお墓にお供えされます。


かわいい10月23日(金)13:30〜15:00
中原中也を読む会「中也忌関連企画 中原中也「骨」「一つのメルヘン」を読む」

「中原中也を読む会」は、学芸担当職員の解説とともに詩を読み深めたり、中也の詩の世界を楽しく味わおう、という会です。
今回は、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、予約制・先着5名様までです。
電話 083-932-6430(中原中也記念館)

中也の眠る経塚墓地の傍を流れる吉敷川は、伏流となっているため、地表に水が流れない時には、川床の小石が姿をあらわします。そのため、水無川とも呼ばれています。
「骨」「一つのメルヘン」は、この川を舞台に書かれました。

9BBAAA13-7D5C-47F1-AE21-87D0D96F7086.jpeg吉敷川




ホラホラ、これが僕の骨だ、
生きてゐた時の苦労にみちた
あのけがらはしい肉を破つて、
しらじらと雨に洗はれ
ヌックと出た、骨の尖(さき)。

それは光沢もない、
ただいたづらにしらじらと、
雨を吸収する、
風に吹かれる、
幾分空を反映する。

生きてゐた時に、
これが食堂の雑踏の中に、
坐つてゐたこともある、
みつばのおしたしを食つたこともある、
と思へばなんとも可笑しい。

ホラホラ、これが僕の骨――
見てゐるのは僕? 可笑しなことだ。
霊魂はあとに残つて、
また骨の処にやつて来て、
見てゐるのかしら?

故郷の小川のへりに、
半ばは枯れた草に立つて
見てゐるのは、――僕?
恰度(ちやうど)立札ほどの高さに、
骨はしらじらととんがつてゐる。



一つのメルヘン

秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があつて、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。

陽といつても、まるで珪石か何かのやうで、
非常な個体の粉末のやうで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもゐるのでした。

さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでいてくつきりとした
影を落としてゐるのでした。

やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもゐなかつた川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……



かわいい10月1日(土)〜31日(土)
YCAMシネマ連携企画
大林宣彦氏 映画作品「海辺の映画館 キネマの玉手箱」上映

大林宣彦監督の新作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」には、「野卑時代」が冒頭に登場するのをはじめ、中原中也の詩が9編登場します。

るんるん上映会場るんるん 山口情報芸術センター スタジオC(山口市中園町7-7)
るんるん基本料金るんるん 一般1300円、any会員・25歳以下・特別割引(65歳以上、障がい者・同伴者)800円
るんるん上映日時るんるん 詳細は YCAMへ。


かわいい10月11日(日)16:00〜16:40
アフタートーク

YCAM スタジオCで、「海辺の映画館―キネマの玉手箱」上映後、中原中也記念館 中原豊館長による「中原豊トークイベント」が行われ、大林宣彦監督のこと、映画のこと、中也の詩のことを語られました。



関連書籍
『中原中也研究25』
(「中原中也研究」編集委員会・中原中也記念館/編 角川文化振興財団/出版)
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2019年9月14日(日)に山口市で、大林宣彦監督による中原中也記念館 公開講演「中也さんに導かれて、戦争史を訪ねる映画を作りました。」が開催されました。
『中原中也研究25』には、そのお話が遺稿として掲載されています。
中也の詩を愛読し、「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」など中也の詩や詩集が登場する作品を制作してこられた大林監督が中也や映画への思いを語られています。
第20回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 に参加しました [2020年09月18日(Fri)]
9月16日(水)、ジャズ スポット ポルシェで開催された「第20回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜」 に参加しましたぴかぴか(新しい)

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いつものように、中原館長のお話で始まりました。

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【第一部 蓄音器ジャズ】

Keynotes Recordingsのアルバム「Lennie Tristano」
「Keynote album 147」とあります。
3枚組6曲入りのアルバムで、1946〜1947年にニューヨークで録音したものです。
演奏は、Lennie Tristano の率いるLennie Tristano Trio
Lennie Tristano Trioのメンバーは、Lennie Tristano(Piano)、Billy Bauer(Guitar)、Clyde Lombardi(Bass)、Bob Leininger(Bass)です(曲によってBassが違います)。
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ジャケットの背が痛んでいたので補修されたそうで、上下にテープが貼られています。
(でも、音質はとても良かったです。)
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Lennie Tristano(レニー・トリスターノ)(1919〜1978)は、シカゴ出身の盲目のジャズ・ピアニストで作曲家です。
シカゴで活動していたトリスターノを見出したのはジャズ雑誌「Metronome」のジャズ評論家バリー・ウラノフ(Barry Ulanov)で、ウラノフの後援で1946年にニューヨークに進出しました。「Coolin' Off with Ulanov」のUlanovは、バリー・ウラノフのことのようです。

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I Can’t Get Started
作曲:Ira Gershwi, Vermon Duke
演奏:Clyde Lombardi(Bass)
録音:1946年
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Blue Boy
作曲:Billy Bauer
演奏:Bob Leininger(Bass)
録音:1947年
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Coolin' Off with Ulanov
作曲:Lennie Tristano
演奏:Bob Leininger(Bass)
録音:1947年
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Out on a Limb
作曲:Lennie Tristano
演奏:Clyde Lombardi(Bass)
録音:1946年
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Lennie Tristanoの演奏は、70年以上前の曲なのに全く古さを感じさせません。構築的な美しさがあり、クラシックの現代音楽のような雰囲気もあります。
すっかり魅了されました揺れるハート



【第二部 自由朗読】

1、朗読者:Hさん
作品:サン・テグジュペリ『星の王子様』
梨木香歩『りかさん』(偕成社 1999.12)(新潮文庫 新潮社 2003.6)、
梨木香歩『エンジェル エンジェル エンジェル』(出版工房原生林 1996.4)(新潮文庫 新潮社 2004.2)、
その他、彩瀬まるの作品より
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Hさんは本が大好きで、気に入った言葉に出合うとノートに書き写しておくそうです。
今回は、その中から、いくつか紹介してくださいました。
(彩瀬まるさんの作品からもいくつか紹介されましたが、本のタイトルがよく分かりませんでした。)


2、朗読者:Fさん
作品:自作「ワンコと散歩 亀に会う」

某公園を保護犬ワンコと散歩していて、クサガメの産卵を偶然見かけた時のことを記したエッセイです。
写真もたくさん撮られたようで、それも、見てみたいですね。


3、朗読者: Y
作品:蜂飼耳「月を運ぶ」『顔を洗う水』(思潮社 2015.10)より)
三角みづ紀「あたたかい灯り」の作中詩より「家」『とりとめなく庭が』(ナナロク社 2017.9)より)
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第25回中原中也の会大会「2020年に読む中原中也」をZoomウェビナーで視聴し、詩人トーク「詩はどこへ向かうのか?――2020年に読む中原中也」がとても面白かったので、ぜひ、登壇者の作品を紹介したい、と選びました。「月を運ぶ」は「一つのメルヘン」、「家」は「四行詩」に通じるものがあり、詩人トークで、杉本真維子さんが「一つのメルヘン」、三角みづ紀さんが「四行詩」を朗読されたのにも符号しています。


4、朗読者:原明子さん
作品:自作「鈴虫の永遠」

原さんの自作の詩は初めて聞きました。
これからも、聞かせてください!


5、朗読者:Uさん
作品:宮沢賢治「雨ニモマケズ」(中国語訳2種 銭稲孫訳/呉菲訳)

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銭稲孫訳は韻を踏んだ訳、呉菲訳は口語訳だそうで、その違いはよく分かりませんでしたが、心地よい音楽のような朗読でした。
中国でも、「雨ニモマケズ」は親しまれていて、漫画から人気が出たそうです。


6、朗読者:Mさん
作品:長田弘「あのときかもしれない」『深呼吸の必要』(晶文社 1984.3)より)
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7、朗読者:Kさん
作品:Betty mama(自作)「Synchronicity」「幸せはすぐそばに」

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Kさんは、写真サークルに入られていて、写真に詩を寄せて発表されています。
自然の中の「ハート」を撮るのに凝っていて、既に1000枚以上貯まっているとのこと。
昨年の夏、お子さんたちと海に行った時、母親が喜ぶだろうと、自分からハートの形の石を集めてくれたそうです。幸せな家族の記念写真ですね。


8、朗読者:Hさん
作品: 自作ショートショートストーリー「妄想劇場」

いつもは自作詩を朗読されますが、はじめてのエッセイの朗読でした。


9、朗読者:中原豊さん
作品:友部正人「公園の雨」『すばらしいさよなら』(思潮社 2003)より)
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友部正人のライブは演奏の間に詩を朗読するというスタイルだそうです。
この本はライブに行ったときに買い求めたそうで、もちろんサイン入りです。

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参加人数は、9名+スタッフ2名でした。
今回は、自作を読まれる方が多く、とても楽しかったです。
詩人トーク「詩はどこへ向かうのか?――2020年に読む中原中也」 @ 第25回中原中也の会大会「2020年に読む中原中也」 [2020年09月14日(Mon)]
9月12日(土)、中原中也の会第25回大会「2020年に読む中原中也」にZoomウェビナーで視聴しましたぴかぴか(新しい)

吉田恵理さんによる「白秋をまねる中也」、中原豊さんによる「富士正晴の中原中也論――伊東静雄との交友を通じて」の研究発表の後、「詩はどこへ向かうのか?―2020年に読む中原中也」と題された詩人トークが、司会は蜂飼耳さん、パネリストはカニエ・ナハさん、杉本真維子さん、三角みづ紀さん、四元康祐さんで行われました。

開催の趣旨は、
 
このコロナ禍がもたらした社会の変化や距離感の変容の中、詩人たちはなにを思い、どんなことを考えているだろうか? 変わりゆく時代、言葉と向き合い、何を思うのか? 現在、日本語の詩を第一線で支える詩人たちをパネリストとして迎え、詩について、自由な議論が繰り広げられる場としたい。詩をめぐって、新たなグランドマップの手掛かりを探りたい。中原中也についても、それぞれの詩観に照らしたユニークな意見と見解を訊けるだろう。詩はどこへ向かうのか? 

ということでした。

まず、このコロナ禍の中、パネリストが何を考え、どう過ごしたか、などを話されました。
そして、詩人一人一人が、「2020年に読む中原中也」ということで、お薦めの中也の詩を紹介されました。

カニエ・ナハさんは、大林宣彦監督の遺作「海辺の映画館ーキネマの玉手箱」の冒頭で使われている「野卑時代」を選ばれました。
昨年の第24回中原中也の会大会で監督が中原中也の詩を場面に応じて用い、「純文学的映画」を目指す、と言われていましたが、カニエさんによると中也の詩が9編使われているそうです揺れるハート

 野卑時代

星は綺麗と、誰でも云ふが、
それは大概、ウソでせう
星を見る時、人はガツカリ
自分の卑少を、思ひ出すのだ

星を見る時、愉快な人は
今時減多に、ゐるものでなく
星を見る時、愉快な人は
今時、孤独であるかもしれぬ

それよ、混迷、卑怯に野卑に
人々多忙のせゐにてあれば
文明開化と人云ふけれど
野蛮開発と僕は呼びます

勿論、これも一つの過程
何が出てくるかはしれないが
星を見る時、しかめつらして
僕も此の頃、生きてるのです

    (一九三四・一一・二九)



杉本真維子さんは、既成のオノマトペ「さらさら」の新しい使い方に注目して、「一つのメルヘン」を選ばれました。

  一つのメルヘン

秋の夜は、はるかの彼方に、
小石ばかりの、河原があつて、
それに陽は、さらさらと
さらさらと射してゐるのでありました。

陽といつても、まるで珪石か何かのやうで、
非常な個体の粉末のやうで、
さればこそ、さらさらと
かすかな音を立ててもゐるのでした。

さて小石の上に、今しも一つの蝶がとまり、
淡い、それでいてくつきりとした
影を落としてゐるのでした。

やがてその蝶がみえなくなると、いつのまにか、
今迄流れてもゐなかつた川床に、水は
さらさらと、さらさらと流れてゐるのでありました……



三角みづ紀さんは、「四行詩」を選ばれました。
海外の詩祭などに積極的に参加し、移動をテコに書いていた三角さんは、コロナ禍で生活が一変したそうです。

  四行詩

おまへはもう静かな部屋に帰るがよい。 
煥発する都会の夜々の燈火を後に     
おまへはもう、郊外の道を辿るがよい。     
そして心の呟きを、ゆつくりと聴くがよい。



四元康祐さんは、「朝鮮女」を選ばれました。1994年ドイツに移住し、今年3月に34年ぶりに日本に帰国したばかりの四元さんにとって、日本での暮らしは、「世間」で暮らすこと。海外で暮らしていた「社会」とは全く違ったそうです。
この詩には世間が描かれている、と指摘されていました。同時代の中野重治「雨の降る品川駅」との違いも述べられていました。 

  朝鮮女

朝鮮女(をんな)の服の紐
秋の風にや縒(よ)れたらん
街道を往くをりをりは
子供の手をば無理に引き
額顰(しか)めし汝(な)が面(おも)
肌赤銅の乾物(ひもの)にて
なにを思へるその顔ぞ
――まことやわれもうらぶれし
こころに呆(ほう)け見ゐたりけむ
われを打見ていぶかりて
子供うながし去りゆけり……
軽く立ちたる埃(ほこり)かも
何をかわれに思へとや
軽く立ちたる埃かも
何をかわれに思へとや……
・・・・・・・・・・・


 
蜂飼耳さんは、否定的表現で始まる「北の海」を選ばれました。

  北の海

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。

曇つた北海の空の下、
浪はところどころ歯をむいて、
空を呪のろつてゐるのです。
いつはてるとも知れない呪。

海にゐるのは、
あれは人魚ではないのです。
海にゐるのは、
あれは、浪ばかり。



蜂飼さんは、選ばれたほとんどの詩が、詩集『在りし日の歌』にあることことに注目されていました。
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パネリストの新作の作品ですかわいい

『三日間の石』(杉本真維子/著 菊池信義/装幀 響文社 2020.7)
初の散文集です。
装幀家の菊池信義によるとても凝った本です。ドイツ装です。
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『どこにでもあるケーキ』(三角みづ紀/詩 塩川いづみ/装画 鈴木千佳子/装丁 ナナロク社 2020.8)
13才に託した詩集です。装幀もとても可愛らしいです。 
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本文:120頁/詩33編+口絵2点+あとがき
造本: 文庫よりひとまわり大きい上製本です。小口と天地に赤インクを塗る、三方小口塗装です。表紙絵は塩川いづみさん。タイトルは細い金の箔。カバーの代わりにグラシン紙という半透明の紙を巻いています。
詩集『よいひかり』(小社)に続く、三角みづ紀の第8詩集は、詩人の記憶を重ねた13歳を描く33篇の書き下ろしです。
誰もが感じてきた変わっていく心と身体と家族との関係性、教室の疎外感や世界の美しさを、失った記憶が蘇るように描きだします。
タイトルの『どこにでもあるケーキ』をはじめ、一見すると否定的な言葉に、どこかそうありたいとも願う繊細な感情が見事に詩となっています。
すべて一人の目線で描かれるため、主人公のいる短い物語としても読め、しばらく詩から離れていたなという方にも、親しみやすい一冊です。
ナナロク社HP


『ホモサピエンス詩集 四元康祐翻訳集現代詩篇』(四元康祐/訳 澪標 2020.3)
南はブラジル、アルゼンチンから、北はアイルランド、リトアニアまで22ヶ国32人の詩人の詩のアンソロジーです。
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『地球にステイ! 多国籍アンソロジー詩集』(四元康祐/編 クオン 2020.9)
パンデミックの中で詩人たちが見たものとは? 約20カ国、56人の詩人によるコロナ禍をめぐるアンソロジー詩集です。
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『大岡信 『折々のうた』選 詩と歌謡 』(岩波新書)(蜂飼耳/編集 岩波書店 2020.4)
大岡信の『折々のうた』を「俳句」「短歌」「詩と歌謡」に再編集した全五巻のうちの一冊です。蜂飼さんは「詩と歌謡」の編集と解説を担当されました。
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紙の本、物としての本についても言及されました。
『三日間の石』や『どこにでもあるケーキ』はぜひ、手に取って触れて、そして、読んでみたいです。


かわいい登壇者プロフィールかわいい
カニエ・ナハ(かにえ なは)
1980年、神奈川県生まれ。詩人。2010年「ユリイカの新人」としてデビュー。詩集に『用意された食卓』(私家版、後に青土社から刊行。第4回エルスール財団新人賞、第21回中原中也賞)、『馬引く男』(私家版)、『なりたての寡婦』(私家版)などがある。2017年、NHK制作ドラマ「朗読屋」に出演し、中原中也の詩を朗読する。2019年度より、東京藝術大学大学院映像研究科主催RAM Associationのフェローメンバーとして詩や本作りのワークショップを行っている。

杉本真維子(すぎもと まいこ)
1973年、長野県生まれ。詩人。2002年、第40回現代詩手帖賞。詩集に『点火期』(思潮社)、『袖口の動物』(思潮社、第58回H氏賞・第13回信毎選賞)、『裾花』(思潮社、第45回高見順賞)などがある。共著に『詩のリレー』(ふらんす堂)、詩画集に『E』(絵/樋口佳絵、桜華書林)がある。栃木県宇都宮市の宇都宮アート&スポーツ専門学校文芸創作科で、現代詩研究の講師を務めている。2020年6月、響文社から初の散文集『三日間の石』を刊行。

三角みづ紀(みすみ みづき)
1981年、鹿児島県生まれ。詩人。2004年、第42回現代詩手帖賞。詩集に『オウバアキル』(思潮社、第10回中原中也賞)、『カナシヤル』(思潮社、第35回南日本文学賞、第18回歴程新鋭賞)、『隣人のいない部屋』(思潮社、第22回萩原朔太郎賞)、『現代詩文庫 三角みづ紀詩集』(思潮社)、『舵を弾く』(ナナロク社)、『よいひかり』(ナナロク社)など。朗読活動、美術館での展示なども行っている。2020年8月、ナナロク社から第8詩集『どこにでもあるケーキ』を刊行。

四元康祐(よつもと やすひろ)
1959年、大阪府生まれ。詩人。詩集に『笑うバグ』(思潮社)、『世界中年会議』(思潮社、第3回山本健吉文学賞、第5回駿河梅花文学賞)、『噤みの午後』(思潮社、第11回萩原朔太郎賞)、『現代詩文庫 四元康祐詩集』(思潮社)、『言語ジャック』(思潮社)、『日本語の虜囚』(思潮社、第4回鮎川信夫賞)、『小説』(思潮社)、『単調にぼたぼたと、がさつで粗暴に』(思潮社)などがある。詩論や小説も執筆。2020年3月、澪標から『ホモサピエンス詩集――四元康祐翻訳集現代詩篇』を刊行。今春、ドイツから帰国。

蜂飼耳(はちかい みみ)
1974年、神奈川県生まれ。詩人、立教大学文学部教授。詩集に『いまにもうるおっていく陣地』(紫陽社、第5回中原中也賞)、『食うものは食われる夜』(思潮社、第56回芸術選奨新人賞)、『顔をあらう水』(思潮社、第7回鮎川信夫賞)、『現代詩文庫 蜂飼耳詩集』などがある。文集に『孔雀の羽の目がみてる』(白水社)、『空席日誌』(毎日新聞社)、『おいしそうな草』(岩波書店)など。書評集に『朝毎読』(青土社)、古典の現代語訳に、鴨長明『方丈記』(光文社古典新訳文庫)など。


中野重治の「雨の降る品川驛」を書いておきます。
初出は、1929(昭和4)年の雑誌『改造』2月号です。
版によって違うようですが、戦後初めて出された『中野重治詩集』(小山書店 1947)によりました。

  雨の降る品川驛

辛よ さやうなら
金よ さやうなら
君らは雨の降る品川驛から乗車する

李よ さやうなら
も一人の李よ さやうなら
君らは君らの父母の國にかへる

君らの國の河はさむい冬に凍る
君らの叛逆する心はわかれの一瞬に凍る

海は夕ぐれのなかに海鳴りの聲をたかめる
鳩は雨にぬれて車庫の屋根からまひおりる

君らは雨にぬれて君らを逐ふ日本天皇をおもひ出す
君らは雨にぬれて 髯 眼鏡 猫背の彼をおもひ出す

ふりしぶく雨のなかに緑のシグナルはあがる
ふりしぶく雨のなかに君らの瞳はとがる

雨は敷石にそゝぎ暗い海面におちかゝる
雨は君らのあつい頬にきえる

君らのくろい影は改札口によぎる
君らの白いモスソは歩廊の闇にひるがへる

シグナルは色をかへる
君らは乗りこむ

君らは出發する
君らは去る

さやうなら 辛
さやうなら 金
さやうなら 李
さやうなら 女の李

行つてあのかたい 厚い なめらかな氷をたゝきわれ
ながく堰かれてゐた水をしてほとばしらしめよ
日本プロレタリアートの後だて前だて
さやうなら
報復の歡喜に泣きわらふ日まで

2020年に読む中原中也 @ 第25回中原中也の会大会(オンライン開催) [2020年08月20日(Thu)]
9月12日(土)、中原中也の会の第25回大会「2020年に読む中原中也」がオンライン開催されますぴかぴか(新しい)

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中原中也の会大会は、例年、山口市湯田温泉の開場で開催してまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から第25回大会については、山口市湯田温泉ではなく、Zoomウェビナーを使用して、オンラインで開催いたします。(要事前登録)


るんるん日 時るんるん 2020年9月12日(土)13:00〜16:40(予定)
るんるんテーマるんるん 「2020年に読む中原中也」

るんるんプログラムるんるん
 13:00〜13:10 開会の辞 阿毛久芳

 第1部 研究発表
 13:10〜13:55[発表ー1] 
 「白秋をまねる中也」吉田恵理(立教大学ほか非常勤講師)
 14:00〜14:45[発表ー2] 
 「富士正晴の中原中也論――伊東静雄との交友を通じて」中原豊(中原中也記念館館長)
  司 会:疋田雅昭

 第2部 詩人トーク
 15:00〜16:30
 「詩はどこへ向かうのか?―2020年に読む中原中也」
  トーク:カニエ・ナハ、杉本真維子、三角みづ紀、四元康祐
  司 会:蜂飼耳

 16:30〜16:40 閉会の辞 権田浩美

るんるん参加費るんるん 無料
るんるん事前登録るんるん 要
   会員の方はどなたでも
   非会員の方は、先着100名まで
るんるん申込先るんるん http://genshiken.sakura.ne.jp/chuya2020/
るんるん問合・主催るんるん 中原中也の会・公益財団法人山口市文化振興財団
 中原中也の会事務局
 〒753-0056 山口市湯田温泉1-11-21 中原中也記念館内
 電話083-932-6430 fax to083-932-6431

第19回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜 に参加しました [2020年08月11日(Tue)]
8月5日(水)、ジャズ スポット ポルシェで開催された「第19回やまぐち朗読Cafe 〜朗読と蓄音器ジャズの夕べ〜」 に参加しましたぴかぴか(新しい)
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「with コロナ」ということで、前回同様10名限定(今回はスタッフを入れて10名の参加)、最前列は空席とし、また、1つずつ席を空けて座り、マイクには各々が持参した未使用または洗濯清みのハンカチを巻いて、消毒をしながら実施されました。

いつものように、中原館長のお話で始まりました。
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第一部 蓄音器ジャズ

「Artie Show Alubum」から4曲。
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ジャズクラリネット奏者のアーティ・ショウ(Artie Shaw,1910〜2004)が率いるアーティ・ショウ管弦団の演奏です。
日本ビクターのレコードです。

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@「Lover, Come Back to Me(恋人よ、われに)」
ミュージカル「The New Moon(ニュー・ムーン)」より、
オスカー・ハマースタイン2世の作詞、シグマンド・ロンバーグの作曲。
ボーカルなし。
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A「Vilia(ヴィリア)」
フランツ・レハールが作曲した3幕からなるオペレッタ 「The Merry Widow(メリー・ウィドウ)」の第2幕より。

B「Bill(ビル)」
ミュージカル「Show Boat(ショウ・ボート)」より、
オスカー・ハマースタイン2世の作詞、ジェローム・カーンの作曲、
ヘレン・フォレストのボーカル。
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C「Idian Love Call(インディアン・ラブ・コール)」
ミュージカル『Rose-Marie(ローズ・マリー)』より、
オスカー・ハマースタイン2世の作詞、ルドルフ・フリムルの作曲。
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第二部 自由朗読

@Fさん
MF「5年前の日記より H9.11月」
(名田島読書会会報誌『鉢の子』より)

ペットのシロが亡くなったお話です。作者のMFさんのことを知っていることもあるのでしょうが、悲しみを抑えた簡潔な文章とFさんの静かな読み方がぴったりで、ペットの死を受け入れようとする家族の情景が広がり、悲しみが心を塞ぎ、なかなかそこから抜け出せませんでした。


ANさん
ウチダゴウ「あの日の本棚」
『原野の返事』(してきなしごと 2020.6)より)
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Nさんはいつも選詩のセンスがよくて、今回もすてきな詩集に出合うことができましたひらめき
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BY
くどうなおこ「みあげれば宇宙」「はじまり」
『くどうなおこ詩集○』(童話屋 1996.4)より)
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C原明子さん
堀口大学「夕ぐれの時はよい時」
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  夕ぐれの時はよい時  

夕ぐれの時はよい時、
かぎりなくやさしいひと時。

それは季節にかかはらぬ、
冬なれば煖炉だんろのかたはら、
夏なれば大樹の木かげ、
それはいつも神秘に満ち、
それはいつも人の心を誘ふ、
それは人の心が、
ときに、しばしば、
静寂を愛することを
知つてゐるものの様に、
小声にささやき、小声にかたる……

夕ぐれの時はよい時、
かぎりなくやさしいひと時。

若さににほふ人々の為めには、
それは愛撫に満ちたひと時、
それはやさしさに溢あふれたひと時、
それは希望でいつぱいなひと時、
また青春の夢とほく
失ひはてた人々の為めには、
それはやさしい思ひ出のひと時、
それは過ぎ去つた夢の酩酊めいてい
それは今日の心には痛いけれど
しかも全く忘れかねた
その上かみの日のなつかしい移り香

夕ぐれの時はよい時、
かぎりなくやさしいひと時。

夕ぐれのこの憂鬱は何所どこから来るのだらうか?
だれもそれを知らぬ!
(おお! だれが何を知つてゐるものか?)
それは夜とともに密度を増し、
人をより強き夢幻へみちびく……

夕ぐれの時はよい時、
かぎりなくやさしいひと時。

夕ぐれ時、
自然は人に安息をすすめる様だ。
風は落ち、
ものの響は絶え、
人は花の呼吸をきき得るやうな気がする、
今まで風にゆられてゐた草の葉も
たちまちに静まりかへり、
小鳥は翼の間に頭かうべをうづめる……

夕ぐれの時はよい時、
かぎりなくやさしいひと時。




DOさん
及川俊哉「放射性物質の神等を遷し却る詞」
『えみしのくにがたり』(詩と思想新人賞叢書12)(土曜美術社出版販売 2018.3)より)
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EMさん
谷川俊太郎「贈物」
『愛のパンセ』(新風舎 2005.11)より)
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中原中也記念館主催の講演会に来られていた谷川さんと市内の画廊で偶然出合い、たまたま持っていた谷川さんの詩集にサインをしてもらったそうですひらめき
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FOさん
いきものがかり 水野良樹「夜明けをくちずさめたら」


GUさん
小田和正「この道を」


HHさん
自作詩「withコロナU」「彼岸花」

自作詩の朗読、やっぱりいいですねひらめき


I中原豊さん
原民喜「ギラギラノ破片ヤ」「悲歌」
原民喜全詩集.jpg▲『原民喜全詩集』(岩波文庫)(岩波書店 2015.07) 8B99E6C4-0F8F-4AD5-91BD-0C66EE443247.jpeg

  ギラギラノ破片ヤ

ギラギラノ破片ヤ
灰白色ノ燃エガラガ
ヒロビロトシタ パノラマノヤウニ
アカクヤケタダレタ ニンゲンノ死体ノキメウナリズム
スベテアツタコトカ アリエタコトナノカ
パツト剥ギトツテシマツタ アトノセカイ
テンプクシタ電車ノワキノ
馬ノ胴ナンカノ フクラミカタハ
プスプストケムル電線ノニホヒ
  
  (「原爆小景」より)



山田かん「地点通過」
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そういえば、今日は誰も中也の詩を朗読しなかったけれど、ちゃんと、中也くんは参加していました揺れるハート
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中原中也を読む会「蓄音器で聴く中也ゆかりの音楽」Bモーツァルト「交響曲第39番」 [2020年07月29日(Wed)]
前回の続き

最後は、吉田秀和が「朝日新聞」に連載していたコラム「音楽展望」(2008年3月20日朝刊13面)「中也の目 時に悩み抜き苦しみ 祝いの夜は優しげに」という「中也の目」まつわるエッセイから、モーツァルト「交響曲第39番」です。
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吉田秀和は、成城高校時代に中也からフランス語を習っていました。

吉田が大学生だった1930年代前半頃、成城高校の教師 阿部六郎の家でバッハ「パッサカリアとフーガ」をストコフスキー編曲・指揮のレコードで聴いた時の中也の

怒りとも憎しみともつかない、あるいは両方のこもった、激しいものの燃えている目、まなざし

そして、

彼は、時々ぎらぎら光る強い目をした。

と、中也の「秋」の一節をあげています。


  
   
   V

草がちつともゆれなかつたのよ、
その上を蝶々がとんでゐたのよ。
浴衣ゆかたを着て、あの人縁側に立つてそれを見てるのよ。
あたしこつちからあの人の様子 見てたわよ。
あの人ジッと見てるのよ、黄色い蝶々を。
お豆腐屋の笛が方々で聞えてゐたわ、
あの電信柱が、夕空にクッキリしてて、
――僕、つてあの人あたしの方を振向くのよ、
昨日三十貫くらゐある石をコジ起しちやつた、つてのよ。
――まあどうして、どこで?つてあたし訊きいたのよ。
するとね、あの人あたしの目をジッとみるのよ、
怒つてるやうなのよ、まあ……あたし怖かつたわ。

死ぬまへつてへんなものねえ……



1933(昭和8)年12月3日、 中原中也(26歳)は、遠縁の上野孝子と結婚し、東京四谷の花園アパートに住み始めます。
吉田(20歳)は、中也が結婚したと聞き、花園アパートを訪ねます。結婚祝いをするという吉田に対し、中也は

じゃレコードを買ってくれ。でも新しいものは高いから中古でいい。一緒に神田に行って選ぼう

と選んだのが、

モーツァルトの三十九番変ホ長調の交響曲。確かワインガルトナー指揮のコロムビア盤だった。もちろんSPの十二インチ盤。
 
3枚組のセットを脇に、アパートに戻って手回しの小さい蓄音機で孝子を入れて三人で聴きました。

中原とても真面目な顔をして聞いていた。その目は優しかった。

中也は酔って機嫌が良い時はよく自作の詩とかヴェルレーヌの詩とかに自流のふしをつけながら朗読したものですが、この時も、朗読をしたそうです。ただ、吉田は、何の詩だった思い出せず、もしかしたら、「ベトちゃんかシュバちゃんか」ではなかったか、と。


  お道化うた

月の光のそのことを、
盲目少女めくらむすめに教へたは、
ベートー※(濁点付き片仮名ヱ)ンか、シューバート?
俺の記憶の錯覚が、
今夜とちれてゐるけれど、
ベトちやんだとは思ふけど、
シュバちやんではなかつたらうか?

霧の降つたる秋の夜に、
庭・石段に腰掛けて、
月の光を浴びながら、
二人、黙つてゐたけれど、
やがてピアノの部屋に入り、
泣かんばかりに弾き出した、
あれは、シュバちやんではなかつたらうか?

かすむ街の灯とほに見て、
ウヰンの市まちの郊外に、
星も降るよなその夜さ一と夜、
虫、草叢くさむらにすだく頃、
教師の息子の十三番目、
頸の短いあの男、
盲目少女めくらむすめの手をとるやうに、
ピアノの上に勢ひ込んだ、
汗の出さうなその額、
安物くさいその眼鏡、
丸い背中もいぢらしく
吐き出すやうに弾いたのは、
あれは、シュバちやんではなかつたらうか?

シュバちやんかベトちやんか、
そんなこと、いざ知らね、
今宵星降る東京の夜よる
ビールのコップを傾けて、
月の光を見てあれば、

ベトちやんもシュバちやんも、はやとほに死に、
はやとほに死んだことさへ、
誰知らうことわりもない……



フェリクス・ワインガルトナー(Felix Weingartner)(1863〜1942)指揮のモーツァルト「交響曲第39番」は、
@ロンドン交響楽団(ロンドン・シンフォニー・オーケストラ、London Symphony Orchestra) 1923年
Aロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団(ロイヤル・フィルハーモニー・オーケストラ、Royal Philharmonic Orchestra) 1928年4月12日
Bロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(ロンドン・フィルハーモニー・オーケストラ、London Philharmonic Orchestra) 1940年2月26日
のレコードがあるそうですが、Bは、1937年に亡くなった中也は聴くことはできません。

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今回、用意されたレコードは、Bのレコードで、中也が実際に聴いたレコードではありませんが、誰がハンドルを回したんだろう、やはり主人たる中也、いやいや若輩者の吉田・・・?想像が膨らみます。
曲調も、新婚間もない中也と孝子の幸せそうな生活が思い起させ、中也の優しい眼差しが浮かんできます。

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中也の時代の音が、長い時を経て、なお生き続けて、こうして聴くことができることに喜びを感じました揺れるハート

中原館長は来年度も、中原中也を読む会「蓄音器で聴く中也ゆかりの音楽」を実施する、と約束してくださいましたかわいい
参加されませんか?
中原中也を読む会「蓄音器で聴く中也ゆかりの音楽」に参加しましたAメンデルスゾーン「無言歌ニ長調 作品109」 [2020年07月28日(Tue)]
前回の続き

次は、フェリックス・メンデルスゾーン「無言歌ニ長調 作品109」です。
「無言歌」とは「言葉のない歌」(Lied ohne Worte)で、歌詞がないけれど歌のような旋律に伴奏がついた曲です。
「言葉のない歌」(Lied ohne Worte)というタイトルは、メンデルスゾーンが最初に用い、生涯にわたって作曲し、『無言歌集』全8巻(48曲)として出版されました(48曲以外にも作曲しています)。
「無言歌 ニ長調 作品109」は、他のピアノのための無言歌とは異なり、チェロとピアノのための無言歌です。
フランス人の女性チェリスト リザ・バルビエ・クリスティアーニ(1827-1853)ために作曲しました。
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チェロはパブロ・カザルス(Pablo Casals)、ピアノはブラス・ネ(Blas Net)です。
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曲を聴く前に中也の第二詩集『在りし日の歌』に所収の「言葉なき歌」を鑑賞しました。
中原館長が朗読と解説をしてくださいました。
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▲『在りし日の歌 中原中也詩集』(角川文庫クラシックス)(中原中也/著 佐々木幹郎/編 角川書店 1997.6)

  言葉なき歌

あれはとほいい処にあるのだけれど
おれは此処ここで待つてゐなくてはならない
此処は空気もかすかで蒼あを
ねぎの根のやうに仄ほのかに淡あは

決して急いではならない
此処で十分待つてゐなければならない
処女むすめの眼のやうに遥かを見遣みやつてはならない
たしかに此処で待つてゐればよい

それにしてもあれはとほいい彼方かなたで夕陽にけぶつてゐた
号笛フイトルの音のやうに太くて繊弱だつた
けれどもその方へ駆け出してはならない
たしかに此処で待つてゐなければならない

さうすればそのうち喘あへぎも平静に復し
たしかにあすこまでゆけるに違ひない
しかしあれは煙突の煙のやうに
とほくとほく いつまでも茜あかねの空にたなびいてゐた


「あれ」、「ここ」などの指示語が多用されており、思いが表現されています。
「ならない」と自分に言い聞かせる表現と「けぶつてゐた」「繊弱だつた」「たなびいてゐた」などの過去形の回想が交差しています。
「けれども」「しかし」逆説の接続詞で感情の揺れ動きが伺えます。
ヴェルレーヌ(1844〜1896)の詩集『言葉なき恋歌』(Romances sans paroles)(1874)が意識されています。

SPレコードは、10インチ盤か12インチ盤がほとんどです。
最初のシューベルト「楽興の時」は10インチ盤、次のメンデルスゾーン「無言歌」は12インチ盤です。
館長は、12インチ盤は曲の途中でゼンマイが終わるのではないかどドキドキするそうです。


次回に続く
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