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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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テイカカズラが咲いています@ [2020年05月20日(Wed)]
5月19日、ご近所のテイカカズラがきれいに咲いていますぴかぴか(新しい)
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人知れず樹木に咲く花に興味を持ってから、上を見て歩くことが多くなりました。
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そんな樹木にまつわりついて咲いているのがテイカカズラ。
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付着根を出して周りの木や石垣などによじ登ります。
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キョウチクトウ科テイカカズラ属のつる性常緑低木です。
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基部は筒状で、先端は5裂して広がり、全体としてプロペラ状になった直径2〜3cmの小花を多数付けます。
咲き始めは真っ白ですが、やがて淡い黄色に変化し、ジャスミンに似た芳香があります。
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一番最初に意識して見たのが、萩城下町です。
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(2018年5月23日撮影)

武家屋敷の築地塀とあまりにマッチしていたので、帰って調べてみると、
「テイカカズラ」だということが分かりました。
「テイカ」とは、あの、藤原定家exclamation×2

式子内親王(1149(久安5)〜1201(建仁元))を愛した藤原定家(1162(応保2)〜1241(仁治2))が、死後も彼女を忘れられず、ついに葛に生まれ変わって彼女の墓に絡みついたという伝説に由来します。
この伝説を脚色したものが金春禅竹(1405(応永12)〜1471(文明3)以前)の謡曲『定家』です。

式子内親王は、藤原定家の父である藤原俊成に師事していたことや、定家の日記『明月記』にはしばしば式子内親王に関する記事が登場することから、そのような伝承が生まれたのでしょう。

藤原定家が京都・小倉山の山荘で選んだとされる『小倉百人一首』には、二人の歌があります。
小倉百人一首 菱川師宣 画 式子内親王 倍率50% (2).png 小倉百人一首 菱川師宣画 藤原定家 56-52 (2).png
『小倉百人一首』「式子内親王」「権中納言定家」(菱川師宣/画 本問屋 1680(延宝8))(国立国会図書館蔵)

89番歌  式子内親王
玉の緒よ たえなば絶えね ながらへば
忍ぶることの 弱りもぞする
 たまのをよ たえなばたえね ながらへば
 しのぶることの よはりもぞする


97番歌  権中納言定家
来ぬ人を 松帆の浦の 夕なぎに
焼くや藻塩の 身もこがれつつ
 こぬひとを まつほのうらの ゆふなぎに
 やくやもしほの みもこがれつつ



『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(寺島良安尚順/編 江戸時代)には、「「黄門定家卿の古墳の石に生ず」ことから「定家葛」の名前が付いた」と記されています。
和漢三才図絵 巻69 絡石(テイカカズラ)[75]-44-34 倍率25% (2).png
▲『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(国立国会図書館蔵)

絡石 ていかかつら
 石鮫 懸石 耐冬 雲花 雲丹 雲英 石皿 雲珠 石龍藤


椄絡石 和名豆太 俗云定家葛 相伝 黄門定家郷之古墳之 葉似薮柑ヤブコウジ 而無刻歯 無花実又蔓白汁

椄絡石。和名豆太。俗に定家葛と云ふ。黄門定家卿(藤原定家のこと)の古墳の石に生ず、因って之を名づくと相伝ふ。葉は藪柑子の葉に似て而も刻歯無く、花実無し。又蔓白汁も無し。


『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7には、「絡石 テイカカズラ」が、近縁種「チリメンカズラ」(縮緬葛)、「セキダカズラ」(雪駄葛)、「ハツユキカズラ」(初雪葛)、「ツルクチナシ、チョウジカズラ」等とともに紹介されています。

絡石らくせき
いはつな 万葉集、ていかかつら、さいのつの 尾州

本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石 19-10 倍率50% (2).png
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7「絡石」(国立国会図書館蔵)

山中に自生せり。細茎さいけい蔦生まんせい木石もくせきを絡まとい四時凋しぼまず。葉は胡頽子こたいし(ぐみ)に似て対生す。茎は白汁しるあり。夏月なつに花あり。五弁白色香あり。後細長さいちょうの角つのを結ぶ。長さ六七寸。(略)

一種 ちりめんかつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石一種 19-11 縮緬葛 倍率50% (2).png
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

葉絡石より小さくして皺あり、花実共に同じ  

一種 せきたかつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7  絡石一種 19-11 雪駄葛 倍率50% (2).png
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

山中の木石に貼す。形状絡石に似て小なり。夏月は緑色。冬月に至れば紅紫色(略)石皿なり。

一種 はつゆきかつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石一種 19-12 初雪葛 倍率50% (2).png 
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

葉はていかかつらにより濶ひろく水蝋樹いぼたに似て深緑色。嫩葉(若い葉のこと)白色なるをはつゆきかづらと云。花は前條と同じ。実は一蔕てい両角下垂す。長さ一尺計ばかり。

一種 つるくちなし 丁子かつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石一種 19-12 丁字葛 倍率50% (2).png
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)

藤蔓とうまん絡石の如し。葉は山梔子くちなしに似て小く花も亦山梔子にて小なり。白色黄心実亦細長の角あり。

一種 はうらいかつら
本草図譜 第4冊 巻31蔓草類7 絡石一種 19-13 (2).png
▲『本草図譜』第4冊 巻31 蔓草類7(国立国会図書館蔵)



参考文献:
『小倉百人一首』(菱川師宣/画 本問屋 1680(延宝8))
『和漢三才図会』巻第69 蔦草類「絡石」(寺島良安尚順/編 江戸時代)
『本草図譜』(岩崎常正(潅園)/著)(巻5〜10 須原屋茂兵衛、山城屋佐兵衛/刊 1830(文政13) )(巻11〜96 筆彩の写本)
  ※以上は国立国会図書館デジタルコレクションでインターネット公開されています。



【次回に続く】
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