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こどもと本ジョイントネット21・山口


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しらかべ学遊館 国木田独歩展示室 @ 国木田独歩の足跡を訪ねてF [2020年08月24日(Mon)]
前回の続き

しらかべ学遊館ぴかぴか(新しい)
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柳井市柳井津495番地(古市)にある、商家を改装した歴史民俗資料館です。
「柳井市古市金屋伝統的建造物群保存地区」内の西側に位置し、建物は江戸時代後期から明治時代初期の頃に建築されたと推定される白壁土蔵造りです。明治時代後期から油、呉服、繊維卸などの商家として、白壁の町並みに繁栄をもたらしました。
「曳家工法」により約1.3m後方に移動させ、軒を復元し、2004(平成16)年にオープンしました。

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こちらにも、国木田独歩展示室がありますぴかぴか(新しい)

パネル展示「国木田独歩」
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 独歩は、父の転勤により4・5歳を山口で過ごし、12歳の時に、再び山口で小中学校時代を過ごしました。
 明治21(1888)年、東京専門学校(現 早稲田大学)に入学しましたが、学生運動に関係し、明治24(1891)年に学校を中退しました。
 山口に帰り、兵隊に入るための検査を受けて不合格となり、雑誌の編集や教員をして暮らしていました。明治27(1894)年に国民新聞社に入社。日清戦争の時に新聞記者として軍艦千代田に乗り込みました。
 独歩の家族は明治25(1892)年から2年間を柳井でくらしており、独歩は柳井を「国許」とよんで「帰国する」とか「帰省・帰村」などと表現していたそうです。
 その後、独歩は「国民之友」や「家庭雑誌」の編集をしながら執筆活動を続け、明治30(1897)年に処女小説「源叔父」を発表。明治34年、「武蔵野」で世に認められました。
 独歩の作品は、優れた性格描写と民衆の視点に立った社会批判を盛り込んだ作風が特徴で、「自然主義の先駆者」と称されています。


明治04年 00歳 旧暦7月5日、千葉県に生まれる。幼名 亀吉
明治09年 04歳 父が山口裁判所勤務となり山口へ移住。
明治11年 06歳 父が岩国区裁判所勤務となり岩国へ移住。
明治16年 12歳 父が山口地方裁判所勤務となり山口へ移住。
明治18年 13歳 山口中学初等科入学。
明治20年 15歳 山口中学制改革のため退学。
明治21年 16歳 東京専門学校(現 早稲田大学)英語普通科に入学。
明治22年 17歳 亀吉を哲夫と改名。
明治23年 19歳 父が柳井津区裁判所に転勤。(註:平生出張所勤務)
明治24年 19歳 東京専門学校中退。5月、熊毛郡麻郷村(現 田布施町)の吉見家の父母の許に帰省。
明治24年 20歳 8月、隣村の麻里府(現 田布施町)の浅海家に仮住まいし10月、田布施村に波野英学塾を開く。
明治25年 20歳 2月、独歩一家が柳井津金屋の堀江家に移る。4月、姫田川筋の市山家に転居(現独歩記念館)。6月、弟とともに上京。
明治26年 22歳 大分県佐伯町(現 佐伯市)の鶴谷学館教師として赴任。10月、父が定年退官。
明治27年 22歳 父のため柳井で印刷業を計画、失敗。
明治27年 23歳 8月、鶴谷学館を辞職、柳井村宮本の藤坂屋に仮住まい中の父母の許に帰り、「置土産」のモデル等と会う。9月、柳井を去って上京。
明治41年 36歳 6月23日、結核のため神奈川県茅ヶ崎南湖院にて没す。



年譜で、1点気になりました。
明治25年2月、独歩一家が柳井津金屋の堀江家に移る。」とありますが、堀江家を借りたのは、明治24年12月で、明治25年2月に転居したのは山根の神田の借家です。
1891(明治24)年10月27日付で、独歩の父は、柳井津区裁判所平生出張所から柳井津区裁判所検事局に転勤を任じられ、着任したのは12月18日でした。
また、「明治25年6月、弟とともに上京。」とありますが、「5月」という説もあります。


パネル展示「柳井地方と独歩」
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写真
明治25年2月7日撮影したもので、左は吉見ハルです。
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その裏面には、〈明治廿五年二月七日、国木田哲夫、吉見ハル、柳井玉光堂〉と独歩自筆の署名がある。柳井玉光堂は柳井姫田にあって、独歩らの引っ越した山根の借家にはごく近いところにあった。
(『国木田独歩―山口時代の研究―』(桑原伸一/著 笠間書房 昭和47.5.30)P.69〜70)


写真キャプション「柳井在住時代に近所の少女と撮影」。
「柳井在住時代に」とありますが、この写真が撮影された明治25年2月7日にはまだ独歩は柳井に転居していませんでした。
また、「近所の少女」とありますが、一緒に写っているのは「吉見ハル」(後に有田久治と結婚し、東家に入り、「東ハル」となる)であり、独歩が寄寓していた吉見家のミチ(早世)、チヨ、ハル、アヤの四姉妹のうちの三女です。

東ハルの談話によると、二月七日に独歩につれられて人力車に乗り柳井津姫田の玉光館に写真を撮影にいったそれは近く吉見家と別れるので記念にということであった。写真の裏に「〈明治廿五年二月七日 国木田哲夫 吉見ハル 於柳井玉光堂(館の誤り)写」と署名している。
(『青年時代の国木田独歩』(谷林博/著 柳井市立図書館 昭和45.7.10))

独歩の『欺かざるの記』の「昭和27年8月24日」に

「吾が知る少女の事を記す」てふ文を草す。家庭雑誌に投せんとてなり。吉見春嬢の事也。

とあり、吉見ハルのことを書いた小品があります。
『家庭雑誌』第4巻37号(明治27年8月24日)に署名「てつぷ」で発表し、改造社版全集第4巻に所収されました。


  吾が知る少女の事を記す
 吾が知る家に三人の少女あり。長女は今年十六歳、次女は十二歳、末は八歳。今茲に記さんと思ふは次女が事なり。次女名を春と云ふ。姓は之をかくし置かん。
 たゞそれ少女が事のみ。別だん面白き事のあるにあらず。たゞ此の少女、其性質いかにも美はしく、逢ふて見る毎に、語る毎に、共に戯るゝ毎に、いたく吾を動かすところあればなり。
 少女が家は大体の地勢より言えば海浜なれども、実際は海より十数丁を隔(へだた)りたる小丘起伏の木陰にあり。吾が家族かって此家族と同居し、いと親しき交りあれば、少女等も吾を呼びて「兄様」といふ。此家勿論近在の富家なり、地下のものは少女等を呼びて皆な嬢様といふ。
 われ常に思へらく春嬢は決して地上のものに非ず、山林の女神殊に朝な/乀露をあつめて此少女が心に吹き込みしならめと。玲瓏(れいろう)として玉の如く清し。少しも虚飾といふを知らず。野の百合花の如く自然そのまゝなり。凡(すべ)ての少児は悉く無邪気なり、されど此少女に至りては単に無邪気といはんよりも、一種口にも言ひ難き品性をそのふ。
(略)
 此少女今は山間寂寞の境に生長しつゝあり。此天使の如少女が五年十年の後如何、五十百年の後はいかなる可き。


独歩レリーフ
独歩の二男 国木田哲二作。
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22歳。
明治二十五年二月 柳井に於ける国木田哲夫
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36歳。
明治四十一年六月 茅ヶ崎に於ける独歩
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独歩自筆日記
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初版本『独歩全集』(前編)
 発行:明治43年6月16日 博文館
 価格:2円(現在の価格で約2,200円)
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初版本『独歩全集』(後編)
 発行:明治43年8月31日 博文館
 価格:2円(現在の価格で約2,200円)
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国木田独歩曽遊の地
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茶碗
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学習室には、国木田独歩関係の書籍も集められていました。
時間が許せば、手に取ってゆっくり読んでみたいです。
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壺庭に咲いていた花。
何の花でしょう、とても綺麗でした。
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【次回に続く】
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