あなたのとなりを見てください ひろしまの子はいませんか @ 『朗読詩 ひろしまの子』
[2025年10月28日(Tue)]
あなたのとなりを見てください
ひろしまの子はいませんか
あなたが街を歩いているとき
あなたの横を ひろしまの子が
ならんで歩いていませんか
(略)
ひろしまの子は 丸顔です
すんだひとみを しています
あなたを じっと見つめています
と静かに語りかけるように始まる詩・・・
反戦平和の詩画人 四國五郎(1924〜2014)の「朗読詩 ひろしまの子」です。
あなたが ひろしまの子に 見つめられたら
(略)
あなたの目で うなずき返してやってください
ひろしまの子に わかるように
けっして再び
あやまちはくり返さないと!
けっして 許さないと!
「過ちは繰返さない」と、原爆によって故なく命を奪われた子どもたちに誓ってほしい、と訴えた詩です。
四國は、1945年8月6日の広島への原爆投下時、満洲で従軍していて、被爆を免れました。敗戦後はシベリアに抑留され、広島に帰郷したのは終戦から3年後のことでした。そこで初めて広島の惨状を知り、最愛の弟 直登の被爆死を聞かされました。以後、生涯をかけて、反戦平和のために膨大な絵と詩の作品を残しました。
「ひろしまの子」は戦後35年の1980年8月6日、広島で開催された原水爆禁止世界大会で四國自らが朗読しました。
四國は、峠三吉『原爆詩集』(ベルリン世界青年学生平和祭参加詩集) (峠三吉/著 四国五郎/装幀 新日本文学会広島支部・われらの詩の会 1951.9)の表紙や挿絵を描き、

また『絵本 おこりじぞう』(山口勇子/原作 沼田曜一/語り文 四國五郎/絵 金の星社 1979.11)

『おこりじぞう』(新日本おはなし文庫 6)(山口勇子/著 四国五郎/絵 新日本出版社 1982.6)の絵でも知られています。

戦後80年の2025年、今も世界中で戦争が続き子どもたちの命が奪われている中、絵本作家 長谷川義史さんによって絵本になりました。
それが『朗読詩 ひろしまの子』(四國五郎/詩 長谷川義史/絵 BL出版 2025.7)です。

絵本にするにあたって、長谷川さんは、今の子どもたちにより届くようにと、四國の長男の光さんら遺族の方の許可を得て、詩の一部に手を加えました。
「分かりやすく伝えること」を表現理念とした人だったので、変更を理解してくれると思う、と光さんは言われたそうです。
絵本の制作は、長谷川さんが2年前に雑誌に投稿した絵がきっかけです。
繰返しませぬからと刻んだ碑。
繰返してはいけない。
繰返してはいけない。
過ちにまたむかっていないのか今また。
と言葉を添え、原爆ドームを背に手をつなぎ何かを語りかける子供たちが描いた絵です。
その絵を見た歌手で俳優の趙博さんから長谷川さんに朝方早く電話がかかってきました。趙さんは、四國五郎と直登の人生を一人芝居「ヒロシマの母子像/四國五郎と弟・直登」にして上演しており、「同じ思いの詩があるよ」と、「ひろしまの子」の詩のことを長谷川さんに伝えました。

▲趙博さん(2025.10.8 ツギハギ荘で撮影)
長谷川さんは、その詩を読み、心に光が走ったそうです、「これは絵本になる、いや絵本にしなければ」と。心動かされ、絵本にしたいとの思いの一方で、広島とゆかりのない自分が描いていいのかと悩んだそうです。
その背を押してくれたのは、光さんでした。
長谷川さんは何度も広島市に足を運びました。
広島平和記念資料館で被爆した少女の写真とその死を悲しむ遺族の言葉に触れ、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、犠牲になった子どもたちの生前の写真を模写しました。何冊ものスケッチブックに・・・。
「そうしないと絵本の絵は描けへんのです」
長谷川さんは、原詩の2連目
ひろしまの少年少女たちは
建物疎開に出ていて死にました
田舎に疎開できなかった 小さな子どもたちは
ひろしまの街の中で死にました
という部分を描いた見開きページと最終盤を除いて、
いっしゅんに とけて死にました
飛ばされ ちぎれて 死にました
(略)
お母さんの名を
呼びながら死にました
およそ人間の頭で考えられる
一番むごたらしい死にざまで 死にました
という部分も、子どもたちの被爆前の姿を敢えて描くことにしました。
だからこそ、一層、一人ひとりの子どもたちの静かに見つめる澄んだ真っ直ぐな眼差しが、心の奥を深く突き刺します。
2025年10月6日(月)に長谷川義史さん、10月8日(水)に長谷川さんと趙博さんからお話をお聴きしました。
引用した詩は、原詩ではなく絵本からとりました。
▼2025.10.6 空色画房「12人の絵本作家が描くおうえんカレンダー」原画展&スペシャルイベント

▼2025.10.8 ツギハギ荘「ヒロシマの母子像/四國五郎と弟・直登」
ひろしまの子はいませんか
あなたが街を歩いているとき
あなたの横を ひろしまの子が
ならんで歩いていませんか
(略)
ひろしまの子は 丸顔です
すんだひとみを しています
あなたを じっと見つめています
と静かに語りかけるように始まる詩・・・
反戦平和の詩画人 四國五郎(1924〜2014)の「朗読詩 ひろしまの子」です。
あなたが ひろしまの子に 見つめられたら
(略)
あなたの目で うなずき返してやってください
ひろしまの子に わかるように
けっして再び
あやまちはくり返さないと!
けっして 許さないと!
「過ちは繰返さない」と、原爆によって故なく命を奪われた子どもたちに誓ってほしい、と訴えた詩です。
四國は、1945年8月6日の広島への原爆投下時、満洲で従軍していて、被爆を免れました。敗戦後はシベリアに抑留され、広島に帰郷したのは終戦から3年後のことでした。そこで初めて広島の惨状を知り、最愛の弟 直登の被爆死を聞かされました。以後、生涯をかけて、反戦平和のために膨大な絵と詩の作品を残しました。
「ひろしまの子」は戦後35年の1980年8月6日、広島で開催された原水爆禁止世界大会で四國自らが朗読しました。
四國は、峠三吉『原爆詩集』(ベルリン世界青年学生平和祭参加詩集) (峠三吉/著 四国五郎/装幀 新日本文学会広島支部・われらの詩の会 1951.9)の表紙や挿絵を描き、
また『絵本 おこりじぞう』(山口勇子/原作 沼田曜一/語り文 四國五郎/絵 金の星社 1979.11)
『おこりじぞう』(新日本おはなし文庫 6)(山口勇子/著 四国五郎/絵 新日本出版社 1982.6)の絵でも知られています。
戦後80年の2025年、今も世界中で戦争が続き子どもたちの命が奪われている中、絵本作家 長谷川義史さんによって絵本になりました。
それが『朗読詩 ひろしまの子』(四國五郎/詩 長谷川義史/絵 BL出版 2025.7)です。
絵本にするにあたって、長谷川さんは、今の子どもたちにより届くようにと、四國の長男の光さんら遺族の方の許可を得て、詩の一部に手を加えました。
「分かりやすく伝えること」を表現理念とした人だったので、変更を理解してくれると思う、と光さんは言われたそうです。
絵本の制作は、長谷川さんが2年前に雑誌に投稿した絵がきっかけです。
繰返しませぬからと刻んだ碑。
繰返してはいけない。
繰返してはいけない。
過ちにまたむかっていないのか今また。
と言葉を添え、原爆ドームを背に手をつなぎ何かを語りかける子供たちが描いた絵です。
その絵を見た歌手で俳優の趙博さんから長谷川さんに朝方早く電話がかかってきました。趙さんは、四國五郎と直登の人生を一人芝居「ヒロシマの母子像/四國五郎と弟・直登」にして上演しており、「同じ思いの詩があるよ」と、「ひろしまの子」の詩のことを長谷川さんに伝えました。
▲趙博さん(2025.10.8 ツギハギ荘で撮影)
長谷川さんは、その詩を読み、心に光が走ったそうです、「これは絵本になる、いや絵本にしなければ」と。心動かされ、絵本にしたいとの思いの一方で、広島とゆかりのない自分が描いていいのかと悩んだそうです。
その背を押してくれたのは、光さんでした。
長谷川さんは何度も広島市に足を運びました。
広島平和記念資料館で被爆した少女の写真とその死を悲しむ遺族の言葉に触れ、国立広島原爆死没者追悼平和祈念館では、犠牲になった子どもたちの生前の写真を模写しました。何冊ものスケッチブックに・・・。
「そうしないと絵本の絵は描けへんのです」
長谷川さんは、原詩の2連目
ひろしまの少年少女たちは
建物疎開に出ていて死にました
田舎に疎開できなかった 小さな子どもたちは
ひろしまの街の中で死にました
という部分を描いた見開きページと最終盤を除いて、
いっしゅんに とけて死にました
飛ばされ ちぎれて 死にました
(略)
お母さんの名を
呼びながら死にました
およそ人間の頭で考えられる
一番むごたらしい死にざまで 死にました
という部分も、子どもたちの被爆前の姿を敢えて描くことにしました。
だからこそ、一層、一人ひとりの子どもたちの静かに見つめる澄んだ真っ直ぐな眼差しが、心の奥を深く突き刺します。
2025年10月6日(月)に長谷川義史さん、10月8日(水)に長谷川さんと趙博さんからお話をお聴きしました。
引用した詩は、原詩ではなく絵本からとりました。
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