堅香子(カタカゴ) @ 島根県鹿足郡吉賀町樋口 カタクリの里
[2025年04月13日(Sun)]
【前回の続き】
カタクリ(片栗)は、ユリ科カタクリ属に属する多年草で、古語では 「カタカゴ(堅香子)」といいます。

大伴家持が詠んだ
攀折堅香子草花歌一首
物部乃八十𡢳嬬等之挹乱寺井之於乃堅香子之花
歌が『萬葉集巻之十九』に収められていて、カタクリが「堅香子(かたかご)」として詠まれています。
カタクリの花が載る最古の文献だと言われています。
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▲『萬葉集 巻第19』 [室町末期] 京都大学附属図書館所蔵(近衛文庫)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00008713?page=787
![[曼朱院本]万葉集巻第19(1).jpg](/jointnet21/img/5BE69BBCE69CB1E999A2E69CAC5DE4B887E89189E99B86E5B7BBE7ACAC19(1)-thumbnail2.jpg)
▲『[曼朱院本]万葉集』巻第19 京都大学附属図書館所蔵
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00013506?page=743
-thumbnail2.jpg)
▲『萬葉集 20巻』 [19][慶長元和年間](古活字版・付訓本)
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/2544301/1/11
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『万葉集 : 西本願寺本』巻19(佐佐木信綱・武田祐吉/編 竹柏会 昭和8)
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1242478/1/11
https://dl.ndl.go.jp/pid/1242478/1/12
読み下し文は
堅香子の草花を攀ぢ折れる歌一首
物部の八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花
かたかごのはなをよぢおれるうたいっしゅ
もののふのやそをとめらがくみまがふてらゐのうへのかたかごのはな
※物部(もののふ)の:「八十」に掛る枕詞
※八十(やそ):数の多いこと
※娘子(をとめ):少女
※汲み乱ふ(くみまがふ):入りまじって水を汲み合う
※寺井(てらゐ):寺の境内に湧く水、寺にある井戸
※上(うへ):ほとり
※堅香子(かたかご):ユリ科の多年草、カタクリの古名
現代語訳すれば
カタカゴの花を引き寄せて折る歌
たくさんの少女たちが入りまじって水を汲む、その寺の井戸のほとりのカタカゴの花よ
ということでしょうか。

この歌を刻んだ「六日市万葉歌碑」の石碑が平成14年にここカタクリの里に建てられました。

750(天平勝宝2)年3月2日、大伴家持が越中守として現在の富山県高岡市伏木あたりに赴任していた時に詠んだ歌で、カタクリを詠んだ歌は、万葉集にこの一首のみです。

「堅」は「片」の意で、種から成長する過程で、まず片葉が生じ、数年以上(7年とも)を要してようやく両方の葉が揃うこと、また「香子(カゴ)」は「鹿の子(カノコ)」、すなわち、鹿の斑点のような葉をもつこと、つまり、鹿子模様の葉を1枚だけつける様子から「片葉鹿の子(カタハカノコ)」とよばれていたことに由来し、「堅香子(カタカゴ)」に変化し、「カタクリ」と転化したもという説があります。
うつむいて咲く花の姿が少し傾いた籠のように見えるので「傾(いた)籠」の「カタカゴ」から「カタゴ」へと変化し、さらに花が小さな百合に似ていることからユリがつき、「片子百合(カタコユリ)」、真中の「コユ」が「ク」につまって「カタクリ」になったという説があります。
鱗茎の姿がクリの片割れに似ることから、「片栗」の意味で名づけられたという説、
葉がクリの子葉(種子から出た最初の葉)の一片に似ることから「片栗」になったという説、
「カタコ」は、固粉(根から取る澱粉が固まることから)の意という説もあります。
カタクリ(片栗)は、ユリ科カタクリ属に属する多年草で、古語では 「カタカゴ(堅香子)」といいます。
大伴家持が詠んだ
攀折堅香子草花歌一首
物部乃八十𡢳嬬等之挹乱寺井之於乃堅香子之花
歌が『萬葉集巻之十九』に収められていて、カタクリが「堅香子(かたかご)」として詠まれています。
カタクリの花が載る最古の文献だと言われています。
-thumbnail2.jpg)
▲『萬葉集 巻第19』 [室町末期] 京都大学附属図書館所蔵(近衛文庫)
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00008713?page=787
![[曼朱院本]万葉集巻第19(1).jpg](/jointnet21/img/5BE69BBCE69CB1E999A2E69CAC5DE4B887E89189E99B86E5B7BBE7ACAC19(1)-thumbnail2.jpg)
▲『[曼朱院本]万葉集』巻第19 京都大学附属図書館所蔵
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00013506?page=743
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▲『萬葉集 20巻』 [19][慶長元和年間](古活字版・付訓本)
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/2544301/1/11
-thumbnail2.jpg)
-thumbnail2.jpg)
『万葉集 : 西本願寺本』巻19(佐佐木信綱・武田祐吉/編 竹柏会 昭和8)
国立国会図書館デジタルコレクション
https://dl.ndl.go.jp/pid/1242478/1/11
https://dl.ndl.go.jp/pid/1242478/1/12
読み下し文は
堅香子の草花を攀ぢ折れる歌一首
物部の八十娘子らが汲み乱ふ寺井の上の堅香子の花
かたかごのはなをよぢおれるうたいっしゅ
もののふのやそをとめらがくみまがふてらゐのうへのかたかごのはな
※物部(もののふ)の:「八十」に掛る枕詞
※八十(やそ):数の多いこと
※娘子(をとめ):少女
※汲み乱ふ(くみまがふ):入りまじって水を汲み合う
※寺井(てらゐ):寺の境内に湧く水、寺にある井戸
※上(うへ):ほとり
※堅香子(かたかご):ユリ科の多年草、カタクリの古名
現代語訳すれば
カタカゴの花を引き寄せて折る歌
たくさんの少女たちが入りまじって水を汲む、その寺の井戸のほとりのカタカゴの花よ
ということでしょうか。
この歌を刻んだ「六日市万葉歌碑」の石碑が平成14年にここカタクリの里に建てられました。
750(天平勝宝2)年3月2日、大伴家持が越中守として現在の富山県高岡市伏木あたりに赴任していた時に詠んだ歌で、カタクリを詠んだ歌は、万葉集にこの一首のみです。
「堅」は「片」の意で、種から成長する過程で、まず片葉が生じ、数年以上(7年とも)を要してようやく両方の葉が揃うこと、また「香子(カゴ)」は「鹿の子(カノコ)」、すなわち、鹿の斑点のような葉をもつこと、つまり、鹿子模様の葉を1枚だけつける様子から「片葉鹿の子(カタハカノコ)」とよばれていたことに由来し、「堅香子(カタカゴ)」に変化し、「カタクリ」と転化したもという説があります。
うつむいて咲く花の姿が少し傾いた籠のように見えるので「傾(いた)籠」の「カタカゴ」から「カタゴ」へと変化し、さらに花が小さな百合に似ていることからユリがつき、「片子百合(カタコユリ)」、真中の「コユ」が「ク」につまって「カタクリ」になったという説があります。
鱗茎の姿がクリの片割れに似ることから、「片栗」の意味で名づけられたという説、
葉がクリの子葉(種子から出た最初の葉)の一片に似ることから「片栗」になったという説、
「カタコ」は、固粉(根から取る澱粉が固まることから)の意という説もあります。
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