第29回中原中也賞 佐藤文香氏『渡す手』特別展示 @ 中原中也記念館
[2024年04月29日(Mon)]
5月26日(日)まで、中原中也記念館で、第29回中原中也賞 佐藤文香氏『渡す手』特別展示が開催されています

新鮮な感覚を備えた優れた現代詩の詩集に贈られる中原中也賞。
第29回は佐藤文香氏の『渡す手』に決定しました。
これを記念して、受賞詩集『渡す手』と、受賞者である佐藤文香氏を紹介する展示を行います。
日時
2024年4月17日(水)〜5月26日(日)
場所
中原中也記念館 読書コーナー
主な展示資料
受賞詩集『渡す手』、句集、作品掲載誌、写真パネル、審査委員講評など
図書資料
受賞詩集『渡す手』、佐藤文香氏句集など書籍、最終選考作品7作品
※自由に手に取って読むことができます
こちらのサイトで、佐藤文香氏の受賞コメントを読むことができます。
「第29回中原中也賞が佐藤文香さんの『渡す手』に決定しました。」
《選考経過》に
(略)各篇にスタイルの一回性が感じられ、言葉のセンスの高さ、自在さが注目された。良くも悪くも、定型詩である俳句の作者として培われてきた言語感覚が現れている。「縦の感覚」「花筏」「行くということ」などの作品に作者の特徴が出ていて、言葉に関する引き出しを多く持っている書き手であると思われる。(略)
とあります。
ということで、4月26日(金)、中原中也記念館へさっそく行って来ました。
その日は、中原中也を読む会の日。テーマは「第29回中原中也賞詩集 佐藤文香氏『渡す手』」で、中原豊館長のギャラリートークを聞くことができました。
「受賞者の佐藤文香さんは、1985年生まれ、兵庫県神戸市出身。
2002年、愛媛県立松山東高等学校在学中に第五回俳句甲子でで団体準優勝、「夕立の一粒源氏物語」が最優秀句に選ばれます。
早稲田大学に入学、早大俳句研究会に入会。
2009年に第一句集『海藻標本』で宗左近俳句大賞を受賞。
池田澄子さんに師事し、俳人として評価されています・・・。」
今まで関わられた同人誌や写真パネル、そして、お猪口と枡も展示してあります!何故かって、それは、中原中也賞受賞第一報を受けた際のことを書いた2024.3.31付「西日本新聞」掲載「随筆喫茶」「久留米城島のんべえ奇譚」を読めば分かります。久留米城島酒蔵びらきの日だったそうで……。
2月2日(金)〜12日(月・祝)、学芸大学の写真屋「monogram」で、第四句集『こゑは消えるのに』、第一詩集『渡す手』の刊行を記念して、2021年秋からの1年間、アメリカ(主にカリフォルニア州)で撮影した写真を展示した「佐藤文香写真展 こゑは消えるのに」が開催されました。
写真パネルは、そのなかの3枚です。
※佐藤さんによると、ウェブ連載のまとめとしたオンデマンド版の詩集『新しい音楽をおしえて』(マイナビ現代詩歌セレクション)(マイナビ出版 2014)は「初期詩集」、『渡す手』は「第一詩集」と呼ぶそうです。

本棚にある書籍を自由に取って読むことができるのは、嬉しいです
小説以外は、走り読みですが、読破しました。
第一句集『海藻標本』(ふらんす堂 2008)

池田澄子さんが序を書かれています。
第二句集『君に目があり見開かれ』(港の人 2014)

よく見ると「レンアイ句集」と入っています。
装幀は吉岡秀典さん。
第三句集『菊は雪』(左右社 2021)

『菊は雪』の「菊に雪」は、小村雪岱がデザインした資生堂の香水瓶「菊」からということを知りました。
「言葉のセンスの高さ、自在さ」ということがよく理解できます。
句集制作ドキュメンタリー「菊雪日記」も収録されています。
『渡す手』と同じく佐野裕哉さんの装幀です。
佐野さんは、2021年 中原中也記念館特別企画展「書物の在る処――中也詩集とブックデザイン」特別コーナー「中也の詩集をいま作るなら……」に出展され、参加された関連イベント オンライン座談会「中也詩集を装幀して」を佐藤さんも視聴されたとか!

詩集『渡す手』(思潮社 2023)
中原中也読む会で皆で読んだ「縦の感覚」「渡す手」など、特徴的な言語感覚を持っている詩人だとは思いましたが、詩集『渡す手』全てがそんな詩ばかりでなく、現代詩としての既視感のある詩も見受けられました。
なので、詩集『渡す手』の冒頭詩に「縦の感覚」を持って来たのは、成功なのか、失敗なのか、まあ、中原中也賞を受賞されたので成功といえるでしょうが、一緒に読書会に参加された方は「分からない」と拒否反応を持たれる方もいらっしゃって、でも、そんな人にも詩集の最後まで、読んでいただきたい、と思いました。
『渡す手』も、佐野さんによる装幀です。
第四句集『こゑは消えるのに』(港の人 2023)

「アメリカ句集」と副題があり、1年間のアメリカ生活での句集です。
アメリカで撮影した写真が8枚掲載されています。
吉岡秀典さんのブックデザインも素敵です。
今日4月29日(月・祝)に開催される中原中也生誕祭「空の下の朗読会」 にも出演され朗読される予定です

日 時 2024年4月29日(月・祝)12:30〜13:40
場 所 中原中也記念館前庭
※雨天時 湯田温泉ユウベルホテル松政
今日4月29日(月・祝)、湯田温泉ユウベルホテル松政で開催される第29回中原中也賞 贈呈式もお見逃しなく

日 時 2024年4月29日(土)15:30〜16:10 (開場時間 15:00〜)
場 所 湯田温泉ユウベルホテル松政
山口市湯田温泉三丁目5-8
受賞者 佐藤文香
受賞詩集 『渡す手』(佐野裕哉/装幀 思潮社 2023.11)
入場料 無料
申 込 事前申込不要


新鮮な感覚を備えた優れた現代詩の詩集に贈られる中原中也賞。
第29回は佐藤文香氏の『渡す手』に決定しました。
これを記念して、受賞詩集『渡す手』と、受賞者である佐藤文香氏を紹介する展示を行います。








※自由に手に取って読むことができます
こちらのサイトで、佐藤文香氏の受賞コメントを読むことができます。

《選考経過》に
(略)各篇にスタイルの一回性が感じられ、言葉のセンスの高さ、自在さが注目された。良くも悪くも、定型詩である俳句の作者として培われてきた言語感覚が現れている。「縦の感覚」「花筏」「行くということ」などの作品に作者の特徴が出ていて、言葉に関する引き出しを多く持っている書き手であると思われる。(略)
とあります。
ということで、4月26日(金)、中原中也記念館へさっそく行って来ました。
その日は、中原中也を読む会の日。テーマは「第29回中原中也賞詩集 佐藤文香氏『渡す手』」で、中原豊館長のギャラリートークを聞くことができました。
「受賞者の佐藤文香さんは、1985年生まれ、兵庫県神戸市出身。
2002年、愛媛県立松山東高等学校在学中に第五回俳句甲子でで団体準優勝、「夕立の一粒源氏物語」が最優秀句に選ばれます。
早稲田大学に入学、早大俳句研究会に入会。
2009年に第一句集『海藻標本』で宗左近俳句大賞を受賞。
池田澄子さんに師事し、俳人として評価されています・・・。」
今まで関わられた同人誌や写真パネル、そして、お猪口と枡も展示してあります!何故かって、それは、中原中也賞受賞第一報を受けた際のことを書いた2024.3.31付「西日本新聞」掲載「随筆喫茶」「久留米城島のんべえ奇譚」を読めば分かります。久留米城島酒蔵びらきの日だったそうで……。
2月2日(金)〜12日(月・祝)、学芸大学の写真屋「monogram」で、第四句集『こゑは消えるのに』、第一詩集『渡す手』の刊行を記念して、2021年秋からの1年間、アメリカ(主にカリフォルニア州)で撮影した写真を展示した「佐藤文香写真展 こゑは消えるのに」が開催されました。
写真パネルは、そのなかの3枚です。
※佐藤さんによると、ウェブ連載のまとめとしたオンデマンド版の詩集『新しい音楽をおしえて』(マイナビ現代詩歌セレクション)(マイナビ出版 2014)は「初期詩集」、『渡す手』は「第一詩集」と呼ぶそうです。

本棚にある書籍を自由に取って読むことができるのは、嬉しいです

小説以外は、走り読みですが、読破しました。
第一句集『海藻標本』(ふらんす堂 2008)

池田澄子さんが序を書かれています。
第二句集『君に目があり見開かれ』(港の人 2014)

よく見ると「レンアイ句集」と入っています。
装幀は吉岡秀典さん。
第三句集『菊は雪』(左右社 2021)


『菊は雪』の「菊に雪」は、小村雪岱がデザインした資生堂の香水瓶「菊」からということを知りました。
「言葉のセンスの高さ、自在さ」ということがよく理解できます。
句集制作ドキュメンタリー「菊雪日記」も収録されています。
『渡す手』と同じく佐野裕哉さんの装幀です。
佐野さんは、2021年 中原中也記念館特別企画展「書物の在る処――中也詩集とブックデザイン」特別コーナー「中也の詩集をいま作るなら……」に出展され、参加された関連イベント オンライン座談会「中也詩集を装幀して」を佐藤さんも視聴されたとか!

詩集『渡す手』(思潮社 2023)
中原中也読む会で皆で読んだ「縦の感覚」「渡す手」など、特徴的な言語感覚を持っている詩人だとは思いましたが、詩集『渡す手』全てがそんな詩ばかりでなく、現代詩としての既視感のある詩も見受けられました。
なので、詩集『渡す手』の冒頭詩に「縦の感覚」を持って来たのは、成功なのか、失敗なのか、まあ、中原中也賞を受賞されたので成功といえるでしょうが、一緒に読書会に参加された方は「分からない」と拒否反応を持たれる方もいらっしゃって、でも、そんな人にも詩集の最後まで、読んでいただきたい、と思いました。
『渡す手』も、佐野さんによる装幀です。
第四句集『こゑは消えるのに』(港の人 2023)

「アメリカ句集」と副題があり、1年間のアメリカ生活での句集です。
アメリカで撮影した写真が8枚掲載されています。
吉岡秀典さんのブックデザインも素敵です。
今日4月29日(月・祝)に開催される中原中也生誕祭「空の下の朗読会」 にも出演され朗読される予定です




※雨天時 湯田温泉ユウベルホテル松政
今日4月29日(月・祝)、湯田温泉ユウベルホテル松政で開催される第29回中原中也賞 贈呈式もお見逃しなく




山口市湯田温泉三丁目5-8




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