CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る

こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

子どもと本をむすぶ活動をしています


検索
検索語句
<< 2021年08月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
カテゴリアーカイブ
プロフィール

こどもと本ジョイントネット21・山口さんの画像
月別アーカイブ
最新コメント
タグクラウド
日別アーカイブ
https://blog.canpan.info/jointnet21/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/jointnet21/index2_0.xml
長谷川集平 × 荒井良二 @ 絵本学会大会ラウンドテーブル「3.11後の絵本表現」@ [2021年06月01日(Tue)]
5月30日(日)、「第23回・第24回合同絵本学会大会 〜 東日本大震災から10年、コロナ禍での絵本表現を見つめる 〜」「ラウンドテーブル「3.11後の絵本表現」」は、長谷川集平さんと荒井良二さんによる対談というたいへん贅沢な時間でしたぴかぴか(新しい)

第23・24絵本学会 ラウンドテーブル 2021.PNG

600人近くの方が申し込まれたそうで、なかなか入室できない人もいたようです。
私もいつものようにさっと入室できず、一時はかなり焦りましたが、どうにか時間に間に合いました。
途中、なんども「接続が不安定です」というメッセージが出ましたが、皆さんどうだったのでしょうか?

最後の方は、本当に接続が不安定だったのでしょう、荒井さんが消えたり、集平さんがフリーズしたりとトラブルはありましたが、お話も、朗読も、最高でした揺れるハート

『あしたは月よう日』
(長谷川集平/作 文研出版 1997.11)
あしたは月よう日.jpg

1995年1月17日火曜日の朝起きた阪神淡路大震災の前々日の神戸を舞台に、ある家族のありきたりの休日を描いています。
姫路出身の集平さんは、神戸出身の編集者に「神戸弁」に変えてもらったという話もされていました。


『およぐひと』
(長谷川集平/作 解放出版社 2013.4)
およぐひと.jpg

表紙にはデジカメで何かを撮影している主人公。背景は、被災地の風景。見返しも被災地の風景。
流れに逆らって背広姿で泳ぐ男性は、「うちがあっちなもんですから。はやくかえりたいのです。」と言い、そして、透き通って、消えていきました。
電車の中で、小さな赤ちゃんを抱き抱えた女性は、「どちらまで」と聞かれて、「にげるのです」と答え、遠ざかっていって消えました。
家に戻った主人公は、娘の「あれがすべて?あれだけだったの?」という問いかけに胸が詰まって、言葉にできません。
前半の被災地の場面などは赤のライン、後半の父娘の対話場面は青のラインと描き分けてあります。最後の場面は、再び、赤い輪郭線で描かれ、座っていたベンチにその父娘の姿はありません。
集平さんは、父娘が透明になっていく場面も描いてもみたけど、やめたそうです。
東日本大震災を目の当たりにして「表現者として変わらなくてはならない」という気持ちに駆られたといいます。この絵本は集平さんにとっての「変わり目」だったそうです。


『あさになったのでまどをあけますよ』
(荒井良二/作 偕成社 2011.12)
あさになったのでまどをあけますよ.jpg

いろいろな場所に住む子どもたちが朝になると窓を開け、そこから見える景色を慈しみながら新しい一日を迎えます。なにげない日々の繰り返し、その中にこそある生きることの喜びを描いた絵本です。
荒井さんは、震災後、ボランティアでワークショップを開催するため、故郷である山形の東北芸術工科大学の学生達と何度も被災地へと足を運びます。初めは、どうしていいかわからず、「上を見上げる」ことをコンセプトに、老若男女の参加者と共に旗を作ったこともあったとか。
日常というものをなくした参加者に対する自分たちの役目は、朝になったらカーテンを開けたり、寒いときはドアを閉めたり、日常の感覚を少しずつ呼び戻すことではないか、と思ったそうです。
また、被災地でワークショップをすると、「暗いのが怖い」という子どもたちがいて、だから、朝を描いたこの絵本ができました。
「水が怖い」という子どもたちもいたけれど、海は前からあるものだから、「かわはやっぱりながれていて」「うみはやっぱりそこにいて」と、あえて風景の一つとして描きました。
そして、荒井さんは、2011年の発行にこだわったと言います。


集平さんの朗読を聞いていて、ふと、萩原朔太郎の詩を思い出しました。

  およぐひと
およぐひとのからだはななめにのびる、
二本の手はながくそろへてひきのばされる、
およぐひとの心臓(こころ)はくらげのやうにすきとほる、
およぐひとの瞳(め)はつりがねのひびきをききつつ、
およぐひとのたましひは水のうへの月をみる。



もちろん、3冊とも、自分で何度か読んだことがありますが、作者自身に読んでもらうというのは、やはり格別のことでした。


次回に続く
トラックバック
※トラックバックの受付は終了しました
コメント