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こどもと本ジョイントネット21・山口


〜すべての子どもに本との出会いを〜

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第6回アーサー・ビナード研究会に参加しました [2020年07月03日(Fri)]
6月29日(月)、山口児童館で行われた「第6回アーサー・ビナード研究会」に参加しましたぴかぴか(新しい)

15名の参加があり、詩の朗読をしたり、アーサー・ビナードの絵本、翻訳絵本、詩集など紹介し合いました。

まず、Kさんによる
『ホットケーキできあがり!』
(エリック・カール/作 アーサー・ビナード/訳 偕成社 2009)
のブックトークから始まりました。
ホットケーキできあがり!.jpg



2001年中原中也賞を受賞した第一詩集『釣り上げては』
(アーサー・ビナード/詩 思潮社 2000.7)
釣り上げては.jpg

から「タッグ」「ターミナル」「鼻歌」「バナナ」4篇を4人の方が朗読されました。



Oさんは、
『焼かれた魚 ― The Grilled Fish』
(小熊秀雄/作 アーサー・ビナード/英訳 市川曜子/絵 パロル舎 2006.1)
のブックトークをされました。
焼かれた魚.jpg

 白い皿の上にのつた焼かれた秋刀魚は、たまらなく海が恋しくなりました。
 あのひろびろと拡がつた水面に、たくさんの同類たちと、さまざまの愉快なあそびをしたことを思ひ出しました、いつか水底の海草のしげみに発見(みつけ)てをいた、それはきれいな紅色の珊瑚は、あの頃は小さかつたけれども、いまではかなり伸びてゐるだらう、それとも誰か他の魚に発見(みつ)けられてしまつたかもしれない、などと焼かれた秋刀魚は、なつかしい海の生活を思ひ出して、皿の上でさめざめと泣いて居りました。(略)
『ああ、海が恋しくなつた、青い水が見たくなつた、白い帆前船(ほまへせん)をながめたい。』
(略)

焼かれた一匹の秋刀魚がテーブルの上の皿から海へ帰るまでの物語です。
1901(明治34)年生まれで40歳を前にして結核で亡くなった小熊秀雄の作品です。
市川曜子のエッチングによる挿絵が印象的で素敵です。
アーサー・ビナードの英訳が併記されています。

2001年3月26日付『日本経済新聞』「フォーカス」に掲載された「中原中也賞受賞 アーサー・ビナード氏 米国人、日本の現代詩に新風 みんなに届けたいから易しい言葉」 に次のようにあります。
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▲『日本経済新聞』2001年3月26日「フォーカス」

来日後に通った日本語学校の教材で詩人の小熊秀雄の童話にふれ、優しくも悲しい世界に心をゆさぶられる。

優しくも悲しいこの物語は、人々に愛されているのでしょう、他の人の挿絵でも出版されています。

『焼かれた魚』
(小熊秀雄/文 新田基子/絵 創風社 1997.1)
焼かれた魚@.jpg

『やかれたさかな/焼かれた魚』(新編 雨の日文庫 第2集3)
(小熊秀雄/著 池田仙三郎/絵 麦書房 1965.11)
焼かれた魚A.jpg



『ウトウとクイナ Puffin and Rail』
(三上寛/文 黒田征太郎/絵 アーサー・ビナード/英訳 今人舎 2020.4)
のブックトークもありました。
ウトウとクイナ.jpg 
ウトウとクイナ 本文.jpg

ウトウは 雪のまちで 生まれた。
Puffin was born in a cold, snow place.

クイナは 南の島で 生まれた。
Rail was born in a sunny, southern space.

ウトウは飛べない鳥。クイナも飛べない鳥。ある夜、二羽は夢のなかで入れかわりました。お互いを理解し、お互いの故郷を想う二羽が決心したこととは?
アーサー・ビナードによる英訳も併記されています。

ウトウと聞いて、天売島の海鳥を描いたあべ弘士の『うみどりの島』(寺沢孝毅/文 あべ弘士/絵 偕成社 2019.4)を思い出しました。
うみどりの島 裏.jpg うみどりの島.jpg



『この本をかくして』
(マーガレット・ワイルド/文 フレヤ・ブラックウッド/絵 アーサー・ビナード/訳 岩崎書店 2017.6)
のブックトークもありました。
2019年8月19日のブログで紹介していますので、そちらもご参考に。
この本をかくして.jpg

カバーをとると、お父さんがピーターに託した本と同じ赤い表紙の本が出てきます。
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オーストラリアの絵本です。
原題は、「The Treasure Box」、つまり「宝箱」です。
Treasure Box_cover.jpg

さて、「宝箱」「宝」とは何を指すのでしょうか?
ぜひ、この本を手に取って、考えてみてください。



『イッツ・ア・スモールワールド みんな となりどうし』
(アーサー・ビナード/詩 チョウ・ジョーイ/絵 講談社 2012.4)
の紹介もありました。
イッツアスモールワールドみんなとなりどうし.jpg

イッツ・ア・スモールワールドはウォルト・ディズニーがニューヨークの万博にあわせて、世界の子どもたちの幸せと友情を願い創られたアトラクションで、世界中のディズニーランドで人気を博しています。そのスモールワールドの世界観をそのままに、まるごと1冊の絵本が出来ました。オリジナルの英語版本文は、世界中で親しまれているシャーマン兄弟によるテーマソングの歌詞です。そして、その歌詞にマッチしたアートを台湾出身の気鋭のアーティスト、ジョーイ・チョウが描きました。
そして、日本語版はアーサー・ビナードの手による新しい描き起こしの日本語詩で綴られます。

講談社BOOK倶楽部HPより)



『3.11を心に刻んで』
(岩波書店編集部/編 岩波書店 2012.3)
3.11を心に刻んで.jpg

2011年5月11日からスタートした岩波書店初のウェブ連載「3.11を心に刻んで」の2012年2月11日号までの全10回分(毎月3名)を収録するとともに、その30名の筆者による大震災から一年にあたり書き下ろし原稿を加えたものです。
もちろん、執筆者の中にアーサー・ビナードがいます。



『釣り上げては』に所収されている詩「夏のある日曜日」に詩人の菅原克己のことが出てきます。

パンツだけ穿いて 窓のそばに座り込み
ぼくは翻訳していた。
菅原克己が五十何年も前に
警察に引っぱられ いやというほど
殴られたことを書いた詩を。

そういえば、今日は参議院の選挙。
(略)
菅原さんが生きていたら
誰にいれただろうか。

(略)

ということで、菅原克己「自分の仕事」の朗読をさせていただきました。

石丸山口児童館館長より菅原克己に関する本を2冊を教えていただきました。

『陽気な引っ越し―菅原克己のちいさな詩集』
(文明の庫双書) (菅原克己/詩 西田書店 2005)
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『日常の椅子―菅原克己の風景』
(山川直人/作 ビレッジプレス 2016.4)
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漫画家 山川直人は、高田渡の歌う「ブラザー軒」により、詩人・菅原克己を知り、詩人・菅原克己の作品を漫画にしたそうです。菅原克己略歴も収録されています。


石丸館長は、高田渡が菅原克己の詩などに曲をつけたものを3曲披露されました。
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菅原克己「ブラザー軒」
  
  硝子簾の 向こう側に
  東地番丁ブラザー軒
  たなばたの夜
  キラキラ波打つ



山之口漠「生活の歌」
 山之口漠は、アーサー・ビナードが最も評価している詩人だそうです。
  
  歩き疲れては 夜空と陸との
  隙間にもぐり込んで
  草に埋もれては寝たのです
  所かまわず寝たのです



三木卓「系図」
 三木卓の詩はアーサー・ビナードの詩の世界に通じているそうです。

  僕がこの世にやってきた夜
  おふくろはめちゃくちゃにうれしがり
  おやじはうろたえて質屋に走り
  それから酒屋をたたきおこした




最後に、2020年3月22日放映されたNHK 日曜美術館「絵が語る僕のすべて〜絵本作家・画家 スズキコージの世界〜」に出演した際のアーサー・ビナードの『やまのディスコ』(スズキコージ/ 架空社 1989.2)の書評を朗読されました。
やまのディスコ.jpg



2020年6月30日付山口新聞に掲載されました。
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次回第7回は、7月20日(月)14:00〜16:00に山口児童館で行われます。要申込です。
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