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2025年03月24日

質疑応答:「自殺」と「自死」という言葉の表現と用い方について教えて下さい

自殺と自死の表現の違い。

自殺予防団体-SPbyMD-主催
「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」
講師陣の蓬生さつきです。

私はこう思います。

自殺という言葉の場合。

自殺とは「自分」を「殺す」という行為です。
「殺す」ということは、絶対に、「被害者」と「加害者」が出てきます。

自殺の場合は、「自分自身が」被害者で逆に加害者でもあるわけです。
もし、身内の方や友達、周りが自殺をして亡くなった場合、
じゃあ、誰れを憎めば、報われるのでしょうか?
誰れを悲しめば、救われるのでしょうか?

誰れも、報われないし、救われません。

実際は、自殺は法で罰せられることはありませんが、
もし、法があれば、それは決して軽い刑ではないと、思います。
それほど、「自殺」という行為は、重くて悲しいことなのです。

でも、自殺の方向に傾いてしまっている人は、そんなことは考えていません。
考える余地がないくらい追い詰められています。

だからこそ、私たち、ゲートキーパーがいるのです。

「あなたが死んだら、少なくとも私は悲しむよ」

「私は、あなたを被害者にも加害者にもしたくない、
そんな悲しい思い、したくないし、されたくないよ」

「自殺して良いことなんで、これっぽちもないよ」

「あなたの命は、尊くて、重い。決して軽い命では、ないよ」

「その重い命をどうか、軽く見ないで、自分の命を見捨てないで」

死の瀬戸際まで陥っている人に、声かけて命の重みを
わかってもらえるように、訴えかけれるのが
私たち、「ゲートキーパー」の役目ではないでしょうか。

自死という言葉の場合。

「自死」というのは、自殺でも自然死でも
「死んでしまった」事実をいうことだと思います。
自死は、もう何言っても、もう帰ってこない。
もうどうしようもない、空虚感だけが残った、
悲しみに特化した言い方だと、私は思います。

自殺を敢えて咎めずに自死という真実を、無理やり受け止め、
浄化していくための言葉だと、私は思います。

いずれにしても、自殺・自死は、とても悲しい死です。
自殺者がピークの3万人をきっている今でも、
自殺は、まだまだ多い世の中です。

自殺者が多いってことは、それを悲しむ人は何倍もの人がいます。
遺族、遺友、上司、部下、同僚、ご近所さん、
ドクター、薬剤師、看護師、恋人、パートナー、恩師、、、。
1人が自殺をしてしまうことで、これほど、いやこれ以上の人が
悲しむことになります。

その「悲しさ」を訴え、呼び止めることができるのが
私たち、ゲートキーパーの役目ではないでしょうか。
昨日の質疑応答の時間では、うまく伝えられなかったので、
文章で、返させていだだきました。

読んでくれて、ありがとうございました。

令和7年3月24日
自殺未遂当事者の会-芯-
会長 蓬生さつき
【解説や講義を含む質疑応答の最新記事】

2024年12月01日

12月1日「いのちの日」メルマガ

自予活クラブの皆様へ
(ゲートキーパー養成講習修了者の皆様へ)

おはようございます。
自予活クラブ講師の内田貴之です。
(※自殺予防団体-SPbyMD- 創立者)
コラム記事なので長文です♪

本日12月1日は「いのちの日」という啓発デーです。
健康日本21の自殺予防活動の一環として設置されたのち、
2002年に自殺防止対策有識者懇談会で啓発デーが確定されたそうです。

「いのちの日」は心身の健康問題に関する
正しい理解の普及啓発を行うための日、
と定義されています。

自殺予防団体-SPbyMD-は2013年設立なのですが、
割と昔から「いのちの日」に合わせて
何かしらの活動、例えば講演会や動画配信に
取り組んできました。

ちなみに、
昔のSPbyMDにはまだ理事会が存在せず、
代表だった当時の僕の意思によって
「よし!何かやろう!」と思えば
すぐに団体活動へステップできた過去がありました。

現在は理事会の承認決議を得ないとすぐ行動に移せないため、
本日は「いのちの日」ということで
何かしら自殺予防活動を行いたいと思ったのですが、
SPbyMDとしては動ける範囲がすくないため、
自予活クラブとして部員の皆様にメルマガ送信という形で
「コラム記事」をお送りします。

さて、
本題に移ります。

SPbyMD設立初期に僕が執筆した文章が
データとして結構残っていますので、
2つ厳選して以下に載せてみようと思います。

〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓

《混同されがちな自殺予防と自殺防止》

SPbyMDでは、政府機関においてもよく混同されている
「自殺予防」と「自殺防止」を区別し、定義しています。
ちなみにSPbyMDは名称の通り「自殺予防」に徹しています。
(SPbyMD=Suicide Prevention by Media Design)

▼自殺予防[プリベンション=事前対策]

インフルエンザの予防接種をイメージしてください。
予防接種の対象は既にインフルエンザにかかっている人や
インフルエンザの疑いがある人ではありません。
健康状態の人が予防接種の対象です。

同じく、自殺予防の対象は既に自殺思念を抱いている人や
自殺遂行しかけている人ではありません。
健康状態の人が自殺予防の対象です。

自殺予防の取組には例えば、
自殺予防講演会やポスター掲示などの普及啓発があります。

▼自殺防止[インターベンション=危機介入]

対して自殺防止の対象は、健康状態の人ではありません。
自殺遂行しかけている人や自殺思念を抱いている人が対象です。

今まさに遂行されようとしている自殺の危機に介入して阻止する取組です。
例えば、いのちの電話など悩み相談も、自殺防止の取組です。

※「自殺対策」はこの2つを包括した呼び方です

(執筆/2014年4月27(日))

〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓

《「自殺」と「自死」》

■自殺対策団体LIVExLINE より

【提案と質問】
「自殺」を「自死」と呼びかえることの是非についての
ご意見をお聞かせください。

言葉を言い換えることによるメリットとデメリットについて、
社会的意義と功罪について、皆さんのお気持ちや考えを
聴かせていただきたいと考えています。


■自殺予防団体-SPbyMD- の回答

自殺と自死。
「自分で死を選ぶ」というあたかも死ぬ権利を
人間が持ってるかのような錯覚を与える言葉より、
「自分を殺す」といういかにも犯罪な印象を与える言葉のほうが
まだマシ。

自殺という行為は神仏に与えられた尊命を葬る、
許されざる行為なのだから。

(執筆/2013.09.23(月))

〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓 〓

長文でしたが、
お読みいただきありがとうございました。
2つとも執筆は今から10年も昔ですが、
根本的なSPbyMDのスタンスは変わりません。

しかしながら、
講演会や講習会などにおいて市民を対象に活動する際、
参加者の中に「遺族」もいらっしゃることを想定して、
ここ近年では直接「遺族」に関する発言を行う場合には
「自死」という言葉を選んで使用しています。
遺族に対する気づかいの一環です。

本日「いのちの日」、
皆様も本日は自分自身と向き合う時間を作り、
「自殺と自死の使い分け」
「予防と防止の自身のニュアンス解釈」
などを自問自答してみてはいかがでしょう。

紙に書いたり、PCならメモ帳に書いたりすることで
心の中で自問自答するよりも自分自身の考え方に
より注目することができるかと思います。

以上
■■□――――――――――――――□■■
こころの通う対話のできるゲートキーパーを
永続的にフォローアップする自予活クラブ
 団体名 共益系NPO自予活クラブ
 代表者 講師陣全員(共同代表)
 連絡先 jiyokatsu.spbymd@gmail.com
 拠点地 オンライン
■■□――――――――――――――□■■
posted by 内田 at 09:42| Comment(0) | TrackBack(0) | その他付随する活動

2022年07月28日

今後お知らせはFBグループをメインにします

自予活クラブ部員の皆様へ
(ゲートキーパー養成講習修了者)

おはようございます。
講師陣の内田です。

今後、
まとまった情報のご案内は「自予活通信」、
研修会の計画や要望伺い等日々のお知らせは「Facebookグループ」で
と使い分けて皆様に情報をお届けできる運びとなりました。

つきましては、
Facebookをご利用の方は下記QRコードから
グループへの参加リクエストを送信して下さい。

自予活クラブFBグループのリンク.jpg

Facebook内の検索窓で「自予活クラブ」と検索しても表示されます。
ご理解とご協力の程よろしくお願いいたします。

【編集後記】
まだ講師陣の日程調整中につき確定事項ではありませんが、
8月上旬に修了者のみを対象とした〈対話法〉の
オンラインフォローアップ研修会を計画しております。

皆様のアンケートを読ませていただきましたところ、
〈対話法〉面白かったと答えて下さった方と
難しかった・理解に時間がかかりそうだと答えて下さった方が
半々くらいでした。

ひとえに講義を担当した私の解説力不足です。
そこで〈対話法〉の生みの親である浅野良雄先生に
もっと分かりやすい丁寧な解説と練習をお願いしてみました。

ところで、
これまでフォローアップ研修会といえば〈対話法〉しか
やってこれていませんでしたが、
『竹内先生の教え子の自死についてもっと聞きたかった』
『自殺未遂当事者の自殺理由についてもっと聞きたかった』
などなど皆様のアンケートに寄せられたリクエストに
可能な限り応えていきたいと思っております。

以上
===========================
SPbyMDグループ
共益系NPO自予活クラブ
講師陣 内田貴之
jiyokatsu.spbymd@gmail.com
===========================
posted by 内田 at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | お知らせ全般

2021年07月18日

7/23(祝金)オンライン部活のお知らせ

〈対話法〉トレーニングの部活をオンラインで行います

【行事名】オンライン部活〈対話法〉
【テーマ】ご無沙汰の〈対話法〉練習

【日 時】2021年7月23日(祝金)15時30分〜17時00分
【会 場】オンライン(ZOOM)

【場 所】https://us02web.zoom.us/j/7318026692
【参加費】0円

【対象者】自予活クラブ部員、講師陣
【主 催】NPO・自予活クラブ

【参加申込方法】
・当日の朝までにメールでご一報下さい。申込者にのみZOOM入室のパスコードを提示します。
・宛先 jiyokatsu.spbymd@gmail.com
・件名 7/23部活参加申込
・本文 フルネーム、PCメールを受信可能なメアド
タグ:ご無沙汰

2021年03月15日

2021年9月〈対話法〉日帰り研修会を開きます!

2021年1月に開催予定だった〈対話法〉合宿研修会が
新型コロナのせいでやむを得ず延期となって、
早くも2ヶ月か経過しました。

自予活クラブ部員の皆様たいへんお待たせしました!
...ただし、講師陣の都合上「合宿」にはできず
「日帰り」となります。

では、
下記の日程で、ご案内申し上げます。

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【日程】
2021年9月19日(日)10時〜15時
※09時45分までにご来訪下さい

【会場】
道民の自殺予防拠点~めいめい~
地下「きたきたルーム」
※公式サイト:https://meimei-spbymd.jimdofree.com

【場所】
札幌市北区北27条西8丁目4-5
ルーブル27-102号室

【交通機関】
地下鉄南北線「北34条駅」より徒歩約15分
地下鉄南北線「北24条駅」より徒歩約20分
※マイカーでお越しの方はお知らせ下さい。
※道に迷う来訪者が9割なので「タクシー」を推奨します。

【対象者】
自予活クラブ部員
諸事情によりGK講習を受講できなかった者

【定員】
先着4名

【講師】
浅野良雄先生
※群馬県から来道されます♪

【参加料】
2,000円
※内訳1:浅野良雄先生の渡航費1,000円
※内訳2:配布資料と茶菓子代1,000円

【持参物】
お昼の弁当
筆記用具
GK講習の配布資料(※現存する方)

【留意事項】
(1)手すりのない急な階段があります。
(2)座席は床に座布団です。
(3)狭いので「3密」を気にする方はご遠慮下さい。

【参加申込】
お申込は下記リンク先(Googleフォーム)にて!
https://forms.gle/PyGQe9WL4sGCSSeR6

それでは、自予活クラブ部員の皆様のご参加をお待ちしております。
よろしくお願いいたします。

以上
NPO・自予活クラブ
講師陣 内田貴之
jiyokatsu.spbymd@gmail.com

2021年01月20日

新年1月の部活のお知らせ

自予活クラブ部員の皆様へ

2020年12月26日(土)に開いた前回のオンライン部活も
非常に情熱的な盛り上がりとなりましたね!
ありがとうございます。

さて、下記の日程で今月は2回、
〈対話法〉のオンライン部活を開きます。

テーマは両日ともに
『確認型応答の表現型のバリエーションを増やす解説と練習』

皆様ご予定を調整してぜひご参加下さいませ!

部活のお知らせ.png

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【日程】
・2021年1月22日(金)20時〜21時30分
・2021年1月24日(日)14時〜15時30分

【会場】
・ZOOM
https://us02web.zoom.us/j/7318026692

【対象者】
・自予活クラブ部員および講師陣のみ

【解説者】
・自予活クラブ 浅野良雄 氏
・自予活クラブ 内田貴之 氏

【留意事項】
・WEBカメラがある場合はPCからの参加推奨
・スマホやタブレットだと画面に全員の顔が表示されないため非言語的コミュニケーションも欠かせない傾聴系のトレーニングには非常に不向きです

【参加申込方法】
・当日の午前中までにメールでお申込下さい
・宛先 jiyokatsu.spbymd@gmail.com
・件名 オンライン部活参加
・本文 フルネーム、参加する日程(1/22 , 1/24)

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■

それでは〈対話法〉の学びを深めたい方、勇んでお申込下さい。
養成講習では聞けなかった疑問質問なども歓迎します。

以上
自予活クラブ講師陣・内田

2020年12月29日

部活の報告

先日の部活について報告いたします。2020年12月26日(土)12時〜14時半、ZOOMを使いオンライン部活を行いました。計4名で、コミュニケーション理論〈対話法〉の特に「ゲートキーパーとしてより適切な反応型応答を相手に返すコツと練習」をテーマに盛り上がりました。

自殺予防団体-SPbyMD-主催「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」を受講修了された皆さんによる勉強会ですから、とても意欲的で生き生きと質疑応答も相次ぎました。養成講習で学んだ〈対話法〉の基礎スキルを、各自が暮らしの中で実践し始めると、必ず疑問・壁・課題などが出現します。それらを携えて勉強会に参加することで、その勉強会は生き生きと輝きを増すのです!

さて、どのような学びを得たかブログに書こうと思いましたが、メモが手元にないため、後日追記します…(汗)記憶は曖昧なことが多く、なるべく学んだ内容を正確に書き伝えたほうが良いと思っています…。では。

講師陣・内田

2020年12月17日

12/26(土)部活のお知らせ

大変お待たせいたしました!!

前回2020年7月28日から半年近くも経過してしまい申し訳ございません。前回参加した部員2名からのリクエストに応えまして、「ゲートキーパーとして、より適切な反応型応答を相手に返すコツと練習」をテーマに、〈対話法〉トレーニングの部活を行います。

部活のお知らせ.png

【日程】
・2020年12月26日(土)12時〜14時
・要望があれば時間延長も検討の余地あり

【会場】
・オンライン(zoom使用)
https://us02web.zoom.us/j/7318026692
・パスコードは参加申込者にのみメールでご案内

【対象者】
・自予活クラブ部員および講師陣のみ

【講師】
・自予活クラブ講師陣 浅野良雄先生
(コミュニケーション理論〈対話法〉の生みの親)

【留意事項】
・WEBカメラがある場合はPCからの参加推奨
・スマホやタブレットだと画面に全員の顔が表示されないため非言語的コミュニケーションが欠かせない傾聴系のトレーニングには非常に不向きです

【参加申込方法】
・当日の朝までにメールでご一報下さい。
・折り返し、zoomのパスコードを返信します。
・宛先 jiyokatsu.spbymd@gmail.com
・件名 12/26部活参加申込
・本文 フルネーム、PCメールを受信可能なメアド

以上
自予活クラブ講師陣・内田

2020年12月01日

12/1「いのちの日」自殺予防Q&Aコーナー

■■ 共益系NPO・自予活クラブ通信 ■■

2020年12月1日(火)号
12/1「いのちの日」にちなみ自殺予防Q&Aコーナー


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市民の皆様、共益系NPO・自予活クラブ(以下「当NPO」)の活動に、いつも温かいご声援とご協力を賜り厚く御礼申し上げます。そして部員の皆様、こころの通う対話のできるゲートキーパーとして日々スキルアップを目指し部活へ積極的にご参加下さりありがとうございます。

さて、新型コロナの影響で自殺者が増加していると世間でも話題となっております。「自らもゲートキーパーとして何か自殺者増加を防ぐためにできることはないだろうか?」と考えを巡らせている部員も少なくないと予想できます。

部員の皆様が受講修了された「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」では、"自分の大切な人のゲートキーパーとして"と、講習内容のポイントを絞っております。自分がゲートキーパーとして"死にたいくらい深刻な気持ち"に向き合う相手は信頼関係が構築されている間柄であるという前提で、どのように向き合い接すれば良いかを学ばれました。つまり、皆様の大切な人がそうした状況に陥ることがない限り、養成講習で身につけられた知識やスキルを活かす機会はない。言い換えれば、皆様の大切な人の"もしもの時"がいつ訪れても慌てないよう備えておくための養成講習であるとも、考えられるかもしれません。

実際には、そうであってそうではないのです。

そもそも、自殺対策における自殺予防とは、"もしもの時"がいつ訪れても慌てないよう備えておく領域を指します。ですから「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」の目的も、先述したとおり間違いはありません。しかしながら、「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」で学ばれた知識やスキルは、"もしもの時"に限らず、日常生活の様々な場面でも大いに活かすことのできるものでもあるのです。

さて、つい前置きが長くなってしまいましたが、本日12月1日は、自殺予防の啓発記念日のひとつ「いのちの日」です。9月10日の「世界自殺予防デー」、9月10日〜16日の「自殺予防週間」、3月の「自殺対策強化月間」などと比べて、とてもマイナーなので、ゲートキーパーを含む自殺対策従事者でも知っている人は稀かもしれません。自殺対策基本法がまだ制定されるずっと前に、政府の健康日本21の中で、有識者会議によって定められた啓発記念日であり、日本で心の健康問題に関する正しい理解の普及啓発を行うことが目的とされております。

ということで、「いのちの日」にちなみ、「自らもゲートキーパーとして何か自殺者増加を防ぐためにできることはないだろうか?」と考えを巡らせている部員の皆様へ、Q&Aコーナーを設けたいと思いました。以下の質問は、過去の養成講習で受講者から寄せられたものと、講師陣が学んできたものとを組み合わせました。追加質問も喜んで承りますので、遠慮なくお問い合わせください。

━━━━━━━━━━
Q&Aコーナーの目次
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1.自予活クラブの組織に関する質問
(1)グループ組織との関係性を知りたい
(2)将来の展開ビジョンを知りたい
(3)共益系NPOとはどういう意味なのか
(4)組織運営に必要な資金はどのように調達されているのか

2.自予活クラブの部活に関する質問
(1)〈対話法〉のトレーニングを積みたい
(2)養成講習は再受講したほうが良いのか
(3)パステルアートの作品を展示してみたい
(4)合宿研修会は面白いか
(5)合宿研修会では宿泊したほうが良いのか
(6)その道の専門家を講師として招く勉強会は開くか
(7)札幌ばかりではなく岩見沢や旭川でも部活をやってほしい
(8)今後開いてみたいと検討中の勉強会テーマはあるか
(9)気軽に参加できるような読書会を開いてほしい
(10)他の部員とも交流を深めたい

3.自予活クラブの部員に関する質問
(1)部員個人として自殺予防活動する際に所属を名乗ってもよいか
(2)同じ地域にいる部員と一緒に自殺予防活動してもよいか
(3)Twitterにおいて悩み相談の活動をしてもよいか
(4)現在の部員の男女比を知りたい
(5)同じ地域にどのくらいの部員がいるのか知りたい

4.その他の質問
(1)ゲートキーパーとしての最も重要な心得を知りたい
(2)自殺念慮者や企図者を助けられなかった際の心得を知りたい
(3)新型コロナの影響を除いて日本の自殺者数は減っていないのか
(4)地域の自殺念慮者や企図者を支援に繋げるにはどうすればよいか
(5)自分の大切な人に予め自分がゲートキーパーになることを伝えておくべきか
(6)駅前などで自殺予防の啓発活動を行う際に何を配布したらよいか
(7)先進諸国の中でも日本の自殺者数が未だ多い要因として何が考えられるか
(8)土屋講師が自殺対策従事者としての活動を続けてこれた原動力を知りたい
(9)内田講師が自殺対策従事者としての活動を続けてこれた原動力を知りたい

■■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
1.自予活クラブの組織に関する質問
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━■■
(1)グループ組織との関係性を知りたい

「自殺予防団体-SPbyMD-」「自予活クラブ」「道民の自殺予防拠点~めいめい~」、この3つのNPOは「SPbyMDグループ」に帰属しております。それぞれは互いに協力し合っており、例えば「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」は自殺予防団体-SPbyMD-の事業として主催されていますが、養成講習で輩出されたゲートキーパーは、自予活クラブがまるっと引き受けて継続的なフォローアップを担当しております。そして、自予活クラブの部員が活動するための拠点として、道民の自殺予防拠点~めいめい~が施設(活動の場)を提供している、という関係図です。3つの組織は、メインで行う事業の方向性がそれぞれ異なっているため、2020年10月に独立しました。

(2)将来の展開ビジョンを知りたい

当NPOの部員数も2020年度以内には100名を超えることが確実となってきました。とても喜ばしいことです。自殺予防団体-SPbyMD-の主力事業によって、ゲートキーパーとして活躍できる北海道民が100名にも増えてきた、ということの証だからです。そこで、将来の展開を思い描いてみたいと思います。今は、部員一人ひとりに対して講師陣がスキルアップとなる研修会などを行うというスタイルしかありません。部員同士の連携は構築しておりません。しかしながら、ゲートキーパーとして自殺対策に携わるなら、部員同士の連携を構築することも必要になるのではないか?と思います。

ひとりのゲートキーパーが、自分だけで抱え込んで、対象者を助けようとしまうのは大変な負荷がかかります。困った時、手や知恵を貸してほしい!と思った時に、遠慮なく助け合えるネットワークを構築しておく必要があります。当NPOに所属している部員は、職業や経験も多種多彩です。「部員同士の連携」これが、将来の展開を思い描く時のキーワードとなりましょう。考えても見て下さい。せっかく優秀なゲートキーパーが100名も、当NPOに部員として所属されているのです。連携できるように展開していくことも、共益性をより高めることにも繋がってゆくのではないかと思います。

(3)共益系NPOとはどういう意味なのか

NPOという言葉自体には公益性という意味は求められていないのですが「NPO=非営利組織」といえば一般的には公益性が求められています。自予活クラブは共益性の高い組織なので、敢えて「共益系」と明記してみました。ちなみに、外に対する取り組みに重点を置いている組織を「公益系」と呼び、内に対する取り組みに重点を置いている組織を「共益系」と呼びます。

(4)組織運営に必要な資金はどのように調達されているのか

当NPOは、グループ組織の自殺予防団体-SPbyMD-と運営資金を共有しております。そのため、当NPOが組織運営するために必要な資金は、自殺予防団体-SPbyMD-が「メンバーの手弁当」「寄付金」「助成金」「補助金」などによって調達しております。ほか、微々たるものですが「事業収益」「販売収益」も資金源となります。

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2.自予活クラブの部活に関する質問
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(1)〈対話法〉のトレーニングを積みたい

〈対話法〉については、不定期的にZOOMで開かれている「オンライン練習会」に参加する方法が、頻度としても良いのではないかと思います。北海道に限らず全国各地から〈対話法〉を真摯に学んでいる方々が集われており、練習のクオリティも高いです。1回あたりの練習時間は1時間未満でも、毎週参加することで確実に身についていきます。
https://www.facebook.com/groups/netdetaiwahou

ほか、自予活クラブの部活でもある「年1回の合宿研修会」に参加するというトレーニング方法もおすすめです。特に、先述した「オンライン練習会」に参加して日々練習を積み重ねている方や、医療・福祉・教育・心理などの現場で実践されている方にとっては、〈対話法〉の生みの親でもある浅野良雄先生と直接お会いして、実践や練習の中で感じられる疑問や壁について納得できるまで質問できるという、滅多にない機会となるでしょう。

(2)養成講習は再受講したほうが良いのか

「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」は何度再受講しても受講料は無料なので、学びを自分の中に落とし込む(=理解を深める)ためには再受講することが良いと思います。実際に、繰り返し再受講を重ねて学びを深めている部員もいらっしゃいます。

また、養成講習の内容も毎年少しずつグレードアップしております。特に、2018年3月の帯広・2018年9月の旭川・2018年12月の岩見沢・2019年5月の札幌、の回を受講修了された部員の皆様には、是が非でも最新の「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」を再受講いただきたいと願っております。当時、お伝えしていた内容に不備が多々あったり、より適切な支援方法を解説できるようになったりと、ずいぶん進化しております。

(3)パステルアートの作品を展示してみたい

実は、多くの札幌市民に自分たちの作品を鑑賞してもらえる機会として「メトロギャラリー」が存在します。土屋さつき講師も以前「メトロギャラリー」を利用してパステルアート作品展を約一ヶ月間実施したことがあります。平日の昼間の時間帯に自分たちで展示作業・撤去作業を行うことが利用条件でした。無料ですよ!

「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」では、受講者の皆様にパステルアートを体験していただき、毎回個性豊かなパステルアート作品がたくさん描かれているため、自予活クラブとしてもその作品たちを集めてメトロギャラリーで展示会を実施したいなぁと考えております。札幌市営地下鉄駅の構内を歩く多くの市民の皆様に作品を鑑賞して楽しんだり、癒されたりしていただくことができます。素敵だと思いませんか?展示に参加したい部員の皆様は、メールでご連絡下さい!

(4)年に1度開かれる合宿研修会は面白いか

〈対話法〉を学びたい気持ち・〈対話法〉のスキルを磨きたい気持ち・こころの通う対話のできるゲートキーパーになりたい気持ちを持っている方であれば、とてつもないレベルで面白く感じ、有意義な時間を過ごせるでしょう。

(5)合宿研修会では宿泊したほうが良いのか

主催者としては、自予活クラブの講師陣や部員たちと交流を深める機会にしていただきたいので、宿泊してもらいたいのです。ただし、今は新型コロナの再流行期でもありますから、新型コロナの感染が心配で、密になって寝泊りする行動を避けたい方は、その日の研修会を終えたら自宅に一時帰宅して翌朝また来るのが良いと思います。

(6)その道の専門家を講師として招く勉強会は開くか

講師陣のひとりでもありますが浅野良雄先生は〈対話法〉の生みの親であり、対人コミュニケーションの専門家でもありますので、2021年1月9・10日に開く合宿研修会は、それに該当するのではないかと思います。

僕たちも、ゲートキーパーとして学ぶべきスキルの専門家たちを講師としてお招きして、たくさん多種多彩な勉強会を開いていきたい!という強い気持ちは以前から持っているのですが、資金と時間の関係でなかなか実現に至っていないのが現状です。

(7)札幌ばかりではなく岩見沢や旭川でも部活をやってほしい

僕たち講師陣も実は同じ想いを持っています。札幌ばかりではなく、少なくともこれまで「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」を開講してきた市町村(札幌・小樽・旭川・岩見沢・深川・砂川・江別・帯広など)では、毎月1回の頻度でフォローアップ研修会などの部活をやりたい!と強く強く想ってはいるのですが、これもまた資金と時間の関係でなかなか実現に至っていないのが現状です。

(8)今後開いてみたいと検討中の勉強会テーマはあるか

勉強してみたい関心の高いテーマはたくさんあります。「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」でもアンケートに記入していただいておりますが、次のようなテーマのリクエストが多いです。順次開いていきたいと考えております。
 ・認知行動療法
 ・自死遺族ケア、グリーフサポート
 ・家族ではなく友人を自殺で亡くした人向けのグリーフサポート
 ・学校教員向けの児童を対象とした自殺予防教育
 ・発達障害をもつ児童を対象とした悩み相談などの支援
 ・より実践的な場面を想定したケーススタディ

(9)気軽に参加できるような読書会を開いてほしい

素敵なアイディアありがとうございます!札幌駅前あるいは地下鉄北34条駅周辺まで来ていただける部員は、すぐにでも読書会を開くことは可能です。興味ある方はメールでご連絡下さい。

(10)他の部員とも交流を深めたい

ぜひ、フォローアップ研修会や合宿研修会にご参加下さい。「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」を再受講されることでも、他の部員との交流になります。

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3.自予活クラブの部員に関する質問
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(1)部員個人として自殺予防活動する際に所属を名乗ってもよいか

例えばTwitter上でお悩み相談の活動を行う際に「ゲートキーパーとして自予活クラブというNPOに所属している内田と申します。死にたいほどつらいお気持ちのツイートを拝見しました。気の利いた返答は不得手ですが、差し支えなければお話聞かせていただけませんか?」、のような挨拶DMを送るようなことでしょうかね。問題ありません。

(2)同じ地域にいる部員と一緒に自殺予防活動してもよいか

「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」や自予活クラブのフォローアップ研修会などで知り合った部員同士であれば、積極的に協力し合って自殺予防活動に取り組んで下さい。活動の際に、所属先を問われる場面があれば「SPbyMDグループのNPO・自予活クラブに所属しているゲートキーパーです」と返答して下さって構いません。部員がひとりぼっちで自殺予防活動に取り組むよりも、せっかく同じ地域に部員がいるのであれば、大いに集まって取り組んで下さい。

(3)Twitterにおいて悩み相談の活動をしてもよいか

もちろん構いません。基本的に個人情報は教えてもらえない匿名相談が多いために、相談者がお住まいの地域の支援機関にゲートキーパー側からバトンタッチしようとしても、情報共有ができず困り果ててしまうことも多々あると思いますが、自予活クラブのフォローアップを上手に活用しながら、Twitterで悩み相談の活動が継続的に続くよう祈っております。

(4)現在の部員の男女比を知りたい

2020年12月1日現時点で、自予活クラブ部員は計80名おり、そのうち27名が男性で、53名が女性です。

(5)同じ地域にどのくらいの部員がいるのか知りたい

次の通りですが、2018年3月に帯広市役所と共同主催で開講した回については、申込者リストを持っていないため、自予活クラブの部員に登録できておりません。悪しからず。また、必ずしも開講地と受講者の住居地はイコールではないため、受講地ではなく部員の住居地に基づいて計算しております。
 ・札幌市内 38名
 ・旭川市内 1名
 ・滝川市内 1名
 ・深川市内 3名
 ・砂川市内 1名
 ・小樽市内 5名
 ・帯広市内 2名
 ・江別市内 2名
 ・千歳市内 2名
 ・栗山町内 1名
 ・比布町内 1名
 ・岩見沢市内 7名
 ・北広島市内 2名
 ・道  外 3名
 ・不  明 11名
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  総計 80名

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4.その他の質問
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(1)ゲートキーパーとしての最も重要な心得を知りたい

ひとりぼっちではないこと・悩みを聴くことなどを相手に伝えることだと思います。SNS上でお互いの顔や声がわからない状況でも、悩んでいる気持ち・感情・思いを理解できるよう努めて寄り添う態度を、相談者にまず伝えることが重要だと思います。同感や同情ではなく「共感」です。共感=empathy、同感=sympathy。

(2)自殺念慮者や企図者を助けられなかった際の心得を知りたい

助けられなかった際というのは、自分がゲートキーパーとして関わった相手が自殺を遂げてしまった場合もありますが、悩み相談を受けている途中で自分から離れてしまったり電話を切られてしまったりした場合などもあるでしょう。ゲートキーパーとして自分にできる範囲で一生懸命になって行動したのであれば、助けられなかったとしても「致し方無い」「自分にできる精いっぱいの支援はした」と諦めて下さい。自分を責める必要はありません。

(3)新型コロナの影響を除いて日本の自殺者数は減っていないのか

新型コロナの影響を除くならば、日本の自殺者数は減少傾向にあります。政府・都道府県・市町村が自殺対策に真剣に取り組むようになってきたことで、国民ひとりひとりの自殺問題に対する意識(危機感)が、啓発されてきました。

(4)地域の自殺念慮者や企図者を支援に繋げるにはどうすればよいか

地域の自殺念慮者や企図者を支援に繋げるために手っ取り早いのは、地域にある相談窓口や支援機関の存在を分かりやすく示す(=案内する)ことです。精神保健福祉センター・保健センター・保健所などの精神保健福祉の相談窓口を示して下さい。現にいま困りごとを抱えている市民でも、意外とこうした相談窓口が存在すること自体知らないという方も少なくありません。

もし、親しい間柄であれば、一緒に相談窓口に電話してみたり、一緒に訪問してみることをおすすめします。「〇〇駅の近くにA相談窓口があるから行ってみたら?」よりも「〇〇駅の近くにA相談窓口があるから一緒に行ってみないかい?」のほうが、支援に繋がり易いと思います。

(5)自分の大切な人に予め自分がゲートキーパーになることを伝えておくべきか

うーん、伝え方次第で恩着せがましくもなれば、失礼だなと思われてしまうようにもなります…。例えば友人に「お前が自殺したい気持ちになるようなことが将来的に起きた時は、俺がお前の命を守るゲートキーパーになるからな♪」という伝え方をするのは好ましくないと思います。自分が自殺したい気持ちになるような出来事が今後起こることになるかもしれないなんて縁起でもない…って思っちゃいます。

もし伝えておきたいのであれば、何か雑談している時などに「そういえば俺ゲートキーパーっていう自殺予防の勉強し始めたんだ〜」と何気なく日常のエピソードのひとつとして話しておくくらいで良いと思います。つまり、直球で伝えておく必要はあまりなく、日常的にちょこっと伏線を張っておくくらい。すると、その友人に"もしもの時"が万が一にでも訪れて、自分の自殺したいほどのつらい気持ちや悩みを真剣に聞いてくれる奴いないかな…と思うような場面で、あなたの顔が脳裏に浮かぶでしょう。そういえば以前あいつ自殺予防の勉強してるとか話してたっけな…、あいつならもしかしたら聞いてくれるかもしれないな…、と。

補足ですが、既に今が"もしもの時"なのであれば、一秒でも早く直球で伝えて下さい。「お前が抱えている自殺したいほどのつらい気持ち・悩み、俺が聞くよ」と。

(6)駅前などで自殺予防の啓発活動を行う際に何を配布したらよいか

初めてご自身で制作〜配布まで一貫してやってみたい方は「お住まいの地域にある精神保健福祉の相談窓口ご案内」のパンフレットをおすすめします。先述しましたが、地域の自殺念慮者や企図者を支援に繋げるために手っ取り早いのは、地域にある相談窓口や支援機関の存在を分かりやすく示す運動を行うことです。駅前や大型ショッピングモールの出入口で、行き交う市民たちにパンフレットを配布することによって、効率よく叶います。予算に余裕があればポケットティッシュとセットで配布すると受け取ってもらい易いです。

(7)先進諸国の中でも日本の自殺者数が未だ多い要因として何が考えられるか

大きな要因の1つには「精神障害者」「精神疾患」に対する偏見や差別が、世の中にまだ根強く残っていることが関係していると考えられます。自殺と深い関係のある精神疾患に「うつ病」「統合失調症」「双極性障害」などが存在します。専門の医療機関で治療することによって、自殺を回避できる可能性はあります。しかしながら、日本では精神障害者に対する偏見や差別が強くあり、自殺防止の妨げになっているのではないかと思います。家族や友達や勤務先から適切なサポートやケアを受けることができないと、自殺に追い込まれるリスクは高まります。

(8)土屋講師が自殺対策従事者としての活動を続けてこれた原動力を知りたい

現在、「ゲートキーパー養成講習」の講師として活動をしています。受講者から届く講習の感想を読むことによって、私は自分自身が救われていることを感じることができています。私は「人を助けたい精神」を持っていません。自殺未遂者であり、友達を自殺で亡くした当事者として「自分自身を救うため」に活動しています。その精神が、原動力です。

(9)内田講師が自殺対策従事者としての活動を続けてこれた原動力を知りたい

僕が自殺対策に携わり始めてかれこれ10年目に突入するでしょうか。最初は我が国が抱える深刻な社会問題のひとつとして自殺問題に関心を持ち、高校時代からの親友と一緒に勉強するようになったのが始まりでした。2013年に自殺予防団体-SPbyMD-を設立させて、現在のような自殺予防活動を続けてこれた原動力は使命感です。幸せに生きて幸せに死ぬことのできる北海道をつくることが、僕が生まれてきた理由でもあり、僕の人生の意義でもあります。そうした使命感に満ち溢れているからこそ、自殺対策従事者としての活動を続けてこれたと思います。

(10)竹内講師が自殺対策従事者としての活動を続けてこれた原動力を知りたい

それは教え子や大学時代の後輩の自殺が一番大きいです。彼らの死をむだにしたくありません。死を選ばざるを得ないほど、彼らを追い込んだものが何なのか、これからも探り続けていきたいです。そして1人でも多くの人が、死ではなく、生を選ぶような社会を、みんなでつくっていきたいです。

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編集後記「新型コロナによる自殺者を増やさないためには」
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新型コロナは一時的に終息したように思えても必ず第2波・第3波が続いてきます。新型コロナよりも歴史の長い「インフルエンザ」や「ノロウイルス」を見るに明らかです。波のように増えてきたらガツンと対策を打ち出し、国民一人ひとりの心掛けにより、わずかな期間その波が穏やかになります。そこですかさず、GoToキャンペーンのような大々的な経済活動を全国各地で活発に盛り上げることで、生きていくために必要なお金を作り出していくことになります。もちろん、新型コロナは全く消滅したわけではないため、また第3波が訪れてしまうことは必然的です。

しかしながら、新型コロナがまた増えてしまうからといって、「全国各地を巻き込む大きな経済活動は永遠に自粛したままであるべきだ」などという主張は、国が現在よりも強固な社会保障制度を完成させていない限りはただの暴論となります。経済活動自粛とは、生きていくために必要なお金を作り出せないということです。国がしっかりと国民一人ひとりが安心して生きていけるだけの社会保障制度を整えていかない限りは、新型コロナによる自殺者増加を防ぐことは大変に困難でありましょう。ここからも分かるように、社会福祉は自殺対策のひとつです。

「今後も一日も早い終息を祈るばかり」との声、確かにそうですが、現在の第2波が終息しても必ず第3波が訪れてしますことは確定しています。筆者は自殺対策従事者として「一日も早く現在よりも力強い頼もしい安心できる社会保障制度を組みあげることを祈りばかり」との想いを持ちます。もとい、祈るばかりではなく、我々一人ひとりが国に対して呼び掛けていく、声を届けていく活動を行うことも必要なのではないかと思う日々です。そして言うまでもなく、自殺対策に積極的に携わりたいという強い気持ちを持っている部員の皆様が、悩める人たち、困っている人たちのゲートキーパーとして地道に自殺予防活動を行うことも、新型コロナによる自殺者を増やさないために欠かせない行動ではないかと思っています。

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SPbyMDグループ
共益系NPO・自予活クラブ
【当記事の文責】講師陣:内田貴之
【HP】https://jiyokatsu-spbymd.jimdofree.com/
【E-mail】jiyokatsu.spbymd@gmail.com
【拠点】北海道札幌市北区に所在
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2020年11月05日

1/9・10 部活のお知らせ

自予活クラブ主催合宿研修会2021
こころの通う悩みの聴き方〈対話法〉
〜スキルを磨こう!!フォローアップ!!〜


前回2020年1月末に行なった自殺予防団体-SPbyMD-主催の合宿研修会が大変好評だったため、今回は自予活クラブ主催で部員のフォローアップを目的とした合宿研修会を行います。前回同様、群馬県から〈対話法〉の生みの親「浅野良雄」先生をお招きします。可能な限り宿泊をし、部員同士の親睦も深め合いながら、共にスキルを磨きましょう!!さらに1日目(1/9)は、札幌市社会福祉総合センターで開講する「こころの通う対話のできるゲートキーパー養成講習」を浅野先生と一緒に受講できるまたと無い稀少なチャンスです。

【日にち】
2021年1月9・10日(土日)
※土日が難しい方は前日18時以降にぜひお越し下さい

【会場】
道民の自殺予防拠点~めいめい~
地下室きたきたルーム
(札幌市北区北27条西8丁目)

【参加費】
2,000円
(当日徴収)

【対象者】
自予活クラブ部員
自殺予防団体-SPbyMD-メンバー
1/9のGK養成講習を受講修了する方もOK!!

【定員】
最大10名

【申込】
https://is.gd/3tlFlk
※申込締切は2020年12月31日まで
※QRコードでも申込可能です
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タグ:合宿