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看板を掲げて [2021年11月15日(Mon)]
【連続記事】自殺防止ー2021
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4722


看板を掲げて

 〜 慢性化したうつ病でも治して

マインドフルネスSIMTの看板を掲げて支援する人の写真です。

https://www.facebook.com/photo?fbid=2964614127201016&set=a.1403809523281492

https://www.facebook.com/photo/?fbid=2964615637200865&set=a.1403809523281492

 つらくなって「死にたい」それは、治る病気かもしれません。
 通りかかった時に、目にとまりますように。
 インターネットだけでは伝わらない、看板で。

 薬物療法、認知行動療法、無評価観察のマインドフルネスで治らない場合でも、対人場面での、 見方考え方にある表現の影響を「観察評価」するマインドフルネスSIMTで治る人もかなりおられます。
SIMTは、原則として薬物療法と併用して実践していきます。しかし、副作用などで薬を服用できていないひとは、SIMT単独で実践できます。
 二度とない人生、大切ないのち、あきらめないで。
【連続記事】自殺防止ー2021
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4722
Posted by MF総研/大田 at 07:54 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
(9)執筆、講義などで忙しいと臨床もできなくなる [2021年08月26日(Thu)]

(9)執筆、講義などで忙しいと臨床もできなくなる

 7月22日から、このブログを更新できない状況が続いています。 執筆。講義などで忙しいと臨床もできなくなります。ブログ更新も執筆の一つです。 つらい精神疾患をかかえた人は、治るまでに1年使くかかります。文献研究、執筆、講義に忙しいと、臨床ができなくなります。自殺防止のために、精神療法を提供する臨床者が多数必です。そうでないと、最も下流にあたる自防止の支援者がいないと自殺が減少しません。

 40歳のころ、うつ病になり、禅で治ってから、人生が大きく変化しました。
 ここ30年近くの人生では、私の人生価値(基幹価値)は「日本的マインドフルネスSIMTの開発及び普及」ということです。
 この大きな価値の中でも、次のような中小の価値(枝価値)があります。

★研究=マインドフルネスSIMTに関連する科学学問の文献検討
  仏教学、禅学、西田哲学、内外の人間哲学、エゴイズム・闇の心の哲学、幸福の哲学、脳神経生理学、精神医学、マインドフルネス学、禅と日本文化の研究(「「マインドフルネス心の世界遺産」)など。

★臨床(治す支援)=うつ病、非定型うつ病、適応障害、パニック症, PTSD、過食症、家族の人間関係等で悩む患者(クライアント)に、マインドフルネスSIMTでの直接支援。25年になる。
 日本に昔からあった、我見我利我執((専門家のものを現代語でいえば、エゴイズム、闇の心、ハラスメントなどという)を評価観察し抑制する、深い禅を現代的に構成したマインドフルネス、自己洞察瞑想療法(SIMT)。 マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマークの資格創設。  最近は、地方創生SDGsの事業として実施中。
http://mindfulness.jp/sdgs/mokuji-sdgs.htm
http://mindfulness.jp/sdgs/20-02-target3-4.pdf
 苦悩する人に直接かかわるので、これを最も重視する。薬物療法では治らない難治性のうつ病、パニック症、過食症、PTSDの患者であり、長期間治らない患者が大部分であって、支援も長期にわたる。だから、この活動には、多くの時間をかけることが必要になる。SIMTならば、一人が、治るまで10カ月かかる。
 10のセッションを毎月1−2回説明、これに1時間30分、日記を見ての積積的なアドバイスを書いて郵送する仕事に毎月一人1回、2−5時間(もっと多くかかる人もいる)、メール、電話での質疑応答、クライアントによってかかる時間が違う。
  かかえる病気、おかれた状況、育ってきた家庭環境の違いがあり、患者の苦悩は多様であり、支援ではこれが、もっとも重要であり、もっとも難しく、エネルギーを使う。カウンセラーも長期には、自己や家族に悩み事も生じるし、心身の不調もありえる。その状態であっても、コミュニケーションには冷静でなければならず、こちらも疲弊しないようにしなければならない。応答が失敗すると、自殺されるかもしれないクライアントのいのちがかかっている、ほかの人がやりたがらない仕事であろう。支援者になるひとが大変少ない。慢性うつ病、慢性パニック症、慢性の過食症などは、ボランティアではするひとがほとんどいない。各人には、食べるため子どもの教育のため収入を得ることにもなる本業があるからである。
 こういう難治性の疾患には、認知行動療法、対人関係療法があり、マインドフルネス心理療法も認知行動療法であり、MBCT,SIMTなどがうつ病に効果がある。政府が真剣に検討して、医師または心理士による新しい治療組織をたちあげるべきである。そして、患者が誰でもわかるように、各都道府県はここで行っていると明示すべきである。情報が届かないと、自殺が起きてしまう。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4052

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4489
★哲学においても、研究室での文字研究思索と、現場での臨床とは別ものです。西田哲学にも、実践哲学(注)があるのですが、現場で実践している哲学者を見つけることは困難です。だから、西田哲学の真意は社会に還元されていません。
 (注)特に西田が実践を論じた2つの論文がある。「実践哲学序論」「ポイエシスとプラクシス(実践哲学序論補説)」

★臨床(予防支援)=予防的なマインドフルネスSIMTの実践会、「マインドフルネス心の健康体操」。1か所で1−2時間、コロナで中止した場所もあり、今は、2か所で、月3回。 新刊本で紹介する3人の故人は終末近くまでこの会に参加された人。
 新刊本の出版後は、がん患者さん向けの実践会を別な形で開催したい。告知されて1年以内に多い自殺を予防する。そして、10年も続く闘病期間も。うつが発症してしまった患者さんの「支援は、上記の★臨床(治す支援)になるでしょう。ただし、多数はできませんね。支援者になる人が多数現れてほしい。ターミナルケアまで続く。

★講演=時々、依頼によって行う。最近は、SDGsとして行う。
 うつ病などが治らない、自殺が起きる。どうしたらよいか。今、どこも、新型コロナ感染症の対策に多忙であるから、これが収束してから、とりかかっていただくようにお願いしたい。

★機関誌「マインドフルネス精神療法」の編集、執筆
 日本で唯一のマインドフルネス心理療法の専門雑誌。今は、執筆者が少ないので、毎年1回。機関誌第7号は、SDGsのターゲット3.4自殺の減少にマインドフルネスSIMTを活用していただけるように、SDGsの自殺減少対策とマインドフルネスSIMTを特集として、編集中。全国の都道府県の「SDGs担当部局」に送るつもり。コロナが収束したら、協同事業をお願いしたい。

★新刊本の執筆=マインドフルネスSIMTの本は、2冊刊行しましたが、3冊目を執筆中です。3冊目は、最も深いマインドフルネスSIMTです。絶対無、禅の悟りに該当するところまでをカバー。特に、がん患者の「死」の問題の観察探求まで。対象的な自己を超える日本的霊性というもの。がん患の自殺防止にもなればと。
 右矢印1 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2302

 そして、どうしても公刊して書き残しておきたいテーマがある。専門家のエゴイズム、心の闇。公益よりも私益をとる。オルテガほか多くの哲学者がいう大学人の闇の心。 真実探求の科学者のはずなのに。 「マインドフルネス」にもある。

★講義=マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマーク(MMT)の認定講座
  もう、私に時間がないので、これは若手のMMTにやっていただきます。テキスト執筆はまだ残っています。10回の講座で、30冊くらいのテキストの改訂、印刷。新しい成果で改訂していく必要がある。

★マインドフルネス精神療法研究会=深いマインドフルネス、西田哲学、人生の哲学などを検討し、実践もする会。 新型コロナ感染症により、今は、休止中。新刊本の出版後は、それも基本的テキストになるでしょう。がん患者さんのための実践会は別にする予定。

★ブログでの広報=このブログです。 自己、人生についての認識論(どう見るか)、実践論(どう生きるか、評価の現場ではどう観察するか、闘病の生活・病床では?)、実在論(真の自己とは何か)についての、仏教学、禅学、マインドフルネス学、精神医学、脳神経生理学、哲学などの成果をご紹介しています。

 高齢、病気、介護される状態になっていく、最期までできるのは、臨床(治す)でしょう。事務、ITなどで支援してくださる人の支援を受けながら。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3622
★臨床試験も。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4867
★第3の痛みにも

このうちで、この1か月は

 私の人生価値として、簡単に「日本的マインドフルネスSIMTの開発及び普及」と いっても、細分化すると、このように中小の価値(枝価値)があります。それぞれが、全く別の世界になります。目的も内容も参加される人も別なひとたちです。双方向とそうでないものもあります。すべては、評価される世界ですが。そして、こんなに違う世界ですから、 同時に2つはできないと、リネハンがいうとおりです。

 そして、日本では、すでに、1945年に亡くなった西田幾多郎が教えていました。叡智的自己の限界です。自己の本務しかできません。他のことは全く眼中にありません。自己のことしか見えません。難治性のうつ病などを治すことを本務とする特別の任務を持つ人たちを各都道府県に置かないといけないのではないでしょうか。

 ★SDGsの事業としての臨床は、引き受けたひとがいるので、そして、新たに希望するひとが現れるので、各人10か月、やめるわけにはいきませんので、継続しています。
 そして、7月以来、★機関誌「マインドフルネス精神療法」の編集、執筆、および、★新刊本の執筆がピークに達しています。

 これら、3つの枝価値の遂行のために、このブログの更新をできなくなっています。このブログも、かなりエネルギーを要します。最近、発言や研究が、差別、ハラスメント、偏見だと批判される事件が頻発しています。そのようなことにならないように、根拠ある情報を発信したいと気をつけています。最近「マインドフルネス」をいうひとも差別的だと批判されましたね。そのようなことにならないように、このブログも時間をかけて更新させていただいています。すべて、価値の 現場は「評価」の世界です。無評価の観察の時とは違う世界です。

 学者のように、文献研究、論文や本の執筆を次々とやっていれば、臨床する時間もエネルギーもなくなるでしょう。慢性うつ病の臨床だけをする新しい専門職が必要です。 当事者による陳情 がないと変わらないのでは?

 機関誌、新刊本の仕事はまもなく完了しそうです。

 うつ病などが治らないひとがいますが、背景には色々な事情や経歴をかかえており、それがゆえに薬物療法では治りにくいようであり、その改善の支援をする場合、多大の時間を要します。一人のSIMTのカウンセラーが支援できる人数は、フルタイムで働いても、年間100人前後ではないでしょうか。複数体制で、オンライン、スマホなどを多用すれば、もっと多くのクライアントを支援できるでしょう。
 うつ病などを治して復帰してもらうとか、自殺をなくすためには、各都道府県にSIMTの臨床ができるひとが多数必要でしょう。もしほかの心理療法があれば、それでもいいですが。難治性ですから、新しい療法が必要な人が多いでしょう。
 うつ病そのものを発症させないとか、軽症のうちに回復させるためには、中学、高校、大学で予防的な教育も導入すればいいと思います。

 このブログのどの記事がアクセスされたか、わかる機能があります。(記事ごともアクセス数だけです。どなたがアクセスしたかは、もちろんわかりません。) この2,3日、次の記事がアクセスされました。関心を持ってくださるのでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4796
 ★中学生の自殺予防教育

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2108
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3046
 ★うつ病が治らないひとが2−3割
   治らないから自殺されていく! 
   うつ病は、「自殺したくなる」という深刻な症状がある。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3732
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3383
 ★円環的限定=すべての人の心の最も深いところで働いている作用があり、対象的にはつかめない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3881
 ★忖度社会ニッポン、傲慢人間

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3891
 ★日本の組織の病。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4096
 ★ドイツの哲学者ガブリエル、日本には1000年前から実践哲学があった。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3460
 ★早稲田大学でのマインドフルネスの講義

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3428
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3379
 ★日本の宗教者、学者の思想的な怠惰を叱責する人

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4630
 ★深い宗教のテキストは不変だが解釈が変わる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4834
【連続記事】一体どういうリソースなのか
 =薬物療法で治らないうつ病などが治るような長期的な支援をして自殺を減少させるのは
Posted by MF総研/大田 at 18:20 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
専門家はみなエゴイストになる=第9回 西田哲学の場所の論理と行為的直観 [2020年02月17日(Mon)]
今年度のマインドフルネス瞑想療法士🄬の認定講座は6月から開始です。受付中です。3月31日までに申し込みの人には割引があります。
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/2014kouza.htm

専門家はみなエゴイストになる
 第9回 西田哲学の場所の論理と行為的直観

 昨日は「マインドフルネス瞑想療法士」の認定講座の第9回でした。

主なテーマは叡智的自己、行為的直観でした。 マインドフルネス(正念、自己洞察、自己の観察)の哲学は歴史的に大きく変化しました。

 7回で、インド初期仏教の哲学を検討しました。六道輪廻からの解脱です。四諦八正道で深く観察実践すると解脱するわけです。東南アジアではこの実践が盛んです。

8回で、道元禅師の禅による自己洞察を学習しました。宗教団体の外では武士が支配階級となり庶民から年貢を徴収する時代、武士でない庶民は働いて年貢をおさめなければならない時代で、それを免除された僧が京都郊外の宝慶寺、越前永平寺で実践したもの。家族、職を捨てた人が中心であった頃成立したもの。現在では「目的を持たない」という学説が主流でした。しかし、深い哲学があるのを8回で見ましたが、大竹晋氏が指摘したように、見失われているようです。宗教や学問にも、自分の嫌いなものできないものは否定したり無視するかもしれませんが、自己都合を優先する見解が入り込むおそれがあります。自己の立場に立たない学問でないと真相が知らされず一般国民は浮かばれません。

自己探求の「正念」「マインドフルネス」を実践したい現代の人々とは時代、環境が大きく変化しました。家族の場、職場ではそのままでは従来の仏教は適用できないという西田哲学。現代の環境を足場にした「マインドフルネス」(見る、考え、行為にあるエゴイズム独断の評価の観察が重要)でなければなりません(西田哲学の「至誠」)。

(1)場所的論理と自己の階層

 意識作用には階層があります。それに応じて、自己の階層の深まりがあります。 マインドフルネス瞑想療法士🄬(MMT)になるための講座は意志的自己の意志作用の反応の仕方のトレーニング方法を習得することです。MMTは西田哲学のうちでも意志的自己の意志作用の実践化ですが、MMTはさらに深い叡智的自己の行為的直観、人格的自己の創造的直観も概略を学習しておきます。 希望者のみ、マインドフルネス精神療法研究会で行為的直観、創造的直観への哲学学習と実践体得を目指します。(MMTでなくても研究会の会員になれます。)

(2)叡智的自己および行為的直観

 このような内容です。(⇒テキスト目次)
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/simt-sousho/01-mokuji.pdf

 (これを、15日の「マインドフルネス精神療法研究会」でも、学習しました)
何らかの価値を明確にもつ人(現代のすべての職業を持つ人も専門家も、家庭の主婦も)は叡智的自己であり、行為的直観を用いるが、その哲学的な意味を知らない。
叡智的自己とは何か。よく哲学を知るものは、叡智的自己のエゴイズムを抑制して「至誠の叡智的自己」としていき、他の叡智的自己と共生できる。
しかし、「独断の叡智的自己」が多く、自分に執着し他を排除し共生しようとしない傾向がある。特にオルテガが指摘したのは、大学人です。自分の学説に必死になります。名誉、収入、生きがいを得られるからという叡智的自己、行為的直観の典型だからです。

★道徳的叡智的自己
 各種の組織で、部下、構成員の至誠の行動を排除し自由を束縛して、また、組織外の至誠の人の活動を無視、妨害しがちとなり、社会全体の問題解決・発展を妨害する傾向があります。 すべての専門家がこうなる傾向があることを西田哲学が論理的に明らかにしています。 エゴイズムなのに、その多くがそれを自覚していません。
 自己のエゴイズムに苦悩する専門家は少ないですが、自己の闇を自覚して苦悩する専門家がいます。これを道徳的叡智的自己といいます。この人が救われるためには自己の絶対に無なることを体験して人格的自己に回心するしかないといいます。多くの専門家はそこまで真剣になりません。大学人に独断が多いとオルテガが指摘しています。だから、社会の発展が遅れます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3616 ★専門家のエゴイズム

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4413
★専門家のエゴイズム

(3)行為的直観

 叡智的自己は、意志作用ではなくて行為的直観を用いるが、その哲学的な説明を知らない。 西田哲学によれば、人は重層した集団(民族、国、宗教、組織、学派など)の立場で行為的直観で社会のために行動しているが、行為的直観は対象的に「観察」できる作用ではないから意識できない。通常の対象的意識のマインドフルネス(観察)ではわからない。意志作用を内奥に超えた作用である。
集団(種の論理)の立場で、集団(結局は構成員個人か組織)の利益のために「我こそは最善」と主張し争う(「種の生成発展の問題」)。 このことは人間の構造と我利我執が人間の本質であるから、それが起きるのが避けられない(西田哲学が「種」の論理)。
(我利我執が本質的=自分を基体化する
 ⇒ https://blog.canpan.info/jitou/archive/2218

 そのためもあって、必ずしもどれがよいものが市民には知られない。行為的直観のありさまは、従来の仏教、禅(目的のない坐禅か公案による深い実践の2極化で中間が教えられない)でも説明されていないようである。もちろん、欧米発のマインドフルネスでもここまでは観察していない。
やはり、現代人は知っておくべき、自己の有様であろう。専門家は、自己中心性、自己を基体化する心の闇を持つ。これが、社会の発展を遅らせる。多くの哲学者が指摘している。

 このような内容です。 (⇒テキスト目次)
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/simt-sousho/01-mokuji.pdf

(4)セッション9

本『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社)の セッション9にあるマインドフルネスSIMTの自己と世界の見方は 行為的直観を浅い意志的自己の見方で説明したもの。このような見方で、うつ病や不安症/不安障害などの問題の改善への動機づけとなると思う。 もちろんマインドフルネスSIMTは、心の病気の人ばかりではなく、エゴイズムで行為してしまう専門家であるすべての人に実践してもらいたい。叡智的自己への入門となる。古来より行われてきた坐禅(深い)による自己の真相の入門となる。

 次回の最終回(10回)は、至誠の叡智的自己が現実の生活の中で、どのようなマインドフルネス実践をするように西田哲学ではいうか。後期西田哲学の実践論です。一言でいえば、「至誠」。 独断を捨てて見、独断を捨てて考え、独断を捨てて働く(行為する)である。 これを実践していると、昔から日本の禅でいっていた悟り(絶対無の体験=見性、身心脱落)ということが起こり、人格的自己の自覚となる。(「場所的論理と宗教的世界観」)
 日本には、昔からこの深い自己を探求してきた人々によって独特の文化を作ってきた。道元、世阿弥、千利休、松尾芭蕉などもそうであり、東山魁夷、河井寛次郎の芸術家もそうである。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/ix-soudanin.htm 
★10回全部の目次
Posted by MF総研/大田 at 10:08 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
今年もよろしくお願いいたします。 [2020年01月06日(Mon)]
今年もよろしくお願いいたします。

3月まで、マインドフルネス瞑想療法士🄬の認定講座を継続いたします。

意志的自己レベルのマインドフルネスSIMTで、うつ病、パニック症、PTSDなどを改善したい人の相談を受けます。SIMTで改善できるかどうかいっしょに考えて対策を提案します。継続のセッションが必要なひとには、マインドフルネス瞑想療法士🄬を紹介します。

毎月1回、マインドフルネス心の健康体操を継続します。会員制のものと誰でも参加できる場があります。 心の病気の予防や軽い心の病気のかたが参加できます。重い人は、マインドフルネス瞑想療法士🄬による個別セッションをご紹介します。

毎月1回、マインドフルネス精神療法研究会を開催します。意志的自己のマインドフルネスSIMTの確認、叡智的自己、人格的自己の哲学の学習、研究、実践をします。MBSRなどとは違う、西田哲学の実践化です。自己洞察瞑想も叡智的瞑想をします。絶対無を理解し信じられるひとは創造的瞑想を実践します。

5月にマインドフルネス精神療法研究発表大会を開催します。

5月に、日本唯一の「マインドフルネス」の雑誌「マインドフルネス精神療法」第6号を発行します。

6月から10か月かけて、マインドフルネス瞑想療法士🄬の認定講座を開催します。

宗教以前であるが叡智的自己レベルまで、そして宗教(超越)レベルまでをカバーするマインドフルネスの本を発売したいです。すなわち、自己を観察するすべての階層のマインドフルネスです。哲学者も、超越の幸福がなければならないと主張しています。
 がんになった人、介護状態でもう仕事もままならない、うつが治らない、いつ死ぬかもわからない、・・・、死を意識する人の求めるマインドフルネスは、これかもしれませんし、これでも不足のはずです。超越のマインドフルネスは宗教ではなく、哲学ですから限界がありません。研究が続きます。

こんな叫び声がありそうですが、無視傍観され続けます。
「宗教で救われるのか!  集中力じゃない!、対人恐怖じゃない!、対人関係どころではない! どういきるかどころではない!、目的のない坐禅ではない! 公案じゃない!」

 こういうものを全否定しているのではないのです。人によっては切羽詰まった人がいるのです。悩み苦しみ関心はみな違うので、個人個人に応じて臨機応変に対応してくれる心理カウンセラーのようなマインドフルネス支援者が必要なのです。

マインドフルネス、仏教の再検討

 最近、マインドフルネス、仏教、哲学で従来の学問的な見解に重要な疑義を呈する主張がありました。

ジョン・カバット・ジンの提案したマインドフルネスは無評価での観察を定義としますが、「それは生存のために良い評価を得なくてはいけないという防衛状態とは両立しません」(ポージェス,245頁)と指摘されました。良い評価を必要とする現場は、家庭、すべての職場、病院や学校、インターネットの世界など、対人関係のあるほとんどすべての生活現場です。「無評価」をどこでも使うということはできません。
 当然のことですが、日本の哲学者は人生の現場は評価される場所、価値を崩壊しないか評価選択していくといいます。

日本の仏教は大乗仏教の自内證、利他、自己成長の3つの核心を失っていると指摘されました(大竹晋.2019a)。利他をしないことを自己合理化する学説がありましたが、檀家信者の苦悩の解決をしないで、宗教と言えるのでしょうか。出家や仏教研究者の都合のよい解釈をしていて、大乗仏教の主張した自己成長の実践をしているといえるでしょうか。また、道元は悟りの体験を否定しているという学説がありましたが、やはり道元も大乗仏教のように自内證の体験を否定していないという学説がまた発表されました(大竹晋,2019b)。

 「幸福」とは何かということも哲学の重要なテーマですが、これまでの「幸福論」や「幸福の哲学」について厳しい批判が提出されました。人が幸福になるということは、宗教やマインドフルネスと関係があります。なぜなら、解決したい悩みや問題があれば、幸福ではないし、宗教が救済する問題であるかもしれないからです。西田哲学も「独断」が自己他者組織を苦しめる行為になると指摘しているからです。そして、幸福の哲学を論じた哲学者が、言葉にできない超越的幸福があると主張したのです。マインドフルネスも、日本仏教も超越を避けてきました。そうなると、超越的なものでないと救済されない問題を抱えた人は、幸福になれないことになります。

 もし、専門家が自己都合のためにこうした問題を回避したり、わからないからといって否定したりするのは、苦悩するひとを無視、傍観すること、自分の責任を軽くするような回避の心理が働き、結果的に救済を妨害することに加担していることになるかもしれません。自内證、利他や自己成長をしなくてもすむような見解は「仏教を単に現世において楽に生きるための道具へと堕落させてしまう危険性をはらんでいる」と大竹氏は指摘します(2019b,p272)。

 家族、職場のひとの幸福のために、マインドフルネスや仏教は再検討をせまられています。

大竹晋,2019a『大乗非仏説を超えて』国書刊行会
大竹晋,2019b『「悟り体験」を読む』新潮社
ステファン・W・ポージェス,2018『ポリヴェーガル理論入門』春秋社


【目次】哲学、宗教、仏教学、心理学、医学、脳神経科学、精神療法、マインドフルネス、マインドフルネス学、留まることのない哲学に導かれるマインドフルネス実践
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4500
 (記事4500から4529まで)
★瞑想とはどういう意義があるかー「マインドフルネス瞑想の哲学」
【目次】瞑想とは何か。それ自体には「目的」もなく「価値」もないのか 。
 キリスト教の哲学者が考える「神」とは何かとの関連。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4498
★真言宗の弘法大師空海による阿字観も 現代人のためのマインドフルネス瞑想にできるのでは
   =真言宗の専門家に期待

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4494
★臨済宗の「公案を用いて見性を重視する禅」を「宗教の課題」から評価すると

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4492
★坐禅さえすればいいという説

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4490
★学者なら存在した宗教のあるがままを解明すべきであって、自分の宗教を捏造すべきでない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4489
★哲学者と現場をつなぐ臨床哲学

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4488
★哲学とは現実を直視する・普遍性への要求

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4484
★哲学には丁寧な検討を重ねていく学問的な誠実さがある

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4482
★哲学とは、哲学のテーマ
哲学とはあくまでも自分固有の人生に対する実感に忠実に、しかもあたかもそこに普遍性が成り立ちうるかのように精確な言語によるコミュニケーションを求め続ける営み

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4480
★哲学と宗教
 哲学は真理探求をし続ける。宗教は「我のこそは真理でああると主張する。 宗教は真理を信ずるが、哲学はそれを知ろうとする。真理を信ずるということは、その根拠を問わないということである。これに対して、哲学は、どこまでもその根拠を問うことである。つねに真理への途上にあるのであって、真理に到達してしまって、そこに安らぐということはない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478
★仏教者の仏教解釈、是認してきた仏教学者、それを批判する仏教学者
仏教者は大乗仏教の核心を失っている。それを従来の仏教学者も是認してきた。
「仏教を単に現世において楽に生きるための道具へと堕落させてしまう危険性をはらんでいる」と大竹氏は指摘

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4476
★西田哲学
「哲学の諸問題をめぐって、さまざまな学派によってなされる議論、しかも真理の解明に向けてなされる「共同作業の場」において、西田の哲学や、京都学派の哲学が、独自の貢献をする学派として登場してきた、あるいは登場することが期待されているという意味で言われている。」


【目次】哲学、宗教、仏教学、心理学、医学、脳神経科学、精神療法、マインドフルネス、マインドフルネス学、留まることのない哲学に導かれるマインドフルネス実践
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478

Posted by MF総研/大田 at 18:02 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
昨日は、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座の第7回でした。 [2019年12月16日(Mon)]

マインドフルネス瞑想療法士認定講座の第7講義

 昨日は、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座の第7回でした。

 最近、欧米の「マインドフルネス」には、いくつかの問題が指摘されてきましたので、どういうことなのか焦点をあてながら、「初期仏教」を概観しました。

 自己の意識現象を観察することは、初期仏教、禅、西田哲学にありますので、その哲学と観察方法を学習します。8回目が「道元禅」にある人間哲学、9,10回目が西田哲学にある人間哲学です。それぞれ、観察の方法があります。両方とも「超越」まであります。それが哲学者の一致した見解です。

第7講義  初期仏教の実践と哲学思想の問題

第1 テキスト
「マインドフルネス心理療法入門講座7回目レジメ」
(A)『マインドフルネスSIMT基礎講座 第7』
   =初期仏教の実践と哲学思想の問題
(B) 『初期仏教のマインドフルネス 〜 「正念」の方法』
(C) 『パニック症と広場恐怖症』
(D)『初期仏教のヴィパッサナー瞑想の現代的活用と検討』

第1 初期仏教にある正念とマインドフルネスの問題

1)マインドフルネスは哲学なしでいいのか
  ビパッサナー瞑想は、
  東南アジア諸国に伝わるパーリ仏教の方法
  釈尊の直説ではない。
2)三世実有・六道輪廻
3)初期仏教の解脱・涅槃・悟り
4)僧侶の修行の進度・聖者に4段階
  最高の阿羅漢になれることはとても難しくて、もう一度生まれ変わってから解脱するなどの思想がある。
5)高度の禅定(滅尽定)を目指す
6)ダルマの実体視
7)世界の構成要素=五位七十五法
   これを実体視視した(大乗仏教から批判された)
8)四諦・八正道
  八正道のうちの「正念」は経典にどう記述されていたか。世界、自己の構成要素を75に分析して、すべてを観察する。もちろん、アメリカの「マインドフルネス」が強調する「感覚」「思考」「行為」も含まれる。エゴイズムの心理を含むが、アメリカのマインドフルネスはこれが強調されない、
   アメリカのマインドフルネスMBSRの観察するのは、ごく一部。

第2 大乗仏教が批判した初期仏教の問題

1)大乗と初期仏教の違い
 家庭、職業を捨てる初期仏教。大乗仏教、日本仏教は家庭職業の中で至誠の実践。
2)三世実有・法体恒有の批判
 すべての人間の根底の絶対平等性が言われない。
3)初期仏教には利他がないという批判
 家庭職業を持たず自分たちだけ戒を守り修行して、六道輪廻からの解脱を求めていくので、社会での問題解決から離れていて「自利」だと批判された。家庭職業の中で、下のような深い哲学を体験的に証明して苦悩から解放されるべきで、当然、すべての人がこの人生で(六道輪廻でなく)苦悩を解決して社会創造に参画していく哲学と実践が大乗仏教で強調された。

第3 現代の仏教学、哲学からの批判

1)仏教学者禅学者からの批判
2)西田幾多郎による初期仏教批判
3)他の哲学者からの問題指摘

 総合すれば、「四諦四諦八正道」として整理された初期仏教の思想哲学、実践は、「六道輪廻からの解脱」を目標として体系づけられていて、家族、職業を捨てた純粋の出家が行うほうが有利となっているもの。しかもなお、最高の阿羅漢になれるのは難しくて、生まれ変わってから阿羅漢になれる段階などがある。
 現代のように家庭、職業を持つ人が、その中で至誠の実践をして、本音(初期仏教で煩悩といったものに類似)や人間の自然の愛情(人や社会に対する)を滅尽することなく、至誠の工夫をしながら悟りを得ることができるという後世の禅(道元禅師、禅ではないが西田幾多郎、鈴木大拙、井筒俊彦など)とは異なる。
 初期仏教は、「人を殺さない」という倫理もあって、戦争の現場で活用できるものでもない。無評価のマインドフルネスは、欲求、意志、行為などにある倫理的心理を観察しないので、軍事利用や悪用されるおそれがある。
 欧米のマインドフルネスは、宗教を排除するというが、そういう排斥ではなくて、宗教的レベル(超越)の幸福も、日本の哲学者(青山卓央氏、山口尚氏)が紹介してくれた。欧米のマインドフルネスも、超越のマインドフルネスも必要なひとがいる。それぞれの強みを生かして「共生」していけばいいのだろう。
 現代のマインドフルネスは、フランクルがいうように、人類共通の実践であり、「仏教」という必要はないかもしれない。宗教の違いを包含して全人類に共通であるから、仏の教えという必要もないかもしれない。

 仏教者も研究していただきたい。哲学者は真剣に精緻に考察している。一般市民には、その情報も入る。仏教僧、仏教学者の解釈が浅い、真剣でないことが比較されて、市民が仏教からいよいよ離れていく。仏教が亡びるおそれがある。
 大乗仏教の各派も現代に活用できる方法を含んでいるのではないか。各教団が現代に活用する開祖の思想と方法を研究してほしいものと思う。そうでないと、若手の僧侶や檀家に他のすぐれた生き方の情報が入ってくる現代では、亡びるおそれがある。
 うつ病、不安症、PTSD、過食症、はほんの一部。日本的マインドフルネスは、ひろく、深く活用できるだろう。


第4 パニック症と広場恐怖症

参照:テキスト『パニック症と広場恐怖症』
 不安症/不安障害のなかでも、割合多いのがパニック症である。 広場恐怖症と併存することがある。
パニック症と広場恐怖症もSIMTでよく改善している。

詳細は機関誌「マインドフルネス精神療法」第2号

第5 SIMTのセッション7
セッション7は、不快事象の受容

不快なことを受けいれる洞察実践を整理します。 これまで、断片的にトレーニングしてきましたが、現実の人生には受け入れがたいことがおきるのが当然、必然という哲学を理解し、実際受け入れます。 そして、その中でも、自分の生きがいを感じることをみつけて生きていきます。 社会の中で生きているので、社会の中に生きる道をさがしみつけます。 まとめです。家庭、職場、仲間の中で起きる「小さな不快事象の受容」で、トレーニングします。大きな不快事象の受容も基本的には同じです。

次回は、マインドフルネスのための道元禅入門
 深い人間哲学と真剣な観察実践(ほとんど知られていない道元禅の素顔)
Posted by MF総研/大田 at 07:43 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
私のゆきつけの古民家喫茶 ブランコ [2019年11月20日(Wed)]

私のゆきつけの古民家喫茶 ブランコ

 古典、古く新しいことをしているせいか、古民家、遺跡、歴史が好きです。この古民家は文化財であり、落ち着くことができるので、よく行きます。

 テレビで紹介されるそうです。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/watasimachi/tumuginoie.pdf

 撮影の当日、私もいましたので、客の遠景に私もちらっと映っているのではないかな?

 私もマインドフルネスによる相談をしていますが、この喫茶店がよければ、ここでもいいです。

(追記)私も映っていました。食べている客、後ろ姿など、数場面に。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/program/soudantaiken.htm

【目次】 マインドフルネスSIMT 2019
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 14:49 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
日本のマインドフルネスSIMT・講座の第5回目 [2019年10月21日(Mon)]

日本のマインドフルネスSIMT
講座の第5回目

 昨日は、マインドフルネス瞑想療法士🄬(MMT)の認定講座の第5回目でした。MMTは、全国に80名程度しかいません。MMTは、現在日本で問題になっている様々な領域(利己的な心理が渦巻く、まさに評価の現場)においてお手伝いできるはずです。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/kouza-5.pdf
★5回目の内容です。

 最近の新しい哲学書を紹介しました。

★超越的幸福論の哲学

  山口尚「幸福と人生の意味の哲学」トランスビュー

  西洋、日本に数々の「幸福論」がある。日本の哲学者も幸福とか人生の意味について論じているが、自分のものがないとか、厳しい人生の出来事にあっていない{幸福}な哲学者、宗教者のものであって、真剣さがたりない幸福論だと批判しています。彼らの定義する幸福にはまらない幸福があるという。大田が解釈している後期西田哲学の実践としての自己洞察瞑想療法(SIMT)に通じるところがある。

 家族が幸福、仕事が幸福と多くの哲学者がいうが、病気や災害で家族を亡くした人には幸福はないのか、災害、事故、親の介護、がんによって、仕事を無くした人、余命いばくもない病床の人にはもう幸福はないのか。それに応えない哲学(宗教は?)はそんなに弱いのか。

 これは、西田哲学や大竹晋氏が浮き彫りにした本来の大乗仏教の実践にも通じるところがあります。自内證が超越の証明なのだろうと思います。大乗仏教の核心に「人間完成」 もありますが、現代人も利己的で自己中心的で、他者を害し、社会の発展を阻害しているところがあります。哲学もか? というところです。「善の研究」でいっていた「善の行為」を、後期は、「至誠」といったのだと思います。超越的幸福とその実践を研究してくべきだと思います。
 こういう真剣な哲学や西田哲学を参照して、深く広い日本のマインドフルネスの「具体的な方法」を研究開発していきたい。

 観察すべき意識には階層がある。
1)一人でいる時の観察
2)対人場面の観察のうち家庭
3)対人場面の観察のうち職場、学校など

以上は、超越(宗教)レベルは必要ではないだろう。

4)超越レベルの意識の観察が必要な場所、人
 (たとえば、生きる意味を失った苦悩にある人、人格的苦悩、死の不安の苦悩をかかえる人など)  

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3930
★大竹晋「大乗非仏説を超えて」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4054
★ポージェスのポリヴェーガル理論
 無評価で観察のマインドフルネスの限界

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3288
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3789
★日本には無評価の観察から最も深い超越的幸福、マインドフルネスまであると思う。後者は前者を包摂すると思う。

【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 10:26 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
福岡県八女でマインドフルネスの集中トレーニング [2019年09月29日(Sun)]

福岡県八女でマインドフルネスの集中トレーニング

10月12日(土)に開催されます。
https://mindful-yame.at.webry.info/201908/article_1.html

 ポリヴェーガル理論、評価の現場でも観察するマインドフルネスSIMT、スワイショウなど。ぜひ、ご参加ください。
【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 19:04 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
マインドフルネス瞑想療法士の認定講座 第2回 [2019年07月22日(Mon)]

マインドフルネス瞑想療法士の認定講座 第2回

 昨日は、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座の第2回でした。さいたま市で。講座は10回、10か月続きます。宿題があります。一定日数の課題の実践と観察日記の提出と小論文の数回の提出があります。

用いたテキスト

バツ1 (A) テキスト 『人生を生き抜いていく意志作用』

バツ1 (B) テキスト 『自己洞察瞑想療法(SIMT)による改善事例』

バツ1 (C) テキスト 『意志作用』

バツ1 (D) テキスト 『心身の健康のための「ゆっくり呼吸法」』

<参考資料>

ハート 心の健康報117号「日本の社会問題にマインドフルネスSIMT」
ハート 心の健康報94号「ポイエシスとプラクシス」
ハート セッション2の重要ポイント
ハート 脳トレーニング(2)

次の内容でした。

第1 ストレスと心身への影響
 最近の社会問題と、マインドフルネスSIMTが貢献できる可能性。

第2 「うつ病」は死にたいほどつらい病気
☆うつ病になり、治らないと、自殺が起きる。 脳の広範な領域に変調が起きるからであることを理解しておく。
☆うつ病の薬物療法は、主としてセロトニン神経に作用させる。その仕組みを理解しておく。その限界も理解する。薬物療法だけでは再発する人が多い。

第3 自己洞察瞑想療法(SIMT)による改善のエビデンス
☆SIMT(意志的自己レベル)は、うつ病(非定型うつ病を含む)、不安症/不安障害、PTSD、過食性障害、家族の不和緊張などが改善しています。

☆テキスト(B) 『自己洞察瞑想療法(SIMT)による改善事例』
 『うつ・不安障害を治すマインドフルネス――ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』を出版する前に提供したSIMTの改善例。  開発段階、試験段階に大田が扱った臨床例である。

★「マインドフルメイト」のエビデンス集の紹介
 数年前、マインドフルネス心理相談員、そしてマインドフルネス瞑想療法士になった 佐藤福男さんがグループセッションを行って改善した臨床の事例。

第4 日本的マインドフルネスSIMTの他の領域への応用

 この講座で習得する手法は、うつ病、非定型うつ病、不安症、PTSD,過食症、人間関係の改善などに有効であり、また、意志作用、価値実現であるから、すべての産業領域(ポイエシス)で、すべてのひとが内面を観察して価値実現をはかる自己の成長(プラクシス)として、実践してもらえる。
これより深い、叡智的自己の行為的直観と人格的自己のマインドフルネスSIMTがあるが、講座終了後のマインドフルネス精神療法研究会で学習、実践,臨床への研究していく。

第5 呼吸法の生理学
 SIMTと、西田哲学の実践と脳神経生理学との整合性を考慮する。まず、呼吸法がセロトニン神経に影響していることを脳神経科学研究成果をみておく。再取り込み阻害の仕組みと、限界。それを補うゆっくり呼吸法。縫線核を活性化、副交感神経、背外側前頭前野の活性。

第6 SIMTの背景にある西田哲学の意志作用
 哲学は、仏教宗派、マインドフルネスの流派で違う。自己観も違う。それが違うとマインドフルネスの実践手法も違ってくる。 哲学、手法が違うと、適応症が違ってくる。

 西田哲学もいくつかのテーマを持つが、心理療法や生き方で関係が深いのは、存在論(自己と生きる世界)、認識論、実践論である。西田哲学にもこれがある。日本人が文化を作ってきた背景にある禅、仏教。最も深い自己の核心を論理的に説明した西田哲学。哲学は自己、世界の根本を解明する学問。

★SIMTは、西田哲学による
 意志的自己レベルのSIMTは、西田哲学の「意志作用」を心理療法化した。ここに、叡智自己洞察瞑想療法(SIMT)がもつ、長期的な「価値」を導入した。また、すべての人の生き方としての「意志作用」のトレーニングになることを目標としたもの。日本の偉大な人たちは、この先の人格的自己の禅を実践した。まずは、意志的自己レベルのSIMTを入門とするが、これでも、観る、考える、行為するという人間の社会的活動のすべてを網羅するので、一生実践する価値がある。専門家のエゴイズム、ハラスメント、燃え尽きなども、こうした事が実践されないからであると言える。 長期的な価値をもち、その価値を実現維持するために、短期の目的を無限に設定して、遂行してゆくのが人生のプロセス。その過程で、種々の意識作用を行使するが、全部を統制する意識作用を「意志作用」という。意識には種々あって、作用と対象を持ち、それを包む場所がある。意志作用は、対象的な意識のすべてを包むが、主体(意識的自己)は 場所である。点ではない。

第7 セッションの実習

★セッション2
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス――ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』のp46-47の「第2セッション課題」
 この時間枠だけ、現実の実践したいクライアントさんに参加していただいて、模擬グループセッションを実行。セッション2の課題の仕方。主に、注意作用の色々な実行のしかた、および、意識作用に名前づけ。自己洞察は、家族との対面時、仕事中が重要。まず、思考のチェック。

テキスト
ハート 大田健次郎「うつ・不安障害を治すマインドフルネス」佼成出版社
ハート 図解・うつ・不安障害を治すマインドフルネス ☆ 前編 ☆


★全部で10回、講義、課題実践提出、小論文数回。
Posted by MF総研/大田 at 07:01 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
マインドフルネス精神療法研究第5回発表大会 [2019年05月19日(Sun)]

マインドフルネス精神療法研究第5回発表大会

 昨日、開催されました。4月と5月は、機関誌と発表大会の2つの大きなイベントがありました。
 さて、次は、6月からのマインドフルネス瞑想療法士🄬の認定講座です。今年は開催しますが、来年はわかりません。最近、マインドフルネスにも仏教にも大きな動きがありました。実際の臨床を新しい領域で、重点的にやってみたいです。
DSC_0364.JPG
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
★このようなところにマインドフルネスSIMT 2019
Posted by MF総研/大田 at 19:28 | 私たちの心理療法 | この記事のURL
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