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科学者への信頼が低い日本〜科学者への信頼度を高めないと [2025年03月23日(Sun)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

科学者への信頼が低い日本
 〜科学者への信頼度を高めないと

 世界各国で、科学者の信頼度が調査された。

https://news.yahoo.co.jp/articles/ee9a373f5050a44c3236c610a7df708651617f96
◆科学者の信頼、日本は下位 コロナ後68の国・地域調査

 「ほとんどの国で科学者は信頼されている」と結論づけている。ただ日本は3.37で、全体の59番目と下位だった。」

 「科学者の能力、誠実さ、透明性といった側面から信頼度を数値化」したという。

 「日本は下から10番目。「他者への思いやりがあるかどうか」や「透明性」の評価が低く、スコアを押し下げた。」

 前の記事でも、そうだが、日本はアメリカよりも、国民全体として、他者への思いやりが低いという。「科学者」にも、「他者への思いやりがあるかどうか」や「透明性」の評価が低いのだ。

 「誠実さ」とか「他者への思いやり」とかは、どうすれば向上するのだろうか。 西田哲学では「至誠」ということが類似するだろう。
 自分だけの利益、自分の立場だけで判断しないことだ。相手の利益、相手の立場を配慮して、自分、相手を包んだ位置から見て、判断することだろう。自分、相手だけでは、まだ不十分で、世界の立場でという。「物となって」という。

 これに近いことをいう芸術家(注1)が日本には多いのに、科学者への「信頼」は低いという不思議な現象だ。なぜなのだろう。

 日本の「科学者」の弱点が色々と指摘されている。

 仏教やマインドフルネスの学問をする人も、信頼されているのだろうか。 鈴木大拙や西田幾多郎は、自利でなく、相手も包含した、世界の立場で判断することの宗教的な立場を明らかにしたと思う。しかし、これを否定する学者もいるが、一体どういう方向へいけというのだろう。

 現代日本は精神的に荒廃しているようです。多くのひとが苦しんでいます。西田幾多郎、鈴木大拙も科学者であり、現代の西田哲学の研究者も科学者であり、そのかたがたを信頼していただかないと、その実践化によって、うつ病、自殺問題の救い手になるはずと若手に参加していただけないでしょう。

(注1) 金子みすゞ、武者小路実篤、河井寛次郎、東山魁夷、など

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2369
★専門家の倫理=大乗仏教は厳しい

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2194
★マインドフルネス心理療法は実際臨床なのだ
 マインドフルネス心理療法者は自分も体験すべき

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4916
★金子みすゞ

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 17:45 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
西田哲学の実践化・救済される領域が広がるか [2025年03月23日(Sun)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

西田哲学の実践化・救済される領域が広がるか

 NHK Eテレビで、西田幾多郎を紹介しました。 再放送が29日にあるそうです。

https://www.nhk.jp/p/ts/X83KJR6973/episode/te/K88R3KZ72L/ ◆NHK こころの時代 再放送の予定

 前に述べたように、<インド>大乗仏教の真意が、<日本の>現代仏教では、ほとんどうかがうことはできません。

 深く人間を探求して、西田幾多郎の西田哲学も埋もれたままです。

 次の報道がありました。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5450
★西田哲学が先細り

 西田哲学は、<インド>大乗仏教と同様に、世界観と深い自己の底を哲学的に述べようとしたものでした。ところが、西田哲学も現実に活用されないままに、忘れられようとして、もう、先細りだというのです。

 <インド>大乗仏教の核心は、利他、自内證、人格成長の3つとされる。昭和の時代には、禅にはまだ、この3つが見られた。私もうつ病になった時、禅によって救済された。私の師がしていた行動が、まさに「利他」であったことになる。「利他」は、救済されるべき苦悩する人を現実に救済する「行為」が伴う。

 西田哲学にも「実践論」がある。理論的には、西田が文書化していた。次の論文でまとめた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3582
★「後期西田哲学の実践論」 宗教と哲学研究会 宗教哲学論叢(第一輯)
   抜刷 二〇一六年七月、P77−78)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3329
★「後期西田哲学の実践論」

 西田幾多郎の孫(幾多郎の長女上田弥生さんの長男、元都留文科大学学長)の上田薫氏が 嘆いたように、現実には、西田哲学は活用されたことがない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2367
★西田哲学も現実に生かされていない

 今回のテレビで、紹介された「底」。最初の論文『善の研究』では、十分解明されなかったものを、死ぬ間際の『場所的論理と宗教的世界観』で、ようやく記述できた。哲学的には「場所的論理」と「逆対応の論理」で、「自己」「世界」の「底」を記述した。
 哲学者からは、高く評価されているが、他の人々にとっては、難解である。西田哲学の学者は、理解し賞賛しているが、難解なために、仏教学者では理解できないで否定されることが多い。
 「底」は、大乗仏教や禅の研究者であった鈴木大拙が解明したが、これも否定されることがある。大拙の否定は、西田の否定でもある。大乗仏教や道元、親鸞にも、これがあったのだ。道元にあったことは、最近も明らかにした著作が発表された(注1)。

 深い自己の「底」に基づく世界観、自己観は、現代の問題の救済の一つになるとは思うが、その精神療法化、実用化はこれからである。

 「底」は「超個」であろうが、それは、西田が創作したのではなく、大乗仏教、道元、親鸞が体験的に知っていたもののはず。大乗仏教の人は、自己満足にとどまらないという。苦しむ他者がいる限り救済=利他の行為を続けるのだという。救済できないのは、自分が未熟だからと、さらに自己成長を継続する。大乗仏教の核心は、「底」の自内證、利他、自己成長だという(大竹晋氏)。こういう大乗仏教であるのに、どうして、これを捨てるのだろう。別の記事(ブログ5615)で仏教の学問を心配する。  

 放送をご覧になって、若い人たちが取り組んでいただきたい。

(注1)竹村牧男『道元の哲学』春秋社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
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Posted by MF総研/大田 at 14:52 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
日本人は他人を思いやり苦を共感し同情し救済する心が弱い [2025年03月22日(Sat)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
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日本人は他人を思いやり苦を共感し同情し救済する心が弱い

 朝日新聞(3月22日)で、編集委員の岡崎明子さんが、「「助けてと」と言えない」という記事で、日本人は困っている他者 への同情心がアメリカ人より低いという論文を紹介しています。

◆ 名古屋大学 研究成果発信サイト
日本人は困っている人への同情が低い 〜社会支援行動と文化的背景の関係性を解明〜
https://www.nagoya-u.ac.jp/researchinfo/result/2024/12/post-769.html

 次のように述べています。

「一橋大学社会科学高等研究院の鄭 少鳳(テイ・ショウホウ) 講師(研究当時 名古屋大学大学院情報学研究科・博士後期課程学生)と名古屋大学大学院情報学研究科の石井 敬子 教授の研究グループは、日本と米国の一般人参加者を対象とした研究により、精神的に苦しんでいるときの社会的支援の求めやすさに文化差があり、共感や他者の利他的な行動への期待が関与していることを新たに発見しました。」

 「困っている人への同情や思いやり、そして他者の利他的な行動への期待は、日本よりも米国で高く、そして社会的支援を求めやすくすることを明らかにしました。」

 岡崎さんが、石井さんの話を聞いたところが、掲載されています。

 「他人を思いやり同情する「共感的関心」と、他者が利他的な行動を取ることへの期待度・・・ 日本人は共感的関心も期待度も米国人より低かったこと。」

 現代の<日本の>仏教も他者の救済をいいません。「ただ坐禅する」だけです。<インドの>部派(小乗)仏教も、家族や職を捨てて出家し、自分の解脱だけを目指すといいます。
 日本人は、つらいことになっても、助けを求めず、うつ病を深め、自殺されるのでしょうか。

 竹村牧男氏の著書で見たように、元来、<インドの>大乗仏教は他者の救済を重視しているのに、 現代<日本の>仏教は、利他を言わないのです。それを仏教学者も批判しないでしょう。しかし、他の学問や哲学はどうなのでしょうか。

 こんなことだから、 日本は、不登校、うつ病、自殺、ハラスメント、内部告発事案における不思議な行為なども 起きるのでしょう。権力者、長老、学者はいいでしょうが、弱いひとが苦しんでも、共感しない日本人だから、苦しみ続けます。孤独・孤立の対策、自殺対策はすすまないでしょう。
 苦しい目にあう可能性のある県民、若者のみなさん、こんな日本でいいのですか。

 3月は、自殺対策強化月間です。そんな今月も報道では、・・・・。
 5月は、「孤独・孤立対策強化月間」です。
 こんな日本でいいのか、勉強会、相談会など開催して、孤独・孤立対策を話し合いしませんか。日本の全体がこうなのですから、容易ではないでしょう。
 地方創生SDGs ゴール4 「質のいい教育をみんなに」から始めるしかないのでしょうか。 どこでできるでしょうか。大学では期待できないのでしょう。住民が、地域でするしかないのでしょう。

【参考】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5586
★<インド>大乗仏教

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5495
★<インド>大乗仏教 唯識 利他を重視 他者を苦しめるのは「悪」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4052
★学者は実際行動はしない、するのは心理士

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5615
<インドの>大乗仏教は「利他」を強調していたが、日本にきて<日本の>仏教は「自利」を合理化するようになった。昭和初期から学者もそれを自己合理化してきた(「正信論争」としてまとめられた)。学生や社会人はそういう<日本の>仏教を教育される。魅力を感じないでしょう。日本では苦しむ他者の救済支援は容易ではない。地方創生SDGsのターゲット3.4も、ゴール4も黒雲がたちこめている。SDDsターゲット3.4は「自殺を減らす」も含まれているが、自治体の長や議員によっては、不可解な言動がみられる。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3481
★「正信論争」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4980
★無視・傍観される病気、うつ病

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
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Posted by MF総研/大田 at 21:10 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
反社会的「カルト」の被害の防止(2) [2025年03月21日(Fri)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
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反社会的「カルト」の被害の防止(2)

 最近の、世情をみていると、何か不穏さを感じる。法律に違反していても、罪の意識がみられないひとがいる。最近の、子どものいじめも陰惨だ。
 子どもも大人も、自分の行為が他者をどれほど苦しめるか、感じることができない、苦の共感がないようなものが増えたのではないのか。
 そして、孤独・孤立のひとが増えており、今はSNSで誘いが多く、居場所をさがしているうちに、容易に「カルト」的な集団にはいっていくかもしれない。

 朝日新聞(3月21日)が伝えています。

 「オウム真理教を長く取材してきたジャーナリストの江川紹子さんだ。」

 「江川さんは「自分たちが絶対に正しく、批判する者を悪だとする考え方や、思うように いかないと、自分たちを被害者だと主張し、陰謀論に走る姿勢。こうした特徴が、社会全体に見え始めている」とする。」

 そして「こうした状況の背景を探るための研究や、カルトに絡め取られないための 教育が必要だ、と訴える。」

 本当に、これが必要だ。「宗教」的なところもある、仏教教団も檀家信者に、教育してほしい。 仏教学者は、学生に教育してほしい。檀家信者学生のなかで、 孤独の人を救済してほしい。
 自治体の長や議員も職員も、地元で居場所の対策を強力に進めてほしい。さもないと、小さな「カルト」がたくさんできて、水面下でつらいひとを傘下にとどめて自由を奪われるひとが増えるおそれがある。罪の意識がなく、反社会的な行動に出るかもしれない。
 法を破り罪の意識のない人により、孤独孤立のひとが取り込まれて、自由の抑圧、反社会的な活動、家族を精神疾患に追い込む、自殺がふえるようなことになってはいけない。

 いったんはいると、抜けることがとても困難になる。新しい生きる場所、居場所を提供するからだ。従来いた場所、家族や地域、学校、職場は、つらいところだったから、新しい場所のほうが生きていける場所になり、社会から批判されても戻れない。

 5月は、「孤独・孤立対策強化月間」だ。勉強会、相談会など開催して、その地域のカルト対策、孤独・孤立対策を話し合いしませんか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 22:31 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
反社会的「カルト」の被害の防止(1) [2025年03月20日(Thu)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
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反社会的「カルト」の被害の防止(1)

 ここも、自殺対策、孤独・孤立対策が遅れているでしょう。

 3月20日、地下鉄サリン事件(1995年)が起きて、30年です。
 反社会的団体を「カルト」と言います。(注4)
 このような事件を二度と起こさないように、孤独・孤立のひとが、「居場所」を求めてカルトの被害にあわないようにしなければなりません。

 表面では、ヨーガへの名目で、正体を隠して勧誘するそうです。「マインドフルネス瞑想」も隠れみのに使われます。

 朝日新聞に、元警察庁警備局長、菅沼清高さんに取材した記事があります。
https://www.asahi.com/articles/AST210DQVT21UTIL01HM.html
     「当時、なぜ若者たちはオウムにひかれていったのか。「社会が繁栄から一息ついた時に、若い世代が 『さて、どうしたらいいんだろう』となったことに誰も答えを教えてくれなかった。」
     「当時と今の共通点も感じる。・・・国も教育も答えを示せていない。」
 今も、あやうい状況にあります。
 政治家でさえも、県民、国民を「ハラスメント」により、うつ病、自殺に追い込む状況です。これでは、自殺防止活動が 進まないでしょう。

 宗教的な問題に応えていくのは、伝統仏教の教団でしょう。すなわち、信頼できる「宗教」を教育してくれる役割は、仏教教団に期待できます。
どうしたらよいのでしょうか。仏教学、哲学の中に探ります。3つあげておきます。

◆「釈迦の仏教」で新しいサンガ

 仏教学者、佐々木閑氏(注1)が、現代の伝統仏教教団の仏教は、このようなものだと紹介しました。
そして、現存の教団ではなしえないことをしてくれる集団、サンガができることを期待するといいます。

 「実現するのは非常に難しいとは思うのですが、「釈迦の仏教」のサンガのようなものが日本にあれば、自殺者は減らせると私は思います。」(注1,p244)

 「ですから今の時代であっても、サンガのような受け入れシステムを仏教集団が用意して、悩んでいる人に向かって、「あなたの人生を丸ごと引き受けます。うちのサンガへおいでなさい」と声を掛けることができれば、大勢の人を救うことができるでしょう。」 (注1,p245)

  「釈迦の教えのうち、現代の科学的世界観においても通用する部分を抽出して、それを自分の「生きる杖」にするというのは 全く当然のことであり、それ以外に自分の心を偽らずに生きる道はないということです。」(注1,p273)

◆「大乗仏教」の真意を活用

 別の次の連続記事で紹介したもの(注2)です。  これによれば、大乗仏教には、実は深い宗教意識を含んでいるといいます。これは、上記著書(注1)では詳しくは紹介しなかったところです。背後に宝が光っています。

 「日本の仏教は多くの宗派に分かれていますが、本書ではそれぞれの宗派の背景にある共通の世界観を明らかにする ように努めてみました。それぞれの宗派には、救いの極意のような核心が、簡潔な信・行に集約されて明かされています。しかしその背景には、いのちと世界に対する広汎な探求がひかえているのです。 それらを知ることによって、各宗の極意の意味もより深く了解されてくることと思うのです。」(注2,p316)

 「根本をないがしろにして、小手先だけで現代の諸問題に対処しとりつくろうのみでは、問題を後世に 先送りするだけで、かえって混迷の度合いはますます深まることと思われます。」(注2,p316)

◆西田哲学

 上記の著書1にある言葉、
「現代の科学的世界観においても通用する部分を抽出して、それを自分の「生きる杖」にする」
ですが、これの一つの回答を西田哲学が教えているはずです。

 宗教以前の世界観は、「叡智的世界」でしょうし、宗教レベルの世界観は「宗教的世界」でしょうが、それは著書2で紹介する大乗仏教の世界観(特に華厳の世界観)に類似するでしょう。
 「自分の「生きる杖」として、現実の家庭、職場でにどう生きていくのか模範を示してくれなければ、現代の人の苦悩が現実には解決せず、「自殺者を減らせる」(注1,p244)ことはないでしょう。
 西田哲学も現実には生かされていません。活用したいものです。(注3)

実際に行動する時

 日本には、こういう魅力ある世界観、自己観、生きる実践の可能性を秘めた精神的宝物があるようです。 これを活かして、魅力ある「宗教?」を国民に提供していけば、「カルト」の被害は少なくなるのではないでしょうか。

 そのためには、反社会的な団体でないことが明らかな伝統教団が、その担い手になっていただけないかと思います。 私たちも、新しい精神療法によるカウンセリングで実験してきましたが、力が弱く、たいして貢献できませんでした。

 伝統教団の若手が上記3つ(ほかにもあるでしょうが)に含まれる宝を研究し遂行していくしかないでしょう。長老がたは、若手の新しい動きを暖かい目でも見守り、応援していただくことが条件になります。反社会的カルトは、新しい動きを排除、抑圧します。
 そういうことをしないで、若手に上記のような深い世界観、自己観、人生観を各宗の宗派の尊重する開祖と経典から掘り起こしたものを、各宗派が県民、国民に示してくだされば、「カルトによる被害」も「自殺者も減らせる」のではないでしょうか。
 地方では、人口の減少で、檀家が減少し、寺院の廃絶が進行しつつあるでしょう。教団の存続がかかっていると思います。

 「カルト」の被害にあう国民をなくすためには、信頼できる「宗教」、人生とは何かという哲学を 学ぶことが、被害防止に役立つに違いありません。

 宗教なら、教団が提供する行事や実践(注1)に参加して、そこで同時に深い「仏教」(注2)も学び続ければ、孤独・孤立もなく、人生を生き抜いていけるでしょう。人生哲学は、西田哲学(注3)もあります。これらを学ぶことで、「カルト」に向かわないですむでしょう。

 ほかにもあるでしょう。今、日本では、日本人が日本人をいじめ、排除し、苦しめています。つらい人が居場所を求めています。「カルト」へも向かってしまいます。
 学者も宗教者も新しい方向を見せてください。教育してください。 【カルトに関連する記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5058
★カルトの被害

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5252
★カルト信者を脱会させることは困難

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5115
★「既存の宗教はなぜカルトに走る人を救えないのか」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5102
★カルトの被害にあわないように導く誠実な宗教的支援活動を

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5081
★伝統仏教は救済できなかった。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5074
★宗教2世、親から暴力、自由の束縛

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5071
★本来、宗教とは何か(1)「苦悩からの救済」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5069
★家族が自殺することになるのは宗教なのか

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5056
★別のカルトか?

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3073
★反社会的集団のカルトも、マインドフルネスの看板をかけるかもしれないことを警戒する必要がある。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4919
★親の宗教で苦しめられる子ども

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4911
★日本人は何を宗教に求めているのか
 〜 グリーフケア・科学・スピリチュアル
 (直接、カルトの記事ではないが、宗教2世の問題も論じられている。悩む人が、スピリチュアルで犠牲になることもあるだろう)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3537
★学問らしいものがこうですから、マインドフルネスや瞑想にも、独断的な解釈をするカルト的なものがはいりこむおそれがあります。3,40年前は、カルトは、ヨーガ、自己啓発セミナーなどで誘うといっていました。今は、「マインドフルネス」でも誘うでしょう。 用心が肝心です。健全な「マインドフルネス」は、どういうものか、大学生は知っていたほうがいいはずです。

http://mindfulness.jp/kunou/fl-cults/cults-menue-yoko.htm
マインドフルネス総合研究所のホームページ
「カルト」について

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 10:05 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
こうして自殺に至る [2025年03月19日(Wed)]
孤独・孤立対策・自殺防止対策・質の高い教育

こうして自殺に至る

 地方の政治、中央の政治に携わる政治家が自殺の防止に真剣になっていないところが見られます。
 組織の長、管理職などがうつ病について理解しないと、自殺を防止できません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
なぜうつ病に、なぜ自殺

 政治家、自治体においてまず、率先して、うつ病の対策、自殺防止対策をとってもらわないと困ります。

 うつ病には、抗うつ薬による薬物療法がありますが、完治しない患者もいます。 非定型うつ病は、抗うつ薬が効かないようです。

 過労、ハラスメントなどの心理的ストレス、対人関係の悩みなどが、ストレスとなり、 免疫細胞から炎症性サイトカインが分泌されて、脳の神経細胞を傷つけます。 それにより、うつ病が発症します。
 自殺を防止するためには、うつ病にならないような対策をとる必要があります。過労にならないように、ハラスメントをしないように、対人関係を険悪にしないように、いじめないように、・・・。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4846
★免疫細胞ミクログリアから炎症性サイトカイン

 薬物療法で治らない患者には、精神療法を提供する対策を導入してください。 大切な、県民、国民の生命を守ってください。
 相談ではうつ病は治りません。脳に炎症が起きています。薬や精神療法で、その炎症が回復(神経細胞の再生)するような支援をしないと治りません。半年、1年かかります。

 休職しても治らない人がいるのは、休職期間中に、そういう治療がおこなわれないからでしょう。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5572
【目次】自殺防止対策―2025年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5555
【目次】孤独・孤立対策・自殺防止対策・質の高い教育―2025年
Posted by MF総研/大田 at 22:05 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
内部告発に関連して、自殺・襲撃事件 〜悲劇にならないためにも新しい支援が [2025年03月19日(Wed)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
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内部告発に関連して、自殺・襲撃事件
 〜悲劇にならないためにも新しい支援が

 ここにも、自殺対策、孤独・孤立対策が遅れているでしょう。

 内部告発=「公益通報者保護制度」に基づき、告発したひとを守る制度ですが、 調査経過中に、告発者が自殺するとか、状況の推移に不満に思うひとが襲撃する事件が起きています。

この事件に、メディアは、似たような意見を述べています。

どんな言動にも暴力許されぬ、
しかし、告発の手続きの経過において、地方・国の政治家の言動は批判される。

 「あのひとのあの行為がなければ」自殺は起きなかっただろう、 襲撃事件は無かっただろう、ということは推定できるが、確定できないので、 内部告発に関連して自殺が起きた。何か対策がないのか。

メディアの意見と私が感じた空しさ

 「暴力」は許されない」ということでは一致しているが、言葉による暴力(偽情報、誹謗中傷など)も批判しているメディアもある。

 3つの難しい問題があり、対策が難しいと思う。

◆言論で通るのは「力」ある者のみ
 一つは、「主義主張が違っても、言論によって一致点を見いだすのが民主政治だ」というのは、正論ではあるが、 「力」を持つ者は、ジャーナリストは、言論で主張できるが、「力」のない者には、実際上、それはできない。 この国では、民主国家というが、組織のトップ、幹部に違う意見をいうことは実質できない。ハラスメントも訴えにくい。
そんなことをすれば、報復が待っている。いじめ、解雇、左遷などの不利益が予想されるからだ。
 種々の領域の学問の場はどうなのだろう、研究生、学生も、指導教官に批判的な意見を述べることはできない。卒業、修了を妨害されることを予測される。やはり、ハラスメントの事件がある。学問の発展を遅らせるが、実情であろう。

 「力」ある者の「言葉」による暴力、誹謗中傷を、「力」ない者が受けた場合、救済対策が不十分なのだ。たとえば、政治家、学者などは、「力」があるので、自分の意見をメディアで、著書、講義などで、常に表明している。しかし、「力」のない者には、それがない。著書を出版できるはずがなく、SNSで意見を表明しても無視されるだけだ。民主主義だという日本で意見を言える自由は、「力」ある者のみが恩恵を得ている。
 しかし、暴力による襲撃は許されない。自分や家族の苦しむ人生になる。

◆内部告発者が自殺まで追い込まれる
 第2に、この「内部告発」制度の運用では、告発者が自殺に追い込まれるおそれもあることがわかった。 すぐに弁護士や心理士等により、告発者と家族のメンタルな対策支援、その自殺防止の緊急対策が必要だと思う。告発者および家族の希望で、すぐに、弁護士や心理士の支援を開始する制度を作ることができないか。

◆自殺は「私の行為のせいではない」の難しさ
 第3に、自殺が起きた場合、「私のせいではない」と思う人もいるだろう。しかし、そう思わない人も多い。
 今回は、事件がおきた。確かに、暴力は悪い。しかし、何か対策がないのか。

 「もし、あの人のあの行為がなかったら、自殺は起きなかっただろう」ということは多くの人が感じたであろう。やりきれなさ、空虚感を多くのひとが感じたであろう。
 いじめ、ハラスメントでの苦しみは、うつ病、自殺に追い込むことは理解されるであろう。 内部告発の経過では、「これをしたら、相手をうつ病、自殺に追い込むかもしれない」という、自分の行為の結果の予測、他者の「苦の共感」が薄いのではないか、地方、国の政治に関係する人に薄いのではないか。

 こんなことも指摘されている。政治家による女性の軽視がはなはだしい。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5607
★地方議員 女性議員へセクハラ深刻

 地方、国の政治家がこれでは、自殺対策は限界があるのではないか。
 うつ病、自殺について、心の苦悩のプロセス、脳神経を傷つける深刻さが理解されていないのではないか。
 政治力のない者の、むなしさ、空虚感を感じたのは私だけか。
 県政の政治家、職員に、うつ病の実態の教育が必要か。

 私の意見も無視されてきた。「力」なき者が、言葉で、直訴できる手段がないものか。

【目に留まった社説など】

◆朝日新聞 社説 3/18/2025
https://www.asahi.com/articles/DA3S16172610.html

◆産経新聞 社説 3/18/2025
https://www.sankei.com/article/20250318-IEI3J6ARSBO7XAWHPCZJBKV3ZU/

◆東京新聞 社説 3/18/2025
https://www.tokyo-np.co.jp/article/392505

◆読売新聞 社説 03/16/2025
https://www.yomiuri.co.jp/shimen/20250315-OYT9T50189/

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 08:36 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
子どもの自殺防止 [2025年03月18日(Tue)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

子どもの自殺防止

 自殺対策、孤独・孤立対策の重要な領域が「子どもの自殺」です。 次の記事があります。(大山典宏氏、 高千穂大学人間科学部教授)

https://wedge.ismedia.jp/articles/-/36977
なぜ、子どもの自殺対策は進まないのか?見えてきた3つの要因、実態把握が困難な報告様式にもメスを

 「子どもの自殺対策」は、この記事のように、とても難しいです。家族、クラスメート、友人、教師、校長、教育委員、ネットでかかわる人間、希薄になった地域の人、などが周囲にいるわけです。内面の苦しみを周囲の人に気づかれることなく、孤独のうちに、亡くなっていくのです。

 大人の自殺でも、「私の行為のせいではない」という言葉を最近、よく聞きます。ストレス、うつ病、自殺が理解されていません。そういう大人ばかりのようです。

 近くにいる教師も忙しくて、配慮ができないでしょう。教師もうつ病、休退職が多いのですから。

 こういう状況では、とにかく保護者が子どもの気持ちを常に把握していなければ、わが子の自殺を防止できません。保護者の仕事が忙しい状況でしょう。しかし、他の人の配慮が期待できない状況かもしれません。保護者は、仕事が忙しくても、週1回は、子どもの気持ちを踏みこんで思いやらないと、わが子の自殺を防げないでしょう。うつ病から自殺になることをよく理解していただきたい。

 子どもの自殺防止のためには、教師のうつ病、休退職の防止の支援も関連します。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5002
★子どものうつ病の回復、自殺防止

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 08:17 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
医療従事者の燃え尽き・うつ病・自殺 [2025年03月17日(Mon)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

医療従事者の燃え尽き・うつ病・自殺

 精神療法的な支援が必要な領域として、どのような領域があるか考えてきました。
 医療従事者は、うつ病というのも病気だから、当然、その予防、治療を特にしているはずだと 世間は期待しているでしょう。
 しかし、自殺が多いのです。 医療従事者が、自殺を減らさないと、国全体の自殺対策がすすみにくいのではないでしょうか。 予防対策を率先して、 他の領域の人びとに、教えていただきたい。
 医療従事者は、現在の職場を辞めたいという人が多いといいますが、大変深刻です。

 次の記事の図は2023年の自殺数の内訳ですが、「専門的・技術的職業従事者」の区分があり、総数2006人(男性1806人、女性200人)だった。このうち、医療従事者(ABE)が多いことがわかります。特に、看護師が多いのです。この対策をとっていただきたい。 【関連記事】

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医療従事者の燃え尽き・自殺(1)
【1】医師や看護師など医療従事者もうつ病、自殺が多い

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【2】医師の仕事の特徴 〜 長時間労働

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4986
【3】医療従事者の心理的なストレス・悩みもうつ病の原因

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4987
【4】看護職の勤務時間も多く、職務に関連するストレスが大きくてうつ病、自殺も

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 17:36 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
がん患者のうつ病/自殺の防止に精神療法による支援を [2025年03月17日(Mon)]
【全体展望】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか
 〜 不安症、PTSDも

がん患者のうつ病/自殺の防止に精神療法による支援を

 自殺対策基本法が制定された(2006年)。そして、孤独・孤立対策推進法が施行された(2024年)。がん患者も、この支援の対象です。

◆がん患者のうつ病・自殺が多い

 がん患者は、うつ病になりやすい。そして、自殺も起きている。

 厚生労働省の資料(注1)によると、40歳以上の住民約14万人を20年以上、追跡調査したところ、11,187人ががんを発症し、34人が自殺したが、1年以内の自殺が、13人(0.12%)だった。
 「がん患者100万人/年にあてはめると、がん罹患後1年以内の自殺者は1,162人(全自殺者の約5%を占める)。」

 アメリカのスタンフォード大学のIan Kim 氏らが、最近、がん患者/サバイバー(CPS群)のうつ病が増加傾向にあると報告しました。 この4年間で、うつ病が26.53%→29.78%、不安障害は24.02%→28.08%に上昇しました。(注1)(右図1)
 がんでないひとも、15−16%くらいから、18%くらいに増加しています。
 最近、うつ病になる人が増加しています。 ◆がん患者に精神療法によるうつ病・自殺の予防を

 がんと宣告された人に、うつ病予防、自殺防止の対策が必要である。

 がんになると、うつ病になる人がいますし、1年以内に自殺してしまう人もいます。うつ病、自殺対策が必要です。なぜ、うつ病になるか、なぜ自殺するのか、その予防法などを理解して実行したいと思います。
 うつ病になるのは、つらい思考を渦まかせるためです。陰性の感情を起こし、炎症性サイトカインというタンパク質を分泌させてしまい、脳の前頭前野、帯状回などを傷つけて、うつ病を引き越します。治療しないと悪化して、自殺も起こります。
 自分や家族ががんになった場合、よく見守って、相談場所を紹介したりしましょう。自治体の相談窓口でも予防支援へつないでほしい。支援組織を広報してほしい。

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【書籍紹介】「死にゆく人と共にあること〜マインドフルネスによる終末期ケア」ジョアン・ハリファックス

拙著もがん患者の深い「マインドフルネス」による支援の文献である。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4917
【書籍】 『死と向き合うためのマインドフルネス実践』
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5578
【目次】 どの領域にうつ病・自殺のリスクがあるか  〜 不安症、PTSDも
Posted by MF総研/大田 at 17:02 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL
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