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マインドフルネス瞑想療法士🄬の 認定講座の第6回 [2019年11月17日(Sun)]
本日は、マインドフルネス瞑想療法士🄬の 認定講座の第6回でした。

第6回 支援の進め方と支援者の倫理

第1 テキスト
『支援の進め方と支援者の倫理』
『うつ病・不安症などの支援戦略』
『支援者の倫理』
『マインドフルネスの悪用と批判されないように』
『図解 うつ?・不安障害を治すマインドフルネス 後編 セッション6−10』

<★配布参考資料★>
 支援に用いる管理表

第2 うつ病のアセスメントから初回指導まで
種々の問題を自己洞察瞑想療法で支援しようとする場合、 問題定義、要因の分析、課題の決定、実行、評価などの治療方針を組み立てる。
うつ病や不安症などについては具体的にどのように適用するのかが テキスト「うつ病・不安症などの支援戦略」

初回の面接で何をすればよいかの詳細。 クライエントの問題(症状)を聴いて、支援方針の策定、説明、スキルトレーニングの実地指 導、課題。
当初の連鎖分析・要因洞察は一般的仮説でよいが、クライアントにはそれを説明しなけれ ばならない。
そのクライアントに特有の思考、感情、症状、行動は支援プロセスが進展してから行なえば よい。その時も、問題(症状)を詳細に調べる、連鎖分析、要因洞察、治療方針の策定、説明、 スキルトレーニングの実地指導、課題。
支援者が用いる表などを織り込み付録とした。

第3 構造化された治療プログラム
 =定型化した指導プログラム
『うつ・不安障害を治すマインドフルネス――ひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』セッショ ン1〜10
初心のセラピストが行いやすい。改善するエビデンスも確認された。 ベテランのセラピストでも効率よく多数のクライアントを支援できる。 改善の支援だけではなく、再発予防、自己成長にも用いる。 過去の受講生、今期の受講生にも、顕著な成長がみられるひとがいる。

初級編と中級編で構成した。高齢者や重症者など中級編を難しいように感じるクライエント には、初級編だけを実践してもよい。その後、半年1年はセッション5の課題を続けてよい。 中級編で詳細に実践することになる、やさしい手法が初級編に含まれている。さらに難しいと感じるクライエントには、セッション1,2だけを継続してもよい。

セッション1−5:初心者編
セッション6−10:中級編

7,80年の人生には、さまざまな出来事(やがて、がん、介護、死などのストレス)があるので 、発症や再発しないためには、セッション 10まで行い、一生、セッション10の自己洞察法を継続することが望まれる。 さらに深いマインドフルネスもある。
毎月1回のグループセッション、毎月2回のグループセッション、個別支援方式(毎月1〜4 回)など、クライエントの要望と支援者側の状況に応じて決めていく。
さらに深い問題、低い自己評価、死などは、叡智的自己、人格的自己のマインドフルネスがある。 叡智的自己、人格的自己は、日本文化の背景になっている東洋的な人間観であり、問題がなくても実践することが望まれるマインドフルネス。生き方が変わり、社会貢献の応用範囲が 広がる。

第4 支援者の倫理
マインドフルネス心理療法は、自分や他者を傷つける自分のエゴ(「本音)という)をも自覚する。人には、必ず、自己中心的な本音がある。自分の利益を図り、悪を犯す種子がある。これを自覚して、芽が出た時に、気付いて、行動を抑制しなければならない。
支援者にもエゴが働くので、クライアントの利益を害さないように自覚する必要がある。カウ ンセラーの言葉によって、クライエントを傷つけると、症状を悪化させるかもしれない。 プライバシーを保護することが極めて重要である。

クライエントの負担金は、事前に伝えておいて、それ以外の料金を請求してはならない。
支援者が、うつ病・不安症/不安障害などの直接の援助をする以外のサービス (たとえば、ヨーガ、健康体操、鍼・灸、食品販売、食事療法、宗教行事など) も提供している場合には、支援者側の利益を優先させるようなことは慎むべきである。支援者の 金銭的利益を重視する「本音」を抑制すべきである。他のサービスと抱き合わせでないと、カウ ンセリングを引き受けないというのがエゴイズムの一例である。クライエントの立場でない。

第5 支援者の倫理・SIMT者の特別の倫理
資格申請時に倫理規定遵守の約束 。 専門家は自分(自分の組織)、自分の立場、自分の手法、自分のスキル、自分の利益に執着 する傾向がある。 その本音に気づき、抑制しなければならない。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2970
関連記事

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2374
もう一つの記事

宗教者によるSIMTの活用
宗教の方法にアレンジした方法で支援する場合。
SIMTの一部の手法をそのまま、あるいは、アレンジして、独自のプログラムを開発 。「このプログラムでうつ病などが改善する」と言うのは問題がある。

他のサービスとの併用
マインドフルネスSIMTは、自分のエゴイズム (自分や他者を傷つける本音、自分の金銭的利益を優先する本音) に気づき抑制してクライエントを自分の利益の踏み台にしないことに留意すべき。

独自の方法の開始は:
 効果の高いマインドフルネス心理療法の開発をする試験研究は必要。クライエントに、違う方法で行うことを公表した上で行って、効果を確認する。

他の治療法との併用
他の心理療法との併用


薬物療法との併用は全く問題なかった。 症状が軽くなってから、医師の許可を得て減薬、断薬をすることができる。

第6 脳トレーニング第6弾
 前頭前野、セロトニン神経、副交感神経などが活性化するといわれる脳トレーニング、フリフリグッパー体操、動作法など。毎回、新しいメニューを加えていて、これが第6回目。

第7 セッション6のポイント、および、支援者となるべき受講生の課題

第8 前日のマインドフルネスSIMT研究会の内容報告

 ☆場所的論理、逆対応の論理、絶対無、エゴイズムの自己、実践哲学(臨床西田哲学)

 これも1時間かけて説明した。
世界で最も深いマインドフルネスSIMTは、すべての人間の根底の絶対無(絶対的一者)を基礎にしたものである。フランクルの主張とも類似する。 従来の仏教の方法は、坐禅によるものと、公案によるものがあった。そこまで指導するひとは、今や、ほんのひとにぎり。しかも、方法が言葉での説明が少なくてわかりにくい。
 これからは、マインドフルネスSIMTのように、論理的に言葉で説明していく方法がとられるようになってほしい。現代人には、従来の方法では無理であろう。するひとがいなくなったのがその証拠であろう。 西田哲学が場所的論理と逆対応の論理で説明した。実践方法の概要は、「実践哲学序論」に書いてある。一言でいえば「至誠」の実践であるのだが、具体的方法までは書いていない。これを具体化するのが、人格的自己のマインドフルネスSIMTである。「臨床西田哲学」というべきものです。
 すべてのひとの根底に絶対者の働きが動いている。それは、個人(自己)を通してしか働きを表わさない。この自覚のできた人は、すべてが絶対的一者が自己を否定して現成したもの、射影したものとなる。絶対的一者は、自己を否定して、個人(自己)のものに変化する。だから、すべてが絶対的一者のものとなる。絶対的一者とすべてのものは、別ではなくて、そのままで一つである。絶対者だけでは存在しない、個だけでも存在しない。自覚していなくても底で絶対者の働きがある。
 絶対者を自覚しない個人の底にも働いているが、絶対者を自我を用いてエゴイズムに塗られたものにして表現する。だから、絶対者を自覚しない科学者は独断偏見で学問することがある。オルテガの「大衆」(大学に多いという)批判や、フランクルが還元主義、全体主義、画一主義の学問批判はこういうことを言う。
 絶対現在において、絶対的一者が働いており我々の悪も罪も絶対的に否定され受容されているし、対象的な自分はそれ自体では存在しない。そして、我々の自己も世界も学問も道徳もそこから作られる。

 こういうのが、本来の大乗仏教であった。西田幾多郎、鈴木大拙、秋月龍a、井筒俊彦(以上は故人)、竹村牧男氏などによれば日本には、鎌倉時代にこれに目覚めた道元や親鸞がいた。世阿弥、千利休、松尾芭蕉などの独特の日本文化の底に流れている。竹村牧男氏によれば、空海にも深いものがある。しかし、深い哲学が大学で教えられていない。誰でも理解できるようなもの、本で読めばわかるもののみが教えられている。
 私(大田)の解釈では、曼荼羅は個人個人の絶対者が自己を否定して現成したものとなるとみれば同様の見方になるのだが。世界中の人間が根底に絶対無を持っていて、それが各々の仏、如来であるとして描いているといえる。現代に曼荼羅を作成するならば、主婦、こども、教師、医師、会社員などを並べて表現すればいい。
 こうした、深い自己の観察は、通常の心の病気の解決支援には無用である。うつ病や不安症などの改善支援は、意志的自己のSIMTで十分である。叡智的自己、人格的自己のマインドフルネスSIMTは、深い悩みの人に用いるものである。
 意志的自己のマインドフルネスSIMTは、小中学にもやさしい言葉で説明して実践してもらえる。

【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 21:16 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
抗うつ薬は低用量が最も有用 [2019年07月18日(Thu)]

抗うつ薬は低用量が最も有用

 うつ病には、薬物療法が広く行われているが、少量で治らない患者には、少しずつ増量されるのが学会の標準だったが、これを変更すべきかもしれない研究成果が発表された。

http://leia.5ch.net/test/read.cgi/poverty/1559864126/

 抗うつ薬は、承認された用量の範囲内の少なめの量を飲むのが最も効果的とする研究結果が発表されました。この結果、少ない量から始めて副作用に注意しながら増やすことを勧める日本のうつ病学会の治療指針の見直しが必要と指摘する。

抗うつ薬は「非常に重症」の患者にしか効果がないという研究も2010年に発表されていた。それで、うつ病学会のガイドラインが変更された。今度も一部変更されるだろう。さもないと、薬の費用がかさみ、患者の期待にも応えないだろう。

 少量で治らない患者には、増量しても効果がうすいのであれば、他の治療法を研究しなければならない。(ただし、これは、SSRI、ベンラファキシン、およびミルタザピンうです。他の薬は、不明です。)

 「うつ病の急性期治療におけるSSRI、ベンラファキシン、およびミルタザピンの使用においては、低用量処方のリスク・ベネフィットバランスが最も優れていることが示唆された。今回の結果を踏まえた診療GLの改訂が必要」とまとめた。」(上記記事より)

 大乗仏教の核心も大竹晋氏から新しい説が発表されました。うつ病はセロトニン仮説によってきたのですが、経頭蓋磁気刺激(TMS)では、背外側前頭前野の機能低下であるとみています。(ただし、これも再発が多いそうです。
 ( https://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4309/index.html
  ☆NHK クローズアップ現代)
 背外側前頭前野だけではなくて、他の部位も関係していることを示唆します。再発した人にストレス的な事件がったかどうかを知りたいものです。)

 学問は研究につれて、時代や環境や期待される領域の変化で従来の説から変化していく。特に、人間は複雑で未知のことが多い。ハンセン病も見方が変化した。

 「マインドフルネス」も、ポージェスのポリヴェーガル理論で限界が指摘されたので、マインドフルネスの学問も変更が行われることを期待する。評価が起きる家庭や職場での観察のマインドフルネスだ。これも、アメリカではすでに変化しているかもしれませんね。MBSRの開発者のジョン・カバット・ジン氏が、MBSRは入口にすぎないと言っていたのですから。これは、対人場面でないトレーニングが主である。対人場面では、見たもの、聞いた言葉を評価して適切な言葉や行動を瞬時に表現しなければならないからである。無評価ではいられない。

うつ病の薬物療法

うつ病は薬物療法で軽くなります。治療を受けましょう。 下記に、従来の記事を紹介する。

うつ病には、三環系、四環系の抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、 選択的セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、ノルアドレナリン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬(NaSSa)。

ただし、薬がきかない人もいる。

うつ病は再発しやすい
うつ病は薬物療法でいったん軽くなっても、再発する人がいる。

★うつ病には心理療法も効果がある

再発の予防に、心理療法が効果的であるといわれている。 認知療法、マインドフルネス心理療法がある。 自己洞察瞑想療法(SIMT)もうつ病に効果がある。ただし、完治までに1年近くかかるので、できない人もいる。
重症のうつ病には、経頭蓋磁気刺激(TMS)もある。ただし、再発も多いという。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1921
★抗うつ薬は「非常に重症」の患者にしか効果がない=研究発表(2010年)
 =薬で抑うつ症状が軽くなってから、その後、前頭前野の機能回復が起らないので完治しないで長引くのだと思われる。非定型うつ病には、そういう抗うつ薬でさえも効き目が弱い。この研究者は、薬物療法で効果がない場合、他の療法を受けるようにすすめています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1932
★薬物療法で、7割くらい軽くなるが再発も多い

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1963
★うつ病の減薬、断薬

https://www.secretariat.ne.jp/jsmd/iinkai/katsudou/data/160731.pdf
★日本うつ病学会の治療ガイドライン
【目次】このようなところに活用できそう
 マインドフルネスSIMT 2019

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4243
Posted by MF総研/大田 at 06:57 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
八王子でのシンポジウム [2015年11月25日(Wed)]

八王子でのシンポジウム

 21日の八王子でのシンポジウムの様子が、主宰者のマインドフルメイトさんのホームページに掲載されました。

http://www.mindfulmate.jp/2015kouenkai.html

他の県でも開催したいですね。ただ、うつ病の方におしらせするのがホームページしかないのでは、ホームページをご覧にならない人には知っていただけません。マインドフルネス心理療法のことも、まだ、マスコミが紹介してくださらないので、情報が患者さんには届いていません。マスコミでは、「ゆほびか」以外には、まだ、再発予防法のマインドフルネスまでしか報道されていないようです。

 薬で治らない、うつ病、不安症/不安障害でもマインドフルネスで治る人があることをご存知ない方がいらっしゃるようですから。 うつ病だけでも100万人、自殺なさる人が、毎年2万5千人も。一部の方は、マインドフルネスで救われる可能性があるのに。

 うつ病は当事者になってから愕然となさるでしょう。薬で治ればいいが、薬で完治しない場合、他の治療法がほとんどないことに、愕然となさるでしょう。医師の自殺も多いそうです。どうして、新しい治療法を研究開発しないのでしょうか。国、県、市町村も予算をつければいいのに。
Posted by MF総研/大田 at 17:42 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
八王子のシンポジウム [2015年11月22日(Sun)]

八王子でのシンポジウム

 山梨を拠点とし、東京までもマインドフルネス心理療法のセッションを開催なさっている「マインドフルメイト」さんの主催のシンポジウム。

 日本マインドフルライフ協会の武田理事長、大賀常任理事、それに大田が出演しました。終わりました。

写真です。

 釈尊の仏教の現代的な支援から見る武田様のお話し。 昔のままではないですね。その解釈はSIMTに類似です。 大賀様は、うつ病、マインドフルネスの英語の文献をインターネットで検索する方法、MBCTが再発予防法であり、治療法ではないことなどのお話。 興味深い内容でした。
 こういうシンポジウムを開催するのは、とても大変です。主催された「マインドフルメイト」の佐藤様、ご家族のみなさまありがとうございました。
 ご参加なさったみな様、それぞれにお感じになったことがあると思います。 永遠の流れで、たった一度与えられた人生、唯一・一度的存在の自分、大切にいきぬいて、社会をほんの少しいいものにして逝きたいものです。
 あきらめずに、マインドフルネスを実践していただきたいと思います。 病気でない方も、感情が渦巻く生活のはずです。実践していただけば、家族関係、職場の人間関係が変わるはずです。

 シンポジウムの開催は大変ですが、全国で開催する意義がありますね。うつ病、不安症/不安障害の患者さん、ご家族にマインドフルネス心理療法の情報が伝わっていません。患者さんの家族会など、地元の期待があつければ、寄付を募ってでも可能かもしれません。
Posted by MF総研/大田 at 14:05 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
東京都八王子で講演会/ 11月21日(土)です [2015年11月19日(Thu)]
★東京都八王子で講演会
11月21日(土)
日本マインドフルライフ協会の武田理事長、大賀常任理事、それに大田が出演します。
まもなくです。

 東日本大震災の被災地に、精神状態「悪化」「変わらず」が6割。  マインドフルネス心理療法もお役に立てるはずです。マインドフルネス心理療法のカウンセラーを現地に育成すること、新しい計画を立てることにします。 必要な資金を集めるために寄付金を募りましょうという案があります。 現地のかたが、受け皿になってくだされば、実現しやすいのですが。おしかけでは、うまくいないのが、心の問題です。

 心理士、医師、看護師、心の健康に関する支援者などの方、マインドフルネス心理療法の支援者になる講座(毎月1回、10か月)を受けたいとご連絡ください。うちあわせして、実現できるように検討していきます。沿岸部を最優先で。
 あるいは、その前に、シンポジウムを開催しませんか。どうすればいいかを話し合う会議やシンポジウムを。盛岡、仙台、福島でも。
Posted by MF総研/大田 at 23:03 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
うつ病は治りにくい=他の治療法を普及するようにとの陳情行動が必要かもしれません [2014年11月13日(Thu)]

うつ病は治りにくい
 他の治療法を普及するようにとの陳情行動が必要かもしれません

 「被災地にマインドフルネス心理療法を!」プロジェクトの最終回で申し上げたのですが、 うつ病の薬物療法が効果がいまひとつであるために、いったん、うつ病になると完治せず、復帰 できず、自殺がなくなりません。

 うつ病の薬の開発研究をなさっておられる加藤忠史氏のご著書で、この痛ましい状況を 確認させていただきました。当事者にならないとわからない苦悩です。夢をいだいて一生懸命に生きてきたのに、うつ病になり完治しない人が多いのです。家事、仕事ができません。本当につらい病気です。

うつ病の治療の現在と問題

『うつ病治療の基礎知識』加藤忠史、筑摩書房、1600円+税。

薬物療法

 「抗うつ薬の有効率は60〜70パーセントにとどまっています。 寛解率となると、さらに低く、30パーセント程度とも言われています。つまり効果が十分ではあり ません。」(p170)

「精神疾患の原因解明研究は非常に難しく、順調に進んでいるとは言え ません。こういったことから、新薬開発はほとんど進んでいないのです。 」(p172)

精神療法

 日本には、傾聴型のカウンセリング、来談者中心療法などが優勢ですが、「うつ病」の改善効果は臨床試験で 確認されていません。

 「来談者中心療法は、日常生活の悩みの解決に有効ですし、精神分析は当初は主に当時神 経症とよばれていた人たち(現在では不安障害などに相当する)を対象に行われていました。
 しかし、これらの治療法は、うつ病に対する有効性は証明されていません。
 カウンセリングで問題を解決できるのは、自己回復力の範囲にある心の悩みであり、自己回復 力を超えて脳の変調を来たしているうつ病の治療には有効ではないのです。」(p212)

 「最も効果が実証されているのは、認知行動療法と対人関係療法です。」(p213)

効果が確認された認知行動療法の普及を

 上記のように、キイポイントを抽出しました。 うつ病は、薬物療法で完治しない人が多いのです。そして、画期的な薬の開発は 当分期待できないのです。

 効果が確認されているのは、認知行動療法、対人関係療法です。 マインドフルネス心理療法も認知行動療法です。最新の第三世代の認知行動療法です。ただし、MBSR,MBCTは、そのままではうつ病の「治療法」ではありません。この手法を用いても、うつ病が「完治」するとは限りません。マインドフルネスにも、浅い心理現象を扱うものと、深刻な心理現象を扱うものがあるからです。 MBSR,MBCTそのままで、うつ病が完治するといっては、誇大広告、嘘になります。 抗うつ薬でも、完治割合は低い、それと似た状況になります。マインドフルネスの専門家は、長い期間つらい思いをしているクライエント、患者さんの期待を裏切らないようにしなければなりません。 マインドフルネス心理療法を提供するひと(専門家です)、受ける人は、そこを理解しておく必要があります。

 ご家族が2年、うつ病が完治しなかったら、難治性のうつ病かもしれません。
 残念ですが、医師は5年10年、患者さんが治らなくても、診療報酬が得られます。 心理療法の導入には強い動機が働きません。今は、そういう医療制度です。少し前までのアメリカとは違っています。
 心理士団体はどうでしょうか。お声があがらないのは、現状で満足されておられるのでしょうか。うつ病の人、病気の完治支援は心理士の役割ではないのでしょうか。病気が深刻な人の直接の支援でない領域、学校、企業、官庁などでのご活動で忙しいためだろうと思われます。

 新しい人材群が、認知行動療法の提供をするしかないのでしょうか。一体、どなたが真剣に担当してくださるのでしょうか。

 こんなに完治割合が低く、自殺率が高い病気・・・、「難病」と言えます。 不安症群/不安障害群、PTSD、過食性障害も薬物療法だけでは、完治しにくいでしょう。 ご家族が新しい治療法 を政府に要求してもいいのではないでしょうか。 無視、放置、軽視、あきらめ、・・・。専門家のエゴイズム・・・。
 新しい心理療法を普及させてくださいと政府に働きかけることも必要でしょう。医師が認知行動療法を提供するならば、相当の診療報酬を請求できるようにする制度変更もできないでしょうか。 来年、自殺防止の学会ができます。心理療法の普及の視点も期待します。
Posted by MF総研/大田 at 17:53 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
軽症うつ病には従来の認知行動療法は効果があるかどうか確認されていない [2014年06月13日(Fri)]

軽症うつ病には従来の認知行動療法は効果があるかどうか確認されていない
 =だから第三世代のマインドフルネス心理療法が開発された

 前の記事で「従来の認知行動療法は、軽症のうつ病には効果か確認されていません」 と延べました。日本うつ病学会のガイドラインに書いてあるとおりです。  すなわち、うつ病が軽くなってからは、従来の認知行動療法では治るかどうか確認した エビデンスがないわけです。うつ病の重症の時には、極端な「認知のゆがみ」による思考( 認知)を激しく回転させますから、認知療法が効果を発揮するでしょう。
 しかし、軽くなってからは、・・・ということは大体、抑うつ症状が軽くなったというのが多い はずです。ところが、前頭前野の機能は充分回復していない。この時には、気分は悪くあ りません。治ったかのように感じるので、認知の歪みによる思考を回転させるわけではあり ません。だから、この段階になると、認知療法を受ける気にもならない患者さんが多いでし ょう。実際の仕事に復帰しない限り、前頭前野の機能が回復していないことを認識してい ないことがあるでしょう。もう、治療は必要ないような気がしてしまう。
この段階で、仕事に復帰していないと、ストレスを感じないので、抑うつ症状が悪化しない し、複雑な仕事をしていないので、背外側前頭前野の機能が回復していないことに 気づかない。だから、認知療法を受ける気にならない。受けても、認知療法で背外側前頭前野の機能低下が回復するという効果は確認されていない。
 こうして、復帰するから、背外側前頭前野の機能低下によって、うまく仕事をこなすことが できない。悩む、苦しむ、それで再発となる。うつ病は複雑な病気である。脳の多様な部位の変調がある。抑うつ症状は症状の一部にすぎない。抑うつ症状がなくなったからといっても、他の変調が回復したわけではない。非定型うつ病は特にやっかいである。拒絶過敏性の反応パターンは認知療法で改善するという論理を構築しにくい。
 軽症うつ病に認知療法を提供しにくいのである。だから、復帰の支援に際し、軽症うつ病には認知療法を使 いにくいし、患者もそれほど否定的な思考を回転させなくなっているので、認知療法を受ける気にならない。認知療法で背外側前頭前野の機能が回復すると言う 論理が明確ではない。こういう事情があると推測している。だから、軽症うつ病の完治のた めには、新しい心理療法が必要なのである。
 うつ病は、軽症から重症、非常に重症になり、薬物療法を受けて、重症、中等症、軽症、寛解、完治という経過をたどるだろう。 ところが、軽症になってからは認知療法も薬物療法もききにくい人がいる。医師から 薬を「一生服用し続けなさい」と言われたという多くのクライエントにあった。しかし、抗うつ薬は、重症にしか効かないようだという研究報告があったように、 一生服用しても治る保証があるわけではない。いつまでも「私はうつ病患者だ」という悩みを持ち続けることになる。こうなると、5年、10年、20年完治しない人がいるだろう。
 だから、第三世代の認知行動療法として、アメリカでは新しいマインドフルネス心理療法が開発されたともいえる。 アメリカでは、こうして、うつ病、不安・怒り関係の精神疾患や社会問題に、新しい心理療法を開発し続けている。日本 では遅れている。日本では、病理であるマインドフルネス心理療法を臨床心理学か医学かどちらが行うのか大学での専門家の育成が遅れてる。病理のマインドフルネス心理療法を深く研究する専門家は少ないし、臨床のできる専門家も育っていない。うつ病の患者さんが復帰しては再発して苦しんでおられる。長引くと自殺がおきる。日本では、この段階のうつ病、不安関連の精神疾患は、無視、傍観されている。 日本では、マインドフルネス心理療法をになう人材群は、心理学、精神医学、看護学などのどこで育成されるのだろうか。このままでは、日本のセラピー(医療、心理療法)としてのマインドフルネスは、アメリカよりも30年は遅れるだろう。
Posted by MF総研/大田 at 20:56 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
うつ病の新しい治療法 [2013年10月21日(Mon)]

うつ病の新しい治療法

 昨日の、NHKスペシャルで「病の起源」「うつ病」を放送しました。 うつ病の患者さんの扁桃体が興奮している。扁桃体は 感情を起す深い脳です。
 扁桃体の興奮により、副腎皮質からホルモンが分泌されて、これが、脳にはいり、脳の神経細胞を 傷つけて、うつ病の症状が起きるという説明でした。 このことは、ここ数年の間にわかってきたことです。 こちらにも書いてあります。つまり、うつ病はセロトニン神経の問題だけではありません。

 それで、上流にある扁桃体に電極を埋め込む手術をして、刺激を与える治療法がドイツで開発され たそうです。そのほか、生活改善、運動をすすめていました。
 また、新しい治療法が開発されて、患者さんの選択肢がふえました。 薬物療法、扁桃体刺激の方法、認知療法、マインドフルネス心理療法と色々な治療法があります。 割合、導入しやすく副作用が少ない認知療法、マインドフルネス心理療法を提供する医師、カウンセ ラーが増えることを希望します。
 心理療法は、ストレスの対処法を習得して、あまり、感情的にならないようにして、治していくものです。呼吸法や運動も、脳にいい影響を及ぼします。自己洞察瞑想療法(SIMT)は、これらの長所をみなとりいれています。本『うつ・不安障害を治すマインドフルネスーーひとりでできる「自己洞察瞑想療法」』で紹介しました。しかし、自習できない人もおられるので、援助する専門家が必要です。
 一昨日、マインドフルネス心理療法(SIMT)の講座がスタートしました。また、そういう場所がふえます 。ゆっくりとですが、マインドフルネス心理療法が普及していきます。 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、昔から日本人が探求してきた哲学を応用していて、日本人には向いているような気がします。 ただし、できる人ばかりではないので、他の方法への扉を開いておきます。その人にあった治療法を選択していただくのがいいことです。
Posted by MF総研/大田 at 17:11 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
うつ病など病気で休職した人、その後多く退職 [2013年07月30日(Tue)]
(募集中)マインドフルネス心理療法によって援助できるスキルの講座 (SIMTを使うカウンセラー、医師、看護師、支援者など)
=8月中の希望者数により開講か中止かを決定します。

うつ病など病気で休職した人、その後多く退職

 うつ病などの心の病は、再発する人が多い。休職しても治らないとか、一度軽くなっても 再発して、退職する人の割合が高かったという調査結果が報道された。
    朝日新聞デジタル
    (記事のリンクが禁止されているので、 サイト内検索でたどりついてください。「病気休職後」「退職」のキーワードならたどりつくでしょう。)
 特に、うつ病は薬物療法だけでは治らなかったり、再発が多いことはも うよく知られている。 次の記事に書いたとおりである。  非定型うつ病は特に治りにくい。しかし、マインドフルネス心理療法(SIMT)で治るひとがいる。だが、とにかく、日本は、うつ病の心理療法が遅れて いる。 薬物療法が健康保険の対象になっているため、安価で受けられる。カ ウンセラーによって本格的に治す心理療法は健康保険の対象ではない ため、患者の負担が大きい。そのため、受ける患者が少ない。患者が少 ないために、心理療法(認知療法、マインドフルネス心理療法)を習得し て提供しようとするカウンセラーが増えない。職業としてやっていけない 。こうして、日本ではうつ病、不安障害の心理療法が発達しない。
 国、自治体が患者に補助して心理療法を受けられるようにしてほしい 。治ると、薬物療法による治療費がなくなり、働けるようになり税収が増え るかもしれない。心理療法の普及を検討していただきたい。
 各都道府県に1箇所くらい、マインドフルネス心理療法を提供するカウンセラーが数人いるセンターを作れないだろうか。長年月、薬物療法にかけるコストとの比較をして導入を検討してほしい。コストがかかっても、やるべきこともある。治らないと自殺もある病気だ。市民、県民の幸福のために予算をまわしてもいいはずだ。
Posted by MF総研/大田 at 17:03 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
うつ病、不安障害は「病気」=治すことができる病気 [2013年04月13日(Sat)]

うつ病、不安障害は「病気」=治すことができる病気

 明日、14日は、池袋での患者家族会です。 うつ病、不安障害は「病気」です。病気は治療して治すことができるもの です。その生じている原因を理解します。それは過去の出来事ではなくて 、現在、脳のどこに病変があるのか(神経生理学的な要因)と現在の心理・行動反応パターンを理解して、それが治るような治療法 を行うわけです。治療法は、薬物療法、心理療法などがあります。よく理 解していただいて、治していただきます。自習できることを目ざして本を 出版しますが、自習できない方は、カウンセラーの支援を求めるといいで す。毎月1,2回、カウンセラーの支援を得て、呼吸法などを実践してい くと、症状が軽くなってきます。脳内に変化が起きるのです。 たとえば、「つらいつらい」と考えると、交感神経、副腎皮質が興奮して 、症状が悪化します。一方、そのような考えをストップできれば、交感神 経、副腎皮質の興奮はありません。症状が悪化しません。一例を述べまし たが、このように、自分の受け止め方次第で、脳内に変化が生じます。
 ほかにも、苦しくなってしまう心理、行動の価値崩壊の反応パターンと 逆に、症状を軽くしていく思考、行動の価値実現の反応パターン(フラン クルの価値実現と関係があります)を理解して、価値実現の反応パターン を繰返していくと、脳内に神経生理学的な変化が生じて、治るのです。
 死にたくなるのは、うつ病という病気に特徴的な病気の症状です。 うつ病が治れば、死にたいという思いは出てこなくなります。病気を治せばいいのです。
 月1回くらい、説明会を開催しますので、近くの方は、一度参加してい ただいて、こうしたことを理解して、自習して、治してください。 本にも書いてあります。ぜひ、治して、人生に(ということは、自分の目 前の世界にということです)に生きる意味を発見して生きていただきたい です。マインドフルネス心理療法で治ると、病気が治る以上に、価値実現の反応パターンを身につけるという大 きい副産物を得ることができて、一生、生き抜いていく智慧を獲得できる でしょう。日本では日本的霊性(西田哲学で、やさしく、そのやや深いところで十分)、深い真の自己を基礎にした世界の見方を訓練していきます。フランクルのいう内在、現存在の探求と似た方針です。
  人生には、仕事のストレス、対人関係の悩み、身体の病気、子 育ての苦労、老年期になるまでも、つらいことが多いものですから。
 14日は、特に非定型うつ病について詳しく説明します。 不安過敏な学生、若い人に多いです。早いうちに治して、一生、心の免疫を高めて、 社会創造に活躍していただきたいです。人は、みな、創造的世界の創造的要素であるといいます。大切な命です。呼吸法を基礎にした自己洞察を真剣に行えば治るのです。
Posted by MF総研/大田 at 22:21 | うつや自殺念慮の心理療法 | この記事のURL
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