CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
« うつ病の予防 | Main | 適応障害»
(6)自己自身をも観察する [2021年06月17日(Thu)]
地方創生SDGs 官民連携プラットフォーム
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  当法人のSDGsの取り組み


【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(6)自己自身をも観察する

 マインドフルネスSIMTは、生き方そのものですから、すべての意識作用を観察します。 「自己」を意識することを西田哲学では「自覚」といいます。通常の意味とは違います。(下記、ブログ3439)

 永遠の中でたった一回きりの自己という意識がある。自己が意識されるのは、感覚(見る、聞くなど)によるのではありません。むしろ、自己は感覚を起こす主体です。感覚に障害のある人でも自己意識(自覚)があります。感覚でつかむものではありません。

 アメリカのMBSRでは、感覚で見ることですから、「自己」の観察はありません。この点でも、MBSRと日本のSIMTとは違います。欧米のマインドフルネスのうち、ACTおよび、弁証法的行動療法には、自己の観察がありますが、自覚については、無評価ではありません。 最奥のものが真の自己だという評価があります。無評価一辺倒ではありません。

 欧米のマインドフルネスは、日本のものとは違っています。SIMTでいう自己意識、自覚は、禅と類似します。

 しばしば、自己嫌悪、自己否定ということが言われます。好き嫌いの「本音」の一種です。自分を嫌悪するので、重大な苦悩です。

 西田哲学によれば、作用に応じて自己には階層があります。判断的自己、知的自己、意志的自己、叡智的自己、人格的自己です(図参照)。

 自己嫌悪、自己否定は、思考作用で考えられた内容を思いうかべて、 嫌悪、否定の評価をしているのであって、真の自己ではないと観察によって了解します。 自己は、それぞれの作用をする、作用の奥底(ノエシス)にあります。判断したり、見聞きしたり、考えたり、目的への行為をしたりする時に自己意識があります。そういう意味で、多種の作用を起こし、作用をみな包んでいるので、点ではなくて、場所です。

 意志作用は目的を持ちながら見聞きし考え行為していく時に、自己が意識されるので、意志的自己です。

 意志作用より深い行為的直観は、自分の価値の世界も包みこんで価値を実現していきます。 全く価値行為に専念している瞬間は、自己が意識されませんが、行為的直観に用いられる作用をみな包んでいます。心に意識されるものは、価値への行為です。スポーツ、芸術に専心している時を考えればわかります。行為が終わった後で、振り返って(もう、行為的直観でない)すぐ今の価値は自分がなしたのだという意識があります。それが叡智的自己です。すべての産業的な価値も同様です。

 価値実現の行為的直観をなしたものと、知的自己、思考する自己、意志的自己と同じ自己という自覚があります。社会的には、賞賛される自己であり、誇らしく意識されます。それはそれでいいのですが、そういう自分をうぬぼれて、驕り、他者を見下す者もいます。他者を差別、排斥などする者もいます。叡智的自己は社会に多大の貢献をする一面で、そういう自己をうぬぼれ、驕り、自己に執着して、我利、エゴイズムの行動をすることがあります。わずかにごく狭い領域のことしか知らないのに、自分をうぬぼれ、驕るものがあります。独断の叡智的自己です。凝り返し指摘しているようにオルテガは大学に多いと言います。

 一方、自己は狭いことしか知らないこと、無知であること、人の 知らないところではくだらないことを考え行為しているつまらない人間でもあることを知って奢らず偉ぶらず、社会の利益のために働く至誠の叡智的自己もいます。 陶芸家の河井寛次郎は、賞賛される陶器を作ったのですが、私が作ったのではないと人間国宝の栄誉を受けませんでした。河井寛次郎は、無我を体験していて、人格的自己ですが、そういう体験がなくても、誠実なひとがいます。至誠の叡智的自己です。

 マインドフルネスSIMTは、そういう階層の自己を観察します。アメリカのマインドフルネスであるMBSRには、自己の観察はありません。アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)には、自己の観察があり、「その自己は違う、文脈としての自己が真だ」という評価がありますから、無評価だけではありませんが、日本人が昔から実践してきた禅の観察、自己洞察とは違います。自己とは何かという哲学が違うのです。

 自己の観察の哲学が違うと、自己そのものが問題になる苦悩の解決には、効果がないかもしれません。例えば、自己の「死」です。叡智的自己や文脈としての自己の消滅の苦悩です。それが真の自己だといい、それが消滅するはずの「死」はつらいと解決策が見えません。

 しかし、ある領域の問題に適用して、問題が解決するので、それぞれのマインドフルネスの流派は社会貢献できるわけです。それぞれの問題の支援者、クライアントがいるので、みな存在価値があるのです。国民のためには、みな、共生していくべきなのです。排除ではなくて、共生です。医師にも、種々の領域があるように、マインドフルネスも種々の領域のための異なる流派が共生していくべきなのです。共生の哲学的な根拠は、華厳経、西田哲学などに求めることができそうです。そのことを竹村牧男氏の近著で確認できたと思います。

 (これがなかなか理解してもらえない。「この団体では、これひとつで行こう」と強くいう者、それに追従する者が多数いる。そうなると、その団体には、思想、学問、意見表明の自由のない団体となる。トップと多数派による独裁的団体、覇権主義的な団体となる。大は国家から小は数名の団体、法人、地域などどこにも見られる。そこでは、抑圧された不幸なひとがいる。 ヴィクトール・フランクルが批判する還元主義、画一主義、全体主義。

参考書:
竹村牧男『唯識・華厳・空海・西田』青土社、2021
【関連記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3439
★自覚

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3572
★自己の階層

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2080
★ACTの観察する自己

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2078
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2195
★リネハンの弁証法的行動療法の自己
 ACTの自己よりも深い自己。
 深刻な苦悩は、深い自己の哲学でないと解決できません。 がん患者の死などは、深い自己の哲学でないと救済されないでしょう。
種々の「マインドフルネス」がありますが、適応できる問題領域が違うのです。無評価の観察だけを偏重しないでいただきたい。

【専門家はエゴイストになりやすい】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2991
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2777
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2787
★叡智的自己
 人はみな(大学人も宗教者も)自分のみを愛する。自己保身、収入、地位を守るために、批判者を排除する。トップになれない者は、トップに賛同して多数派となり、トップから甘い汁をもらう。どこもそういう構図になる。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3452
★西田哲学で説明する叡智的自己まで宗教ではない自己の階層

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4100
★オルテガ=自分のものを押しつける

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4651
★見て見ぬふり

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3653
★「ソラリス」

知的自己から人格的自己まで.jpg

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

【参考書】大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版。(価値についての詳細を述べている)

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 前編』大田健次郎、日本マインドフルネス精神療法協会
 上図は、本書のp18、セッション5 (このテキストは、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座で配布されるテキスト。前編は18ページ、後編30ページの小冊子)



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは



Posted by MF総研/大田 at 19:46 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(5)大きな価値にそっているかを観察評価しつつ目的の連鎖 [2021年06月16日(Wed)]
地方創生SDGs 官民連携プラットフォーム
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  当法人のSDGsの取り組み


【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(5)大きな価値にそっているかを観察評価しつつ目的の連鎖

 マインドフルネスSIMTは、生き方そのものですから、すべての意識作用を観察します。 本音、目的、価値も観察します。本音、目的の観察については前の記事でみました。 今度は、「価値」の観察について述べます。 目的は短期の行為の方向です。長期的な行為の方向は、価値といいます、人生の価値です。

 MBSRでは、価値の観察は含まれていませんが、SIMTは生き方全体ですから、人生価値に合致しているかどうか、見ることでも、行為することでも評価します。
 目的は短期の目標です。1分かける目的、30分で達成する目的、1時間くらいなど短時間の目標が「目的」です。
 「価値」は、数年、30年、定年まで、死ぬまでなど、長期的に維持します。 ほとんどすべてのひとが、人生の価値を2,3個から数個の「価値」をもちます。

 ある時間帯には、家族を守るという長期的な価値にために自分の行動をします。そのために、一連の目的を次々と設定して、その価値を実現させます。別の日、別の時間帯には、仕事という長期的な価値を実現するために、次々と短時間的な「目的」を設定して、それがうまくいっているか評価観察します。
 下図では、緑の矢印の部分です。目的 ← 価値 です。
     「価値」については、マインドフルネスではありませんが、神谷美恵子、ヴィクトール・フランクルが詳細に論じています。私は『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』(清流出版)で、マインドフルネスSIMTのための価値について述べました。 『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』(佼成出版社)では、セッション5で、練習します。
 価値実現の作用を「行為的直観」といいます。行為的直観は、一連の意志、目的を内に包み込んでいます。すなわち、意志、目的よりも深い作用が行為的直観です。

 SIMTは、価値の評価観察も重視します。自分の見るものが価値の実現のものであるか評価します。価値に関係あるものを重視します。「重要だ」と評価しているのです。 朝、新聞を読む時、膨大な情報の中で、株価を見るか、国際関連の記事、スポーツ関連の記事など、自分の価値に関係するものを選択しています。 なにごとにつけて、そうです。

 すべての人が、自分の家族のことを重視します。自分の仕事を重視します。

 うつ病、不安障害、PTSD、パーソナリティ障害などで悩むひとは、この「価値」を選択すること、切り替えること、価値のための目的設定をすることなどができなくなりますので、価値をしっかり確認、維持するような心のトレーディングをします。SIMTは、そこまで含みます。だから、SIMTはすべてのひとが実行すべきです。

 自分の価値をあまりに偏重するために、他者の価値を崩壊させる行為は、ハラスメント、メンバーの自由抑圧(た問えば、学問的批判さえも封じる)、犯罪になることがあります。学者も犯すとオルテガや多数の哲学者が指摘しています。我利我執、独断、偏見などという「闇の心理」です。積極的、意図的なものと、無自覚的なものとがあります。SIMTは、病気の人だけの生き方ではなくて、すべての人のものですので、病気でない専門家にもすすめます。

【価値に関連するブログ】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2846
★マインドフルネス心理療法の中でも、深い弁証法的行動療法の「マインドフルネス」の定義は、「無評価」だけではありません。マインドフルネス=観察は種々あります。無評価だけで人生を生き抜いてゆけるはずがありません。

 ジョン・カバット・ジン氏の本人が言うように、無評価のマインドフルネスは、入門にすぎません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4500
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4502
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4527
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2768
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2777


図解SIMT前半-p18-2つの反応パターン.jpg

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

【参考書】大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版。(価値についての詳細を述べている)

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 前編』大田健次郎、日本マインドフルネス精神療法協会
 上図は、本書のp18、セッション5 (このテキストは、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座で配布されるテキスト。前編は18ページ、後編30ページの小冊子)



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは



Posted by MF総研/大田 at 21:36 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(4)目的およびそれに合致しているか観察評価 [2021年06月15日(Tue)]
【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(4)目的およびそれに合致しているか観察評価

 マインドフルネスSIMTは、生き方そのものですから、すべての意識作用を観察します。 本音、目的、価値も観察します。本音の観察については前の記事でみました。 今度は、目的の観察について述べます。目的は短期の行為の方向です。長期的な行為の方向は、価値といいます、人生の価値です。これは、長期的です。価値は、次の記事で述べます。

 人間は、その都度、「目的」を設定して、その目的を実現するために、感覚(見る、聞くなど)を目的のために使い、思考も動かして素材、方法、手段を考えて、そして、これでいけると確信すると行動に移ります。そして行動する瞬間に次々と状況が変化するのを見て、今の瞬間の行為が「目的」の実現の方向に合致しているかどうか評価判断します。

 次々と見ることで知る状況が目的からずれていると判断した時に、行為を修正変更します。

 例えば、これからの1時間かけて家族のために夕食を作ろうという「目的」を設定します。 材料を置いてある冷蔵庫を見て、まず何(たとえば、カレーライス)を作ろうと目的を設定して食材を選んで調理という行為をします。行為しながら、うまくできているチェックします(それは評価です)。

 瞑想の時は、対他的行為ではありませんので、目的も設定しなくてすみますが、社会的行為、他者(家族、顧客など)のための行為をする時には、具体的な「目的」を心の中に思い浮かべます。
 目的を並行して観察しながら、見て、考えて、行為します。すると、見つつあるものが、目的に合致しているかどうか、評価しながら行為が進行します。このように、無評価では、ありません。無評価では、何もできません。(うつ病になると、これができないので、苦しみます)

 マインドフルネスSIMTは、目的を観察します。見るもの、考えること、行為が目的と合致しているか評価しながら、続行、修正、中断などの判断をするトレーニングを繰り返します。
 うつ病、不安障害などになると、自分の意識作用のすべてを目的達成へ統合的に用いることが失われることがあります。また、目的を設定することができなくなります。 このように、目的的行為への意識作用を成長させることがSIMTの重要な一つです。

 家族を苦しめることも、この失敗です。不和となり、家庭を崩壊させます。
 力あるものによる各種のハラスメントも目的の失敗です。価値実現への目的ではなくて、自分のよこしまな目的を設定して行為して相手を苦しめるので、「悪」と評価されて、告発されて、加害者が第三者(倫理委員、裁判官など)から「ハラスメントである、悪である」と評価されることになります。

図解SIMT前半-p18-2つの反応パターン.jpg

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 前編』大田健次郎、日本マインドフルネス精神療法協会
 上図は、本書のp18、セッション5 (このテキストは、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座で配布されるテキスト。前編は18ページ、後編30ページの小冊子)



https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは



Posted by MF総研/大田 at 17:51 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(3)特に対人場面で起きる本音を観察 [2021年06月14日(Mon)]
【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(3)特に対人場面で起きる本音を観察

 マインドフルネスSIMTは、生き方そのものですから、すべての意識作用を観察します。 本音、目的、価値も観察します。まず、本音の観察について述べます。

 マインドフルネスSIMTでは、感覚、思考、行動などを無評価で観察するのではなくて、 そういう意識の背後にある「本音」を観察します。MBSRでは、これを全く言いませんが。 評価しないというのですから。

 本音は、自分が見たり聞いたり、行動したりする時に、背後にあってみる、聞く、考える、行為するなどの内容を修飾する意識です。好き嫌い、良い悪いなどの評価基準です。 対人関係で、必ず「感情」が起こります。怒り、不安、悲しみなどの不快な感情です。よろこび、楽しいなどの快の感情もあります。だから、すべての人間が「本音」をもっており、感情を起こします。本音について別に詳しく述べています。  他者と会話しているとか、他者の行動を見ると、イライラ、不満、怒りなどの感情を起こします。SIMTでは、感情が起きた時、その瞬間に「感情が起きた」「本音は何か」を観察します。だから、そのままにはしておかないということです。

 SIMTをしないひとは、本音の観察をしないので、感情が起きると、ただちに、相手に向かって、激しい言葉を投げかけるでしょう。相手は驚きます。そして、相手も怒って、激しい言葉を投げかけることがあります。けんか口論になります。
 SIMTをする人は、感情が起きた時、一瞬、背後の本音を観察するステップを入れます。自分に本音という「評価基準」があるのだと、了解して、適切な反応をします。けんか口論にはならないような言葉、行為を選択して、発出します。
 これがなかなか難しいのです。うつ病などのクライアントには、10カ月かける(それくらいに、難治性の人が多いです)ので、この難しい本音の観察は、第6段階に組み込んでいます。ただし、マインドフルネス瞑想療法士になるための講座では、最初から本音の観察に取り組んでもらいます。それほどに、本音の観察は難しいので、支援者になる人には、長い期間、トレーニングしてもらうので、講座の最初から最後まで、トレーニングに組み込みます。

 本音の観察は、家庭生活、職業生活を営む上で重要であり、すべての人が、生涯にわたって実践していただきたい部類の観察です。これをうまくしないひとは、他者を力によって抑圧、排除、ハラスメント、緊張させる、などをしてしまいます。多数派工作をして、批判者を排除したり、抑圧したりする専門家も多いので、自分のエゴズムであり他者を苦しめるので、哲学者がとりあげています。

 精神疾患のクライアントでは、本音によって自分を苦しめる方向の思考、行為をすることによって、発病しますし、発病してからも自己の症状や問題行為を持続させるような神経生理学的な反応(交感神経の興奮、ストレスホルモン分泌など)を引き起こすところに感情、本音の動きがあります。本音は、否認してはいけません。感情が起きるのは当然です。しかし、反応を選択する智慧を身につけます。

 インターネットで、人を誹謗中傷する事件があとをたちませんが、これも、本音のせいです。自分の評価基準に合わないので、怒り、嫌悪、不満の感情を起こして、誹謗中傷の言葉を発出するのです。「自粛警察」という激しく責める行為も、本音による感情を爆発させています。

 マインドフルネス瞑想療法士の講座を受ける人は、10カ月、本音の観察を続けて日記に書いて提出して批評を受けます。
 病気を治したいクライアントは、セッション6から10までの5か月の期間、観察、記録します。

後編p5.jpg

(参考記事)

「無評価」は、現実生活の場面では使えない
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4760
★哲学者池田晶子さん「14歳の君へ」自分で善悪の判断をしなさい
 よって、子どもには「無評価」のマインドフルネスを教えないほうがいいかもしれない。
 いじめ、虐待、セクハラの行為をされたり、見たり「することがあった時、「無評価」ではいけないのだから。こういうことは悪いことだと評価判断しなければならない。無視、傍観、苦悩感情の否認、悪の是認を助長するリスク。もし、子どもにされるこういう行為を被害者が否認したら、その時も大人になってからも深刻な苦痛をもたらす。
幼いころ、こういうことをされた人も、今苦しんでいる。あれは悪だったのだと評価判断すべきである。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4710
★科学者はいう、対人場面では評価

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4056
★ポージェスのポリヴェーガル理論

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4000
★対人場面、仕事では評価の観察

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3855
★専門家、力あるもの、多数派のゴリ押しも「悪」であると評価判断

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
★「見て見ぬふりをする社会」マーガレット・ヘファーナン
 自殺、うつ病、適応障害、暴力、すぐ近くにあるのに、見て見ぬふりしている専門家

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4651
★見て見ぬふりする人と正当な批判者を封じ排除する人、告発するカサンドラ

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 後編』日本マインドフルネス精神療法協会
 上図は、本書のp5、セッション6
(このテキストは、マインドフルネス瞑想療法士の認定講座で配布されるテキスト。前編は18ページ、後編30ページの小冊子)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2111
★ACTは、1年もかけて行うものではない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは



Posted by MF総研/大田 at 21:39 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(2)瞑想時の感覚だけでなく、常時、すべての意識を観察 [2021年06月13日(Sun)]
【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819 (目次)

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(2)瞑想時の感覚だけでなく、常時、すべての意識を観察

 マインドフルネスSIMTでは、感覚だけを無評価で観察するのではなくて、対人場面でもすべての意識作用を観察するのです。自分の独断的な評価がないかどうか観察します。

 観察する意識作用は、図のように、感覚、症状、想起、思考、感情、欲求、発言、行為、本音、目的、価値などです。

 すべての意識を観察しなければいけないのは、対人場面において、その反応いかんによって、目的を実現できることもあれば、他者を傷つけたり、自分が犯罪だと評価されて罪人になるかもしれないからです。
 たとえば、発言が、「ハラスメントだ」と評価されるかもしれません。また、相手の言葉を聞いた時に、ハラスメント、詐欺、うそではないか、誠実か評価しなけれなりません。

 うつ病、その他の精神疾患が起きるのは、瞑想時でなく、対人場面での言葉や動作のやりとりによって起こるからです。また、家族を苦しめて、家庭不和、家庭崩壊も対人場面です。瞑想時ではありません。
 人はみな、瞑想だけでは生きていけません。物サービスを消費し、代わりに自分ができるものを生産提供します。この時に、自分は他者の言葉を聞いて行為を見て評価し、逆に自分の言葉行為が他者から評価されます。 社会的行動をして、社会において働く必要があります。だから、その時に、自分も相手も精神疾患にならないように、ハラスメントや罪をおかさないように、また家族を苦しめないように、自分の意識内容を観察評価して、発言、行為します。
 そのようにできるように、心の使い方を訓練するのがマインドフルネスSIMTです。 無評価では生きていけません。無評価の感覚観察は、ごく一部です。

後編p10.jpg

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

『図解 うつ・不安障害を治すマインドフルネス 後編』
 下図は、本書のp10、セッション7

(上図は、本書のセッション7の高度な観察です。ここまでできるように、やさしい観察から、徐々に、深い観察にすすみます。うつ病、不安症などを治すためには、1年近くかかります。それほど、簡単ではない病気です。真剣にSIMTを実践するひとは、自殺しないですむのです。最近、また自殺が増加しています。人生には、つらい出来事が何度も起こります。SIMTで乗り越えていきます。)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2111
★ACTは、1年もかけて行うものではない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは

Posted by MF総研/大田 at 20:17 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
マインドフルネス心理療法SIMTとは(1) [2021年06月12日(Sat)]
地方創生SDGs 官民連携プラットフォーム
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  当法人のSDGsの取り組み


【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
 =うつ病、非定型うつ病、不安障害、過食症、自律神経失調症、家族の不和にも


【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819

マインドフルネス心理療法SIMTとは
(1)日本で開発された人生全般で活かされる自己洞察法

 マインドフルネス心理療法のうちでも、SIMTとは、自己洞察瞑想療法のこと。 マインドフルネス心理療法には、多数の流派がありますが、たいてい、アメリカで開発されたものです。しかし、SIMTは、日本で開発されたものです。

 アメリカのマインドフルネス心理療法はMBSR(マインドフルネスストレス低減プログラム)が最も普及しています。そして、MBCT(マインドフルネス認知療法)もあります。それらは、無評価で観察します。観察の対象としては、対人場面でない時の感覚を観察するのが中心です。それで、効果ある領域が限定されます。習得は簡単なだけに深刻な問題の解決には用いられません。

自己洞察瞑想療法、SIMT

 現実の社会は、対人関係です。家庭、職場、病院、インターネット世界、すべての現場で、自分の言葉、行為が評価されます。また、自分も相手、他者の言葉、行為を評価します。
 評価とは、良いー悪い、善だー悪だ、それでよいーそれではだめだなど、多数の評価があります。この評価のしかたが起きた時、反応する言葉、思考や行為次第で、自分が傷ついたり、相手を傷つけたりします。
 アメリカ発の「マインドフルネス」は、瞑想時、歩く、食べるなど対人場面でないので、まず、感情が起こりません。だから、無評価で黙って瞑想、歩く、食べる等していればすみます。しかし、家庭、職場などでは、相手から何かをされますから、決して無評価ではいません。
 自分や相手を傷つける言葉や行為をすることを「価値崩壊の反応」といいます。そうならないで、自分の生きがい価値(家族との幸福を維持したり、自分の仕事)を継続して満足できるような言葉や行為を「価値実現の反応」といいます。

 そういうわけで、対人場面(リアル、電話、インターネットなどすべての場面)で、相手の発した言葉や行為を自分は、必ず評価します。自分の内面に「評価基準」(SIMTで「本音」という)があるので、それと比較して、感情を起こします。不快な系統の感情が、イライラ、怒り、悲しい、不安などです。決して、無評価ではありえません。世の中には、不快な感情を起こす出来事で充満しています。

 感覚、思考、感情、行動の影響を評価観察して、価値崩壊の反応を抑制して、価値実現の人生をめざす万人共通の心の使いかたがSIMTです。自分と相手、他者の価値を崩壊させないように評価判断して共生を実現していく心の観察です。 昭和にブームになった禅的な生き方に類似するが、宗教的な説明はなく、西田哲学や脳神経生理学やうつ病の医学などを参照しています。背景で働く本音の観察を重視します。本音が自分や他者を苦しめます。専門家が他者を排除するのも自己保身的、自己中心的な本音によるが自覚がないので、地位、権力、財力などを持つ者から弱者に対するハラスメント、差別、偏見がなくなりません。被害者は、うつ病、適応障害、PTSDなどに追い込まれ、自殺もあります。

自分に批判的な学説を嫌うという本音で評価する専門家

 「本音」には、すべての人に普通にあるものと、専門家、学者にあるものがあって、後者は社会全体が発展していくことを、また、悩むひとが救済されることを妨害することになるので、哲学者が 専門家のエゴイズム、独断として厳しく批判しているが、いつの時代にも止みません。つまり、自分よりすぐれたものは嫌いであり、党派を組んで集団から排除するひとがいます。社会の利益よりも、自分の地位、立場、利益に固執する発言、行為をするのです。そのように、自分に批判的な説は「嫌いだ」と「評価」するのです。

 日本の「マインドフルネス、つまり日本の自己観察といえる、深い禅は、それを厳しく批判してきたが、これまでは、あまり明確にされませんでした。しかし、マインドフルネスや哲学が、そういうことがあると指摘してきたので、まもなく、こういう一種のハラスメントが明確に意識されるようになるでしょう。学説の違う人を「嫌い」だと「評価」して、差別扱いしたり、排除する行為です。これがあると、有力な革新的な情報が隠されるので、救済されるはずのひとが救済されないという悲劇が起きます。そうであるから、SIMTでは、本音の観察、他者を苦しめるもとにある「本音」の観察と、自己の利益を優先して社会的発展を妨害する発言、行為の抑制を重視します。

(続く)

【参考書】大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTとは

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4832
(12)マインドフルネスSIMTはすべての悩める人たちのもの
 (12−1)薬で治らなかった, うつ病、非定型うつ病、適応障害、パニック症、広場恐怖症、心的外傷後ストレス障害(PTSD)、過食症など

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4831
(11)SIMTで何が変わるのか

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4830
(10)私のうつ病体験からSIMTが生まれた

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4829
(9)そもそも「マインドフルネス」とは何か
 =仏教で行われた実践のごく一部

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4828
(8)マインドフルネスの流派によってそれぞれの哲学が異なる
 =欧米、東南アジアのマインドフルネスと日本のマインドフルネスSIMTの違い

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4827
(7)最も深いマインドフルネスSIMT(執筆中)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4824
(6)自己自身をも観察する

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4823
(5)大きな価値にそっているかを観察評価しつつ目的の連鎖

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4822
(4)目的およびそれに合致しているか観察評価

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4821
(3)特に対人場面で起きる本音を観察

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4820
(2)瞑想時の感覚だけでなく、常時、すべての意識を観察

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4819
(1)マインドフルネスSIMTは、日本で開発された人生全般で活かされる自己洞察法

 SIMTは、感情(情動)、本音の観察、衝動的な反応の抑制のトレーニングを繰り返すことで、適応障害やうつ病に陥る嘆きの思考(それが脳内にストレス反応を起こす)を少なくする。

 瞑想中ではない仕事・対人行動(=ポイエシス)の時に、内面の自己の心を観察(プラクシス)していること。自己中心(エゴイズム)の心理で見ていないか、考えていないか、行為していないか常に観察し、エゴイズムの行為を抑制

 うつ病や不安障害、PTSDなどは、薬物療法で治らないのは、「難治性」です。SIMTでも1年近くかかります。しかし、無評価の観察では扱えないですから、1年かかっても、やっていただく価値があります。治らないで、就職できないで、ひきこもる状態が長引いたり、自殺されるよりは、SIMTで回復していただくほがどれほどいいことでしょうか。


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4817
★秋田大学に自殺予防センター

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3851
★カウンセラーの本音
 =多くのマインドフルネスをいうひとがいるが、うつ病などを治す活動を生きがいにする人は少ない

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4800
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4050
★学者は臨床が好きではありません(無評価観察の限界をいうポージェス)  論文を書かなければ「評価」されません。  臨床では、時間がたくさんかかります。論文にするような新しい知見はありません。ただ、ただ、苦しむ人が治るようにすでに完成されたに近いスキルをアドバイスし続けます。
Posted by MF総研/大田 at 17:56 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
大阪なおみさん、大会の棄権に騒然 [2021年06月01日(Tue)]

大阪なおみさん、大会の棄権に騒然

 驚くべきニュースが流れました。大阪なおみさんの重要な大会の棄権。彼女は、説明してくれていますが、批判的なものも賛同的なものもコメントをみると、彼女の苦悩を理解してくれるひとが少ないようです。
 彼女のほかは、精神的に強くて、理解できないのです。 彼女は、できれば会見したいのでしょうが、できないのです。そのようにいっています。 強いひとは、弱いひとを理解できないのです。

 30年近く、心の病気のかたにおあいしてきたので、わかるような気がします。棄権してまでも、できない苦しみ。

 身体障害、身体のけが病気には配慮するスポーツ界は、大阪さんの苦悩には配慮がないのですね。内向的な自分には、 テニスが向いていると信じてやってきたのに、テニス自体でないところ(記者会見)でうまくできない苦悩。不安、恐怖、きっと似た問題で苦しむ人は、大阪さんを理解できるでしょう。

 大阪さんは、オリンピックなら参加できますね。会見を強制されないでしょうから。

 大阪さんと似たメンタルな問題をもっているために、自分の夢が実現できずに、死んでいかれるひともあるのです。 大阪さんは、この苦しみを理解しておられます。まちがいなく、テニスのトップ プレーヤーです。 将来、同じような問題で苦しむひとたちのために何かしてくださることを祈ります。
 現代は世界的に、種々の障害や疾患の人に配慮することが求められていると思います。テニスは、記者会見まで含むというのは、現代の社会に妥当なのでしょうか。うつ病(あるいは別)などの精神疾患を持ちながらも、このような業績をあげるひとは、すばらしいです。同じような境遇にいるひとに、「テニスがある」と希望をもたらすでしょう。 しかし、精神的な問題のあるひとは、テニス界では、つらいことになるというのであれば、この分野には希望を持てないのではないでしょうか。記者会見が難しい精神疾患(精神障害)をかかえたひとも、テニス自体に活躍できることを認めてほしいものです。

 弱い立場の人の苦しみを理解する社会になってほしい。弱い立場のひとを傷つけないで。

Posted by MF総研/大田 at 21:27 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(3)適応障害もうつ病も自殺がありえる病菌 [2021年05月31日(Mon)]
【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを

(3) 適応障害もうつ病も自殺がありえる病気

 適応障害には抑うつ症状がある場合、うつ病に似ていますが、うつ病の診断基準に合致しないものですが、うつ病の診断基準の中には、自殺の念慮があります。適応障害の診断基準にはなくて、「診断的特徴」のところに、自殺企図があります。

G 適応障害は、自殺企図と自殺既遂の危機の増加と関連する。

 次は、うつ病の診断基準です。これには、自殺念慮があります。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/katuyou/utubyou-sndankijun.pdf
★うつ病の診断基準

 うつ病は、抑うつ症状のほかに、種々の精神症状があるので、重症になると、とても仕事ができなくなります。
 しかし、うつ病ではなくて、「適応障害」だから、重くないと安心もできません。 適応障害になり、抑うつ症状などが重くて、仕事などができなくなったこと、出来事のつらさを悩みすぎると症状が悪化して、自殺企図がおこるようになるかもしれません。

 抑うつ症状が2年も続く「気分変調症」がありますが、これは、2年継続が診断基準になっています。

 このように、適応障害だから、そのストレス因になった現場から何か月か離れて休養すれば治る、と安心してはいけないでしょう。その現場から離れた自分を責めるとか、将来を悲観するとか、否定的な思考を渦まかせると、急速に抑うつ症状が悪化して、自殺念慮が起きる可能性があります。その患者さんの状況によって、カウンセリングを受けたほうがいいわけです。

 のんびり休養だと思えるひとはいいですが、孤独であるとか、将来を悲観するとか、収入が得られrなくなることの嘆きが起きる状況の患者さんならば、心配です。
 よく言われるように、6カ月たっても完治しないのであれば、治らないこと自体が苦しみになります。
 ありふれた心の病気だから家族や社員、生徒がなることが多いでしょうから、注意していなければなりません。いじめられるとか、失恋、離婚、愛するひとの死、受験の失敗など、よくあることです。うつ病のように、注意が必要です。そして、6カ月たっても治らない場合には、別の治療法をためすのがいいでしょう。

(続く)

【目次】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4810
Posted by MF総研/大田 at 19:24 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
適応障害にもマインドフルネスSIMTを [2021年05月29日(Sat)]
地方創生SDGs 官民連携プラットフォーム
私たちは持続可能な開発目標(SDGs)を支援しています。

  当法人のSDGsの取り組み


【連続記事】適応障害にもマインドフルネスSIMTを

(1)適応障害とは

 深田恭子さんが適応障害と診断されて、しばらく休業するという報道がありました。 「適応障害」については、以前に述べたことがあります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2585
★適応障害

 DSM-5では、次の定義になっています。

A.  はっきりと確認できるストレス因に反応して、そのストレス因の 始まりから3月以内に情動面または行動面の症状が出現

B.  これらの症状や行動は臨床的に意味のあるもので、それは以下のうち1つまたは両方の証拠がある
(1)症状の重症度や表現型に影響を与えうる外的文脈や文化的要因を考慮に入れても、そのストレス因不釣り合いな程度や強度を持つ著しい苦痛

(2)社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の重大な障害

C. そのストレス関連障害は他の精神疾患の基準を満たしていないし、すでに存在している精神疾患の基準を満たしていないし、すでに存在している精神疾患の単なる悪化でもない

D. その症状は正常の死別反応を示すものではない

E. そのストレス因、またはその結果がひとたび終結すると、症状がその後さらに6カ月以上持続することはない

適応障害はいくつかに分類されます。

抑うつ気分を伴う  優勢にみられるものが、落ち込み、涙もろさ、または絶望感である場合

不安を伴う 優勢にみられるものが、神経質、心配、過敏、または分離不安である場合

不安と抑うつ気分の混合を伴う  優勢にみられるものが、抑うつと不安の組み合わせである場合

素行の障害を伴うもの 優勢にみられるものが、素行の異常である場合

情動と素行の障害の混合を伴う 優勢にみられるものが、情緒的症状(例:抑うつ、不 安)と素行の異常の両方である場合

特定不能:適応障害のどの特定の病型にも分類できない不適応的な反応である場合

 (「素行の障害」については、(注1))

 これが「適応障害」であるが、うつ病や非定型うつ病、不安症に類似したところがあるので、 私どもの、マインドフルネスSIMT(自己洞察瞑想療法)でも、支援できる。 そのわけを少し詳しく説明します。

 もし、休養にはいって、6カ月たっても改善しないのであれば、うつ病に移行したとか非定型うつ病だったとかいう場合もあるでしょう。

 芸能人に「パニック症」で休業という人も多いですが、適応障害はもっと多くの人がなっているようです。これもSIMT(注2)で支援できます。

 DSM-5の説明の中に「適応障害は、自殺企図と自殺既遂の危険の増加と関連する」とあるので、自殺のおそれもある。治る可能性があるので、色々な治療を受けていただきたい。

(参照文献)『DSMー5 精神疾患の診断・統計マニュアル』高橋三郎・大野裕監訳、医学書院、2014年 .

(注1)素行
 「素行の障害」については、DSM-Wでは「他人の権利、または年齢相応の主要な社会的規範 や規則をおかす行為の障害である場合(例:無断欠席、破壊、無謀運転、 喧嘩、法的責任の不履行)」の例が表示されていた。

(注2)マインドフルネスSIMT:自己洞察瞑想療法。大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社。

(続く)

適応【目次】適応障害にもマインドフルネスSIMTを
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4810

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4818
(7)新型コロナ感染症としてうつ病などの気分障害が14%ーオックスフォード大学が発表
 適応障害もあるでしょう

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4816
(6)適応障害にも見られる素行の障害

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4815
(5)がん患者の適応障害、うつ病

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4814
(4) 適応障害にかかる人は多い

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4813
★大阪なおみさん、大会の棄権に騒然

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4812
(3) 適応障害もうつ病も自殺がありえる病気
 =自殺企図もあるので注意、かねてから家族ぐるみで学習しておく

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4811
(2)適応障害になるストレス因
 =誰でもかかる可能性がある、事故、ライフイベント、など。
 =適応障害やうつ病を予防、改善するマインドフルネスSIMTの簡単な説明(あとで詳しく説明する予定)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4810
(1)適応障害とは

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2585
★(2012年)マインドフルネスの自己洞察瞑想療法
 =適応障害の改善
Posted by MF総研/大田 at 20:09 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
ガブリエル「渋谷スクランブル交差点」で哲学を語る・みな違う世界を生きる [2021年05月26日(Wed)]

ガブリエル「渋谷スクランブル交差点」で哲学を語る・みな違う世界を生きる

 以前に、ガブリエルが、人はみな違う意味の世界に生きていることを教えてくれました。日本の西田哲学と似ています。皆、自分選択した世界だけで生きています。コロナ感染症のパンデミックでも明らかになりました。各人の職業の場を必死に守ろうとしています。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4118
(6)ガブリエル「渋谷スクランブル交差点」で哲学を語る

 ガブリエルは、渋谷のスクランブル交差点を高い位置から見たかったそうです。そこでも、哲学を語りました。

https://response.jp/article/2018/04/27/309143.html

 スクランブル交差点を上空から眺めると、人がみな違う世界に生きていることがわかるのです。一人ひとりが、別々の価値世界に生きているのです。 渋谷は、多数の人にとって、通過点です。彼らのなかには、種々の職業の世界、学問の世界があります。彼らは、渋谷にも日本にも生きていません。
 渋谷でレストランを営むひともこの中にいるかもしれませんが、そのレストランの様子や技術は見えません。しかし、その人の精神の中には、レストランの職業世界が展開していますが、上空からはそんな彼の精神世界は見えません。

 各人は、日本に生きているのではなくて、各人の職業の世界と家庭世界に生きています。 すべてのひとが、そうです。交差点から見るすべての点(人ですが)の中に、その人の価値世界が広がっています。これが、空海の曼陀羅です。(あとで、竹村牧男氏の新刊で確認します。)

 上空から見ればわかります。地球物理的な風景が広がっていますが、ひとの精神の中には、種々の価値世界があり、そこに彼(女)のかかわる人々が存在します。つまり、その人の精神の中に、世界があり、人々がいます。そのひとだけの世界です。曼陀羅に描かれた仏の一つです。こういう別々の世界が、渋谷交差点の上空から見えます。曼陀羅です。

★うつ病、パニック症などを完治させる治療法を真剣に研究する価値に生きる学者はいない

 ここで、当面の話題に戻ります。死にたいという思いを持った患者さんの完治するまでいっしょに歩む心理療法(マインドフルネスSIMTのような)の世界と、大学などである領域、テーマについて主に新薬開発や文献の研究をするのが本務で、他の時間には病気でない学生に講義する世界は全く別な世界です。それぞれの世界に、テーマ、仮説、実験、検証、規則などがありますが、患者さんに心理療法を1年ほど臨床し続ける世界とは全くちがいます。
 お互いに互いの世界をしりません。別々の世界です。

 私も大学の教師や精神科医に接近したことがありますが、テーマも生きがいも違い、まともな学問的な議論をせず、全く理解しあえませんでした。別々の世界に生きがいを持つひとたちでした。

 うつ病やパニック症などで苦しむ患者が治るまでの1,2年ほど継続して会い続けることは特別の仮説、技術、検証のしかた、規則などがあり、特殊な世界です。この世界に生きるひとでないと、効果ある治療法を研究開発、実験、検証はできません。だから、心理療法には医師の診療報酬が低いこの日本の実情をみると、大変、心配です。心理療法を研究開発臨床することを人生価値とする学者はいなくなり、治らないで苦しみ続けて自殺していかれることが、これからも、何十年も続く可能性があります。

★心理療法を受ければ治るかもしれないうつ病の人が自殺していく
 自殺された人のなかには、医師による薬物療法を受けていた、「健康」が自殺の理由という人がかなりあります。
 仮説ですが、うつ病が完治するような心理療法が開発されてこれを全国で受けられるようになり治るはずのうつ病の患者が毎年5千人いるとします。10年では、5万人の自殺がなくなります。そのような心理療法は、高度のスキルと熱意が必要です。そのような世界に生きることに人生を捧げるのです。患者さんの苦しみを聴きつづけます。1回きりの相談ではありません。他の分野の医師に似て、同じ患者さんと1年あい続けます。ストレスも受けます。ストレス対処の心得に弱いと逆にうつ病をもらってしまいそうです。そのような世界に生きる人は、多くいるとは思えませんが、必要です。他のマインドフルネスとは違う世界です。いくつもの仮説が違い、哲学も目標も違います。

 西田哲学とガブリエルの哲学は似ています。そして、竹村氏によれば、華厳経や空海の真言宗の哲学も。日本には昔から、現代の哲学にも堪える深い人間哲学があったようです。これから、活かされることを願います。

(続く)

【参照】
*1:『世界はなぜ存在しないのか』マルクス・ガブリエル、清水一浩訳、講談社、2018年
*2:『唯識・華厳・空海・西田』竹村牧男、青土社、2021
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4740
【目次】孤独、差別および自殺の問題を解決して身心の健康と生きがいある人生を地元で

【連続記事目次】なぜうつ病になるのか なぜ自殺が起きるのか
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
Posted by MF総研/大田 at 21:46 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL