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第4世代の認知行動療法 [2024年02月17日(Sat)]

自己洞察瞑想療法
 〜 第4世代の認知行動療法SIMTの特徴

 第4世代の認知行動療法とされた「無評価で観察瞑想のマインドフルネス」(瞑想時)は、 うつ病、不安症、PTSDなどの「治療」には、あまり効果が報告されていません。 そういうマインドフルネスが日本でもブームになっているのに、うつ病に効果がなく、自殺防止などに、用いられていません。
 第3世代の認知行動療法と第4世代の認知行動療法(CBT)の違いはこういうところにあります。

◆第1世代のマインドフルネスを付加した、第3世代の認知行動療法

 第3世代CBTは、無評価で観察する瞑想を付加しました。MBSR,MBCT,ACT,弁証法的行動療法などがあります。MBSRは、瞑想のみで、他の療法は瞑想のほかの手法を加えています。
 観察は、瞑想時のみです。行動時は、社会的参画場面、対人場面であり、無評価でないからです。

◆第2世代のマインドフルネスを付加した、第4世代の認知行動療法

 これに該当する心理療法も多種、開発されるでしょう。
 自己洞察瞑想療法、SIMTは、その一つですが、2つの領域についての本を出版しました。 うつ病などを治すSIMTと、がん患者など死を意識するひとのためのSIMTです。 次の特徴があります。認知のしかたと行動の仕方を変化させる、認知行動療法になります。

 社会的行動時、つまり、対面時が多いが、認知の局面、つまり感覚を通して受け取った時(見た時、聞いた時)、不快な感情を起こします。見た聞いた情報を評価して「感情」を起こしますが、その瞬間、自分の評価基準(本音)で、評価したので感情が起きたのだと認識する訓練をします。
 もうひとつ、対面時など認識した途端に、即座に考えて、返事したり、行動します。この時の、返事の内容、行動が問題になります。自分にとって、うつ病に追い込んだり、うつ病を持続させたり、相手を傷つけたり、ハラスメントだと批判されたりします。つまり、思考内容、言語表現、行動表現が問題です。
 自分のうつ病などの発症、自分の症状の持続、相手をうつ病などに追い込むこと、ハラスメントなどと批判されるような思考、言語表現、行為を「価値崩壊の反応」と言います。 そうならない思考、言語、行為を「価値実現の反応」といいます。
 ストレス反応を起こす、扁桃体、HPA系、海馬、自律神経などの関係を理解しての「反応」です。価値崩壊と価値実現の反応を繰り返し、現実の場面で、訓練します。「瞑想時」にも訓練します。

 思考、発言、行為の背景に、自己中心的な偏見、バイアス、闇の心理など(本音)がないかどうかを観察する訓練が重要になります。

 こういうことを訓練していくと、半年、1年、5年のうちに、認知と行動が変化します。

指導者による訓練期間

 基礎的な習得期間は、10か月です。うつ病、不安症、PTSDなどのひとが治したいとして取り組んだ場合、半年でかなり改善し完治に近い状態になるのは、1年ほど必要としました。脳内に生じた炎症が、こうした訓練で改善に回復するためには、それくらいの期間を必要とします。
 1年くらいかかることが経験的にわかったので、治療法としての心理療法SIMTは、基礎的な訓練法を10段階にして、やさしい観察法から複雑な観察法を段階的に訓練するように構成しました。
 治したいセッションの場合、10ー12か月が標準です。この間、真剣に実践してもらいます。あとは、自立して自分で実践します。治らないままに、ずるずると参加し続けてカウンセラーへの依存心を防止するためです。
 一方、精神疾患になっていない人(病気でないひともがんの人も)が、うつ病などを予防する目的の場合、同好会、「居場所」として、希望する限り何年も参加する場が別にあり、そういうふうに長く参加する人がいます。
 うつ病などを「治す」ためではなく、「自己」とは何かという「実在論」、いかにして生きるかという「生き方」「実践論」の人生哲学の「実践化」(理論だけではない)ですので、別に構成した方法を出版しました。(『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』)

期待される効果

◆精神疾患の治癒

 うつ病、不安症、PTSDなどは治る人がいます。脳内に炎症が生じていたのが回復するのです。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5236
★マインドフルネス心理療法SIMTの改善効果

 うつ病、非定型うつ病、不安症(パニック症を含む)、PTSD、過食症などが完治する事例が多い

◆精神疾患・自殺の予防

 すべての高齢者のうつ病の予防の効果があるでしょう。市立老人福祉センターで「心の健康体操」、自治会館で「心の健康クラブ」で定期的に開催しています。グループの開催です。回数を多くすれば孤独孤立対策としての「居場所」になる。
 また、大震災の被災地でのうつ病、PTSDなどの予防、自殺の減少の効果があるでしょう。
右矢印1 https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313


◆家族の関係が改善

 自分勝手な基準で、不快な思いをさせていた家族関係が改善します。

◆がん患者の闘病のささえ

 がん患者の場合、「死」の不安が変化し、闘病しながら生活するので、うつ病にもならずに生活するでしょう。自己を超えた超越レベルの宗教的な救済を得る人もいます。

◆企業などがハラスメント、不正で批判されることの防止
 なお、弱い立場の人を苦しめる場合、被害者の苦悩は、被害者がSIMTの訓練で、うつ病などを発症を予防する効果があるでしょうが、限界があります。
 重大な社会問題ですから、加害者にやめてもらいたいのですが、現実には、大変厳しい状況です。
 いじめ、虐待、政治ビジネスの現場のエゴイズム、ハラスメントの言葉、行為で苦しめらる弱者が多いですね。宗教、大学などの組織内でも、学問、表現の自由がないですね。革新説が生まれません。
 責任者、加害者がSIMTを実践すれば、苦しむひとがなくなるのですが、残念ながら、そういうことをするひとは、実践しません。残念なことです。自殺者が出て、遺族から訴えられて、やっと気づくのですが、変化できるのかわかりません。
 企業、組織のトップが、構成員に教育(社内教育)すれば、少しは減少するでしょうか。

◆学校におけるいじめ

 小中高生のいじめは、重大事態になればいじめの加害してことが明らかにされて、いじめが加害者にも不都合なことになると教育すれば、減少する可能性があるでしょうか。
 いじめられると「死にたくなる」が、うつ病だということを教育して、保護者、担任、スクールカウンセラーなどに相談して「自殺」を減少させることができるでしょう。

(注)SIMT:Self Insight Meditation Therapy=自己洞察瞑想療法

関連記事

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5215
★【目次】第4世代の認知行動療法の一つ、SIMT
 〜 孤独・孤立対策に、SDGs3.4自殺の減少に

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT
Posted by MF総研/大田 at 19:46 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
第2世代マインドフルネス=第4世代認知行動療法 [2024年02月16日(Fri)]

自己洞察瞑想療法SIMT 

   〜マインドフルネスとしては「第2世代のマインドフルネス」
   〜認知行動療法としては「第4世代の認知行動療法」

 わかりにくいでしょうから、表にします。


   マインドフルネスが付加されたか? 
第1世代☆行動療法(no) 
第2世代☆認知療法
☆認知行動療法
(no) 
第3世代第3世代認知行動療法第1世代のマインドフルネス (無評価観察瞑想を付加)  
第4世代第4世代認知行動療法第2世代のマインドフルネス (瞑想時も行動時も自己・他者の価値を崩壊しないように評価する) これに該当するものは
★池埜内田論文で紹介されたアメリカの手法(注1)
★自己洞察瞑想療法SIMT
★ほかにあるのか?


(注1)「倫理性」の再獲得、「関係性」への再帰、「社会変容」のまなざし、の考慮されたマインドフルネス
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
Posted by MF総研/大田 at 21:59 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法 [2024年02月14日(Wed)]

【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT

 マインドフルネス心理療法SIMTは、第4世代の認知行動療法 です。 「無評価で観察」の瞑想を付加した認知行動療法は、第3世代の認知行動療法 とよばれました。MBSR、MBCT、ACTなどがあります。第2世代の認知行動療法で治らないうつ病などの治療法になるのではないかと期待されましたが。

 現実の世界は「評価」し「評価」される時が多い、つまり、瞑想でない行動、対面、仕事に従事する時間が多いためです。

 今、世界も日本も種々のメンタルに関連する問題が起きています。SIMTが効果的であろうと思います。少し、SIMTの特徴をご紹介します。

 マインドフルネスSIMTの専門家は、「マインドフルネス瞑想療法士レジスタードマーク」(MMT)と称します。 「日本マインドフルネス精神療法協会」が、講座を提供します。
 講座は、次の内容が講義されます。

https://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/textbook.pdf
◆10回の講義のテキスト

 MMTになりたいひとは、西田哲学、脳神経生理学、精神疾患(うつ病、不安症、PTSD,など)、仏教学、禅学などを学習します。
 そのほか、「治したい人」(クライアント。患者)が行う、課題と同じものを10カ月、実践します。
 他の人(クライアント)に教えるのですから、MMTも同じ10か月実践しないと資格を取得できません。

 うつ病などを治したいひとは、この本に述べている課題を実践します。
http://mindfulness.jp/shoki-hon-siensha.htm
◆大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社

 治したい患者さん(クライアント)は、この本に述べている実践だけです(上記のMMT用のテキストは不要です)。読んで、うつ病が起こる理由(HPA系の興奮で脳に炎症が起きることを簡単に説明してあります)を理解して、治すために行う課題を理解して、毎日実践します。
 課題は、瞑想と行動する時の心の使い方(行動時自己洞察)があります。

 上記の本を読んで一人で実践できるひとは、10か月すれば、症状が軽くなります。課題を実践すると、炎症を起こしていた脳の部位(背外側前頭前野、眼窩前頭皮質、前部帯状回など)に細胞やネットワークが再生して治るのです。(治るのですから推測です。どこか支援の開始時と10カ月後の脳画像を撮影できるところで臨床試験をしていただきたいのですが)
 SIMTの課題は、「無評価で観察」の瞑想ではありません。行動時自己洞察が難しいかもしれません。そういう人に支援するMMTがいます。
 一人で行うのは、難しいというひとは、マインドフルネス瞑想療法士(MMT)の支援を受けます。全国に数十名おられます。「治療プログラム」は、10か月で修了です。せっかく知り合えたのですが、治ったので自立して、お別れです。

 SIMTは、うつ病などを治す「治療プログラム」と、うつ病にならないように予防的に行う人の集まりもあります。マインドフルネス総合研究所では、後者の予防的な集まりを「心の健康クラブ」と呼んでいます。「居場所」でもあります。もともと、うつ病などでないひとの集まりです。がん患者であってうつ病でないひとも参加します。うつ病の予防ですから、がん患者さんも、うつ病にならないように参加します。予防的なプログラムは希望する限り、参加しています。5年、10年、20年の人がいます。1993年以来、30年続いています。
 がん患者さんは、「死」を意識されることが多いので、深い自己探求をします。宗教的なレベルです。超個の個の探求です。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4917
◆大田健次郎(2022)『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社

 「死」を意識しない人は、次の本です。
◆大田健次郎(2014)『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版

 SIMTについて、少し説明を続けます。

(続く)

http://mindfulness.jp/kodokukoritu/kodokukoritu.htm
★内閣官房の「孤独孤立対策官民連携プラットフォーム会員」として活動します。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4786
★なぜうつ病 なぜ自殺

http://mindfulness.jp/sdgs/mokuji-sdgs.htm
★地方創生SDGsでも、ターゲット3.4の「自殺の減少」
 =薬物療法で治らないうつ病をSIMTで治す
 =ストレスの多い人生・うつ病にならないようにSIMTで予防する

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5168
★【連続記事目次】孤独・孤立の対策&
  不登校・ひきこもり・自殺念慮対策(SDGs3.4)


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5187
★第4世代認知行動療法のセンターを全都道府県に作ってほしい

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5215
★第4世代の認知行動療法
 第1世代のマインドフルネスのさらに拡張深化の観察法として第2世代のマインドフルネス
☆第1世代のマインドフルネスは、うつ病の再発防止にとどまる=第3世代の認知行動療法 ☆第2世代のマインドフルネスは、難治性うつ病の治療法、パニック症・PTSDの治療も=第4世代の認知行動療法

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2851
★新しい援助法の開発
 うつ病が治らない、自殺がなくならない。従来の精神療法、福祉制度では不足
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
【目次】第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMT

(続きます)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5351
★自己洞察瞑想療法
 〜 第4世代の認知行動療法SIMTの特徴

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5350
★(表)
 〜マインドフルネスとしては「第2世代のマインドフルネス」
 〜認知行動療法としては「第4世代の認知行動療法」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5348
★目次
Posted by MF総研/大田 at 20:33 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(3)精神医学から見た「幸福」 [2024年02月01日(Thu)]
◆大地震の被災地でもマインドフルネス心理療法SIMTを
 〜 長期にわたってうつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ

◆マインドフルネスは第2世代へ
◆マインドフルネスは日本の非二元論へ

書籍紹介
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』
(3)精神医学から見た「幸福」

 五十嵐沙千子編『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』春秋社、2024年1月20日発行

https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393341247.html
春秋社のホームページから「目次」を見ることができる。

 西洋、東洋の哲学者による「幸福論」を紹介しているが、精神医学の対象になる人は、精神疾患やひきこもり、ケアされるべき人々は「幸福」をおびやかされるだろうから、斎藤環氏が「精神医学から見た「幸福」について紹介しているのを見てみよう。

第1章 精神医学から見た「幸福」
 ポジティブ心理学と「死」の哲学

 幸福に関するキーワードは6つあるという。

 「私はかつて幸福に関する数々の箴言を分類し、そこから6つのキーワードを抽出したことがある(『人間にとって健康とは何か』PHP新書)。それは「@意味と目的」「A関係性と利他性」「B平凡性と反快楽」「C過程性」「Dいまここ・あるがままの肯定」「E抹消性」である。」(同書、p11)

 Aについては「利他的行動としては、隣人に始まり隣人に終わる範囲にとどめておくほうが無難なのかもしれない。」(p12)といい、身近な人のために働くことでよい。

 Cは「幸福を「過程」のなかにこそ宿るものと見なす考え方である。」(p12)

 Eは「簡単にいえば「幸福のふりをしていれば、幸福になれる」というほどの意味である。」(p14)

  もう一つ「幸福の資質」があるという。「訓練によって得られる境地」(p14)だという。
  「幸福は「すべてが奇跡であるかのように生き、その過程がことごとく必然だったと思えること」から生まれる、ということになる。奇跡は感謝につながるし、必然は自己肯定感をもたらす。「資質」と書いたが、訓練によって得られる境地とも思えるので記しておく。」(P14)
 この訓練は、マインドフルネス心理療法SIMTの訓練でもできそうである。

 「「どうすれば幸福になれるのか」を目指そうとする学問がある。「ポジティブ心理学」がそれだ。(中略)
「ポジティブ心理学」は量的研究に基づくエビデンスが裏付けとなっている。まさに「幸福の科学」である。」(p15)

 こういうことを聞くと、別に検討してきたアメリカに起きている第2世代のマインドフルネスは、どういう方向を目指しているのか、まだ合意が得られていないようであり、むしろ、 「マインドフルネス心理療法SIMT」は、「ポジティブ心理学」に近いと思えてきた。

 「ポジティブ心理学」で、「幸福の条件」がわかってぃるという。その中からいくつか挙げる。

 「幸福に関連する人間性として、以下の特徴が重要だった。人に対する信頼感、感情の安定、コントロール意識、コントロール欲求、忍耐力、緊張しにくさ、自尊心、神経症的傾向の少なさ、社交性、同調性など。」(p15)

 「以下のことがらは幸福度を上昇さえることがわかっている。
 社会的なつながりがあること、結婚していること、情熱を傾ける仕事があること、宗教やスピリチュアリテイ、趣味、良い睡眠と運動、社会階級、主観的な健康。」(p15)

 これを見ると、SIMTは、ポジティブ心理学に大変類似していることに驚いた。というよりも、SIMTは後期西田哲学の実践を指針とするから、当然かもしれない。「至誠」を方針として、共生社会を実現する生活法であるから。

 ポジティブ心理学のセリグマンは、「ポジティブ心理学のテーマを、たんなる「幸福度」ではなく「ウェルビーイング」であると考えるようになった。(中略)
測定可能な五つの要素、「PERMA」としてまとめられている。」(P16)

 「共生」ということを、鈴木大拙が華厳経や禅にもあるというが、SIMTもそれを目指すが、ポジティブ心理学に似たところがある。別な機会に述べたい。

 世界は無数の人間が自由に行動して変化させるので、予測ができない「必然」と受け止め、 たとえ不快であろうとも、自分の選択した価値を実現するような行為を選択していく、その時、他者も世界を共生していく存在であることを認めて自己も他者も苦しめない「至誠」を指針として生きていく。これが西田哲学を背景にしたSIMTであるから、ポジティブ心理学と類似している。 そして、すべてが、自己のものでなくて超越の自己否定態とみるところは、ポジティブ心理学の「宗教やスピリチュアリテイ」に類似したところがある。

(注)
SIMT:自己洞察瞑想療法。第2世代のマインドフルネス。3つの著書がある。
1)大田健次郎『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社
 (超越=非二元論的マインドフルネス=宗教レベル)
2)大田健次郎『 不安、ストレスが消える心の鍛え方――マインドフルネス入門』清流出版
3)大田健次郎『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4500
【目次】西洋哲学の瞑想・観想〜「マインドフルネス瞑想の哲学」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478
【目次】哲学、宗教、仏教学、心理学、医学、脳神経科学、精神療法、マインドフルネス、マインドフルネス学、留まることのない哲学に導かれるマインドフルネス実践

 西田哲学の西田幾多郎は、いかにいきるかというテーマでは、認識論(対象的な世界の見方)、 実践論(行動、生き方)、実在論(自己とは何か)が哲学のテーマになるといった。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3346
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3391
★実在論、認識論、実践論の探求の学問

【書籍紹介】
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5331
Posted by MF総研/大田 at 18:11 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(2)自分のしたいことをすることが幸福 [2024年01月31日(Wed)]
◆大地震の被災地でもマインドフルネス心理療法SIMTを
 〜 長期にわたってうつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ

◆マインドフルネスは第2世代へ
◆マインドフルネスは日本の非二元論へ

書籍紹介
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』
(2)自分のしたいことをすることが幸福

 五十嵐沙千子編『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』春秋社、2024年1月20日発行

https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393341247.html
春秋社のホームページから「目次」を見ることができる。

 西洋、東洋の哲学者による「幸福論」を紹介しているが、大体、共通するのは、自分のしたいことをできることが幸福だと言われている。そのほか、「非二元論」的な意味あいのことをいう哲学者がいる。

 ヒルティは、深い境地の幸福もいう。超越者に委ねるのである。

 「幸福とは、もはや外的運命に支配されることなく、完全にこれを克服した、この不断の平和のことである」 (同書、五十嵐沙千子「第4章 ヒルティの幸福論」、p84)

 「ヒルティは「積極的」な「幸福」をいかにして実現するのか?
 すべてを神からの恵みと置き換えることによってである。この3つ目がヒルティのやり方、すなわち意志を放棄する 道である。ヒルティはただ自らを委ねよと言うのである。」(同、p85)

 ラッセルは、幸福な人は、世界(外)と自分(内)が別ではないことを言う。

 「ラッセルによれば不幸とは「治る」ものである。「私の目的は、普通の日常的な不幸に対して、一つの治療法を提案することにある。」(同書、五十嵐沙千子「第6章 ラッセルの幸福論」、p107)

 「彼はただ自分を尊び、この世界の中で自分が真にしたいことをしようとしているのだ。彼は安心してこの世界を自分の居場所とし、自分の人生を享受しているのである。」(同、p116)

 「人間は、自分の情熱と興味が内へでなく外へ向けられているかぎり、幸福をつかめるはずである。」(同、p124)

 日本人の多くが、苦悩の中にあって、「幸福」ではないと感じている人々が多いはずだ。
 うつ病が治らないのも、苦しい。数々のハラスメントがある場も苦しい。 そういうひとが、不幸な状況を脱して、哲学者のいう「幸福」を感じるためには、どうしたらいいのか。
 第1世代のマインドフルネスでは十分ではなかった。すでに幸福にいる人が瞑想をすすめるが、それでは苦悩する人は「幸福」にはなれない。
 哲学者がいう「幸福」を得るために、どうしたらいいのか、知りたいはずだ。 第2世代のマインドフルネスは、その要望に応えてくれるのか。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4500
【目次】西洋哲学の瞑想・観想〜「マインドフルネス瞑想の哲学」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478
【目次】哲学、宗教、仏教学、心理学、医学、脳神経科学、精神療法、マインドフルネス、マインドフルネス学、留まることのない哲学に導かれるマインドフルネス実践

 西田哲学の西田幾多郎は、いかにいきるかというテーマでは、認識論(対象的な世界の見方)、 実践論(行動、生き方)、実在論(自己とは何か)が哲学のテーマになるといった。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3346
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3391
★実在論、認識論、実践論の探求の学問

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5331
【書籍紹介】
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』
Posted by MF総研/大田 at 12:01 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
書籍紹介 『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』 [2024年01月29日(Mon)]

【書籍紹介】
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』

 (1)幸福の実現が仏教の目標

五十嵐沙千子編『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』春秋社、2024年1月20日発行

 「マインドフルネス」の実践を、瞑想時だけに限らないならば、「幸福」と深い関係がある。 何かの悩みを持つ人が、それを解決しなければ、手放しで「幸福」とは言えないことになる。

 第1世代のMBSRは、痛みが治らずにつらい人、痛みが持続するので、「幸福」だとは思えない人々のために、開発された。痛み以外の悩みで、幸福を脅かしそうなこと、うつ病、パーソナリティ障害などに効果がないかどうか、試験が行われた。

 こうして、「この悩みさえなければ」幸福であるはずだという悩み事の解決に貢献したいと、「マインドフルネス」が研究されてきたはずである。

 このために、マインドフルネスは「幸福」とは何か、それを持続するためには、どうすればいいのかということは 重要な哲学のテーマとなる。

 ちょうどいいタイミングで、幸福論の哲学を紹介する本が出版された。
 『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』である。

https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393341247.html
春秋社のホームページから「目次」を見ることができる。

 精神医学から見た「幸福」、ハイデガーの幸福論、以下、 フーコー、ドゥルーズ、ヒルティ、アラン、ラッセル、 カント、デカルトの哲学者の幸福論、 そして、キリスト教の幸福論、ギリシア哲学の幸福論、ついで、  東洋の哲学たちとして、 『葉隠』、日本思想の幸福論、中国哲学の幸福論、インド思想における幸福が、紹介されている。

 紹介する書籍は、目次のように多数の哲学者が西洋、東洋(日本も)の「幸福論」の哲学を紹介するのだが、 その「序論」で、竹村牧男氏が、実在論まで述べている。この実在論については、触れていない人も多い。すなわち、竹村氏が紹介する「仏教の幸福論」は「実在論」まであるという。

 幸福を脅かすのは、「苦しみ」である。それは、次のように分類できる。

身体的苦痛、経済的苦境、社会的苦渋、心理的苦悶、実存的苦悩

 詳細な説明があるが、マインドフルネスと関係ありそうな点だけに触れてみる。

「病気等に由来する身体的苦痛は、医療がその解決の道をもたらしてくれよう。」(ページ xvii)

 「貧困等の経済的苦境は、まずは経済政策や行政の対応等がその解決の道をもたらしてくれよう。」(ページ xvii)

 「社会的苦渋とも言うべき人間関係の問題は実に厄介で、簡単に解決できるものではないであろう。(中略)
 「場合によっては、他者への配慮を欠く自己中心的な姿勢を超えていくなど」とか「我執というもののあり方等を深く理解」などが求められるという。SIMTでは、自己中心的な基準を「本音」と称して、自分の基準が厳しいと「不快」系の感情(イライラ、怒り、嫌悪、不安など)が起きることを観察していくところに類似する実践があるであろう。

 「心理的苦悶」は、うらみ、憎しみ、嫉妬など、貪(むさぼり)瞋(いかり)痴(根本的な無知)などが関係するという。
 「むしろ自分で自分をどうこうしようとは思わず、その感情はそれとして、ともかくそのつどしなければならないことに集中していくことによって、自然と心が整ってくるという事情もあるかと思う。これは、有名な森田療法(森田正馬が開発した神経症の対処法)の極意でもあろう。」(ページ xxi )という。これは、まさに、SIMTの方法でもある。

 「実存的苦悩とは、一言で言えば、死の問題に発するものである。あるいは、必ず死ななければならない自己をどう受け止めるかである。(中略) この死を背景とした実存的苦悩の究極は、どんな社会的措置によっても、解決できるものではない。医療も経済も組織も、個人の死の問題まで解決することは不可能である。この問題を解決できるものは、おそらく宗教以外にないであろう。」(ページ xxi ) (中略)

 「宗教というと、何か否定的な感触が付きまとうかもしれない。しかし宗教とは、要は「自己とは何か」を究明し、自らにうなづくことと言える。」(ページ xxii)

 こうして、幸福を脅かすものが多数あるのだが、仏教が深く関係することが指摘されている。

 竹村氏は、最後にこういう。

 「個人の内面的・心理的な対応には、まさに哲学や倫理学・宗教学・心理学といった人文系の諸学問が参考になると同時に、人間存在の苦の問題を見つめてきた仏教の教えもまた、非常に参考になると思われるのである。
 ただし、他者の幸せなしに自己の幸せは完全なものとはならないことをも、深く顧慮すべきであろう。」(ページ xxvi))

 宗教レベルのマインドフルネスは「精神科治療学」2023年1月号で、指摘された「非二元論」のマインドフルネスになる。 第2世代のマインドフルネスは、こうした深い実存的問題にも応えるものとなる。

 私(大田)は、第2世代のマインドフルネスという萌芽があるというが、 「哲学」がないのではないかという疑義を表明した。
 第2世代のマインドフルネスの研究者は、本書で「幸福」の哲学を学び、それを実現する普遍的なマインドフルネスにしていただきたいと思う。
 本書について、ほかに2、3触れてみたい。(続く)

【参考ーこれまでの記事との関連】

 以下の記事で述べたように、マインドフルネスは「幸福」に関係がある。 幸福の哲学は色々あるが、ある種の「幸福」になるための実践が「マインドフルネス」と言えるから。 第1世代マインドフルネスは、集中力の向上、うつ病の再発予防、パーソナリティ障害の治療支援に効果があるか研究された。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4500
【目次】西洋哲学の瞑想・観想〜「マインドフルネス瞑想の哲学」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4478
【目次】哲学、宗教、仏教学、心理学、医学、脳神経科学、精神療法、マインドフルネス、マインドフルネス学、留まることのない哲学に導かれるマインドフルネス実践

 西田哲学の西田幾多郎は、いかにいきるかというテーマでは、認識論(対象的な世界の見方)、 実践論(行動、生き方)、実在論(自己とは何か)が哲学のテーマになるといった。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3346
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3391
★実在論、認識論、実践論の探求の学問

【書籍紹介】
『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5331
(1)幸福の実現が仏教の目標

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5333
(2)自分のしたいことをすることが幸福

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5334
(3)精神医学から見た「幸福」

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5340
★この世界に「幸福」な世界と「不幸」な世界とが重層的に存在
Posted by MF総研/大田 at 20:59 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
B)実践の方向となる「哲学」がない [2024年01月28日(Sun)]

【連続記事】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 批判された特徴を克服する第2世代マインドフルネス

今後の課題
(2)見捨てられている重大な日本の社会問題

 MBSR,MBCT、簡素化MBSRなどの「第1世代マインドフルネス」は批判が多い。

 第1世代のマインドフルネスは、倫理性、社会問題の無視傍観の態度助長、スピリチュアルな問題の回避などの問題を助長するなどの批判が続いている。

 次の論文で指摘された。

(B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、雑誌、「精神科治療学」2023年1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )

 第1世代マインドフルネスを克服する第2世代マインドフルネスの特徴は、3つあるという。それらを見終わった。こういう特徴をもった第2世代マインドフルネスの萌芽が見られるという。 続いて、「今後の課題」を見ている。

 池埜内田論文は、今後の課題として、次の点を指摘している。(p98)

1) マインドフルネスという言葉に多様な概念が詰め込まれようとしている危うさ

2) エネルギーに満ち溢れた「器」に多数の柵を作り区分けすることの是非
たとえば、マインドフルネスは、satiの訳語を超えて、生き方、ウェルビーイングの意味、そして社会正義のあり方などを包含する動きがあるのだが。
この器に柵を作り区分けしていくことは、新たな苦悩を脇に追いやってしまう危うさ

 そこで、次の点を展望ないし期待している。(p98-99)

A) マインドフルネスの概念拡張を見守る
B) 国内で第2世代マインドフルネスに関わる議論や実践報告の活性化の期待
C) 深遠な禅文化に根ざした日本おいて独自のマインドフルネスがすでに日本各地で進行している可能性
D) アメリカでの第2世代マインドフルネスを日本でも展開していく可能性
E) マインドフルネスの指導者育成
 国際マインドフルネス指導者協会(International Mindfulness Teachers Association : IMTA)に認証される指導者養成プログラムが日本に発足することを期待

見捨てられている重大な日本の社会問題
〜B)実践の方向となる「哲学」がない

 第2世代のマインドフルネスは、上記のように、アメリカの社会問題を背景にしており、壮大な形であり、これを日本に移すには、何十年もかかるかもしれない。 しかし、日本には、それを待っていられないような重要な精神社会問題もある。うつ病、PTSDなどが治らないとか、自殺が減少しないという問題である。 これは、日本のマインドフルネスの推進者からも、見て見ぬふりされてきた。 日本には、うつ病が治らず就職できず、孤立し、自殺するひとが多いのに、なぜ、アメリカのように積極的に研究しようとされないのか。

 第1世代のマインドフルネスが、批判されているのは、一体、何のために「マインドフルネス」を研究するのか、という目標がない、すなわち、哲学がないという問題もあるだろう。MBSRは、痛みの緩和という目標があった。MBCTは、うつ病の治療とか再発予防という目標があったのだろう。

 他のマインドフルネスの研究者はどうしようというのだろう。アメリカでは、第2世代のマインドフルネスの目標として、人種差別に苦悩するひとの支援などの目標をあげている。

 ジョン・カバットジン氏は、一生かけて探求する「全体性」をいうので、深い大乗仏教、または、鈴木哲学をいうのかもしれない。

 すでに知られているように、四諦八正道だというマインドフルネスの研究者もいる。それは、「六道輪廻からの解脱」の哲学が前提となっているので、現代人で信じない人には、実践の動機にならない。

 一体、日本の研究者は、どういう目標、哲学を持つのだろうか。哲学が欠けていると、日本独自のものを開発しないで、アメリカの研究発表待ちになるのではないか。

 そこで、ひとつ参考にしたい書籍が発行された。 つい最近発行された「幸福論」の書籍である。

五十嵐沙千子編『幸福をめぐる哲学 者たちの大冒険!15の試論』春秋社、2024年1月20日発行

前の記事で触れた。( https://blog.canpan.info/jitou/archive/5328 )

 なぜかというと、「マインドフルネス」の研究者は、国民が苦悩する問題を解決支援できる手法、心理療法などをさがそうとしているのではないか。言い換えると、「幸福ではない」「不幸な状態」になっている人に、そこを克服する「幸福とは何か」という哲学を持っていて、それの実現に向けての具体的な実践方法が「マインドフルネス」と言えるからである。実際、私(大田健次郎)のマインドフルネス心理療法、自己洞察瞑想療法(SIMT、注1)は、西田哲学の実践法の一つと称している。うつ病などの治療法にもなり、がん患者の「死」の苦悩の支援も目標とする。

 この本は、現代の哲学者12人が、東洋、西洋の哲学者の「幸福」とは何かの哲学を紹介している。 このどれかの哲学による「幸福」の哲学の実践論を詳細に構成すれば、第2世代の「マインドフルネス」になるはずである。そして、どの哲学によるかで、様々なマインドフルネスができる。

 この本の「序論 幸福のありかを探る」に竹村牧男氏がこう述べている。

 「幸福ということは、もちろん誰もが望み願うものである。そこで、この幸福を実現する方法をぜひ知りたいと思うにちがいない。しかし、このとき、では何が幸福なのかが明確でないと、その実現の方法もわからないということになるに違いない。したがって、幸福とはいったい何なのか、どういうことなのかを問わざるを得ないことになる。そこに、哲学の必要性も浮上してくるわけである。」 (ページ ix)

 この哲学が「自己とは何か」とか「死」の問題まであるかどうかは、重要である。 「自殺」、がん患者、難病患者などの「死」の苦悩が迫る中でどう生きるかに関連する。 その実践法がそういう「実存的苦悩」を支援できるかどうかを決定するからである。竹村氏はこういう。

 「この死を背景とした実存的苦悩の究極は、どんな社会的措置によっても、解決できるものではない。医療も経済も組織も、個人の死の問題まで解決することは不可能である。この問題を解決できるものは、おそらく宗教以外にないであろう。(中略)
 宗教というと、何か否定的な感触が付きまとうかもしれない。しかし宗教とは、要は「自己とは何か」を究明し、自らにうなづくことと言える。」(ページ xxii)

 承知のように、アクセプタンス・コミットメント・セラピー(ACT)が、「文脈としての自己」をいうが、それさえも消滅するのが「死」である。間にあわない。もっと深い自己の哲学が求められる。

 幸福であれば、自殺しないであろう。うつ病であれば「幸福」とは思わないであろう。幸福であり続けるためには、どのような方法で生活していけばいいのだろうかという具体的な実践法が「マインドフルネス」ということになるであろう。
 第2世代のマインドフルネスは、そこまでの展望を持つのがいいのではないか。それがあれば、アメリカで開発されるマインドフルネスを待つのではなくて、日本が独自のものを開発できる。

 別の記事で、この本を紹介したい。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5331
【書籍紹介】こちらで。

(続く)

(注1)SIMT:Self Insight Meditation Therapy。自己洞察瞑想療法。次に成立経過を述べた。 https://blog.canpan.info/jitou/archive/2334

【関連記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5168
★孤独孤立対策〜ここにもうつ病、自殺がある。防止するマインドフルネス

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★大震災に伴い10年つづくうつ病、PTSD,自殺防止のマインドフルネス
 震災に限らず、薬物療法で治らない人が多くおられる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5314
★がん患者に起きるうつ病、自殺の防止には、非二元論のマインドフルネス

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ  〜 孤独孤立の対策・自殺防止対策
 〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に
 〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生
Posted by MF総研/大田 at 20:43 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
被災者の状況に応じた長期的なケアが重要 [2024年01月24日(Wed)]

被災者の状況に応じた長期的なケアが重要
 〜 被災地の災害関連死の防止

 能登半島地震で、被災した人たちの心のケアにあたってきた岩手県の災害派遣精神医療チーム・DPATの医師の言葉を報道しました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/393c98bd27d50ed85f7676d5d36f418a12d159d5
★岩手めんこいテレビの報道

 「被災者の状況に応じた長期的なケアが重要」
 「今は直接的な被災だが、災害による二次的なストレスが出てくる。移動したり生活が変わったり、そのステージごとに支援が届くのが重要」

 避難所では他のひともおり、はりつめているから、悲しむ余裕もないかもしれませんが、そこから出て、復興住宅に入り、生活が安定してくると、失ったこと、今後のことに悩むことになり、精神的なストレスが大きくなります。

 長期的な心のサポートが重要になるのです。

 愛する人を失った悲しみは特に大きいので、長期的に見守る必要があります。精神科医が少ない地域もあるでしょう。つらい人は、病院に来るはずと待っていてはいけないのも、被災したかたの特徴でしょう。
 これまでの被災地では多くの災害関連死がありましたので、新しい対策も必要でしょう。

 住む家、仕事を失うことはつらいですが、特に、愛する人の死亡の苦しみは耐え難いものです。うつ病になるひとが多いです。

 高齢者には、社会が必要としているとは思えず、配偶者だけが必要としていると感じることがあるでしょう。配偶者がいるから幸福だったのに、配偶者に死なれると「孤独の極み」です。こういうことを伊藤益氏が言っています。(「日本思想の幸福論」『幸福をめぐる哲学者たちの大冒険! 15の試論』春秋社、p259)

 災害は人を不幸にします。仕事、家、愛する人を失うことは幸福をおびやかします。愛するひとはもうかえってきません。幸福でなくなります。ストレスの極みです。
 災害、幸福、ストレスが関係します。ストレス緩和、「マインドフルネス」が関係します。

【関連記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4757
★自殺防止

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★被災地の心のケア

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5215
★マインドフルネス心理療法、SIMT
 〜第2世代のマインドフルネス、第4世代の認知行動療法
  うつ病、PTSD、不安症などに、30年近くかけた臨床の経験がある
 ☆ここに、概要が紹介されている(「マインドフルネス精神療法」第7号)
 https://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kikansi/hp-07/dai7gou-mokuji.htm


https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【目次】能登で大地震 〜 長期にわたって
 うつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ
Posted by MF総研/大田 at 20:57 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
(2)治りにくいうつ病や不安症〜見捨てられている重大な日本の社会問題 [2024年01月20日(Sat)]

【連続記事】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 批判された特徴を克服する第2世代マインドフルネス

今後の課題
(2)見捨てられている重大な日本の社会問題

 MBSR,MBCT、簡素化MBSRなどの「第1世代マインドフルネス」は批判が多い。

 第1世代のマインドフルネスは、倫理性、社会問題の無視傍観の態度助長、スピリチュアルな問題の回避などの問題を助長するなどの批判が続いている。

 次の論文で指摘された。

(B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、雑誌、「精神科治療学」2023年1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )

 第1世代マインドフルネスを克服する第2世代マインドフルネスの特徴は、3つあるという。それらを見終わった。こういう特徴をもった第2世代マインドフルネスの萌芽が見られるという。 続いて、「今後の課題」を見ている。

 池埜内田論文は、今後の課題として、次の点を指摘している。(p98)

1) マインドフルネスという言葉に多様な概念が詰め込まれようとしている危うさ

2) エネルギーに満ち溢れた「器」に多数の柵を作り区分けすることの是非
たとえば、マインドフルネスは、satiの訳語を超えて、生き方、ウェルビーイングの意味、そして社会正義のあり方などを包含する動きがあるのだが。
この器に柵を作り区分けしていくことは、新たな苦悩を脇に追いやってしまう危うさ

 そこで、次の点を展望ないし期待している。(p98-99)

A) マインドフルネスの概念拡張を見守る
B) 国内で第2世代マインドフルネスに関わる議論や実践報告の活性化の期待
C) 深遠な禅文化に根ざした日本おいて独自のマインドフルネスがすでに日本各地で進行している可能性
D) アメリカでの第2世代マインドフルネスを日本でも展開していく可能性
E) マインドフルネスの指導者育成
 国際マインドフルネス指導者協会(International Mindfulness Teachers Association : IMTA)に認証される指導者養成プログラムが日本に発足することを期待

(2)見捨てられている重大な日本の社会問題
 〜治りにくいうつ病や不安症

 無評価で観察という第1世代のマインドフルネスは、悪、不正を見ても無評価でいることがストレス緩和になると受けとられかねないが、それが「科学」だというので、社会問題を見て見ぬふりをする傾向を助長するおそれがあると指摘された。これから、第2世代マインドフルネスが研究されるという。

 論文が紹介している第2世代のマインドフルネスは、上記のように、アメリカの社会問題を背景にしており、壮大な形であり、これを日本に移すには、何十年もかかるかもしれない。 しかし、日本には、それを待っていられないような重要な精神社会問題もある。うつ病、PTSDなどが治らないとか、自殺が減少しないという問題である。 これは、日本のマインドフルネスの推進者からも、見て見ぬふりされてきた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/1812
★無視傍観されるうつ病(2009年)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2800
★全国にうつ病が治らない人がいる(2013年)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4067
★(再び)無視、傍観される病・うつ病(2019年)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3461
★見て見ぬふりする社会(2016年)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4650
★(再び)見て見ぬふりする社会(2020年)

 マインドフルネス総合研究所、日本マインドフルネス精神療法協会は、日本に昔からあった禅や西田哲学を応用して、最新の脳神経科学の成果と連動させた自己洞察瞑想療法(SIMT)によって、上記のうち、B)およびC)を30年実践してきたことになる。

 この2つの組織のマインドフルネスは、無評価で観察の瞑想よりも、行動の時にも、広く深く観察する「自己洞察瞑想療法:SIMT」である。(注1)
これは、「日本マインドフルライフ協会」でも講義していた。(注2)

 うつ病が治らない人が多く、自殺が減少しないという日本社会の問題が、近いように見える第1世代マインドフルネスからも、見て見ぬふりされてきたと指摘してきた。 アメリカでは、第1世代マインドフルネスでも、治る効果があるかどうか臨床試験を重ねてきたが、うつ病を治すことには、従来の認知行動療法と同じ程度であり、「第3世代認知行動療法」などと期待されたものの、「治す」効果としては顕著な効果は見られないことがわかった。(注3)

 第1世代マインドフルネス(主としてMBCT)は、日本では、再発予防にしか用いられなかった。そのすぐそばに、重いうつ病の患者さんがおられたのだが、「治す」マインドフルネスは提供されなかった。
 しかし、SIMTでは、症状のただなかにある患者が実践して、「完治」する効果が一定程度見られた。第1世代マインドフルネスを超えるマインドフルネス(SIMTだけではない、もっと効果的なものも)は研究する価値があると思われる。

 「マインドフルネス」がアメリカでは、うつ病、不安症の患者さんに効果があるのではと、多数の臨床試験をしているのを知りながら、なぜ、日本の研究者は、「見て見ぬふり」されるのか。日本には、うつ病が治らず就職できず、孤立し、自殺するひとが多いのに、なぜ、アメリカのように積極的に研究しようとされないのか。

(続く)

(注1)SIMT:Self Insight Meditation Therapy。自己洞察瞑想療法。次に成立経過を述べた。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2334

(注2)日本マインドフルライフ協会は、次のような活動をしていた。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2835
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4900

今いえば、第1世代を言う人と、第2世代を言う人とが一つの団体の中にいて共生していたが、やがて活動停止した。
組織人の「自分の利益になりさえすればいい、社会問題など知ったことではない」というような「闇の心理」、エゴイズムの観察、抑制が日本の西田哲学、鈴木哲学にはあり、第2世代のマインドフルネスにも取り込まれればいいと思う。うつ病などのクライアントは傷ついておられるから。

(注3)第1世代のマインドフルネスが、慢性疼痛やうつ病などに効果があると期待されて、MBCT、ACT、弁証法的行動療法に取り入れられて、ある程度の効果がみられるとして、第3世代の認知行動療法と呼ばれた。しかし、その後、多くの臨床試験が行われて、うつ病などの完治にはめだった効果が確認されなかった。
 「精神科治療学」2023年1月号、p43
『不安、抑うつに対するマインドフルネス・トレーニングの効果』

 瞑想時の無評価で観察の短期間(2か月程度)の手法にとどまったからであると私は推測している。不安症、うつ病は治りにくい疾患である。だからこそ、自殺がある。SIMTは、行動時の自己内面に働く本音(自分の評価基準)の観察を重視して10か月かけて実践する手法であり、うつ病、PTSD、不安症などの患者の一部に「完治」の効果がみられた。それで、行動時にも観察する手法を取りいれたれたマインドフルネス心理療法は第3世代の認知行動療法とされるMBSR,MBCT,ACT、弁証法的行動療法とは大きな差異があるので、第4世代の認知行動療法と称することにした。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5215
★第4世代の認知行動療法

【関連記事】

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 震災に限らず、薬物療法で治らない人が多くおられる
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★がん患者に起きるうつ病、自殺の防止には、非二元論のマインドフルネス

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 孤独孤立の対策・自殺防止対策
 〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に
 〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生
Posted by MF総研/大田 at 09:49 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
今後の課題(1)池埜内田論文の指摘 [2024年01月19日(Fri)]

【連続記事】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 批判された特徴を克服する第2世代マインドフルネス

今後の課題(1)池埜内田論文の指摘

 MBSR,MBCT、簡素化MBSRなどの「第1世代マインドフルネス」は批判が多い。

 第1世代のマインドフルネスは、倫理性、社会問題の無視傍観の態度助長、スピリチュアルな問題の回避などの問題を助長するなどの批判が続いている。

 次の論文で指摘された。

(B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、雑誌、[ 精神科治療学」2023年1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )

 それを克服する第2世代マインドフルネスの特徴は、3つあるという。それらを見終わった。こういう特徴をもった第2世代マインドフルネスの実際の例として、iBmeが紹介された。続いて、「今後の課題」を述べている。

今後の課題(1)池埜内田論文の指摘

 池埜内田論文は、今後の課題として、次の点を指摘している。(p98)

1) マインドフルネスという言葉に多様な概念が詰め込まれようとしている危うさ

2) エネルギーに満ち溢れた「器」に多数の柵を作り区分けすることの是非
 たとえば、マインドフルネスは、satiの訳語を超えて、生き方、ウェルビーイングの意味、そして社会正義のあり方などを包含する動きがあるのだが。
 この器に柵を作り区分けしていくことは、新たな苦悩を脇に追いやってしまう危うさ

(確かに、危ういところがあり、別の記事で考察したい)

 そこで、次の点を展望ないし期待している。(p98-99)

A) マインドフルネスの概念拡張を見守る

B) 国内で第2世代マインドフルネスに関わる議論や実践報告の活性化の期待

C) 深遠な禅文化に根ざした日本おいて独自のマインドフルネスがすでに日本各地で進行している可能性

D) アメリカでの第2世代マインドフルネスを日本でも展開していく可能性

E) マインドフルネスの指導者育成
 国際マインドフルネス指導者協会(International Mindfulness Teachers Association : IMTA)に認証される指導者養成プログラムが日本に発足することを期待

 こうしてみると、第2世代マインドフルネスが世界中から賛同を得られるようになるまで、何十年もかかるように思われる。それは、それに賛同する人々が推進していけばいい。

 しかし、まだ、「見て見ぬふり」されそうな社会問題がある。日本にとって、重大な精神社会問題があるではありませんか。どうするのでしょうか。

 それについて、述べていきたい。

【関連記事】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5168
★孤独孤立対策〜ここにもうつ病、自殺がある。防止するマインドフルネス
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
★大震災に伴い10年つづくうつ病、PTSD,自殺防止のマインドフルネス
 震災に限らず、薬物療法で治らない人が多くおられる
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5314
★がん患者に起きるうつ病、自殺の防止には、非二元論のマインドフルネス

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 孤独孤立の対策・自殺防止対策
 〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に
 〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生
Posted by MF総研/大田 at 08:56 | さまざまなマインドフルネス | この記事のURL
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