能登半島地震からまもなく1年
課題は?
「心の疲弊 いっそう顕著に」
[2024年12月28日(Sat)]
能登半島地震からまもなく1年
課題は?
「心の疲弊 いっそう顕著に」
今年の元旦に、能登に大地震がありました。まもなく、1年がたとうとしています。
朝日新聞(12月28日)が、1面をさいて「能登の現在地」として、3人のかたの意見を掲載しています。
そのうち、福島県立大学の前田正治教授のご意見が「心の疲弊 いっそう顕著に」であり、ちょうど、私どもの関心領域です。
ご指摘のことが確かにありますので、箇条書きでご紹介します。次のことを指摘しておられます。
〇 能登半島の被災地では災害関連死がふえている
〇 これまでしばらくは生きるのに精いっぱいの時期。被災されたかたの心理も高揚。心配なのは、これから。
〇 集団の避難所から、個別の仮設住宅などにおちつかれる。
〇 災害で失ったものの大きさを実感しはじめる時期。
◆こうした状況から「うつ病のリスクも高まります」と言われる。
〇 元のコミュニティがこわれてしまったことをつらいと感じたり
〇 身を寄せた先で「孤立した状態」が続く
〇 生活が不活発になり、うつ病のリスクも高まります
〇 豪雨の被害も重なり、被災者の方々の「希望の奪われ方は格別にひどいといえます」
◆支援者の疲弊が強まってくる時期
〇 能登半島の被災地の自治体の職員が心配
(東日本大震災の時、職員の病休者の増加、自死した職員もいました)
◆教授からのアドバイス
〇 被災者のかたは「一人で抱え込まず誰かに話してほしい」
〇 「自治体の職員に対しては、自分がうつ病などのリスクが高い状態にあると
知ってもらうことが大切だと思います。そして休んでもらいたい。」
◆ 外部からの助言も欠かせない
〇 「石川こころのケアセンター」の体制が拡充された。被災者、自治体職員の面談もしている
〇 「心のケアには長期的な視点が必要です。財政面で国は支援していくべきです。」
これが、前田教授のご意見です。実現してほしいです。
震災の前まで、県別の自殺者数では石川県は少なかったのです。しかし、前田教授がうつ病のリスクが高まると懸念しておられますので、その点の心のケアの支援がゆきとどきますように。
私たちも、第4世代の認知行動療法としての自己洞察瞑想療法SIMTを用いた予防法(生活不活発病、認知症、うつ病など)や居場所づくり、うつ病やPTSDの治療法で、ご支援できないか、地元で連携できるところをさがしたいです。
(この記事は次に関連する一連のものです)
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ
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MF総研/大田
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災害とストレス |
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被災地の能登の支援を!
珠洲焼応援プロジェクト
[2024年12月17日(Tue)]
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MF総研/大田
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被災地の奥能登、仮設住宅できるもコミュニティーづくり苦慮 [2024年12月03日(Tue)]
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MF総研/大田
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能登地震関連死、直接死上回る 235人、2011年以後最悪か [2024年11月22日(Fri)]
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MF総研/大田
at 18:29 |
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福島県沿岸部の町村の役場の職員にうつ病・不安症多い [2024年11月17日(Sun)]
福島県沿岸部の町村の役場の職員にうつ病・不安症多い
福島県の浜通りの市町村は東日本大震災(2011年3月)の被害に加えて、原発事故もあり、
住民も役場の職員も大変な苦労をされています。
10年以上経過したのに、今なお、過重な勤務や強い心理的ストレスがあり、
メンタルヘルスが心配されています。
福島医大の調査により、深刻なメンタルヘルスの問題を抱えておられると、福島民友新聞の
報道がありました。
「まだ自立しないのかと言われる」 福島・双葉8町村職員、13%が重度の気分・不安障害
浜通りの8町村の職員は重度の気分・不安障害に該当するひとが、13%だったということです。一般住民は6.1%であり、
職員の深刻さがみられます。職員の13%ですが、そのうち7%が特に重症であると報告されました。
瀬藤乃理子准教授(公認心理師)の発表です。
これを図示するとこのようになります。
震災からは10年以上、原発事故による避難は今なお続いています。
職員に過度のストレスがかかっており、過労死や自殺のリスクもあり、早急な支援対策が必要です。
うつ病は長引くと、脳内の炎症が深刻になり、回復に長い期間の治療が必要になるでしょう。
早く対策をとっていただきたい。
宮城県石巻市の住民のかたから要請があり、2015年に数回訪問したことがあります。
こういう精神疾患の方の回復支援は、地元に住むかたの連携の支援がないとうまくいかないようです。
薬物療法だけでは回復しないひとが出てしまいます。「治療」する精神療法のできる心理士や住民ボランティア
を育成してほしいと思います。
能登地方の被災地も
1月の大地震と9月の洪水に襲われた石川県能登の市町村の職員も同様の心配があります。
10年も影響するかもしれません。
市町村の職員や医療関係者は疲弊しておられるようですから、余裕のある民間人、民間団体が連携して、支援対策を
とれないでしょうか。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3928
★まず、NPOから、そのあと、学者、企業、最後に行政
マインドフルネス総合研究所は、2015年に、宮城県石巻にお住まいのかたと連携して、数回おとづれて、
マインドフルネス心理療法による患者さんの治療プログラムと支援者育成講座を開催しました。
こちらのホームに
報告しています。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2847
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2874
◆宮城県石巻へ〜その時々の進行状況 (2015年3月、講演会から)
福島県や能登のかたがたと連携していただければ、
経験を活かして何かできそうな気がします。うつ病、PTSD、不安症の回復支援、支援者育成の事業は、前の経験により、
2年はかける必要があると思います。
前回は、半年ほどしか行けませんでしたが、期間が十分ではなかったと反省しました。
2年という長期間かかる事業になりそうですので、信頼されている現地のかたが連携しないととても実現しません。長期間、心の病気のかたとおあいするのですから、地元の信頼できるひと、団体がはいってくださらないとできません。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
【連続記事】大震災の被災地にうつ病、自殺が増加するおそれ
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MF総研/大田
at 21:49 |
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能登半島の被災地に洪水
〜 復興中の人々にさらなる苦悩 [2024年09月22日(Sun)]
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MF総研/大田
at 21:23 |
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被災地の職員に強い疲労感 [2024年03月24日(Sun)]
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MF総研/大田
at 20:11 |
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被災地の子どもは今もなお心のケアが必要 [2024年03月13日(Wed)]
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MF総研/大田
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東日本大震災から13年〜今回は、能登半島にマインドフルネス心理療法のカウンセラーを養成 [2024年03月11日(Mon)]
東日本大震災から13年
〜今回は、能登半島にマインドフルネス心理療法のカウンセラーを養成
13年になるのですね。
このブログに当時のころの記事が残っています。
被災から3年後に私たちのマインドフルネス心理療法が、
石巻の被災者の方々の目にとまりました。
そして、石巻に数回、伺いました。
★東日本大震災の支援プログラム
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2890
☆ 2014/3/26の記事
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3213
☆ 2015/8/31の記事
石巻のかたの目にとまり、3年後に講演とカウンセラー養成講座が実現。
阪神淡路大震災の経験から、震災後は、うつ病、PTSDなどに苦しむ人が多く、自殺もあることが知られていました。それで、東北の被災地でも起きるのではと心配していました。やはり災害関連死の多いことが報道されています。
この数年前から、マインドフルネス心理療法、SIMTの研究開発が進行していた時であり、以前は、6回を標準にしていて、不十分でありました。
その後、経験を重ねて、こういう精神疾患が薬物療法で治らない場合、難治であり、最低、10回10カ月の支援プログラムにすべきであることが判明しました。
震災前から、10回10カ月のプログラムでの経験から効果が確認されて、これに基づき執筆が進行していましたが、震災により太平洋岸の書籍販売網も混乱しており、出版を延期して、2013年に、出版されました。この本は、10回10カ月を標準にしています。
大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
この本は、震災の前から執筆が進行しており、数年かけて出版にこぎつけました。
あれから、13年。3年後に、現地でのカウンセリングと支援者育成のための講座が宮城県石巻で開催されました。 マインドフルネス心理療法のうちでも、瞑想時でなく、行動時の感情・欲求を現在進行形で観察し背後にある評価基準を観察することを重視する自己洞察瞑想療法(Self Insight Meditation Therapy,SIMT)は、うつ病、非定型うつ病、パニック症、広場恐怖症、社交不安症、PTSD、過食症などの「完治」に一定の効果をあげています。さらに、特定の領域への応用研究が必要と考えています。
今も、各地で、うつ病やPTSDが治らずに困っている方がおられます。毎年、自殺が2万人も。そして、うつ病などが治らないひとは、おそらく、何百万人もおられるでしょう。 薬物療法も心理療法も希望するひとがどこでも受けられる仕組みができることを祈っています。
もう、岩手、宮城、福島県の方々のメンタルな面は大丈夫でしょうか。
もし、まだ必要であれば、ご連絡ください。
能登半島地震の被災地
今度は、能登半島で大地震が起こりました仮設住宅にお住まいになるころ、やはり、メンタルな問題のために、
マインドフルネス心理療法SIMTで支援できるカウンセラーが地元にあるといいと思います。
石巻における講座の時に得られた教訓を反映して、地元にマインドフルネス心理療法のスキルを持つひとを養成するお手伝いをさせていただきます。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
★能登で大地震 〜 長期にわたって
うつ病、PTSD、睡眠障害のおそれ
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MF総研/大田
at 18:06 |
災害とストレス |
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被災地に多いPTSD(心的外傷後ストレス障害)
〜 PTSDを引き起こす分子が特定された [2024年03月05日(Tue)]
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MF総研/大田
at 18:13 |
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