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見捨てられている重大な日本の社会問題 〜3) 非二元論の哲学でない [2024年02月04日(Sun)]

【連続記事】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ
 〜 批判された特徴を克服する第2世代マインドフルネス

今後の課題 見捨てられている重大な日本の社会問題
 〜3) 非二元論の哲学でない

 MBSR,MBCT、簡素化MBSRなどの「第1世代マインドフルネス」は批判が多いことを見ました。

 第1世代のマインドフルネスは、倫理性、社会問題の無視傍観の態度助長、スピリチュアルな問題の回避などの問題を助長するなどの批判が続いてます。

 次の論文で指摘された。

(B) 池埜聡・内田範子「第2世代マインドフルネス」の出現と今後の展望ー社会正義の価値に資する「関係性」への視座を踏まえてー、Human Welfare, 12:87-102,2020年 (これは、雑誌、「精神科治療学」2023年1月号で、林紀行氏が注9)で紹介している。(p15) )

 第1世代マインドフルネスを克服する第2世代マインドフルネスの特徴は、3つあるという。それらを見終わった。こういう特徴をもった第2世代マインドフルネスの萌芽が見られるという。 続いて、「今後の課題」を見ている。

 池埜内田論文は、今後の課題として、次の点を指摘している。(p98)

1) マインドフルネスという言葉に多様な概念が詰め込まれようとしている危うさ

2) エネルギーに満ち溢れた「器」に多数の柵を作り区分けすることの是非 たとえば、マインドフルネスは、satiの訳語を超えて、生き方、ウェルビーイングの意味、そして社会正義のあり方などを包含する動きがあるのだが。 この器に柵を作り区分けしていくことは、新たな苦悩を脇に追いやってしまう危うさ

 そこで、次の点を展望ないし期待している。(p98-99)

A) マインドフルネスの概念拡張を見守る
B) 国内で第2世代マインドフルネスに関わる議論や実践報告の活性化の期待
C) 深遠な禅文化に根ざした日本おいて独自のマインドフルネスがすでに日本各地で進行している可能性
D) アメリカでの第2世代マインドフルネスを日本でも展開していく可能性
E) マインドフルネスの指導者育成
 国際マインドフルネス指導者協会(International Mindfulness Teachers Association : IMTA)に認証される指導者養成プログラムが日本に発足することを期待

見捨てられている重大な日本の社会問題
〜C) 非二元論の哲学でない

 池埜内田論文にないものの一つが「非二元論」がまだ今後の課題にあげられていないことです。 日本こそ、貢献できるはずなのに。

 「精神科治療学」(2023年1月号)で、指摘されました。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5283
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5284
★佐久間健一、佐久間伸子の両氏

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5288
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5290
★佐渡充洋氏

 ジョン・カバットジン氏は、一生かけて探求する「全体性」をいうのですが、これは大乗仏教がいう非二元論の基礎となるはずです。

  幸福論の哲学でも、竹村牧男氏が指摘してきたものでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5331
★実存的苦悩の解決はこれです。非二元論です。
 MBSR、MBCT、ACTは、二元論です。「死」の問題の解決にはなりません。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5313
 大震災がまたまた起こりました。大切な家族を失った人が多く、その苦しみ、悲しみは、実存的な苦悩です。何かをするという実践的な苦悩ではありません。
 うつ病になる人も多くて、自殺のリスクもかかえてしまうひとがあらわれるおそれがあります。
 大震災の被災地には、最も深刻な長く実存的な苦悩が続きます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5338
★孤独孤立対策のところにも、実存的な苦しみがあります。
 不登校、引きこもり、自己存在の意味に苦しみ、うつを深めるひとがおられます。
 うつ病や不安症、双極症などになると、長く完治しない人が孤立し、孤独感で、苦しみが続きます。自殺もおこります。
 双極症は、抗うつ薬は有効ではなく、本当は、うつ病の早い時期に薬物療法ではなくて、心理療法で治すことができれば、双極症を発症しないかもしれません。
 がん闘病中の患者さんも家族も「死」の不安をかかえます。
 https://blog.canpan.info/jitou/archive/3038
 ★がんの人は抑うつになる割合が高いという研究
  癌患者の3人に1人は不安障害などの精神的な健康問題を抱えて いる

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
 日本は、毎年2万人ものひとが自殺しておられます。だからこそ、SDGs 3.4がターゲットとしてあり、自殺の減少に取り組むべきです。薬物療法だけでは、治らない患者さんが3〜4割と言われます。この領域も「死」の問題があります。

 日本は、精神社会問題が充満しています。マインドフルネスも欧米でいつになるのかわからない、うつ病などを治療するマインドフルネスを早く開発すべきなのです。 アメリカで開発されるマインドフルネスを待つのではなくて、日本が独自のものを開発すべきです。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312

 臨床の現場におられる医師や心理士でないと、うつ病や「死」の苦しみを実感できず、新しい心理療法の開発に真剣に生きがいにするひとはおられないでしょう。
 新しい心理療法の研究開発は、論文にもなりません。大学などの研究者からは、上記の問題への提言は見られず、現在専門にしているテーマの研究と学生の教育で一杯のようです。
 多くの専門家から、無視傍観、見て見ぬふりのような様相を呈していると感じるのは私だけではないはずです。多くのひとが苦しんでおられます。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4719
★うつ病が治らず自殺されていく。薬物療法で治らないうつ病を治す方法を真剣に研究するひとはいない

 政府、自治体は新しい事業を開始していただきたいと切に思います。さもないと、多くの人が苦しみつづけます。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5312
【目次】マインドフルネスは、第1世代から第2世代へ  〜 孤独孤立の対策・自殺防止対策  〜 大震災からのうつ病、自殺の予防に  〜 至誠・社会創造・平等・無差別・無闘争・共生
Posted by MF総研/大田 at 18:10 | 新しい心理療法 | この記事のURL
新型コロナ肺炎により 行事の中止 [2020年02月29日(Sat)]

新型コロナ肺炎により 行事の中止

新型コロナ肺炎による感染の予防のために
マインドフルネス総合研究所
日本マインドフルネス精神療法協会
の3月の行事をすべて中止させていただきます。

★マインドフルネス心の健康体操(老人福祉センター、椿山自治会館、デイサービスなど)
★講演(春日部も)
★個別カウンセリング、個人相談会
★マインドフルネス瞑想療法士🄬育成講座第10回
  最も深いマインドフルネス、自己洞察である人格的自己の創造的直観ですので、4月以降に延期開催します。
 (受講生にはメールで連絡)
★マインドフルネス精神療法研究会
 (会員にはメールで連絡)

 皆様、マスク着用、手洗いなど充分に注意してお過ごしください。
Posted by MF総研/大田 at 09:43 | 新しい心理療法 | この記事のURL
今年度のマインドフルネス心理療法SIMTの講座 [2019年01月21日(Mon)]

今年度のマインドフルネス心理療法SIMTの講座

 昨年度は、日本的マインドフルネスの特徴が明確になってきました。 日本的マインドフルネスである、自己洞察瞑想療法(SIMT)の講座、 希望が多ければ開催したします。日程は第3日曜の予定です。

http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouza/2019saitama.pdf

 少し、内容の変更があります。しばらく おまちください。
 受講をお考えのかたは、仮の申し込みをお願いいたします。


https://blog.canpan.info/jitou/archive/4013
【誤解だらけの瞑想、坐禅、マインドフルネス】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3889
★関連記事【日本では、なぜうつ病などの心理療法が普及しないのか】
Posted by MF総研/大田 at 20:50 | 新しい心理療法 | この記事のURL
宮城県のお寺で講演・2019年1月26日 [2018年11月08日(Thu)]
https://blog.canpan.info/jitou/archive/3976?1541731623
★2019年1月26日、宮城県大崎市のお寺(真言宗)で、マインドフルネスSIMTの体験、説明会。

★2019年1月13日は、専門家向けの講演(下記)
http://mindful-therapy.sakura.ne.jp/kouen/2019-1-13-kouen.pdf
=僧侶、学者、マインドフルネスの推進者、医療関係者など
上座部仏教、日本仏教の問題を超えていくために
日本の社会問題の解決のための「利他=マインドフルネス」
どういう道があるか。
現代の日本的なマインドフルネスの展望

★2019年3月1日、アメリカの大学院心理学専攻の学生へ、日本独自のマインドフルネスSIMTの講義。

宮城県のお寺で講演・2019年1月26日

 (お申込みがありましたので、開催決定です=12月12日、付記)

 宮城県でご活動のマインドフルネス瞑想療法士のおられる
「マインドフルネス・SIMTみやぎ」さんの 主催で、講演させていただきます。

★宮城県大崎市の千手寺で、2019年1月26日、講演会

「マインドフルネスSIMT 心の健康づくり入門
  うつ、不安、ストレスが消える心の鍛え方」

⇒講演会のおしらせ・主催の「マインドフルネス・SIMTみやぎ」
https://simtmiyagi.wordpress.com/oshirase/

  ⇒チラシ
https://simtmiyagi.files.wordpress.com/2018/11/20190129e789b9e588a5e8ac9be6bc94.pdf

 千手寺さんは、真言宗のお寺です。檀家信者さん、一般の人の心の健康に配慮してくださり、 お寺の会館を貸してくださいます。檀家の代表のかたのご理解も得てくださり、私も講演させていただきました。そして、「マインドフルネス・SIMTみやぎ」さんは、毎月のように、ここで 体験会やセッションを開催しておられます。

 お寺が、社会貢献活動のために、スペースを提供してくださいます。誠にありがたいことです。マインドフルネスは、仏教の禅の実践方法に似ています。宗派にこだわらずに、大きな慈悲の心で大切なスペースを貸してくださいます。お寺は、地元の信頼があついので、参加なさる人にも安心していただけます。

 私は遠いので、なかなか行けませんが、また、お話しさせていただく機会をいただきまして、嬉しいです。初心の人へのお話しが中心になりますが、医師、看護師、心理士などの専門家のかたや、マインドフルネス瞑想療法士の講座にご関心のある方にも、資料を持参し、簡単にご説明させていただきます。
 現代ブームのマインドフルネスの問題、限界とSIMTの違いも簡単にお話しさせていただきます。

 「マインドフルネス・SIMTみやぎ」さんとのご縁は、数年前、東日本大震災で被害を受けた石巻市の被災者の方からのお招きにより、マインドフルネスSIMTの改善のためのセッションと支援者育成講座を数回にわたり、実施させていただいたことがありました。
 石巻でおあいしたかたがた、お元気でしょうか。またお会したいですね。

 このあとも、「マインドフルネス・SIMTみやぎ」さんのご活動が続きます。お近くにうつ病、不安症、PTSDなどのかたがおられる方、悩みがちな方、うつ病、不安症、PTSD,人間関係の改善などにご関心のある専門家のかた、ぜひご参加ください。
Posted by MF総研/大田 at 20:49 | 新しい心理療法 | この記事のURL
正しさをゴリ押しする「危ない人にみられる特徴」(2) [2018年08月17日(Fri)]
【書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

正しさをゴリ押しする「危ない人にみられる特徴」(2)

 長引くうつ病、非定型うつ病、不安症などのマインドフルネス精神療法がなぜ日本では普及しないのでしょうか。専門家の独特の組織行動に問題がありそうです。



 組織の中で、自分の考えを「ごり押し」し、批判的な人に攻撃的な行動をする人がいる。組織のメンバーの自由や創造性を奪い、組織 全体を沈滞させる。
「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)を見ている。

 日本でも、データの改ざん、論文不正、うそ、パワハラ、不平等な扱い、大学における倫理の崩壊、言論の自由の制限など が頻発していますね。

 どうして、このような人がトップ、幹部になってメンバーや 外部の市民に迷惑をかけるのでしょうか。

5章は、正しさをゴリ押しする「危ない人にみられる特徴」 です。 5章の「小見出し」の後半を紹介します。

●親しくなると極端に遠慮がなくなる
●他人を今コントロールしようとする
●文句が多い
●疑問をぶつけられたり、頼み事を断られたりすると逆上する
●理屈は正しいものの、異様に感情的になる
●人に対する評価が極端に変わる
●他人の成功に落ち込む
●他人の幸せに苛立つ
●対抗心が異常に強い
●腹立たしい相手を関係性攻撃で追い詰める
●悪者を叩くことに異常に執念を燃やす
●ふつうの感覚が通じないサイコパス

 前の特徴に加えて、こうした特徴がある。 こうした人物は、自分の思うことを反対されて激怒し、他のおとなしい人を攻撃して組織内で幹部になりやすい。 「関係性攻撃というのは、人間関係を悪意で操作しようと することで、悪い噂を流したり、不信感をあおるように情報をわざと歪めて 流したり、仲間外れにしたりすることをさす。」

 組織内で力量ある人などと方針、理論、運営などで議論して、不愉快に思って恨みをいだき、 ささいなミスをみつけて、重大な不正をしたかのような噂を流して、 よく事情をしらない他のメンバー多数を根回し抱き込み、 優秀な人を解任しようとする。多数決の形で批判的な人を追い落として、自分は団体のトップや幹部になり、 自分のやりかたを、ゴリ押しして、自分の地位、収入、名誉などの利益を得ようとする。 こうした例もある。

組織の乗っ取りである。NPOやボランティア団体は、容易にこれができる。先頭に立つのが、認知的複雑性の低い者であり、深いことを知らないから、こんな組織は、その活動内容の質が落ちるのは当然であり、その 組織は外部の複雑な需要に応えられず崩壊する。


https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3835
【New 目次】非定型うつ病のマインドフルネスSIMT
 「正しさをゴリ押し」するのか? 日本の組織では精神療法を開発できなかった
Posted by MF総研/大田 at 06:44 | 新しい心理療法 | この記事のURL
「正しさ」をゴリ押しする行動の背後にある心理とは? [2018年08月13日(Mon)]

「正しさ」をゴリ押しする行動の背後にある心理とは?

組織の中で「ごり押し」し、攻撃的な行動をする人がいる。
 「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)を見ている。
 この本は、マインドフルネス(自分の意識を観察)を標榜する推進者、専門家に必読書であろう。 自分のおぞましい心理を「マインドフルネス」(=自ら観察し気づき)して、組織や周囲に迷惑をかけないようにすべきなのであるが、 多くの組織で、ゴリ押しが行われる。まず、前の記事で、原因は、 「認知的複雑性が低い」からだという分析である。その背後にある心理(SIMTでいえば「本音」=気づきにくいおぞましい自己中心的な心理) は何か。榎本氏の解説をみる。

★背後に欲求不満・劣等コンプレックス・妬み
 「「正しさ」を振りかざしている人は、本人は義憤に駆られているつもりでいる。」(p94)

 「「正しさ」をごり押しする行動には、どうしても攻撃的が雰囲気が漂っている。・・・ 冷静に正論を主張している感じではない。」(p95)

 背後にある心理は何か。

 「そこで参考になるのが、心理学者の世界ではよく知られている欲求不満―攻撃仮説である。」(p96)

「心理学者ダラードたちが唱えた欲求不満―攻撃仮説とは、目標に向けて遂行されていた行動が阻止されると 欲求不満が生じ、その解消または低減のために攻撃行動が引き起こされるというものであり、 多くの実験や調査によって妥当性が支持されている。」(p96)

 SIMTでは、表面の本音があれば、さらにその奥に深い本音が隠れていることがあるので、深い本音もできるだけ 気づくように観察を深める。似たようなことを榎本氏の説明がある。「欲求不満」の背後にあるものは何か。

 「承認欲求が満たされないこと」(p106)
 「僻みっぽい歪んだ認知を生み、攻撃的な反応を引き起こす。」(p107)
 「自分が輝いているなどと感じることはほとんどない」(p109)
 「「自分は正当に評価されていない」といった不満が強い」(p113)

 こうした、背景の心理(本音)から、「正義感を振りかざしたり」(p122)、 「自分の言い分が通じないと・・・相手を攻撃する」(p122)

 榎本氏は、さらに、背後の心理に「劣等コンプレックス」があるという。

 「コンプレックスというのは、無意識のうちに人の思考や感情や行動に影響を与えているもの」 (p122)であるから、まさにSIMTでいう本音に類似する。SIMTでは、コンプレックスも観察し気づくように トレーニングする。

 「コンプレックスというのは人の無意識層に作用するため、このような人は無意識の 衝動に突き動かされており、現実を冷静に見ることができずに、一方的な思い込みで行動する。 ゆえに、相手の言い分に耳を傾けようとせず、相手の立場や意向をまったく配慮することなく、 自分勝手な理屈を振りかざすのである。」(p123)

 「劣等感」(p123)があり、「自己効力感を高めたいという欲求の他に、自分に正当性を与えたいという欲求も 潜んでいる。」(p125)

 「妬みの心理がある」(p133,135)
 「ほんの些細な違反でも大ごとにして」(p133)
 「自分より優位に立っている人を引きずりおろしたい心理が働いている。」(p135)

こうして、強く主張し相手を攻撃する背後にこのような、その個人のトラウマのような心理、「自尊感情の低さ」から 来ている主張、解釈で誠実なひと、説を攻撃するのであれば、公的な組織とその利用者にとっては大きな迷惑である。

欧米の心理学者は、深く解明している。日本はどうだろうか。 宗教や「マインドフルネス」の世界は、自己の心理現象を洞察して他者、自己を苦しめないようにするはず (=本音)であるが、日本ではこの領域の実践、学問にも起きていないのか。人間は複雑であるのに、随分、色々な解釈があるのはずなのに、 画一主義的、還元主義的のものをゴリ押ししていないのか。ビクトール・フランクルが、全体主義、画一主義、還元主義の学問を 批判したが、仏教、マインドフルネス、臨床心理学、精神医療の領域の組織はどうなのか。 残念だが、本来、禅や西田哲学で警告した「独断偏見に気づきやめよう」という教えと実践が見失われている日本。やはり、ある。 「正しさ」をゴリ押しする行動の背後にある心理とは?


https://blog.canpan.info/jitou/archive/3853
【目次・書籍紹介】「正しさをゴリ押しする人」(榎本博昭、角川新書)

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3835
【New 目次】非定型うつ病のマインドフルネスSIMT

Posted by MF総研/大田 at 20:19 | 新しい心理療法 | この記事のURL
マインドフルネスSIMT・家族の本音(信じる、支援する) [2018年08月09日(Thu)]

マインドフルネスSIMT・家族の本音(信じる、支援する)

 =うつ病が治らない・本人や家族の独断だが影響は自分家族の範囲
 =日本では心理療法が普及しない(患者が治る利益を得られない)・専門家の独断偏見・影響が甚大・多くの患者家族の救済が遅れる

 禅の哲学や西田哲学によれば、すべての人に、独断があります。 様々なものをとても好きである(執着)とか、とても嫌いです。

クライアント(患者)が治るかどうかは、その家族の本音が大きく影響します。

重症の患者は、理解力が低下しています、重症のためにカウンセラーのもとに 行くのをやめたい本音(*回避逃避)があります。 そこで、最初の面談と継続セッションに家族が同伴すると、患者が10回、10か月の 長期間、脱落せずにSIMTを受けて治る可能性が高まります。
重症だった患者さんは、たいてい家族がいっしょでした。ある患者さんは、鉛様麻痺感の最悪の症状 であったので、自立歩行ができませんでした。家族が車で連れてきて、グループセッションの会場に 肩をかかえられて入場し、机に頭をのせて顔だけ私のほうを向けて聞いていました。
別の患者さんは、住まいが何百キロも離れていて、家族が同行しました。

ここにあった家族の本音は何でしょうか。家族の本音があったからこそ、患者さんが治ったのです。

薬物療法を受けても 長く治らない患者(A)の様子を観て、患者の家族(B:配偶者や親)は、このままではずっと治らないのではないかと 思う。
家族Bが持つ本音(*)によって、行動が違う。
1. 家族Bが薬物療法にまかせる(*a)本音をもつ場合、5年でも10年でも推移する。しかし、
2. 家族Bが薬物療法絶対主義(*a)ではない場合、他の治療法があるはずとさがす行動に出る。 マインドフルネスに出会う。マインドフルネスも種々あることを知る。どれを選択するかも、Bの本音によって選択する。
BはSIMTにしようと評価し決断する。BがSIMTカウンセラーと連絡して予約する。

このあとも家族Bの本音の違いで、行動が違う。
1. 患者Aだけを面談、継続セッションに行かせる
2. 家族Bが同伴する。

初回の面談やセッションに家族が同伴した場合も、家族の本音によってちがう。
1. 家族BにSIMTへの信頼(*b)が生じる場合
2. 信頼を生じない場合とで、
Bの行動が違う。
1.BがSIMTへの信頼(*a)を強くもった場合と、
2.持たない場合(*b)
とでは、家族Bの行動が違う。

信頼の本音をもった家族は、セッションに参加しつづけることをすすめて、 仕事を休んでまでも同伴することも多い。

家族が同伴するメリットは、
1. 患者の理解力が低下してカウンセラーの説明を理解できなくても家族が理解していて、課題を実践する時に家族が教えることができる。
2. 家族Bの理解が増し、信頼(*a)が強化されて、患者Aが脱落しないようにすすめて、努力する行動をする。

こうして、家族Bの本音が、患者Aが治るかどうか「に影響する。 家族Bが信頼しない(*b)場合は、患者Aが、「もうやめたい」と(*b逃避)言えば、受け入れてしまう。治らない。
患者Aが治るかどうか、家族Bの本音が強く影響する。 すべての、人間が各人の本音によって、観て考えて行動する。「無評価」ではありえない。

  注(*)印は「本音」です。(*a)は好きである=執着系の本音で、(*b)は、 嫌悪系の本音です 患者さんにだけあるのではありません。すべてのひとにあり、専門家の本音は弊害が大きいです。本音を「ゴリ押し」することを強くいうと地位の低い他者を怖がらせて、他者の自由を奪い、市民の苦悩から解放される行動などを自粛させ救済を妨害します。


『マインドフルネス精神療法』創刊号、日本マインドフルネス精神療法協会、p45
大田健次郎「東洋哲学・実践にあるマインドフルネスの多様な局面」


https://blog.canpan.info/jitou/archive/3835
【New 目次】非定型うつ病のマインドフルネスSIMT

Posted by MF総研/大田 at 16:51 | 新しい心理療法 | この記事のURL
金沢講座の第1回・マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座 [2018年06月20日(Wed)]
金沢1回目.JPG

金沢講座の第1回・マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座

 6月17日、金沢の講座が始まりました。毎月1回、全体で10回です。奈良県、兵庫県からもおいでになります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/3545
★2017年6月の講座

 おおまかには、昨年と同様ですが、マインドフルネスの世界に起きる事件、批判の経験によって、重要な点、注意点が強調されます。「マインドフルネス」を誇大宣伝、金儲け傾向だという批判論文がでました。欧米の浅い簡単な定義のためでしょう。マインドフルネス瞑想療法士🄬は、そうならないように注意点を強調します。自分のエゴイズムの心理(本音、煩悩)を観察し評価すべきなのです。対人場面、仕事の現場のマインドフルネスでは。

 自己洞察瞑想療法(SIMT)は、他のマインドフルネスとは、哲学、目標がちがうということの強調。
 マインドフルネスの定義、方法が違う。理由はなぜか。 (このことは、いくつかの小論文の提出課題で理解したかどうか点検する。)

 うつ病や不安症などが治っていない患者には、MBSRの3大手法は使わないこと。MBCTも使わないこと。理由はなぜか。(これも、受講者への小論文の課題の一つ)

 こうして、金沢での講座がスタートしました。金沢は、西田哲学と鈴木仏教禅哲学のある土地ですから、受講生のかたの、SIMTへのとりくみは真剣です。 日本人が持っていた伝統的な精神、鈴木大拙が日本的霊性といったもの、自己を越えたものを信じ、なろうとしてきた日本人。それを説明した西田哲学、宗教以前でも自分他者を苦しめる心理を説明している。それを羅針盤として観察して問題を解決して、世界の創造に参画していく自分を成長させるのが認定講座の範囲。さらに、宗教的レベルの苦悩は、そのあと探求していくという2段階です。  
Posted by MF総研/大田 at 20:27 | 新しい心理療法 | この記事のURL
金沢講座の第1回・マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座 [2018年06月20日(Wed)]
金沢1回目.JPG

金沢講座の第1回・マインドフルネス瞑想療法士🄬認定講座

 6月17日、金沢の講座が始まりました。
Posted by MF総研/大田 at 20:27 | 新しい心理療法 | この記事のURL
メディカルオンラインの学会カレンダー [2018年04月10日(Tue)]

メディカルオンラインの学会カレンダーです

■学会カレンダー
http://www.medicalonline.jp/meetings/detail?id=3465

日本的マインドフルネスの開拓をすすめてきた マインドフルネス総合研究所の後援により、日本マインドフルネス精神療法協会の 研究発表大会があります。

非定型うつ病は治りにくいのですが、日本のマインドフルネス、自己洞察瞑想療法(SIMT)で治るひとが多いです。

患者さん、ご家族、医療関係者、復帰支援の専門家などのご参加をお願いいたします。

MBSR,MBCTでは、再発予防になりますが、重症のうつ病の治療法ではありません。しかし、SIMTでは重症の人でも治る事例が報告されています。
 ここまで治る事例が多いのですから、マインドフルネスSIMTの何が効いているのか、明らかにするために、臨床試験をしてみたい。協力してくださる精神科医、心療内科医がおられるといいのですが。患者さんの中で、SIMTを希望する人に、SIMTを10か月行い、SIMTをしない人との比較をする。SIMTを行う人は、何が効くのか解明するために、SIMTの課題と時間を細かく分けてデータを解析します。
 相当の準備期間が必要になるでしょう。主治医師のほか、臨床試験の方法にくわしい医師、データ解析の専門家、マインドフルネス瞑想療法士、データを容易に集めるアプリケーションを開発できる人など が必要です。脳画像の検査、血液検査などのデータをとって、変化を解析することも重要です。 非定型うつ病の鉛様麻痺感の責任部位はどこなのでしょう。
数々の、協力費を支払うことになります。できれば、患者さんには無料か低料金で行いたいので、このようなプロジェクトに助成してくれる補助金をさがすことが必要になります。
もし、アドバイスするマインドフルネス瞑想療法士(MMT)が数人参加したとして、MMTのどのような技法、スキルの差によって、効果が違うのか。わかれば、講座の方法を変えていきます。
Posted by MF総研/大田 at 07:37 | 新しい心理療法 | この記事のURL
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