• もっと見る
«互いに助け合う運動や共同体  〜哲学者・柄谷行人さん | Main | 日本は自殺率が高い国»
うつ病の治療法の開発は世界的な課題 [2026年06月14日(Sun)]

うつ病の治療法の開発は世界的な課題
 〜日本の西田哲学の具体的実践にその可能性が

 精神疾患が薬だけでは治らないひとがいます。これは、世界的な課題です。 若い人がかかって、うつ病、不安症、統合失調症になって、薬での治療が行われますが、一部が治らないひとがいます。そうすると、長い人生の生き方に影響します。オーストラリア の研究者が報告しました。

◎精神疾患が障害による健康損失の最大の原因に
(2026年6月11日  Medical Tribune)


 精神疾患が健康損失の大きな原因となっているといいます。研究では、「障害調整生存年数(DALY)」を評価しています。 DALYに占める割合が大きかった精神疾患は不安症、うつ病、統合失調症であること」「精神疾患の負担は男性よりも女性で大きいこと」「年齢別では15〜19歳でピークに達すること」が示されたといいます。

 この問題は、WHOの報告もあります。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4798
治らない「うつ病」は世界的な課題
 世界保健機関(WHO)の報告では、2030 年にはうつ病が世界的に疾病負荷の第一位となることが予測されて います。

 うつ病、不安症、統合失調症などの治療法を開発して、若いうちに治すことは、世界的な課題です。 オーストラリア、アメリカの研究者が、精神療法を研究しているでしょう。

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5574
★アメリカの精神科医はなぜ「マインドフルネス」を熱心に研究開発/ 臨床してきたのか

 アメリカでは、ジョン・カバットジン氏が、自分の意識作用を観察する「マインドフルネス」(第1世代)を提案しましたが、 こういう精神疾患の治療法にはならないことが報告されました。思わしくない、副作用のような影響もあることが報告されました。
 しかし、自分の意識作用を観察することは、大乗仏教、特に、唯識や、日本の禅で、深く行われていたことは、世界中の研究者に知られています。 「マインドフルネス」(第1世代)を開発して、2,30年にわたって、広く臨床試験を行ってきたアメリカの研究者が、無評価を越えて、さらに深い「マインドフルネス」(第2世代)の研究開発 が行われていることと推測できます。

 ジョン・カバットジンも、MBSRは、自己観察の入口にすぎないと言っていました。東洋には、さらに深い観察方法があることを示唆していました。
 フランクルも、「心理」のさらに奥に「精神」があるとしてロゴセラピーを開発しました。西田哲学によれば、心理は、自覚的自己の領域、精神は、叡智的自己の領域であることを場所的論理で説明しているので、詳細な実践方法を開発しやすくなっています。

 日本でも、自己洞察瞑想療法、SIMTは、最初から、無評価で観察を越えた、意識反応を観察するものでした。無数の人間が共生している世界で、人生を生きていくので、現状が自分の基準で(本音という)評価して(注1)感情が起きるものだが、 それにとらわれず、自分の人生で大切にしていくと決めた方向(価値という、仕事や愛する家族など)への行動は何かを瞬間的に探索して決意して行動する方法をトレーニングする 精神療法です。
 この方法は、日本がほこる西田幾多郎の後期の哲学の「実践論」の具体的な一つの応用です。これまでに、うつ病(非定型うつ病を含む)、不安症、PTSD、過食症には一定の効果がみられました。統合失調症にはまだためしていません。

 西田哲学の精神療法への応用は、SIMTとはほかの形式も考えられます。 アメリカやオーストラリアのひとたちも、同様に、西田哲学の具体的実践方法を開発する可能性があります。
 現在も世界中で、宗教の違いによって、紛争や戦争の背景にあるものが見られるようですが、西田哲学は、「宗教」の違いに関わらず、共通の人が生きていく人生哲学として精神療法も開発できるはずです(注3)。宗教観の違いは、ノエマ的方向、対象的方向、世界観の超越的な見方と考えられ、西田哲学のいうのは、ノエシス的方向、心理よりも内奥の精神、さらにその奥の働きという人類共通(宗教、人種、国、性に関わらず)の見方と考えられるからです。

 今、うつ病や不安症(パニック症や広場恐怖症、社交不安症)、そして、PTSDや過食症も)が治らないひとは、SIMTを試していただきたいと思います。たとえ、治らなくても人生を生きていくのは、こういう意識の使い方であるのだと哲学的な生き方が大きな枠組みであることを納得できるだろうと思います。20歳前後(注2)で、このような人生哲学(西田哲学)の実践論を学ぶと、 長い人生を生きていくうえで大きな支えになると思います。

【注】
(注1)現実の世界は評価の世界である。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4729
★現実は評価の世界〜ひとはみな自己の人生価値を基にして満足・不満と評価して、満足の方向への行動を選択していく。世界は他との共生であるから行動は他者の人生価値も崩壊しないものでなければならない。そこにも評価が働くのは当然。

(注2)後に自殺するのは若い頃に影響。ゆえに、若い頃、メンタル傾向を変えるとよい
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2333
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4674

しかも、現在の専門家や長老のものは、陳腐化しているのに現在の職務で忙しくて現在の新しい問題を解決できる方法を開発できていない。しかし、未来ある若者はこれではいけないと、新しいことをしようとする。若いひとの革新への意欲、自由を抑圧してはいけない。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/4121

https://blog.canpan.info/jitou/archive/2769
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5748
★見て見ぬふりするしかない専門家、長老
 〜なかには確信的に妨害排除するエゴイストも
   自利に執着するあまり社会全体の問題の改善を妨害することになる

(注3)既存の宗教観(ノエマの方向)によらずに、「死」にゆくひとのメンタルな支援方法の可能性(ノエシス的方向、自己の根底に自己を支える働き)がある。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/2859
★当為価値(ノエマ的)でなく存在価値(ノエシス的)をいう西田哲学、フランクル
【連続記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5810
【目次】自殺防止対策 2026年

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5572
【目次ー自殺予防2025年】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5329
【目次ー自殺予防2024年】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/5119
【目次ー自殺予防2023年】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4893
【目次ー自殺予防2022年】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4722
【目次ー自殺予防2021年】

https://blog.canpan.info/jitou/archive/4531
【目次ー自殺予防2020年】
Posted by MF総研/大田 at 06:29 | 孤独孤立自殺うつ病不安症 | この記事のURL