孤独・孤立から起きるうつ病、自殺の防止対策 [2026年02月12日(Thu)]
ヴィクトール・フランクル
〜それでも人生には意味がある
第4回 人生という「砂時計」
〜(その4)過去は保存されている
「今、ここ」しかないという教えとの関係は?
フランクルの愛するひとがいなくても人生の価値は豊かであるという哲学思想を検討していて、ロゴセラピーやSIMTのような精神療法には以下のことが浮き彫りになってきました。家族がうつ病になったり、自殺されたりを予防するヒントがありそうです。
A)「愛する家族がいても自殺される
→ブログ5843
B)人生の「価値」は重要であるが、「価値」にも執着しない
→ブログ5844
C)他の哲学者が「幸福の哲学」を述べているが、
深い哲学とロゴセラピーやSIMTは類似
→ブログ5845
D)孤独・孤立から起きるうつ病、自殺の防止対策
→この記事 ブログ5846
D)孤独・孤立から起きるうつ病、自殺の防止対策
ご承知の通り、長年、日本は自殺が多いのです。地方創生SDGsでも、自殺対策があるべきです。
また、孤独・孤立対策推進法が制定されて、対策が始まりました。この法律でも、「孤独を覚えることにより、または社会から孤立していることにより
心身に有害な影響を受けている状態にある者への支援等に関する取組」(注9)とあります。
この二つの領域に、ロゴセラピーも活用できるはずです。なぜなら、ロゴセラピーは、フランクルの著書(注5)によれば、うつ病を治療し、自殺を思いとどまらせることができるはずです。
内閣府の孤独・孤立対策の有識者会議の資料(注7)によれば、孤独感を持つ人は、心身の健康状態がよくないことが報告されています。
「孤独感ありのグループは、未婚者がきわめて多い。」(注7,p9)
「サポートがなく、孤独感があるグループは、男性、および、25〜34歳の若年層と50〜64歳の壮年層も比較的多い。」(注7,p9)
「にもかかわらず、サポートの相手がおらず、孤独感が高い人は相談にたいして不信感を抱いている人、面倒、相手の負担になると考えている人も多かった。」(注7,p12)
健康状態は、「孤独感と心身の健康状態との強い関連性が示された」(注7,p12)
社会とのつながりの状況については、「社会活動(人と交流する活動)については、「不参加者は参加者より孤独感が高く」とか「家族や友人との私的な」「会話頻度が少ないほど孤独感は高く」(p20)という。
このことは、フランクルがいう「体験価値」を持つことが有効な対策になることが示唆される。
「あなたのいばしょチャット相談」によせられた相談件数では、「メンタルに関する相談が32.5%と最も多く」(注7,p45)とされている。
うつや不安症が含まれているようであるから、これを治療する精神療法の支援先につなぐことが良き対策になると思う。
一方、孤独感から、うつ病になるリスクが高いことが知られているのは、次のとおりです。
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5368
★孤独とうつ病・自殺は相互関係
ロゴセラピーは、実存的空虚感から起きるうつ病を治療できる精神療法であることが強調されていますから、
ロゴセラピーもSIMTも、孤独・孤立対策と、自殺対策(地方創生SDGs 3.4)にある、うつ病を治療するという側面から支援
できると思います。
地方創生SDGs 3.4のソリューションとして登録しています。ロゴセラピーやSIMTの実践をアドバイスすれば、うつ病や不安症が改善する可能性が高いです。
https://match.future-city.go.jp/pages/platform/c301/2200159
◆内閣府の地方創生SDGs ソリューション
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5184
◆内閣府 孤独・孤立対策プラットホームの会員として支援プログラム
注目すべきなのは、「相談に対して不信感を抱いている人」が多いことです。
「にもかかわらず、サポートの相手がおらず、孤独感が高い人は相談にたいして不信感を抱いている人、面倒、相手の負担になると考えている人も多かった。」(注7,p12)
うつ病の場合、子どもの場合は、少し違って、「相談しても解決しない」と思いこんでいる子どもが多かったと思います。うつ病は、実に不思議な病気です。絶望させてしまう、この深刻な症状が治療できるものとは思っていない可能性があります。
だから、精神疾患、特に「うつ病」についての学校での教育を充実させてほしいと思います。症状と治す「治療法」があることを教育しておいてほしいです。そうすると、つらくなった時に、相談して治療を受けようという気になり自殺が減少するでしょう。
また、不信感を抱く人も多いのですから、信頼される相談、治療の場所を作ってほしい。
それにしても、うつ病を治す精神療法が充実していません。アメリカの専門家は、効果の高い精神療法の研究に熱心です。アメリカのひとに、SIMTを紹介しようと動いてくれているひとがいます。SIMTの効果をアメリカで検証してもらえば、日本に逆輸入できるでしょう。この動きが実ることを願います。
【関連記事】
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5352
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5223
◆ 地方創生SDGs ターゲット 3.4 自殺の減少
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5224
◆ 地方創生SDGs ゴール4 質の高い教育をみんなに
(注1)NHKこころの時代 テキスト 『ヴィクトール・フランクル 〜それでも人生には意味がある』勝田芽生、NHK出版
(注2)大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社
SIMT:Self Insight Meditation Therapy(SIMT)、自己洞察瞑想療法
(注3)大田健次郎『「死」と向き合うためのマインドフルネス実践』佼成出版社
(注5)フランクル『人間とは何か』山田邦男監訳、春秋社
(注6)山口尚『幸福と人生の意味の哲学』トランスビュー
(注7)内閣府 第5回 孤独・孤立対策 有識者会議 資料1−2
(注9)内閣府 「孤独・孤立対策推進法の概要」
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5750
【目次】ヴィクトール・フランクルと後期西田哲学の実践論
〜それでも人生には意味がある
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Posted by
MF総研/大田
at 17:08
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マインドフルネス心理療法
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