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その4)必然と自由意志 [2026年01月21日(Wed)]

マインドフルネス心理療法SIMTの構造

  【セッション7の意図】 必然の世界で自由意志で生きる 〜 自己と世界はひとつ・非二元観

その4)必然と自由意志

 セッション7は、「受け入れ」の心得が重視されている。つらいからといっても、逃避、回避、などせず、依存行為などせず、自分の生きがい価値に向けて意志を決断していく。
 後期西田哲学の重要な理念がセッション7の背景には、次のように多くのことがある。

1)創造的世界の創造的要素
 → https://blog.canpan.info/jitou/archive/5825

2)作られたものから作るものへ
 → https://blog.canpan.info/jitou/archive/5826

3)非二元観=世界の中に自己、自己の中に世界
 → https://blog.canpan.info/jitou/archive/5827

4)必然と自由意志
 この記事

5)価値にも執着しない

その4) 必然と自由意志

〜つらい現実を見ても受容し、回避逃避せず、依存で先延ばしせず、価値実現への自由意志を持つ

★必然
 時々刻々と、世界は変動している。ひとの中には、その人間の生きがいとすることに執着するものがあり、独断偏見によるものがみられる。だから、自分にとって、つらいことが多い現実を見る。
 それが事実であるが、我々が、感覚によって世界(環境)を見た(認識)瞬間、それは過去になる。見たものは過去である。過去を変えることはできない。自分にできることは、現在と未来である。
 そういう意味で、見たものは変えられないから、受け入れるしかない。

★自由
 だから、見たものは、過去であるから、変えられない、「必然」であるから、受容するのである。しかし、ひとは「自由」を持つ。どんな状況にあっても、自由を決断できる存在である。自分は、つらいことを見ても、価値崩壊の反応ではなく、価値実現への意志を行使する「自由」を持っている。
 これが、「受容と自由意志」である(注1,p131)。「必然と自由意志」である(注1,p133)。

 見たものを避けようとしたり、否認したりすることは、自分の生きる世界を避けるとか、否定することになる。それでは、自分は、自分の生きがい価値の世界を作っていくことができない。だから、認識の局面は、必然として「受け入れる」「受容」するのが、自分の世界をまっ正面から生きることになる。
 回避、逃避、まぎらし、依存は、自由を放棄しているのであり、生きがい価値を実現できない。ほかの行動を決断できる自由意志を持つ自分である。

 観たものは、つらいと瞬間評価しても、瞬間に過去となるから、変えられない。必然であると認識して、しかし、自分には、自由意志があり、価値実現の行為を決断するのである。これが、西田哲学の教える現実であるから、そのとおりに行動していくのが、SIMTの方針である。

 うつ病や不安症、PTSD、過食症などの回避、逃避、まぎらしの行動にチャレンジできる自由意志を行使するのである。
 自分で解決への行動ができない場合、無行動でいるのではなくて、支援を受ける行動も重要な自由意志である。
 他者のハラスメント行為によって、つらいことが意識された場合は、一時避難してしかるべきところに相談するのが、自由意志である。
 何も行動しないで、つらい感情を起こす思考を回転するのでは、うつ病になるリスクがあり、価値実現の行為ではない。

  たった一度きりの、尊い人生である。うつ病や不安症、PTSD、過食症などになっているひとは、これらを完治させる自由意志をもつ。証明していただきたい。

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★必然の自由、自由の必然

 同様のことをフランクルもいう。

 「人間は本質的に必然性を超越する存在なのです。人間としての「可能性を超える」ことはまれであるとしても、人間はつねに必然性を超える存在なあのです。人間は、確かに必然性に関わることによってのみ「存在する」のですが、しかし、その関わりは、必然性の対する自由な関わりなのです。」 (ヴィクトール・フランクル『制約されざる人間』山田邦男訳、春秋社、p213)

(注1) 大田健次郎(2013)『うつ・不安障害を治すマインドフルネス』佼成出版社

(注2)10段階を一覧表にしたのが、次である。
http://mindfulness.jp/katudou/2023-10session.pdf
https://blog.canpan.info/jitou/archive/5814
【目次】マインドフルネス心理療法SIMTの構造

Posted by MF総研/大田 at 21:18 | マインドフルネス心理療法 | この記事のURL